令和3年9月 定例会(第3回) 09月10日

令和3年9月 定例会(第3回) 09月10日

荒木博 副議長

次に、3番、眞野義行議員。〔3番 眞野義行君登壇〕

眞野義行

皆さん、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問を行います。
質問は、大きく分けて2つです。1つ目は、部活動の在り方について。2つ目は、あいさつ運動についてです。
それでは始めます。
開催の是非が問われ、一時期、国民の意見を二分化させてしまった感のあるオリンピック・パラリンピックでありましたが、本市から2名のメダリストが誕生したことは、誠に喜ばしいニュースでした。私も全力で応援しました。
さて、本市は2017年からパラリンピックアイルランドチームの事前キャンプ候補地として、様々な準備を行ってきました。8月18日には、中台公園でアイルランドチームの歓迎式典を行いました。公津の杜中学校吹奏楽部の演奏があるということで、私は選手の応援を兼ねて会場に参加しました。
歓迎に使われた演奏曲は、アイルランドと成田市の共同制作「PARA Beats!」というオリジナル曲。そのときの公津の杜中学校は、3年生引退直後で、しかもお盆明け、全体練習が僅か2回しかできないという状況の中、頑張りました。お天気には恵まれましたが、風が非常に強く、演奏前、演奏途中でも、譜面台がばたばた倒れてしまう中、最後まで演奏し切りました。
演奏が終わった瞬間に、パラリンピックアイルランドチームから大きな拍手が沸きました。しかし、その拍手は、単なるお礼の拍手ではなく悪条件の中、最後まで頑張り抜いた公津の杜中学校吹奏楽部に対する温かいメッセージ性のある拍手でした。ヒューヒューという声も聞こえて、この相互の思いやりの交換が、あっこれがパラリンピック、オリンピックの精神なんだなと、すごく感動した記憶があります。パラリンピックの選手を応援に来た中学生を、パラリンピックの選手たちが逆に応援し返すという、本当にいい光景でした。年齢、人種、言語に関係なく頑張った人をたたえ合うオリパラ精神そのものでした。
演奏終了後は、生徒たちがアイルランドの旗を持って、スタンドから必死に選手たちを応援していました。それは、先ほどの市長の答弁の中にもありましたけれども、とても美しい光景でした。スポーツや芸術に言葉は要らないなと、改めて思いました。当日、顧問の先生ともお話をしましたが、とにかく無事終わったことに安堵の表情。50人の部員の指導は、本当に大変だと思います。3年生が引退する前は、70人だったそうです。
後日、公津の杜中学校に生徒たちの感想を聞いたところ、こんな経験をしなかったらパラリンピックという競技に興味が沸かなかったからとてもよかった、アイルランドのことを知ることができてよかった、さらには自分の世界が広がったというような感想もあったそうで、これは学校の部活動がパラリンピック選手応援という活動に結びついて、大きな教育的効果を上げた例だと思いました。シティプロモーション部、スポーツ振興課の職員の皆さん、小さいけれどしっかりとオリパラの遺産が、生徒たちの心に残りました。4年間お疲れさまでした。
さて、その日の午前中には、中学生議会が開かれていました。その中の生徒の1人が、質問の最後に自分の意見として次のように述べました。
一部抜粋ですが、私はバレーボール部に所属していたのですが、コロナウイルスの影響で成田市は休校期間が明けても、全部活、朝練ができない状態でした。けれど、コロナ対策をしっかり取っていただいたおかげで、私たち3年生は総体という舞台でプレーすることができました。約2年半打ち込んできた部活動にしっかり区切りをつけることができ、自分の全力をぶつけることができる総体やコンクール、美術展の重要さを知りました。同時に、去年出場できなかった先輩のことを思い、部活ができることのありがたさに気づきました。このコロナのせいで、私たちの行事が全てなくなってしまうのはとても寂しいです。これからも中学生が全力で部活に取り組めて、中学校行事を楽しめるような対策をぜひお願いします。
実際に多くの中学生にとって最も重要な思い出になる部活動。先ほどの吹奏楽部のように、学校という枠を超えて学びの機会にもなる部活動。成田市部活動経営ガイドラインにも明記されていますが、改めて本市の考える部活動の意義及び必要性とは何か、小中学校における本市の部活動の現状や教職員及び児童生徒の意識調査を交えてお聞かせください。
さて、この中学校の部活動、教育的効果の高いことは多くの教職員が理解していることではありますが、同時に様々な問題を抱えています。例えば、冒頭で述べたような顧問1人に対する部員の多さ、大規模校では起きがちなことで、ある中学校の卓球部や陸上部などは、実質1人の顧問に対して70人、80人ということもあります。こうなると、練習に集中できないことから、おしゃべりしたりふざけ合ったり、それがけんかに発展し、いじめに近いような状態になることも実際にあります。その上、事故が起きたら全て顧問のせいになります。もちろん学校管理者の責任になりますので、1人が追及されることはありません。それでも自分の経験がある部活動なら何とか運営できます。
しかしながら、全ての教員が自分の競技経験のある部活動を担当するわけではありません。2017年スポーツ庁の運動部活アンケート結果では、保健体育の教師以外の教師で、担当部活動の競技経験がない部活動を担当することになった教員は45.9%、競技経験がある部活の顧問になれた数は34.3%、つまり約半数の教員が、自分の競技経験のない運動部活動を担当しているのです。さらに言えば、スポーツが苦手でも運動部顧問になるのです。スポーツを見て楽しむことと実際にやることには大きな違いがあります。その上、そのスポーツを指導しなければなりません。
しかし、これだけでは終わりません。大会においては、審判までこなさなければならないのです。自分の趣味として行うなら、それは楽しいかもしれませんが、指導という責任まで持たされます。さらに教師を悩ませる運動部活運営上の保護者対応、実はこれも大変です。ブラック部活動と言われる本当の問題は、拘束時間だけではありません。だからこそ、専門知識を有している外部指導者の弾力的な運用や部活動指導員が必要なんです。それはもちろん教師の働き方改革という側面もありますが、それよりはむしろ自分の好きなことに打ち込みたいという子供たちの若いエナジーを正しく消化させてあげる。ここに本当の狙いがあるはずです。
この問題については、2018年、2020年に鳥海議員から、2019年には大和議員から質問及び要望が出されていますが、教師の働き方改革促進という観点から、改めて質問をします。教職員負担軽減のために、外部指導者事業に対して大会引率等を可能とするような弾力的な運用について検討が必要だと思いますが、市の考えをお聞かせください。
ところで、本市はスポーツツーリズムの促進により、豊かな観光資源の創設、新しいビジネスの創出、地域の活性化などを目指すという目標の下、スポーツリーダーバンクの充実を図り、指導者を必要とする学校や地域団体などに人材を派遣するなど、バンクの有効活用を図っています。市民がスポーツボランティアとして積極的に学校教育の部活動の分野に参加していくことは、地域に根ざした開かれた学校という文科省の考えに合致し、部活動改革推進のためにも大きな役割を果たすと考えます。そこでお伺いします。本市のスポーツリーダーバンクの現状と活用状況についてお答えください。
次に、あいさつ運動についてお尋ねします。
今さらのテーマではありますが、コロナ禍の中だからこそ改めて挨拶の大切さを問いたいと思います。私は、昨年6月休校明けから、地域の小学生の様子が知りたくて、毎朝交通安全指導を続けています。校門の前は、校長先生が立たれるので、反対側、もりんぴあ側で交通整理をするんですけれども、自転車通学の中学生が集団で通っているときに、車の往来が重なると、ああこれは危険だなと思うときはあります。また、小学生1年生などは、何もないところでつまづいて、腕を支えずに顔面から転倒するという、それは聞いてはいたんですが、目の当たりにして顔面から落ちて頭がばあんと触れて、これはびっくりしまして、幸い大きなたんこぶができただけで済みましたが、校長先生も飛んで来られて、お母さんは何であなたは手をつかなかったのって、でも本当に手をつかずに倒れる子供がいるんだというのはすごく驚きましたが、大事に至らなかったのですごくよかったです。
それで、どんどん話がそれていってしまうんですけれども、また小さな側溝に、もう1つだけ言うと、側溝のこういう四角の小っちゃなところに、足が縦に入って、それを抜こうとして抜けなくなって大泣きして、緊急事態が発生するとかという、交通安全整理をしながら様々な救助活動が必要になるんだなと、小学生はなかなか大変だなということがありました。
そういった形で朝の登校指導はしているんですけども、学校までの道のりは大体2ルートを設定していますが、毎朝出会う小学2年生から4年生までの子供たちとは、いろんなことを話しながら学校に向かいます。小学生の持つ純粋かつ独特な発想に関心させられることがあり、これは意外に楽しいです。ある時、女の子が手に持ってきて、先生これあげる。何か先生と言われちゃうんですけど、先生あげると言って手を開くと石ころで、この石ころ何だいと言ったら、もりんぴあの石と言います。古くから伝わる秘宝か何か、庭に取ってあるんですが、こんな形で意外に楽しいことが多いのが続きます。声をかけるとすごく元気な声が返ってくるので、私も小学生との挨拶ってすごくいいなと。
ただ、やっぱり子供たちの中には、いろいろな問題を抱えている子供もいるから仕方がないんですけれども、下を向いたまますうっと挨拶もしないで、会釈はしたりする子もいるんですが、ああなかなか挨拶が気持ちよく返ってこない、なかなか大変な時期なんだなということもあります。コロナ禍の中、いつでもマスクをつけて、できるだけ大きな声は出さないようにしつけられているということもあるんでしょうが、挨拶くらいは明るく爽やかにし合える社会であってほしいと、最近すごく思います。
私は、道すがら出会う大人や学生たちにも、おはようございますと声をかけているんですが、皆さんきちんと挨拶を返してくれます。それは、多分、緑のジャケットが功を奏しているからではないかと思います。外国人の若者にも会うんですが、とてもうれしそうにおはようございますと言ってきます。言葉が通じなくても、挨拶という手段が、彼の孤独や不安を消していくのではないかと思います。
挨拶は、国際交流の第一歩です。しかしながら、長引くマスク生活は、地域や学校生活でのコミュニケーション不足を増長させないかと心配になります。マスクによりお互いの表情が読み取りにくく、コロナ禍の中だからこそ、挨拶は地域コミュニティの活性化に必要不可欠であり、防犯上も効果的であると考えます。市民生活及び学校生活にもたらす効果について、本市の取組と今後についてお聞きします。
以上で、壇上からの質問を終わりにします。

荒木博 副議長

小泉市長。〔市長 小泉一成君登壇〕

小泉一成市長

眞野議員の部活動の在り方についてのご質問からお答えいたします。
スポーツリーダーバンクの現状と活用状況についてでありますが、成田市スポーツリーダーバンクは、市民のスポーツ活動や健康づくりを推進するため、指導者の登録・紹介などを行う制度であります。現在、スポーツリーダーバンクには、30代から70代までの26名が、ソフトテニスや卓球、バレーボール、バドミントンをはじめ、体力トレーニングやヨガなど幅広い種目の指導者として登録しております。
活動実績としましては、地区におけるヨガや健康体操などの運動指導のほか、中学校の部活動外部指導者としても3名が活動しております。さらに、成田スポーツフェスティバルや成田POPラン大会などの運営ボランティアとしてもご協力いただいているところであります。今後も、学校において部活動などで指導者を必要としている場合、スポーツリーダーバンクから適した人材を紹介できるよう、教育委員会と連携するとともに、広報なりたや市のホームページなどにより本制度の周知を図り、広く市民のスポーツ活動や健康づくりに寄与できるよう利用の促進に努めてまいります。
次に、あいさつ運動についてのご質問にお答えいたします。
市民生活にもたらす効果についてでありますが、挨拶は社会生活や組織において人と接する上での基本であると認識しております。また、地域のあいさつ運動は、お互いが顔見知りになり、子供や高齢者に対する日頃からの見守りをはじめ、災害時の避難行動における共助など、地域における様々な活動の中心的な存在である区・自治会等の活性化や、不審者を寄せつけない防犯力を高める地域づくりにつながるものと考えております。しかしながら、近年の個人志向の高まりや地域のつながりの希薄化などに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、マスクを着用して顔が隠れ、人と会話することを避けるなど、近隣の方同士のコミュニケーションが取りにくい状況にあります。
本市では、防犯上の効果も期待できることから、地域のボランティアで構成されている自主防犯パトロール隊の皆様に、挨拶や声かけの必要性や効果を説明し、実践していただいております。さらに、通学路パトロール等においても、挨拶や声かけを実践し、防犯力の向上に努めており、今後も引き続き継続してまいります。また、広報なりたにおいて、区・自治会等への加入を呼びかけるために地域のつながりの大切さについて啓発しておりますが、今後は、区・自治会等の方に活用していただいております加入促進マニュアルや加入案内のチラシにおいて、地域の方とのコミュニケーションづくりをするための手段の一つである挨拶の大切さについて啓発してまいります。
なお、学校における部活動の在り方及びあいさつ運動のご質問のうち、学校生活にもたらす効果についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。

荒木博 副議長

関川教育長。〔教育長 関川義雄君登壇〕

教育長(関川義雄

私からは、学校における部活動の在り方についてのご質問からお答えいたします。
まず、意義及び必要性についてでありますが、部活動は、共通の種目や分野に興味・関心を持った児童生徒が、学年や学級の枠を越えて、自発的・自主的な判断によって参加する活動であり、児童生徒がスポーツ・文化・科学・芸術などに親しみながら、共通の目標の下、互いに教え合ったり励まし合ったりして、楽しさや喜びを味わうとともに、自主性、協調性、責任感、連帯感などを育成することができることから、豊かな人間関係づくりと明るく充実した学校生活には、効果的な活動だと考えております。
各学校での部活動の現状といたしましては、小学校においては主に高学年の児童が陸上部や合唱部などに参加し、陸上競技大会や発表会に向け、始業前や放課後に活動しており、中学校においては学年問わず多くの生徒が部活動に参加し、大会やコンクール、展覧会などに向け、始業前や放課後、休日に活動しております。義務教育学校においても他の小学校や中学校と同様の活動を行っており、前期課程の教員が後期課程の部活動顧問を務めることもあります。
また、教職員の部活動に対する意識につきましては、アンケート調査を実施したことはありませんが、部活動の教育的効果の大きさや必要性を認識し、顧問として熱心に活動している教職員が多い一方で、自分の専門外の部活動を担当し、技術指導に困難を感じたり、早朝や休日など、勤務時間外の活動を負担と感じている教職員の声があることも認識しております。
児童生徒の部活動に対する意識につきましては、教育相談アンケートなどでの部活動に関する記述からは、自分の興味・関心のある競技や種目の技術を伸ばしたり、目標に向けて仲間とともに協力して取り組む中で、喜びや達成感、時には挫折などを経験するなど、部活動に参加することで自分自身の心身の成長を実感している児童生徒が多く見受けられます。
次に、外部指導者の弾力運用についてでありますが、本市が独自に配置している外部指導者は、学校の教職員が努める部活動の顧問だけでは、生徒に対して専門的な技術指導を十分に行えない場合に、より効果的な活動を行えるよう、優れた指導力を有し、学校の指導方針にご理解をいただける方に指導者としてご協力をいただいております。専門的な指導をするという点では、部活動指導員と同様でありますが、それ以上の職務を行うことはできません。したがって、部活動においてあくまでも補佐的な位置づけであり、外部指導者が単独で大会への引率などを行うことは、生徒のけがや病気の対応、生徒指導、保護者への連絡など、専門的な指導以上の職務を負うこととなるため、困難な状況にあります。
次に、あいさつ運動のご質問のうち、学校生活にもたらす効果についてのご質問にお答えいたします。
学校生活にもたらす効果についてでありますが、これまで市内小中学校におきましては、主に始業前の朝の時間に、職員や児童生徒が校門に立って挨拶をする運動が広く行われており、児童会や生徒会が主体となって行ったり、近隣の小中学校で連携して行ったりと、学校ごとに工夫しながら、挨拶の推進に向けて取り組んでまいりました。
あいさつ運動を通して、普段あまり接しない異学年の教員や児童生徒同士にもつながりが生まれ、児童生徒の主体性が育まれるなど、健やかな学校生活を送ることにつながっており、よりよく地域に関わる児童生徒を育てていくためにも、学校における挨拶の推進は大切な教育活動の一つであると考えております。
現在は、感染症対策のため、マスクを外して大きな声で挨拶をするという、これまでのような取組は行いにくい状況にあります。しかし、教職員が自ら率先して明るい挨拶を交わす姿を見せることなどを通して、挨拶の大切さを意識づけることはできます。さらに、時と場に応じた挨拶を、学校生活の様々な場面で体験させることを通して、自ら挨拶を行うことを習慣づけていくことも、学校ができる大切な教育の一つであると考えております。
教育委員会といたしましては、今後も各学校が改めて挨拶の大切さを認識し、家庭や地域と協力して心豊かな児童生徒を育んでいけるよう努めてまいります。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

ご答弁ありがとうございました。
それでは、質問席より質問を続けます。
まず、部活動についてお伺いします。部活動とは、学習指導要領の教育課程上、どのような位置づけですか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 部活動は、教育課程外の活動ですが、教育的意義が大きいことから、学校の教育活動の一環として実施しております。
以上です。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

なるほど。学校教育活動の一環として実施しているけれども、部活動は教育課程外の活動ということですね。それでは、教育課程外の学校教育活動とは、例えばどのようなものを指しますか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 休み時間や放課後の課外活動など、学習指導要領に示された内容以外の活動のことでございます。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

ありがとうございます。この教育課程外の部活動顧問を学校長は教師に業務として命ずることはできますか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 学習指導要領では、部活動は教育課程外でありますが、学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意することとされておりますので、校長が勤務時間内の部活動を業務として命じることは可能でございます。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

勤務時間内であれば、部活動を業務として命じることは可能であるということですね。一般的に勤務時間内とは、午前8時から午後4時30分までと認識していますが、学校長が教職員に時間外勤務を命ずることができるのは、どのような場合ですか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 学校職員の時間外勤務につきましては、千葉県の学校職員の勤務時間等に関する規則第8条において、校長は教育職員については、正規の勤務時間の割り振りを適正に行い、時間外勤務は命じないものとしております。ただし、校外学習その他生徒の実習に関する業務、修学旅行その他学校の行事に関する業務、職員会議に関する業務、非常災害時に児童または生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務の4項目について、臨時または緊急のやむを得ない必要があるときは、校長は教員に時間外勤務を命ずることができるとされております。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

ありがとうございます。
今ご説明にあった時間外勤務命令可能な4項目に部活動は含まれておらず、しかも教育課程外の活動であることから考えると、部活動は勤務時間を超えてまで教師が担うべき業務ではないと思います。教員は、部活動顧問を拒否できますか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 勤務時間外の部活動であれば、拒否できるものと考えております。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

ありがとうございます。つまり教員は始業8時前の朝練習と放課後4時半以降の練習について、部活動の指導をする義務がないということですね。
少し視点を変えて質問します。学習指導要領には、部活動は生徒の自主性、自発的な参加により行われると規定されています。このことから考えると、部活動の顧問は指導者ではなく援助者であると思われます。部活動を担当し指導することが、教員の当然の業務であると解することにはかなり無理があると思いますが、いかがでしょうか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 部活動は、学校の業務ではありますが、必ずしも教員が担う必要のない業務に位置づけられております。しかし、実態としては、多くの教員が顧問を担わざるを得ない状況であります。また、勤務時間外に及ぶ活動や顧問がその競技を経験していない場合は、顧問となった教員には、負担を強いているのが現状でございます。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

実に恐ろしい勤務形態です。教師の働き方改革を推進しようとしている文科省が、一方では教師を法定労働時間を超えて働かせています。実は、これにはからくりがあって法規法違反にならないような教員独特の法規があるんですけれども、今日は触れません。それでは、せめて勤務時間外の部活動指導に対して、特別手当は支払われるのでしょうか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 学校課業日の朝練習や時間外に行われる放課後練習に対する部活動手当は、支給されておりません。しかし、学校休業日の部活動指導に対しましては手当が支給されております。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

つまり平日の部活動については、無償ということですね。1学期だと勤務時間外の朝と帰りの練習は、合計で1日約2時間、1週間4日活動して、月32時間、それが全て無償になります。しかも生徒下校後の6時半から自分の仕事を始めます。月80時間の過労死レベルを優に超えるわけです。では、学校休業日の部活動指導に対しての支給額はどれくらいでしょうか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 2時間以上4時間未満で1,800円、4時間以上で3,600円が支給されております。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

ありがとうございます。時給900円という計算です。ちなみに2021年度最低賃金の全国平均は時給930円です。千葉県は953円、東京都は1,041円、つまり教員の報酬は全国平均よりも低いということになります。例えば、小中学校体育連盟主催の大会以外で生徒引率を行う場合、朝7時に学校集合、夕方17時、5時に学校解散ということもあります。10時間労働です。この場合の部活動手当も3,600円ということでしょうか。また、その活動の生徒引率に対して、交通費や昼食代費の支給はありますか。

荒木博 副議長

堀越教育部長。長(堀越正宏君) 4時間以上は、一律3,600円となります。交通費や昼食代費の支給はございません。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

ありがとうございました。9つも答弁をいただき大変感謝いたします。
平日は、無償ボランティア、休日は最悪の場合、時給360円で交通費も昼食代もありません。しかも、約半数の教師が、未経験の運動競技の部活動を指導する、こういう実態があります。そして、大会会場では、慣れない審判業務、まさに教師は定額使いたい放題です。もう携帯電話です。
さて、ここである例をお話しします。現在、成田市内学校で勤務している教員ですが、彼は2010年成田高校で甲子園に出た選手です。甲子園でトップ4に残って、中心で活躍した選手なんですが、その選手は教員になりました。とすると野球部の顧問、子供たち、中学生の野球の選手は、ああ甲子園に出た、それが先生で来た、大喜びです。しかし、彼はバスケットボール部の顧問になりました。教師にとっても生徒にとっても、全く残念な結果の部活動。
でも、先生が転勤して顧問がいなくなったら、これは学校長としてはお願いするしかないんです。生徒も一緒にその顧問と転校するわけにいきませんから、校長もそれを任命するのは、非常に心苦しく、場合によっては一緒に土日部活動に参加することもあります。これが、先ほど冒頭で説明した担当部活動の競技経験がない教員は45.9%、約2人に1人という現実です。
このような過酷な勤務状況の改善には、まず教師を部活動顧問という無償ボランティア活動から解放してあげることです。部活動を行いたい教師もたくさんいるわけですから、外部指導者や部活動指導員として、別の契約をして、きちんと報酬を支払ってあげる。優秀な指導者、顧問はたくさんいます。
定年年齢の段階的な引上げが、2023年から始まります。再び高齢化していく学校教職員が、このまま無償ボランティアの部活動顧問を続けられるのでしょうか。先ほどのご答弁にあったように、外部指導者弾力運用も部活動指導員採用もそれぞれ難しい問題を抱えていることはよく分かっています。しかしながら、このような仕打ちを受けている現場の教師に対して、このままの消極的な支援でいいのでしょうか。
ここで、お手元のスポーツ庁からの地域部活動推進事業資料をご覧ください。そこに下に書かれていますが、生徒にとって望ましい持続可能な部活動と学校の働き方改革の両立を実現という、私も実は今、この下に書かれているような合同部活を展開しています。3つの中学校から30名の生徒が来て、毎週1度活動していますが、文科省が言うように、これを平日の部活動の中でやるのは、もうまず不可能です。実現可能なことを上から下りてくるには、やる気になりますけれども、不可能なことを下ろされても、現場ではとても対応できません。
ただ、そこの資料の中にあるとおり、地域人材確保・マッチング、地域人材研修、事業予算確保、運営団体の確保など、教育委員会だけで行わず、横断的な全庁を挙げた組織づくりが行われれば、この地域部活動推進事業というものが可能になります。
先ほどスポーツリーダーバンクということでいろいろお話をいただいたんですけれども、1つだけ地域人材活用における市民活動の活性化、ひいては地域部活動事業への移行には、こうした人材バンクの拡充が必要不可欠と考えますが、今後の拡充の計画についてお答えください。

荒木博 副議長

野村シティプロモーション部長。プロモーション部長(野村吉男君) 今後の拡充の計画についてでございますが、現在、登録いただいている26名に加え東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて育成した都市ボランティアの皆様にもご協力いただき、スポーツ分野だけではなく語学、観光などの人材も充実させていきたいと考えております。
以上でございます。

荒木博 副議長

眞野議員。

眞野義行

人材バンク拡充の件は、登録希望者が所有している資格、活動実績、所属団体などもデータ化されると、人材活用の幅が大きく広がると思います。例えば総合型地域スポーツクラブ、青少年健全育成協議会、地域スポーツクラブ、部活動外部指導者などが一覧で分かれば、本当の意味で人材活用になると思います。
その市を発展させるのは、あくまでも人材で、人を集め人を育てる。人材バンクの拡充が、地域部活動推進事業に結びつけば、オリンピック・パラリンピックの大きなレガシーになるに違いありません。もし成田に体育施設、教室、そして指導者がいたら、橋本選手は佐原市に行く必要がなかったかもしれません。もしボクシング施設、教室、そして指導者がいたら、並木選手は片道2時間半もかけて埼玉県まで行かなくて済んだかもしれません。あまりにも極端な仮想・仮定ですが、スポーツツーリズムをうたっている成田市で学んだ子供たちの中から、再びオリンピック選手が生まれるような地域部活動が展開できたら、これは私は本当にすばらしいことではないかと思います。
日本に先駆けて部活動を学校教育から切り離し、部活動を本当にやりたい教員はたくさんいますから、その人たちを部活動指導員、正規の報酬を支払って、地域の人材として活用していく。地域で若者を育てるシステムづくりをしてみませんか。そして、スポーツを通してみんなが笑顔になる、そういった国際都市にしてほしいなと心から強く思います。
挨拶のことについては、また各それぞれの地域で頑張っていただいていますので、今後もよろしくお願いいたします。
以上で、私の一般質問を終わりにします。ありがとうございました。