<地域部活動への道:課題山積>

<地域部活動への道:課題山積>

6月にスポーツ庁から運動部活動の地域移行に関する提言が出されました。
同様に、8月には文化庁から文化部部活動の地域移行に関する提言が出されました。
学校の部活動を、来年度からの3年間を期間として、まずは休日の部活動を地域に移行する、そしていずれは平日の部活動も移行していくということです。
課題は山積です。
①指導者の確保
拠点校方式(近隣3校程度合同が原則)だと、例えばA中学はバレー、B中学はバスケ、C中学は卓球という形になる。3つの学校から生徒が集まってくれば、当然のことながら最低でも3人の指導者が必要になる。それぞれ男子部と女子部があるので合計6人。成田市内には10校あるが、3つに分けたとして、合計18人の指導者がどこにいるのだろうか。
②教員の外部指導者登録
先ほどの問題を解決するためには、現役教員で希望する教職員の部活動指導員としての登録が必要になる。その時に法改正して、教職員も報酬を受けられるようになるのか。
③会費
受益者負担という考えのもと、野球やサッカーのクラブチームのように保護者が負担するしかないが、金額設定はどうするのか。
④大会・コンクール
土日の活動だが、地域部活動へ移行した場合、その参加は自由になるのか?3年間の移行期間中、大会への参加はどうするのか。地域部活動に集まってきた生徒達の中から選抜メンバーで大会に出場できるのか。
⑤地域の特性
成田市の場合、大栄地区と下総地区の生徒達はどこに移動するにしても非常に遠い。保護者の送迎や電車バス移動が前提になるが、それは仕方がないとあきらめるのか。
⑥吹奏楽部
吹奏楽部は、コンクールなどではバスを借りて生徒と楽器を移動させるのに、毎週日曜日に市内全域でバスを借りて大移動をすることは不可能。そもそも、教職員を除いて地域にそれだけたくさんの音楽指導者がいるのか。
私のバレー教室は、現在3つの中学と4つの小学校から子どもが集まってきています。現役教師が無償で日曜日にコーチに来てくれていますが、これでは、持続可能にはなりません。いよいよ、近隣の大学生の参加に向けて活動を開始しますが、実際に運営してみて様々な課題が浮き彫りになってきています。
※写真は、引退したバレー部の子どもたちで成田市の大会に参加したときのものです。