05 9月 令和2年9月 定例会(第3回) 09月03日
眞野義行
皆様、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。なお、議長の許可を得まして資料を用意しております。後ほど説明させていただきます。
質問は大きく分けて2つです。大問1は、小中学校及び義務教育学校での新型コロナウイルス対応について。大問2は、多文化共生指針について。
それでは始めます。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、本年3月から全国的に始まった教育機関の臨時休校。地域によって異なるものの最大4か月に及んだ休校の中で、日本の教育システムについての弱点が大きく露呈しました。それは、皆さんもご存じのとおり、ICT活用教育です。特に、休校中のオンライン学習環境の整備については、教育関係者並びにマスコミ等で先進諸国からの遅れを指摘されました。また、公立学校と私立学校でのオンライン学習環境状況の差が、教育の格差につながり平等性を損なうという指摘も多くされるようになりました。
これを受けて、文部科学省は6月5日、新型コロナウイルス感染症対策に伴う児童生徒の「学びの保障」総合対策パッケージ詳細版を発表しました。その基本的な考え方として次の4点を挙げています。
1、臨時休業中も学びを止めない。2、速やかに、できるところから学校での学びを再開する。3、あらゆる手段を活用し、学びを取り戻す。4、柔軟な対応の備えにより、学校ならではの学びを最大限確保。特に、4番目の学校ならではの学びの最大限確保という項目で、ICT環境整備について次のように述べています。
1人1台端末の早期実現や家庭でもつながる通信環境の整備など、GIGAスクール構想におけるハード・ソフト・人材を一体とした整備を加速する。その整備の加速が、災害や感染症の発生時における学校の臨時休業等の緊急時においても、ICT活用により全ての子供たちの学びを保障できる環境につながる。そのために、まずは家庭のパソコンやタブレット、スマートフォン等の活用、学校の端末の持ち帰りなど、あらゆる機器や環境を最大限活用するために、各学校及び学校の設置者において、家庭の通信環境について至急把握する。
一方、経済産業省教育産業室は、既に2018年1月に未来の教室とEdTech研究会を立ち上げ、国を挙げてEdTechを推進してきました。EdTechとは、インターネットなどの情報通信技術、いわゆるICTを活用して教育を提供する技術サービスの総称です。
経済産業省は、本年4月に次のような緊急メッセージを発しています。新型コロナウイルス感染症対策、全国の学校の臨時休業は進むでしょうが、そんなときこそEdTechがその力を発揮します。学校が閉まっているからって、学びを止めないで済む。そんな社会の実現に向けた挑戦だと前向きに考えましょう。
残念ながら成田市は、保護者アンケートの結果、通信環境が整わない家庭があり、教育の平等性を欠くという観点から、ICT活用のための準備を進めず、このEdTechサービス導入の検討も行わないまま、従来どおりのプリント形式で2か月を過ごしてしまいました。しかしながら、ようやく成田市も動き始めました。7月30日、教育長名で休校中のオンライン学習環境の整備についてという文書が、成田市内小中学校、義務教育学校に配付されました。そこで、その内容について3つ質問します。
1つ目は、校内に感染者が発生した場合、休校措置が2週間程度とありますが、閉鎖する規模と基準を教えてください。
2つ目は、小学校6年生と中学校3年生を対象にしたオンライン授業を行うとありますが、どのような形の授業を準備しているのでしょうか。
3つ目は、オンライン授業を行うにあたって、教育委員会職員や学校教職員のタブレット端末操作及び双方向通信活用の研修が必要ですが、その進捗状況を教えてください。
次に、技術的な研修を急速に進めるためには、同時にGIGAスクール構想についての共通理解が、全教育委員会職員及び全学校教職員に必要になります。昨年12月に文部科学省から発表されたGIGAスクール構想の実現パッケージには、学校ICT利活用ノウハウ集や民間企業等からの支援協力募集など、民間等の外部支援により導入、利活用を加速するということが提示されています。
6月議会教育民生委員会で、教育委員会の答弁にあった12月から開始予定のGIGAスクール構想研修会は、インフルエンザ等別の感染症の心配もある中、計画どおりいかない可能性が高いと思います。そこで、質問します。12月から開始する予定のGIGAスクール構想研修会のスケジュールについて、予定を変更するお考えはありますか。
さて、約2か月半にわたる長期休業によって、児童生徒の心と体の変容について非常に心配されました。最初の1~2週間は元気に通っていたが、学校の授業が本格化するにつれて、登校を渋る生徒が出てきたり、7時間目授業を行っている学校では、その日だけ休む。また、7時間目になると涙が出てきてしまうという報告が、私の元に届いております。実際に私も、地域小学校の朝の登校指導のお手伝いを継続して行ってきましたが、学校近くまで親と一緒に来ながらぐずって帰ろうとする女の子、登校時間に遅れたからという理由で帰ろうとしていた男の子、巡回中のおまわりさんに説得されて何とか学校にやってきた女の子。私も一緒に学校まで送り届けたりしました。
そこで、次の質問です。学校再開後、市内小中学校、義務教育学校で教育相談等のカウンセリングが行われましたが、外国人を含む児童生徒たちにどのような変容が見られたでしょうか。また、虐待等の事例が発生したのでしょうか。
続いて、感染防止対策のための放課後の消毒作業や3密を避けるという新たな指導項目が増え、さらに多忙化を極めた教職員についての質問です。
成田市の場合、学校再開後、2日から給食が始まりました。3密を避けながらの給食指導は困難を極める上に、小学新1年生や2年生の給食指導は、想像を絶するほど大変でした。ある市の小学校の管理者の方は、小学生の日常に密を作るなという指導は現実的には無理です。本当に先生方は神経をすり減らしていますと話されていました。そして、新たに加わった放課後の校内消毒という作業。成田市は、たとえ保護者でも、校内消毒のサポーターを校内に入れることを禁止しています。そのために放課後30分は消毒という業務が増えました。中学の場合、部活が始まると顧問は部活、副顧問は消毒、当番制にすることも大変でした。
そこで、次の質問です。放課後の消毒作業や3密を避けるという新たな指導項目が増えましたが、現場の教師が感じた困難さや不安についての調査は行われたのでしょうか。
さて、今回の新型コロナウイルス感染症は、学校現場の様々な混乱を引き起こしました。児童生徒のほとんどが楽しみにしている学校行事の縮小や宿泊を伴う旅行行事の中止も、それらのうちの一つです。旅行行事については、近隣市町では、佐倉市、四街道市、富里市、八街市、香取市、印西市、白井市、そして芝山町が、宿泊を伴う旅行行事の中止を発表しています。
さて、この状況の中、成田市は現在も旅行の行き先や時期を学校長判断にしています。先月、8月23日と25日、それぞれ京都方面に新幹線とバスで2泊3日の修学旅行を計画していた2つの中学校は、教育委員会と協議の結果、その10日前に中止が決定されました。まだこれから京都、長野方面への2泊3日の修学旅行を企画している学校や、3月の卒業間際に修学旅行を計画している学校もあります。
一方、保護者アンケート結果を基に、早々と宿泊を伴う修学旅行を中止し、3月に日帰り旅行を計画している学校もあります。宿泊を伴う旅行行事が、学校ごとに大きく異なるというのは、私は平等性に欠けると思います。
そこで質問します。学校行事の裁量は、校長にあることは地域性を生かした教育を実践する上で大切なことですが、宿泊を伴う旅行行事については、市の統一見解が必要だと思いますが、市の見解をお伺いします。
次に、大問2、多文化共生指針についてです。
昨年12月の私の一般質問、多文化共生についての一般質問答弁の中に、本年11月の制定を目指して作業を進めているところであります。また、外国人の方々のご意見に関しましては、ワークショップや住民アンケートなどをはじめとした機会を設け、耳を傾けてまいる予定でありますとありましたが、現在の進捗状況を教えてください。
以上で、壇上からの質問を終わりにします。
秋山忍 議長
小泉市長。
〔市長
小泉一成君登壇〕
小泉一成 市長
眞野議員の多文化共生指針についてのご質問にお答えいたします。
策定の進捗状況についてでありますが、近年、増加傾向にある外国人住民をはじめとする全ての市民が共生できる地域づくりを進めるため、昨年10月に庁内組織である成田市多文化共生指針策定委員会を立ち上げ、全庁的な連携の下、作業を進めております。
これまでに、外国人住民を対象とした日本語教室への訪問、市政モニターへのアンケート調査などを実施したほか、国際医療福祉大学の協力を得て、留学生に対するワークショップを開催し、生活の中で感じたこと、多文化共生社会を実現するために大切なことなどについて、忌憚のないご意見を伺ったところであります。
現在は、外国人住民及び日本人住民の方々へのアンケート調査を実施し、共生のための課題などについて広くご意見をいただき、その取りまとめを行っております。今後は、外国人住民が在籍する市内の学校や事業所などを訪問し、職員の皆様や外国人住民の方々から、直接お話を伺う機会を設けてまいりたいと考えております。
こうした様々なご意見を集約したのち、市民の皆様へのパブリックコメントを実施し、指針を策定してまいります。指針の策定時期につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、本年11月という当初の予定は、困難な状況となっておりますが、早期の策定を目指して取り組んでまいります。
なお、小中学校及び義務教育学校での新型コロナウイルス対応についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。
秋山忍 議長
関川教育長。
〔教育長
関川義雄君登壇〕
◎教育長(関川義雄君)
私からは、小中学校及び義務教育学校での新型コロナウイルス対応についてのご質問にお答えいたします。
まず、校内に感染者が発生した場合の休校措置の規模と基準についてでありますが、陽性者と濃厚接触者の人数や最終接触日などから保健所と協議し、学校及び教育委員会で判断していくこととしております。
また、休校措置を取った場合の小学6年生と中学3年生を対象としたオンライン授業につきましては、学ぶべきポイントを絞り、1日に1時間程度の授業をオンライン会議システムにより配信し、その後、練習問題や発展課題などの自主学習を促す形を考えております。
オンライン授業は、当該学級を担当している教員が行い、機器の接続・操作などにつきましては教育指導課指導主事が支援いたします。家庭にオンライン授業を受けることのできる環境が整っていない児童生徒につきましては、学校のコンピュータ室の活用も検討しております。さらに、モバイルWi-Fiルーターの貸出しや配信時に視聴できない児童生徒のために、授業を録画してインターネット上に限定公開する準備なども進めております。このほか、休校となった学校の全児童生徒の学びを継続させるため、理解度に応じて学習内容を選択することができるAI型ドリルの活用も考えております。
教職員への研修の進捗状況につきましては、成田市緊急時におけるオンライン授業実施マニュアルを作成し、各校に周知したところであります。これは、学校全体で休校時の具体的な対応方法を共有するためのもので、教育指導課指導主事などが実際にオンライン会議に参加したり、教育指導課内で模擬オンライン会議を実施するなど、ICTに対する苦手意識のある教職員でも操作できるようなマニュアルといたしました。
このマニュアルにより、各校でオンライン職員会議を実施することも可能となり、今後、何校かをモデル校として実施することを検討しております。また、今月から市内学校間での遠隔会議でも活用し、まずは教職員がオンライン会議システムに慣れるよう取り組んでまいります。
次に、GIGAスクール構想に関する研修会についてでありますが、端末の納入に合わせて、ICT支援員や教育指導課指導主事の下、端末や授業支援・学習支援ソフトの効果的な活用事例や授業展開の方法を全教職員で共有できるよう実施し、子供たち一人一人の資質・能力を個に応じて育てていけるよう努めてまいります。
次に、学校再開後に児童生徒にどのような変容が見られたかについてでありますが、指導主事などによる全小中学校、義務教育学校への訪問を通して学校の実態把握を行ったところであり、再開当日は、児童生徒の様子はとても元気で笑顔が多く見られました。学校が再開し、3か月が経過しましたが、今では学校における新しい生活様式に慣れてきているようであります。休校に起因すると考えられる虐待についての報告はありませんが、今後も学校との連携を密にし、助言・支援をしてまいります。
次に、放課後の消毒作業や3蜜を避けるという新たな指導事項が増えた後の現場の教師の様子についてでありますが、学校訪問時の管理職への聞き取りや校長会などを通じ、状況の把握に努めております。消毒作業におきましては、これまで、児童生徒の下校後、手すりやスイッチ、共用の用具など、校内の消毒を毎日、教職員が行っておりましたが、本年8月に改定された文部科学省の衛生管理マニュアルにより、消毒につきましては、通常の清掃活動の一環として、新型コロナウイルス対策に効果がある家庭用洗剤などを用いて、発達段階に応じ児童生徒が行っても差し支えないと示されたことにより、教職員の負担も軽減されると考えております。
次に、宿泊を伴う旅行行事についてでありますが、教育委員会では、年度当初に各学校に対し、学校行事の精選や工夫を依頼しており、各学校では既に時期をずらしたり、旅行先を変更しております。教育委員会といたしましては、修学旅行は教育的な意義が大きく、学校生活での最大の思い出となることも多い行事であることから、児童生徒のために、できる限り実施していただきたいと考えております。このことから、学校に宿泊を伴う行事の実施に係る判断の観点を示したところであり、感染状況や保護者の意向を考慮し、各学校と個別に対応し、支援してまいります。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
ありがとうございます。それでは、自席より質問を続けさせていただきます。
順番を変えて、大問2の多文化共生指針の進捗状況について。これは第2質問ではありませんが、一言述べさせていただきます。
緊急事態宣言下、外国人留学生支援の問題は、マスコミにほとんど取り上げられることはありませんでした。本市でも多くの生徒が生活困窮で苦しんでいましたが、朝日新聞社と毎日新聞社が成田市に取材に訪れ、私費留学生の生活の困窮について、記事にして全国紙に掲載してくれたりしました。しかし、日本社会では、現在も救われるべき人たちの中で、その優先順位が果てしなく下に位置しています。
しかし、そんなときでも社会福祉課、市民協働課、国家戦略特区推進課の職員の方々には、生活に困窮している私費外国人留学生に関する支援や情報提供などでご協力をいただき、本当に感謝しております。留学生自身や日本語学校の先生方も大変喜んでおりました。
そして、おととい、市民協働課の方がわざわざ私の元にお越しくださり、8月27日の千葉県市長会、千葉県町村会、新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要望において、成田市単独要望として、外国人留学生等への支援についてが採用されました。それをわざわざご報告に来てくださいました。以下がその内容です。
外国人留学生は、生活費を自分で賄っていることが多いが、感染症の影響で経営が悪化した就労先から十分な説明を受けることなく、休職を強いられた留学生も数多くいる。帰国困難な滞在者等については、在留期限等の規制が緩和されているものの、生活費を支援する公的制度がないことから、困窮に瀕している留学生に対し生活費の支援を講ずること。私は、とてもうれしく思いました。市民協働課の方々が要望書をまとめ、それを市長会に提出してくださり、成田市の要望として、千葉県の検討のテーブルにのったのです。これがこのまま受け入れられるかどうかは別として、外国人留学生にとっては、成田市が関心を持ってくれているということはすばらしいことです。国際都市成田として、多文化共生に向けてこれはとても大きな前進だと思います。ありがとうございます。
それでは、大問1、小中学校及び義務教育学校での新型コロナウイルス対応についての2次質問に入ります。
ここで、お手元の一覧表をご覧ください。資料1となっているものです。私が、5月から7月中旬にかけて、千葉県内54市町村の教育委員会に電話で聞き取り調査をした結果です。北総教育事務所並びに千葉県教育委員会にも足を運び、ヒアリングを行いました。この調査結果は、各市町村教育委員会に対し加筆・訂正の有無について確認してあります。ただし、2か月かかった調査でしたので、最新ではない部分があるかもしれません。
それでは説明を始めます。新型コロナで休校になった3月から6月上旬までの間、学びを止めないという文科省のスローガンの下、教育委員会や学校が児童生徒に対してICTを活用しながら、どのくらい学習の機会を提供できたかについての調査です。なお、表の空欄部分は、何もしていないという意味ではなくて準備、検討中という意味です。
まず、表のホームページブログによる情報発信状況についてです。こちらは、電話によるヒアリングではなく、私が千葉県下1,135の公立小中学校、義務教育学校のホームページを一つ一つ見て調査した結果です。ホームページの重要性は、民間企業でも飲食店などでも、その出来で経常利益が左右されると言われているほどです。
今の時代、可視化することは安心安全に向けた非常に重要なポイントになります。学校現場でも同様です。ウェブ上では、その学校がどういった運営をし、児童生徒がどのように過ごしているかが分かれば、その学校の透明性をアピールし、結果として信用を得ることにつながります。まして日々の活動が公開されていればなおさらです。紙媒体以外の様々な情報発信の必要性が迫られています。そもそも印刷物は、どんなに頑張って教師が作成して配布しても、特に学校あるあるですが、特に、男子の場合、保護者に行き届かないことが間々あります。1年前の文書がかばんの底から出てくることもあります。まちcomiメール以外にも、ウェブ上に掲載されていれば、保護者はスマホ等で簡単に情報を得られます。
資料2をご覧ください。これが県内いろいろありますが、それぞれ学校のホームページの状況になっております。下のほうに本市の小学校と中学校が載っております。この内容については後で説明いたしますが、今言っている、これから説明するブログというのは一体何かというと、例えばこの真ん中あたりにある君津市立八重原小学校の右下のところにピックアップニュース、それから新着情報。あとは富里市立富里北中学校、ここは真ん中にあります。写真をつけて子供たちの日常をコメントを添えて発信すると、これがブログ発信ということになってきます。
それでは申し訳ないですが、先ほどのまた表に戻っていただいて、このブログというものに関しては、番号4番、上から4つ目、八千代市教育委員会、ここの委員会の取組には驚嘆すべきものがあります。学校ごとのページの仕様は異なっていますが、全ての小中学校が毎日、児童生徒の活動をブログで更新をすることが前提となったつくりとなっています。そして、実際に32小中学校が全て毎日更新しています。
印西市は、形式を統一していませんが、27校中26校というほぼ100%の割合で毎日ブログを更新しています。もちろんこれらの地域では、学年だより等の紙媒体のものも発行されています。つまり情報発信ツールが複数あるということです。ちなみに参考ホームページに学校名が入っていますが、例えば習志野市だと藤崎小学校、八街市、八街中、八街北中と、これは私が調査したホームページの中でも、特に見た目も含む情報発信力も、優れた学校の紹介です。
次の項目、隣です。これは教育委員会独自、または契約している学習コンテンツ整備状況です。先ほど説明したICTを活用して教育を提供する技術サービス、EdTechの一覧です。54市町村のうち34の市町村がEdTechサービスを利用しています。名前には、eライブラリアドバンス、ミライシードなども入っています。皆さんも英語学習ならスタディーサプリというフレーズのコマーシャルをご覧になったことがあると思います。これらもそのうちの一つです。印刷をしなくとも端末上で学習を進められるというものです。
その隣の項目は、教育委員会独自で作成した家庭学習コンテンツです。学校ごとのプリント配布とは別のものです。習志野学習支援応援サイト、やっち学びの部屋、うらやす学びの広場など、このうらやす学びの広場は、校長会からの要望で作成したそうです。ほかにも市原市まなびのへや。
その隣は、授業動画配信です。習志野市の150本以上の動画配信、それに負けじと私も度々例に挙げていますが、八街市の160本以上。野田市、市川市、八千代市、船橋市、流山市、千葉市の取組にもすばらしいものがあります。千葉県が制作・配信したものとは別に、教育委員会主導で独自の授業動画作成及び配信を行っていました。出演する教師の肖像権の問題があるので、保護者宛てにパスワードを発行し、セキュリティに配慮しています。基本的には、休校措置が終われば配信を止めます。特に、習志野市と八街市は、現在も動画配信を継続しており、特に八街市はやちまたオンライン夏期講習と銘打って、8月も毎日1本の動画をアップし続けました。
次の項目は、学校独自授業動画配信についての調査です。1本10分から最長30分の学習動画を学校の職員のみで制作している地域一覧です。7月6日に児童の感染者が確認されたある学校、船橋市の学校では、4日間の臨時休校中に、初日を準備期間にして3日間オンライン授業を実施しました。今もホームページで時間割を見ることができます。
市川市は、LINEでの動画授業配信をLINE株式会社に依頼し、逆にLINE株式会社が、これは有効性があるということで4日間でシステムを完成させて全国配信を始めました。
八千代市は、2018年に全小中学校ICT一斉更新を実施し、その際に富士通の協力を仰ぎウェブ会議システムを導入しています。
最後の2つの欄は、校内活動や教職員会議及び研修等での双方向通信利用状況です。双方向ツール活用参考事例としては、マスコミでも取り上げられた手賀東小学校のオンライン社会見学、私もこれは実際ニュースで見ました。印西市立船穂小学校の沖縄県・長崎県とのオンライン交流、市原市立加茂学園、小中一貫義務教育学校です、のニュージーランドとのオンライン国際交流。
休校中に双方向通信を活用したオンライン学活、密を避けるために行われたオンライン保護者会、オンライン校内児童・生徒会、オンライン進路説明会、授業参観などなど、新型コロナをIT化の大チャンスと捉え、新しい取組を行ってきた地域、学校がこれほどあるのです。
また、地域連携事業として千葉工業大学と協定締結をした委員会が15あります。地域連携事業の中には、小中学生対象の出前授業の開催、小中学生を対象としたタブレットを活用したICT教育支援などあり、予算をかけずにICT活用を推進することができます。その中の勝浦市立勝浦中学校は、この協定を生かし、大学のタブレット入れ替え時にiPadの提供を受け、最小限の予算でICT整備を進めました。2019年約100台、2020年約200台、その結果、勝浦中の先進的な取組は、様々なメディアに取り上げられ、全国に紹介されました。
さて、資料の裏面をご覧ください。そこに本市の名前が出てきます。先ほど申し上げましたが、空欄は何もしていないという意味ではありません。準備中で、これは7月の中旬までに行われた調査ですので、現在は違うと思います。私は、この一覧表とほぼ同様なものを7月20日の段階で教育委員会に提出しました。私は、そのときもICT活用教育の必要性と緊急性を1時間かけて訴えました。しかしながら、教育部全体には広がりませんでした。教育長のお手元には、いつ頃届いたのでしょうか。この状況を踏まえて質問します。
1日に1時間程度の授業とは、1人の教員がカメラに向かって1時間近く授業をするということでしょうか。また、当該学級担当教員が行うということですが、中学校は教科担任制です。中学校の場合、誰を想定していますか。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
小中学校いずれにおきましても、1回20分前後の授業を2回実施する予定でございます。小学校では、6年生の学級担任、中学校では学校ごとに2教科を選択していただいて、その担当教員が授業を行うことを想定しております。また、オンライン授業の実施判断につきましては、休校の日数、学校の状況を考慮した上で行ってまいりたいと考えております。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
続けて、機器の接続・操作などにつきましては、教育指導課指導主事が支援するとのことですが、複数校で感染が発生した場合、どういった対応をお考えですか。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
複数校でオンライン授業を実施することとなった場合には、学校ごとに時間をずらすなど工夫しながら対応してまいりたいと考えております。また、オンライン授業実施マニュアルに基づく研修会につきましては、今月は2回程度予定しておりまして、今後、指導主事が支援しなくても各学校で独自に対応できるような体制づくりを進めてまいりたいと考えております。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
質問を続けます。授業を録画してインターネット上に限定公開するということですが、具体的な方法を教えてください。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
動画共有サイトに授業動画を投稿しまして、取得したURLアドレスを学校から各家庭に通知させていただきます。なお、休校が解除になりましたら、投稿した動画については削除する予定でございます。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
続いて、AI型ドリルの活用をいつから始める予定ですか。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
休校措置が決定した場合、すぐに児童生徒が取り組めるような体制を準備しております。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
続けます。教育指導課指導主事などが実際にオンライン会議に参加したり、教育指導課内で模擬オンライン会議を実施するとありますが、どういった規模で何回ぐらい行われましたか。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
教育指導課の職員同士の模擬オンライン会議や学校からも数校の教員が参加していただいた模擬オンライン会議を4~5回実施したところであります。この会議を通じまして、オンライン授業を運用していく上での課題、その対応策を検討しているところであります。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
次の質問です。GIGAスクール構想に関する研修は、端末の納入に併せて行うとのことですが、納入が年度末になった場合、6月議会答弁であった12月開始は不可能ということでしょうか。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
先ほど教育長のご答弁にもありましたように、端末の納入時期、また校内LAN回線の整備にもよりますが、できる限り早い研修が実施できるよう準備を進めているところであります。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
ここで一旦質問をやめて、4月の緊急事態宣言下で教育委員会に対して行われた書面による質問及び回答、そして要望について紹介させていただきます。
むなしいことに、ほとんど同じ質問を私を含め複数の議員が、質問、要望として教育委員会に問いかけています。4月10日、ユーチューブ等のオンライン授業を検討してみてはいかがでしょうか。4月12日、小中学校において、今後、ウェブ授業が導入されることを予想し、教員が授業の映像を作成するなどの授業研修、授業映像作成などの予定があるかお伺いします。また、現在の児童生徒に対し、学習プリントだけでなくどのように学習の確保をする予定かお伺いします。5月8日、教職員のオンライン会議実践についてのお願い。5月13日、オンライン授業配信ができないものか。5月21日、基礎疾患がある児童生徒は、オンライン授業を導入し、自由登校としてほしい。
これらに対する教育委員会の回答は、オンライン授業を行うためには、児童生徒が視聴するための機器、タブレット等やインターネット環境が必要となります。全児童生徒の家庭にこれらの環境が整わなければ、教育の平等性を保障することはできず、オンライン授業の実施は現状では困難であると考えています。また、各学校においては、新型コロナウイルス感染の拡大防止及び職員に感染症が出た場合の業務の停滞回避を目的として、交代制勤務を実施しているところであり、教員による授業映像作成のための研修などを行う予定は、現在のところではありません、でした。
さて、私はこの54市町村聞き取り調査の中で、学校独自授業動画配信や先進的な取組をしている学校の校長先生方にも、複数直接、3人でしたが直接お話をお伺いしました。ある学校の校長先生は、誇らしげにこんな話をしてくださいました。休校中の交代制勤務時に、先生同士で15分動画を作り続けました。しかし、15分という短い時間でポイントを絞った授業を行うということは、意外に難しいです。1回で満足のいくものはできませんから、先生方で何度も撮り直しをするんです。そうすると、これまで受けてきた以上の授業研修になりました。15分という短い時間設定により、授業者自身が何度も動画を確認できる。先輩教員や同僚と簡単に意見交換ができる。目の前にいない子供たち対する言葉の抑揚のつけ方、声の大きさ、言葉の区切り方など、ポイントを絞って授業改善ができるので、学べることはたくさんありました。このコロナによる休校というピンチは、先生方にとって授業力アップの、まさにチャンスになっています。
ちょっと質問しました。成田市は行っていないということですか、もったいないですねと言われました。現在、この学校がある船橋市では、オンライン授業用の指導案作成研修に入っています。これは、船橋市教育委員会ホームページにもアップされていますので、ぜひ成田市でも参考にして、短いものをどうするかを考えていただきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。放課後の消毒作業についてお伺いします。簡素化や児童生徒の手伝いにより、教職員の負担も軽減されるというお話ですが、6月議会で3名の議員が、地域ボランティアや専門業者の手伝いについての質問及び要望を出しました。そのときの回答では、感染拡大のリスクを減らすために、保護者であっても外部の人間を校内に入れないという回答でした。それを変更するお考えはありますか。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
外部からの来校を極力避けるということで、校内が健康な状態であることを維持するという基本的な考え方に変更はございませんが、先月の校長会を通じまして、ボランティアの方が継続的に健康観察を行い、当日の健康状態も良好であることを確認できた場合には、学校長の判断で地域の感染状況も考慮しながら受け入れることを可能としております。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
市内のある学校では、既に6月の段階で保護者ボランティアの受入れをしている学校がありました。8月17日に、この事実について教育委員会に話してあるので、部長も教育長もご存じだと思いますが、こういった文書がPTA会長名で出ています。その一部を紹介します。
校内衛生ボランティアには、70名を超える皆様にご協力いただき、どのような言葉で感謝申し上げればよいのか分かりません。再開の折には改めてご連絡いたします。PTA会長の言葉です。それを受けて校長先生です。子供たちや学校のために迅速な判断、対処をしていただき心から感謝いたします。先を見通すことのではない状況の中で、こうした保護者の皆様の温かい理解とご協力、そしてご支援は、私たちの大きな心の支えになっています。
6月議会答弁と異なる事実が学校現場にあったわけですが、この学校は、保護者と教職員の絆が、やはり深まったと思います。しかし、ほかにはボランティアを断った学校もあります。どのような情報統制が行われているか分かりませんが、保護者同士ではなぜという疑問が起きています。今回、保護者ボランティアの規制が緩和されてよかったのですが、庁内での情報伝達及び意思の統一、そして各学校への丁寧な説明をお願いいたします。
次に、宿泊を伴う旅行行事についてお聞きします。千葉県内54市町村の決定事項、現状を、現在市としては把握していますか。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
地域の実態が異なっており、県内全ての状況を把握する必要はないと考えておりますけれども、近隣市町に関しましては、聞き取り調査などを行い把握しているところであります。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
先ほどの資料1をご覧いただいて、一番左のピンクで塗られている部分、これは現在、宿泊を伴う旅行行事を中止にしている市町村です。1ページ目を見ますと、この薄緑の54番、千葉市教育センターは、ここは中止にしていません。先日、長野県への2泊3日の修学旅行を実施して戻ってきました。透明の部分は、私の時間もなく調査ができなかったものです。裏面にも同じような形で調査が載っています。白抜きのところは、つまり調査が行き届いてないということです。
現在の千葉県内の現状としてはこのような形です。それから、近隣市町村では、先ほど私が最初の質問で言ったとおりの内容になっています。こういう状況の中、修学旅行を設定をするのはなかなか悩ましい問題だというのはよく分かります。
そこで、次の質問をしたいと思います。8月に京都方面への修学旅行を企画していた中学校は、2校とも中止になりました。9月以降も京都や長野方面に修学旅行を計画している学校がありますが、例えば京都市とはどのような連絡協議をされたのでしょうか。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
連絡を取りました7月時点では、京都市内での修学旅行は実施されていないとのことでありましたが、感染対策を整えると伺っております。また、各学校でも旅行業者を通して感染対策の詳細については、随時確認しております。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
最後に、修学旅行が中止になった学校及びこれから発生するキャンセル料は、今後どのような負担になるのか教えてください。
秋山忍 議長
清水教育部長。
◎教育部長(清水活次君)
市では、保護者の経済的負担を軽減するという目的から、市で補填してまいる予定でございます。
以上です。
秋山忍 議長
眞野議員。
眞野義行
どうもありがとうございました。先ほどの資料の中で、中止した自治体が、私が調べた39の中では、中止しないでやるということで、千葉市、栄町、そして本市の3つと。全体を調べていませんので、これについては何とも言えませんけれども、中止した自治体の保護者宛ての文書の中止理由は、1つ紹介します。
①千葉県をはじめ全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大していること。②寝食や入浴などで密を避けることが困難であること。③旅行先で児童生徒が発熱した場合の対処が困難であること。④児童生徒や教職員の安全を確保することが困難な状況であること。こういったことです。新幹線の座席、バスの座席、普通に座ると密です。新幹線はもちろん、バスも通常、窓を開けての走行は安全上の理由でできません。例えば京都方面の場合、新幹線に約2時間半乗車します。みんな大騒ぎにお弁当やおやつタイムが、大きな修学旅行の思い出にもなります。夜にスナック菓子を食べながら、先生の目を盗んで恋バナをするのも非常に大きな思い出になったりもします。
そういった事情がある中で、修学旅行をどう捉えるかというのはなかなか難しい問題がありますが、実際には中止になった学校で、不安だったから中止になって安心したという子供もいます。それから、もう無理だと分かっていたから大丈夫ですと。それより私は部活を、大会がやりたかったですとか。それから、やっぱり行きたかったという子も、様々な子がいます。
お願いなんですが、もう一度子供たちに修学旅行に行きたいか行きたくないかではなく、行けるかどうかの判断基準を子供たちにそのチャンスをあげたいと、行かせてあげたいというのがすごく世の中に出てきます。私も何と16回、京都・奈良に修学旅行を引率してます。ですから、修学旅行の醍醐味は分かっていますが、行かせてあげたいというような、例えば中学3年生の場合ですと、子供たちは行きたいかどうかを自分で判断をできるんです。つまりいつも保護的にかわいそうだ、行かせてあげたいというような保護する側として大人が見ていると、案外、子供たちの気持ちがずれていることが多い。
それよりも子供たち自身に、旅行行事にもかかわらず、これからコロナ禍における最後の思い出づくりをどうするか。これを例えば小中学校がありますが、中学校10校を生徒会長を集めてオンライン会議をやるんです。そして、自分たちがこれから中学校生活をどうやって過ごしていったらいいのか。この子たちは、5年後の成人式にもう1回つながりますので、ぜひ守られる存在ではなく、彼らが決められるようなチャンスを与えて、いろいろ行事を企画していただきたいと思います。
ICTのことも、全庁を挙げて担当者のみならず全庁を挙げて取り組まないと、現状なかなか厳しいと思います。ぜひ国際都市成田がICTでもトップになるような、そういう教育を行える都市であってほしいと思います。
チェンジナウ、私の大好きな議員の言葉です。今変わりましょう、以上で一般質問を終わりにします。