令和3年12月 定例会(第4回) 11月30日

令和3年12月 定例会(第4回) 11月30日

雨宮真吾 議長

次に、3番、眞野義行議員。 〔眞野義行登壇〕

眞野義行

皆さんこんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問を行います。質問は、多文化共生指針についてです。 11月17日付の日本経済新聞デジタル版に、在留資格特定技能について、出入国在留管理庁が長期就労や家族帯同を認める業種を広げる方向で調整に入ったという記事が掲載されました。在留期限をなくすということで、事実上の移民受入れにつながる可能性のある制度改革です。2022年度3月に正式決定して省令や告示を改定する流れを想定しているとのことです。 ここで資料1をご覧ください、2019年出入国在留管理庁のもので、新たに創設された在留資格特定技能についての説明資料です。 資料の左下にある特定技能2号のポイントと書かれているところなんですが、熟練した技能があれば在留資格を何度でも更新可能で、在留期間3年、1年または6か月ごとの更新とありますが、大きなポイントは赤いところで、家族の帯同を認めるというところ、ここがそういう資格であるということです。制度制定当時は、建設、造船・舶用工業など2分野に限って認められた資格でした。 資料上段をご覧ください。赤い字で特定産業分野(14分野)とありますが、今回、出入国在留管理庁が改定の動きを見せている部分は、特定産業14分野の全てを特定技能2号に格上げしようというものです。すなわち、特定技能の対象業種14分野全てで無期限の労働環境が整うことになり、資料右側の部分にあるように、これまで専門職や技術者らに限ってきた永住への道を労働者に幅広く開く、外国人受入れの歴史的な転換となります。 さて、この特定技能、少子超高齢化が進み生産労働人口が減少する一方の日本において、今後の労働者問題に大きな好影響を与えるはずの制度改革でした。しかしながら、労働者を送り出す国によって手続が異なるだけでなく、送り出し機関の介在の有無や役割などが各国政府によって多種多様となっており、さらには悪質な仲介事業者の存在が問題になって受入れ人数の伸びがありませんでした。そこに新型コロナウイルス感染症の流行が起きたのです。 今年9月末の出入国在留管理庁発表では、2019年、2年前、当初に立てた以降5年間の受入れ人数34万5,150人を、途中経過でありますが大きく下回り、特定技能1号在留外国人数は全分野合計で3万8,337名にとどまっています。約10%を超えたところです。この新型コロナウイルスは、国境を越える人の流れを止め、各国で深刻な人材不足を引き起こしています。経済活性化に向けた人材の争奪戦が想定される中、どう労働力を確保するかは世界共通の課題ではありますが、感染拡大が収まらない状況では打つ手がないといったところです。 さらに、南アフリカでは、先ほど石渡議員も話題にされた新たなコロナ変異株が確認され、日米で株の大暴落につながる、または再びの入国制限を引き起こすなど、社会経済への影響は続いています。このタイミングで、出入国在留管理庁が人手不足の深刻な業種14分野で定めている外国人の在留資格特定技能について、2022年度にも在留期限をなくす方向で調整しているということは、かなり大きな改革だと私は思います。したがって、もしこれが現実となった場合、日本が外国人労働者に選ばれる国になっている必要があります。これまで長きにわたって単一民族を続けてきた日本が、ほかの文化を取り込むのではなく、ほかの文化と共生をしていく道を探さなければいけないのです。 さて、成田市は今年度、多文化共生指針(素案)に関するパブリックコメントを実施しました。今後、日本の表玄関成田市が国際都市として成長していくための指針が示されることになるのです。この素案は実にきめ細かくつくられており、市民協働課の皆さんを中心とした策定委員の皆さんのご努力が読み取れます。特に、市民協働課の職員の皆さんは、この作成にあたって、市内各所の外国人が学んでいる学校や日本語教室など6か所、企業等5か所を回り、さらには東京四谷にできた外国人在留支援センター、通称FRESCに赴いて研修を行うなど、現場重視の活動をしてこられました。本当にご苦労さまでした。 しかしながら、これは職員の皆さんもお分かりのように、ゴールではなくスタートの準備ができたにすぎません。これから、この指針に基づいて様々な課が連携して施策を講じていくのだと思います。まさに横断的な体制整備が必要と考えます。 そこで質問します。多文化共生指針(素案)に明記されている庁内連携体制の整備とは具体的にどのようなものでしょうか。 また、連携体制を整備するのは当然のことながら、多文化共生の国際都市成田という意識を職員の方々が持つことは非常に大切と考えます。この意識改革は容易ではありません。例えばコロナワクチン集団接種会場では、英語の表記はありましたが、多言語化は不十分でした。会場への外に置いてある案内板は日本語のみでした。多言語翻訳機は会場に用意されていましたが、掲示物や案内の掲示板にこそ、外国人も住民として存在しているんだというあかしが必要だと思います。やさしい日本語の活用が求められます。たとえ永住権を持った外国人であっても、日本語の読み書きは想像以上に難しく、特に漢字にはお手上げです。実際にALTの方の中にも、長年もう二十何年日本に住んでいらっしゃるんですが、日本語の漢字が難しく、この漢字の存在が日本文化の中に入っていくことの難しさの一つだとおっしゃっている方もいます。私たちが学ぶ以上に日本語の読み書きは本当に難しいんです。 また、多言語化や、やさしい日本語採用の意味は、ただ単に外国人のためにあるのではなく、そういった表示や表記が常にされているということが、市民の皆さんの多文化共生への意識づけになると思います。職員一人一人が多文化共生の重要性を理解するとは、こういうことだと思います。 そこで質問します。全職員が多文化共生の重要性を理解し、共通認識を持って職務に当たる。そのためにどのような具体的な検討をしているのでしょうか。 ところで、令和3年6月教育民生常任委員会において、多文化共生指針(素案)について質疑が行われ、国際都市として外国人住民や外国人観光客の独自の視点やノウハウを生かし、地域の課題解決に向けて共に取り組んでいくというご答弁がありました。 多文化共生が成功するかどうかの鍵は、外国人が実際に生活をする地域の共生がうまくいくかにかかっています。日本から一方的に見た外国人の姿やその背景にある文化が果たして正しいのか。そこを見誤ると、私たちがしてあげたいことと、外国人がしてほしいことに差が生じます。せっかくのおもてなしも大きなお世話、言葉は悪くて恐縮なんですが、になることがあります。それは日本社会でも起きることです。だからこそ、日本以外の国々の人たちの視点が必要になるのです。 そこで質問します。施策の進捗管理について、現状や課題を共有し改善策の検討を行うためには、庁内組織への外国人の参加が必要であると考えますが、市の見解をお聞かせください。 さて、共生社会実現のための核になるものは、日常生活の場である区・自治会・町内会との関わりです。ところが、近年その加入率の低下が続き、2021年3月には、成田市の加入率は約49.2%、コロナ禍の中、夏祭り等の住民交流行事が中止になり、自治会及び役員の皆さんの高齢化も相まって、そのまま各種行事を廃止してしまう組織もあります。子供の減少によって、子ども会の維持も難しくなっています。さらに自治会がない地域もあります。日本人の間でも、年齢、性別、職業を超えた共生社会の維持が難しくなっているのが現状です。その上に多文化共生となると、行政の支援がなければ、とても地域住民だけで進められるものではないと考えます。 そこで質問します。多文化共生の地域づくりを進めるにあたっては、行政と地域の連携・協働は必須ですが、市はどのような具体策を検討しているのでしょうか。 さて、この地域づくりの最大の目的は、命を守るための協働体制、共助体制を継続維持、そして発展させることだと思います。 ここで、成田市自主防災組織のしおりに記載されている一部をご紹介します。 自主防災組織をより身近なコミュニティ活動の一環として位置づけ、無理のない組織を全員で検討してください。皆さんが協力して、自分たちを守るという連帯感が湧く程度の規模が適当です。区・自治会・町内会等の活動の一部に含めて設けることが適当です。防災及び災害時対応における共助という観点から、区・自治会・町内会を単位とした地域住民による防災・避難訓練はとても大切であるということは間違いありません。 しかし、地域組織力の低下が問題になっている現状では、地域住民による外国人住民に対する自主防災組織や避難所運営委員会への参画要請は、自治会役員のさらなる負担につながり現実的ではありません。ここは行政の積極的な関わりが必要です。 そこで質問します。区・自治会・町内会との連携・協働は、災害時の対応にも大きな効果があると考えますが、どのような具体的な策を検討しているのでしょうか。 以上で壇上からの質問を終わりにします。

雨宮真吾 議長

小泉市長。 〔市長小泉一成君登壇〕

小泉一成市長

眞野議員の多文化共生指針についてのご質問にお答えいたします。 まず、推進体制についてでありますが、多文化共生指針は、本市の多文化共生社会を実現するため、基本的な考え方や目指すべき方向性などを明らかにし、具体的に推進するために策定するもので、本指針が掲げる各施策は、特定の部署のみが実施するものではなく、全ての行政分野において各部署が必要に応じて連携しながら取り組んでいく必要があります。 このようなことから、庁内連携体制の整備としましては、本指針を策定するために設置した策定委員会を活用して各施策の情報を共有し、庁内全体で取り組んでまいります。また、全職員が多文化共生の共通認識を持つための具体策につきましては、各施策を推進するため、職員一人一人が多文化共生の重要性を理解し、共通認識の下で職務に当たることができるよう、多文化共生に関連する情報を共有し庁内で連携してまいります。 次に、施策の進捗管理についてでありますが、本指針は、多文化共生社会への方向性と基本的な取組を示すものであり、数値目標を示すことができない取組も含まれております。このため、数値的な達成状況の把握や評価が難しいことから、多文化共生に関連する業務を定期的に調査し、結果を庁内にフィードバックしながら本指針が掲げる各施策を推進してまいります。今後、進捗管理を進める中にあっても、まずは職員が施策の現状や課題を共有し、改善策の検討を行う必要があると考えておりますことから、庁内組織への外国人住民の参加につきましては予定しておりませんが、外国人住民の声を伺う方法について検討してまいります。 次に、地域との連携・協働についてでありますが、多文化共生の地域づくりにおける具体策としましては、外国人住民に地域を知っていただき、地域の一員として、地域住民とのつながりを持っていただくために、区・自治会等の活動は有効であることから、区・自治会等の方々に活用していただけるよう、外国語版の加入促進のチラシを作成してまいります。また、地域で生活していく上で必要となるルールや慣習などについて、外国人住民にご理解いただくため、ごみの出し方や日常生活における生活習慣に関することなど、外国人のための生活マニュアルを作成し周知に努めてまいります。 災害時における自主防災組織及び避難所運営委員会との連携・協働につきましては、災害時における外国人対策として、地域における災害発生の危険性を周知するため、災害情報の入手先や避難所に関する情報、洪水や土砂災害に関する情報、災害時に取るべき避難行動などを記載した成田市防災マップを多言語で翻訳し、市のホームページで公開しております。本年4月からは、増加する外国人住民の安心・安全な暮らしを守るため、防災情報等を迅速に伝達するなりたメール配信サービスを8か国語に多言語化し、災害時における情報提供の充実に努めております。また、新たに転入された外国人の方には、これらの防災情報を記載したパンフレットを転入手続の際に配布しております。 また、災害時における避難所運営の基本的な活動を示した避難所運営マニュアルでは、避難所を運営する担当者の外国人への対応として、食事など文化や習慣にできる範囲で配慮することを求めるとともに、各避難所には、避難所のルールや共同生活上のルールをまとめた外国語版のシートを作成し配置しております。 さらに、一般社団法人自治体国際化協会が提供している災害時多言語情報作成ツールを活用し、トイレや救護所などの案内表示や簡単な日本語表示を多言語に変換したものを作成し、各避難所において外国人の避難者に対応できるよう整備するほか、外国人観光客向けに気象警報の発令や震度4以上の地震があった際の災害情報を配信する多言語観光・災害情報配信アプリであるFEEL成田の周知にも努めております。 そのほか、災害時に指定避難所を開設する担当職員に対し、やさしい日本語を使用した外国人対応の研修を定期的に実施しており、本年度は306名の職員が受講しております。このやさしい日本語は、日本人同士がふだん使っている会話よりも簡単で、日本語能力が十分でない外国人に分かりやすいように配慮した日本語であるため、受講した職員は、災害時のみならず通常の窓口業務においても、やさしい日本語を用いた外国人対応が可能となるなど、市職員の多文化共生に対する理解が深まる機会にもなっております。 災害時における地域との連携・協働においては、公助としての公的機関の活動には限界があることから、自分の命は自分で守るという自助や、自分たちのまちは自分たちで守るという共助の考え方に基づき、本市では地域ごとに自主防災組織や避難所運営委員会が発足されるよう支援しており、防災講話や各種訓練を実施しております。 地域の自主防災組織や避難所運営委員会に外国人住民が参画されることは、住民活動による地域防災力のさらなる向上が期待されますことから、市としてもこれらの組織との連携・協働を図っていく中で、地域に居住する外国人の参画についても依頼するなど、多文化共生の視点に配慮した災害時の支援体制の推進にも取り組んでまいります。

雨宮真吾 議長

眞野議員。

眞野義行

ご答弁ありがとうございました。 それでは質問を続けます。 先ほどのご答弁で、区・自治会の方々に活用していただけるように、外国語版の加入促進チラシを作成してまいりますとありましたが、そもそも日本以外の国々に会費や運営費を払って加入する自治会というものが存在するのでしょうか。もし存在しないとなれば、どんなにうまく翻訳したとしても、外国人の方々に自治会の存在を理解してもらうのは難しいと考えます。そこで、成田市英語補助員、ALTたちの母国での地域住民組織についての聞き取りをしてみました。その結果をご紹介します。 イギリス、自治会はある。日本同様、中高年の高齢化が問題になり、また若者の無関心などで会員の減少が続いている。 カメルーン、こちらにも自治会があると。その活動内容は日本のものとほぼ同じ。それぞれの地域住民の要望に応えていくものとして法的に認められており、自治体職員と協働して活動する。自治会のリーダーは大抵男性だけれども、女性の不満を代弁できるリーダーとして選ばれた女性と責任を共有すると。男女参画が、自治会の中で実際に行われているそうです。法的な問題以外のことは、自治会で解決をしていくと。 ケニア、田舎と都会では異なる2つのタイプがある。都会の場合は、治安のために塀で囲まれた住宅や団地内に自治会のようなものが存在している。田舎の場合、本質的には社会福祉的なものだが、それぞれ異なった目的で存在する。 アメリカ合衆国、2人の出身地のまとめです。自治会はない。しかし、近隣住民とはよい関係を築き、法的な問題でない範囲のものであれば協力して解決できる。地域で工事や環境問題が発生すれば、みんなで集まり、取りまとめた意見を市に訴える。地域によっては、住宅所有者協会という管理団体が存在し、厳格なルールやサービスで住民生活を管理する。 オーストラリア、自治会はない。オーストラリア近隣住宅センター協会と呼ばれる組織が公民館などの公立の施設を管理し、オーストラリアのコミュニティが直面している経済的、社会的、市民的な課題解決に取り組んでいる。 フィリピン、3人の出身地域の方のまとめです。自治会はない。日常的な近所付き合いがあり、毎週日曜日にはご近所さんとpotluckと呼ばれる食べ物持込みパーティーが行われる。これはもうアメリカでも文化として根づいています。が行われ、よい関係を築いている。日本では当たり前の回覧板、美化活動、リサイクル活動などはない。地域によっては、アメリカ同様に住宅所有者協会という管理団体が存在し、治安維持や災害時対応を行い、それが地域住民のよい関係を生んでいる。また、若者向けのスポーツ組織があり、若者の関心をドラッグを含めた犯罪行為からそらすことに役立っている。信心深いクリスチャンも多く、宗教的側面から助け合い活動や弱者救済活動が行われている。 タイ、自治会はある。都市郊外での経験だが、毎月近隣で起こったことの情報交換のために会合を開く。それが親密な地域環境を生み出している。 モロッコ、カサブランカに住んでいる方ですが、自治会はない。人々の多くはアパートビルディングで生活しているため、区画ごとの管理人が住民の身の回りの世話をする。ごみは廃棄物処理を行っているフランスの会社が対応する。 ロシア、自治会はない。ご近所同士で仲のよい関係をつくっている。自治体や政府が人を雇い、家の周り、アパートの階段、共有スペース等の清掃をごみ収集と同様に行う。防災訓練、バーベキュー、バザーなどの地域行事はない。日本で私が住んでいる地域の自治会は非常に活発で、私も2回役員をしました。とても大変だったんですが、周りの人たちと知り合えてよかった。でもコロナのせいでたくさんの行事が中止になってしまった。ああ、自治会バーベキューが恋しい。 9か国12地域の状況でしたが、その方が生活していた場所での状況のため、その国全てが同じというわけではもちろんありません。関東と関西でも人は違いますので、実際にこの情報が直接何かの役に立つかどうかは分かりませんが、自治会の有無という話題を通して、日本とほかの国々の地域住民生活の違いは分かると思います。文化の違いという大きなテーマで論じることは難しいですが、例えば自治会のありようという具体的な小さなトピックで語り合えば、理解が進むのではないでしょうか。 今ご紹介した外国人の意見は、LINEグループを中心としたALTと私の情報発信からに対する返信ですが、みんな物すごくたくさん、要約じゃこの倍ぐらいの量で、一生懸命真面目に答えてくださいました。国際交流協会や教育委員会の協力があれば、英語を話さない外国の方々の意見や考えを聞くことは全く難しいことではないし、テーマを設けた会議も可能です。 ところで、成田市は1997年度から2006年度にかけて、市長と外国人による懇談会を開催していました。残念ながら現在は行われていませんが、その懇談会開催当時の目的と終了した理由を教えてください。

雨宮真吾 議長

谷平市民生活部長。 ◎市民生活部長(谷平裕美君)外国人懇談会は、外国人の意見を市政やまちづくりに取り入れることを目的に開催しておりましたが、回を重ねる中でメンバーの固定化を招いたことから開催を見合わせることとなったものでございます。 以上でございます。

雨宮真吾 議長

眞野議員。

眞野義行

ありがとうございます。直接意見の交換があるというのは、極めて大切なことだと思いますので、また検討をお願いしたいと思います。 成田市の外国人懇談会が終了したまさにその年に、国は、地域における多文化共生推進プランを策定し、各自治体にその計画の策定の呼びかけを始めました。今から思うと残念ですが、終了から15年、留学生、実習生が増えるなど社会情勢も大きく変わり、それに伴って言語も多言語化しています。まさに多文化の成田市にとって、まず行政が外国人の考え方や感性を知る必要があります。現存の庁内組織に外国人を参加させないとしても、諮問機関として外国人が直接参画できる組織は必要です。 ここで、資料2をご覧ください。さっきの裏面になります。 私が6月議会一般質問、外国人医療問題で市に提案した通訳人材バンクの設立について、関係各課に調査をお願いした結果です。登録者は日本人と外国人の方が混在し、重複もありますが、ご覧になられてお分かりのとおり、成田市には多彩な人材登録があることが分かります。これは登録者数だけですので、登録していない方を含めれば、かなりの人材が成田にはあるのではないかと。この調査にあたってご協力いただいた担当各署の皆さん、本当にありがとうございました。 国際交流協会の職員の方からは、ロシア語通訳ができて医療通訳に興味があり、国際医療福祉大学で研修講座があれば参加したいと希望している方がいらっしゃるとのご連絡もありました。本当にありがたいことです。 また、9月議会では、私の一般質問の問いに対して、スポーツ分野だけでなく語学や観光などの人材も充実させていきたいというスポーツバンク拡充についてのお答えもいただきました。現在それぞれの担当部署が所有しているデータの共有化を図れば、当たり前ですが作業効率は飛躍的に上がります。多文化共生を具体的に進めるにあたって、外国人の視点を取り入れるためにも、こういった一覧表は役に立つと思います。人材の確認はできているので、外国人視点による有識者会議の開催は可能だと考えます。多文化共生を実現するためには、市民の皆さんの力をお借りすることが一番簡単で最も大切です。 次に、やさしい日本語を使用した外国人対応の研修を定期的に実施しており、本年度は306名の職員が受講しておりますとのことですが、所属課について教えてください。

雨宮真吾 議長

清水総務部長。

総務部長

避難所担当職員306名の所属につきましては、本庁のみならず出先機関も含めました各部署から選任されており、本年度は13の部、47の課から選任された306名となっております。 以上です。

雨宮真吾 議長

眞野議員。

眞野義行

すばらしい状況だと思います。 その研修の回数、時間、そして内容について教えてください。

雨宮真吾 議長

清水総務部長。

総務部長

やさしい日本語の研修につきましては、昨年度から避難所担当職員研修会の中で、やさしい日本語を研修項目に取り入れております。昨年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から書面形式による研修を実施しまして、本年度については対面形式による研修を年度当初に1回ずつ開催したところでございます。 また、研修時間につきましては、全体研修時間1時間45分の枠の1こまとして取り入れているものでございます。具体的な研修内容としましては、日本語能力が十分でない外国人に分かりやすさに配慮しながら日本語で伝えることができるよう、例えば簡単な言葉に言い換えたり、漢字に振り仮名を振ったり平仮名にするといった、やさしい日本語のつくり方のほか、ゆっくり話し、相手が理解しているかどうかを確認しながら話すといった、話し言葉のつくり方についても実践してもらうものでございます。 以上です。

雨宮真吾 議長

眞野議員。

眞野義行

ありがとうございました。命を守るための現場だからこそ、独自にやさしい日本語研修を始められたのだと思います。 現在は、避難所担当職員研修会の中の1項目としてやさしい日本語の研修が行われているということですが、講師をお招きしての研修会の実施も必要と考えます。 次に、通常の窓口業務においても、やさしい日本語を用いた外国人対応が可能となるなど、市職員の多文化共生に対する理解が深まる機会にもなっておりますとのことですが、具体的に挙げられる事例があれば教えてください。

雨宮真吾 議長

清水総務部長。

総務部長

具体的な事例としましては、放置自転車の対応あるいはごみの分別などの案内など、通常業務におきまして多文化共生に配慮した対応に心がけるようになったとの事例が挙げられております。 以上です。

雨宮真吾 議長

眞野議員。

眞野義行

こうした小さな日常の積み重ねは、大きなイベントよりも人々の心に深く浸透していくものだと思います。やさしい日本語を意識することは、外国人にとっても日本人にとっても優しい心の交流につながります。継続をよろしくお願いします。 次の質問です。地域の自主防災組織や避難所運営委員会等の組織との連携・協働を図っていく中で、地域に居住する外国人の参画についても依頼するというお答えでしたが、先ほど申し上げたとおり、自治会の加入率の低下が深刻な中、なかなか地域住民によるものは難しいと考えますが、ここは行政主導の積極的な関わりが必要だと思います。成田市では、行政主導の外国人対応の訓練として、平成29年に公津西地区土砂災害避難訓練、平成29年に同じく今度は玉造地域での成田市総合防災訓練を実施した実績があります。地域住民と外国人住民との顔合わせを含めた地域共生社会への第一歩と

しては、行政主導の外国人対応の訓練が最も効果的だと思いますが、その計画はあるでしょうか。

雨宮真吾 議長

清水総務部長。

総務部長

市では、これまでにも地域の区や自治会と連携を図りながら訓練を実施しております。この中でも、自治会の方を通じまして、地域にお住まいの外国人にも参加を呼びかけていただいており、訓練では避難所担当職員及び通訳ボランティアが、日本語の話せない外国人観光客が避難所を訪れたとの設定で対応する訓練も実施しているところであります。 先ほど市長からもご答弁申し上げましたように、地域の自主防災組織や避難所運営委員会に外国人住民が参画されることは、住民活動による地域防災力のさらなる向上が期待されますことから、今後も引き続き地域との連携・協働を図っていく中で、外

国人住民を含めました住民との協働による訓練に取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。

雨宮真吾 議長

眞野議員。

眞野義行

ありがとうございました。自主防災組織や避難所運営委員会に外国人住民が参画されることは、住民活動による地域防災力のさらなる向上が期待されますというお考えは、まさに本質的であり、外国人を支援される側に位置づけるだけでなく、災害時には当たり前に協働できる存在と捉えることは、とても大切だと考えます。行政主体の外国人対応訓練を行うことは、命を守るという観点から、日本人住民と外国人住民との真の交流を生み出す可能性があります。行政主導の計画的かつ継続的な訓練の実施をお願いします。 最後に、この素案を実効性のあるものにするために、7つの提案を勝手にさせていただきます。 1つ目、成田日本語学校、成田国際福祉専門学校、成田国際医療福祉大学の代表者及び外国人住民を含めた多文化共生推進委員会の設立、担当は文化国際課です。2つ目、やさしい日本語研修会企画運営、国際交流協会。3つ目、行政主導による外国人防災及び災害時対応訓練継続、危機管理課。4番目、成田市人材バンクの整備・充実、スポーツ振興課。5、多文化共生モデル地区の設定及び調査研究、市民協働課。6、外国人医療対策を含めた成田市災害医療対策会議、健康増進課。7、成田市立日本語学校及びインターナショナルスクール設立、教育委員会。 勝手に振り分けて恐縮ですけれども、市長のご答弁にあったように、特定の部署のみが実施するものではなく、全ての行政分野において各部署が必要に応じて連携しながら取り組んでいく必要があると思います。日本は、少子超高齢化問題から派生する労働力不足のために、事実上の移民受入れの方向へかじを切ろうとしています。5年後、10年後の社会を見据えたときに、多文化共生のまち成田、実現のための積極的な活動は、国際都市成田のブランド力向上につながり、外国人が一番に選ぶ都市につながるはずです。 以上で、私の一般質問を終わりにします。