令和5年9月 定例会(第3回) 09月05日

令和5年9月 定例会(第3回) 09月05日

眞野 義行

皆さんこんにちは。議席番号9番、政友クラブ、眞野義行です。
通告に基づきまして、一般質問を行います。なお、議長の許可を得まして、資料を用意しております。後ほど説明いたします。
テーマはスマートシティ推進についてです。それでは始めます。
昨年3月に策定された成田市デジタルトランスフォーメーション(DX)基本方針には、以下の記述があります。DXとは、ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させることです。紙などのアナログ情報と業務プロセスをデジタル化し、その結果、デジタル技術が社会に浸透することで、それまで実現できなかった新たな価値やサービスが創出される社会全体の変革を意味しています。 本市はデジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を掲げ、誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化を宣言しました。これはまさに、2018年に国土交通省が定義したスマートシティという概念に一致します。
スマートシティとは、都市の抱える諸課題、環境、エネルギー、医療・健康、交通、通信、教育、それらに対してICT等の新技術を活用しつつ、計画、整備、管理・運営等が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市、または地区です。簡単に言えば、まち全体がネットワークでつながり、年齢、性別、出身国などにかかわらず、全ての住民が便利に安心して暮らせるシステムが張りめぐらされた都市や地区のことです。
このスマートシティの考え方は、交通という視点から、次のような諸問題を解決するためにも極めて有効と考えられています。
1、持続可能で地域の実情に応じためり張りのある地域公共交通網の形成、2、超高齢化社会に対応した安全・安心、そして快適な外出環境の確保、3、交通モード間の連携による地域公共交通の利便性向上、4、観光振興との連携による観光客の増加、これら都市が抱える交通に関する諸問題をデジタルの力で解決しようとする考え方をMaaSと呼びます。
MaaSとは、あらゆる公共交通機関やライドシェア、シェアサイクルといったサービスをつなぎ目なしに結びつけ、マイカー以外の交通手段による移動を一つのサービスとして捉える概念のことを指します。
例えば、スマートフォンなどで、目的地に行くための全ての交通機関のルートや乗り換え情報の検索、チケットの予約、支払いまでをワンストップで可能にしようとするものです。
このようなMaaSのシステムが実現すれば、移動効率が向上し、クラウド上のビッグデータの利用で、最適な交通手段の組合せの提案が自動で行われます。最適な交通機関の整備が進めばマイカー移動が減少し、都市部では交通渋滞の緩和ができ、地方では利用者が増え交通サービスの継続が可能になります。観光並びに高齢者輸送手段のオンデマンド交通でも、現状よりもさらに利便性が高い交通機関が生まれることが期待されています。
航空会社も当然MaaS導入には積極的で、ANAは2021年4月、ANAそらたび検索というアプリの提供を開始しました。こちらは、皆さんもよくご存じのオンライン経路検索サービス、駅すぱあとを提供する株式会社ヴァル研究所と連携して、移動手段に航空機を加えた乗り継ぎ案内サービスです。もちろんその中で航空券の予約が可能です。
JALも2022年2月から、JALMaaSとして、空と地上を組み合わせたリアルタイム経路検索サービスを開始しています。こちらは、JR東日本が提供するリアルタイム経路検索サービスを利用しているため、JALを利用しない場合のJRのみの経路情報も表示されます。例えば、成田から大阪に行くといった場合に、成田、大阪と検索すると、ジェットを使った場合と、使わないで新幹線だけの乗り継ぎ、何分、幾ら、これが同時に一覧として出てきます。利用者は、時間を取るか、費用を取るか、一度の検索で全て分かります。
航空会社は、自治体との連携を強化して、移動手段の選択肢が限られているなど、地域が抱える移動に関する課題の解決と交流人口の創出に取り組んでおり、今後は、連携する自治体の拡大を図るとともに、空港から目的地までの移動のサポートに加え、地域の魅力発信にも積極的に取り組んでいくと宣言しています。
さて、私は2021年3月議会で、このMaaSについて同様の質問をしました。そのときのご答弁としては、新たな技術やサービスについても先進事例などを参考とし、導入の可能性について、交通事業者と研究してまいりますというお答えでした。前回の質問から2年が経過し、その間に様々な自治体で先進的な取組が始まっています。
例えば千葉県内ですと、柏市は2019年には、国土交通省スマートシティモデル事業へ選定を受け、東京大学、千葉大学、これは元々キャンパスが柏市にありますので、千葉県、三井不動産、NTTドコモなどが連携し、日本の最先端都市、柏の葉スマートシティの運営及び開発に当たっています。
千葉市は、2020年に新基本計画審議会スマートシティ部会を立ち上げ、現在は未来都市戦略部スマートシティ推進課を設置しています。昨年3月に、千葉市スマートシティ推進ビジョンを策定し、幕張新都心でNTTドコモ、JR東日本とともに、NTTドコモが開発するまくはりMaaSのアプリを通して、住民及び来訪者の回遊性の向上に関する期間限定の取組を実施しました。
銚子市は、市制90年を迎えたことを契機に、JR東日本とともに観光周遊の利便性向上を目的に、沿線企業や自治体、地域と連携しながら、地域・観光型MaaSを今年8月にスタートさせています。
館山市、南房総市は、経済産業省の後押しを受けて、今年度から交通課題の解決に向けて、地元の交通事業者と連携し、実証エリアを走行するバスにマイナンバーカード用のリーダー端末を設置し、その上で、マイナンバーカードを活用した認証、決済システムの検討を始めています。
佐倉市は、京成電鉄、ちばグリーンバス、佐倉市観光協会などと連携・協力して、佐倉市内の観光振興を目的にMaaSの取組として、京成線各駅から京成佐倉駅の往復乗車券、佐倉市観光協会のレンタサイクル、ちばグリーンバスのフリー乗車券、佐倉市内店舗の食事券、お土産券がセットになったお得なチケット、旅する佐倉1日きっぷをスマートフォンアプリ上で発売しています。
このように、スマートシティの基盤となるデジタルの力を借りた公共交通機関の整備は、その規模の違いはあれ、着実に進捗しています。
そこでお聞きします。MaaSの導入に向けて、本市の現在の状況と今後の取組について教えてください。
次に、スマートシティ推進のためには、その地域ごとのエネルギー確保、特に地球環境に優しい再生可能エネルギーの活用は必須条件です。ゼロカーボンシティを宣言し、2050年までにCO2を実質ゼロにすると宣言している本市のエネルギーの地産地消の取組は、気になるところです。これまでの取組と今後の展望や計画等について教えてください。
さて、このエネルギーの地産地消の取組は、行政のみが行うものではありません。住民の皆さん一人一人の意識向上だけでなく、具体的な取組が必要になります。本市では、省エネルギー設備の普及促進、環境への負担低減、地球温暖化の防止等環境の保全のため、住宅用省エネルギー設備を設置した市民に、予算の範囲内において補助を実施しています。
さらに、昨年度令和4年度からは、電気自動車等を購入した市民に、予算の範囲内において補助を開始しました。ゼロカーボンシティ実現のために、電気自動車の普及を促すためのとても大切な施策だと思います。さらなる進捗のためには、公共施設への公共用電気自動車充電スポット設置が大切だと思います。市の考えをお聞かせください。
以上で、1回目の質問を終わりにします。

神崎勝 議長

小泉市長。 〔市長小泉一成君登壇〕

小泉一成 市長

それでは、眞野議員のスマートシティ推進についてのご質問にお答えいたします。
まず、MaaSの導入についてでありますが、MaaSとは、複数の公共交通機関や移動手段を最適に組み合わせ、目的地まで一括した予約や決済などを提供する新しいサービスであり、公共交通の維持や移動手段の充実などを目的とし、国土交通省が普及支援に取り組んでおり、近年では、各自治体での実証実験や導入事例が徐々に増加しております。
このような中、本市では、持続可能な地域公共交通の構築などを目的として、公共交通の在り方や方向性を示す成田市地域公共交通計画を令和3年12月に策定し、公共交通の再編、利用環境の改善、利用の促進及び新技術を活用した利用者への情報提供の推進を4つの視点として掲げ、これらの視点に基づく21の施策につきまして、バスやタクシーを運行する交通事業者とともに、令和9年度までの目標の達成に向けた取組を開始しております。
具体的には、コミュニティバスのルート及び運行形態の検討やオンデマンド交通の本格運行を見据えた検討をはじめ、利用促進に向けては、運転免許証を自主返納する方への支援や民間路線バス事業者による空港周辺の観光施設を巡るバスの運行、バスの乗り方教室による意識啓発を行うなど、多面的に取り組んでいるところであります。
あわせて、MaaSをはじめとする新たな移動サービスに関する調査などを行っており、現在は、国や民間事業者などが主催する説明会や電動車両を活用した新たなモビリティーの試乗会に参加するなど、積極的な情報収集に努めているところであります。
一方で、急速な少子高齢化や人口減少などの社会経済情勢の変化を背景として、地域公共交通の利用者は長期的に減少傾向にあるとともに、今後、人口減少が見込まれる地区と人口増加が見込まれる地区が存在し、公共交通を取り巻く環境は大きく変化していることから、地域の実情に応じた公共交通の維持や確保は必要不可欠であります。
近年では、地域公共交通を担う運転士不足が深刻化していることや高齢運転者による交通事故の社会問題化に伴い、高齢者などが利用しやすい地域の旅客運送サービスを確保する必要があるなど、市民の移動手段の確保は、重要な課題と認識しております。
こうしたことから、本市の公共交通は鉄道、路線バス及びタクシーのほか、市民の生活交通手段を確保するため、コミュニティバスや高齢者の外出支援としてオンデマンド交通の運行など、市内全域を対象とした様々な公共交通サービスが互いに補完し合う運行体制の構築が求められております。
また、MaaSの導入は、移動する際の利便性の向上や観光振興に寄与することなどを認識しておりますが、その導入に当たっては、地域によって異なる生活環境や公共交通の利用状況を踏まえた持続可能な移動サービスであることが重要であり、また、交通事業者ごとに情報提供や決済など、提供するサービスの状況が異なるなどの課題もあることから、行政だけで取り組むものではなく、利用者のニーズや交通事業者の知見、ノウハウが必要不可欠であります。
本市といたしましては、既存の公共交通サービスであるコミュニティバスや民間路線バス、オンデマンド交通の持続可能な運行を図ることを基本としつつ、地域の課題やニーズを踏まえ、交通事業者をはじめとする関係機関との協議を行い、引き続きMaaSなどの新しい移動サービスの導入について調査・研究してまいります。
次に、エネルギーの地産地消についてでありますが、現在、住宅用省エネルギー設備を設置した市民への補助を実施しており、太陽光発電システムでは、補助を開始した平成21年度から昨年度までの14年間に2,375件の補助を行い、合計最大出力は11.4メガワットとなっております。また、太陽光発電システムに併せて蓄電池設置への補助についても申請する方が増えており、住宅で発電したエネルギーを家庭で蓄電し消費することで、エネルギーの地産地消がより一層図られているものと考えております。
小中学校をはじめとした本市の公共施設におきましては、太陽光発電システムや蓄電池を設置し、発電したエネルギーを施設内で利用しており、今後も新たに整備を計画している施設などにおいて、設置を推進してまいりたいと考えております。
そのほか、本市の成田富里いずみ清掃工場と香取市の太陽光発電所で発電した電力を活用するため、平成28年7月に本市と香取市及びシン・エナジー株式会社が共同出資により、地域電力会社である株式会社成田香取エネルギーを設立し、2市の公共施設に電力を供給しております。
本市では、昨年度から本年度にかけて成田市環境基本計画の中間見直しを実施し、従来の計画の重点プロジェクトであるエコライフによる低炭素なまちづくりを大幅に拡充し、成田市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)として別冊に取りまとめました。
この中で、成田香取エネルギーの活用による電力の地産地消や事業所、公共施設への太陽光発電設備など、再生可能エネルギーの導入、さらには省エネルギーと再生可能エネルギーを組み合わせ、建物のエネルギー収支実質ゼロを目指す建築物のZEB化の推進などを掲げており、ゼロカーボンシティ宣言を表明した自治体として、今後もさらなる推進を図ってまいります。
次に、公共施設への電気自動車充電スポット設置についてでありますが、脱炭素化の取組の一つとして、電気自動車の普及は有効なものと考えております。そのためには、町なかで利用できる充電設備を増やし、充電が少ない場合でも、安心して走行できるような環境を整えていくことが必要であると考えておりますので、公共施設への市民が利用できる充電スポットの設置について、検討を進めてまいります。

神崎勝 議長

眞野議員。 ご丁寧なご答弁ありがとうございました。それでは、自席より質問を続けます。
成田市地域公共交通計画によると、オンデマンド交通の所管が都市計画課のように思えますが、実際には高齢者福祉課が担当しています。この理由について教えてください。

神崎勝 議長

鈴木都市部長。

鈴木浩和 都市部長

オンデマンド交通につきましては、高齢者の通院や買物のほか、気軽に外出できる機会を増やすための交通手段として、高齢者の福祉を目的に運行していることから、高齢者福祉課が担当しておりまして、本市の公共交通サービスの一つとして、地域公共交通に位置づけをしているところでございます。 以上です。

神崎勝 議長

眞野議員。

眞野 義行

ありがとうございます。 実は、この昨年10月から富里市でも従来のコミュニティバスの運行体系を変更して、セダン型の乗用車による富里市デマンド交通の運行を始めました。乗降ポイント方式とドア・ツー・ドア方式の2つを用意して、市民全員が利用できます。運行時間は1日12時間、365日運行。担当は経営戦略課公共交通推進班。ドア・ツー・ドア方式は、70歳以上の方や障がいをお持ちの方、妊産婦の方など高齢者に限っていません。70歳以上の高齢者に限って運行している成田市のオンデマンド交通は、むしろ珍しい形式かなと思っております。
次の質問に移ります。
その地域公共交通網形成のための計画についてです。成田市には、成田市地域公共交通網形成計画と成田市地域公共交通計画があり、協議会としては、成田市地域公共交通会議と成田市地域公共交通活性化会議があって非常に複雑です。それぞれの担当課、そして目的及び相違点について教えてください。

神崎勝 議長

鈴木都市部長。

鈴木浩和 都市部長

まず、公共交通に関する計画策定の経緯から申し上げます。
計画の名称や目的につきましては、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づいておりまして、計画策定を開始した令和元年4月時点で本法律に定められた名称は、地域公共交通網形成計画とされておりました。その後、計画策定を進めるさなかの令和2年11月に法改正が行われました。地域公共交通網形成計画から、地域公共交通計画に名称が変更となっております。したがいまして、改正法に基づき、成田市地域公共交通計画のみが本市の計画として策定したものでございます。
また、法改正におきまして、公共交通ネットワークの確保、充実を図るという趣旨に変更はございませんが、人口の減少や運転士不足などの課題を踏まえまして、地域の多様な移動サービスや新技術などを活用し、地域ニーズに沿った公共交通サービスの構築に取り組むとする新たな視点で見直しが行われております。
このことから、成田市地域公共交通計画には、改正法の趣旨や新たな視点を盛り込むとともに、利用者数や収支などの定量的な目標の設定、評価の制度化なども行っております。なお、計画は策定に当たった都市計画課が所管し、各施策及び計画全体の進行管理に取り組んでいるところでございます。
次に、協議会についてでございますが、成田市地域公共交通会議は、道路運送法施行規則を根拠としており、コミュニティバスやオンデマンド交通など、本市が運営する公共交通の運行内容を協議することを目的としており、交通防犯課が所管しております。
一方、成田市地域公共交通活性化協議会でございますが、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を根拠としておりまして、地域公共交通計画の策定及び実施に関する協議を目的としており、地域公共交通計画を扱う都市計画課が所管しているところでございます。それぞれ根拠とする法律や目的に違いがあることに加えまして、公共交通全体の活性化を図る成田市地域公共交通活性化協議会は、地域ニーズの把握などを図るため、福祉や観光など、より幅広い分野の方々も含めて構成しているところでございます。 以上です。

神崎勝 議長

眞野議員。

眞野 義行

ありがとうございます。 なかなか一度説明を聞いただけでは、私にはちょっと理解し難いところがあり、実は市民の方から、公共交通について調べているときに、目的の地点にたどりつけず、その途中でいろいろな公共交通に関する言葉が出てきて、どうなっているんだと問われて、申し訳ないです、答えられなかったので、いま一度確認させていただきました。ありがとうございます。
先ほどから私はMaaSの話をしているんですけれども、MaaS推進に向けて積極的に取り組んでいる自治体は、MaaS推進協議会を立ち上げ、MaaS推進課ともいいますが、公共交通DXのための横断的な体制を整え、計画立案をしています。
この先、公共交通DXは間違いなく進んでいきます。そのときに、担当課や協議会が複数存在する本市の形だと、なかなかつなぎ目なしのスムーズな地域公共交通網形成の構築が難しいのではないかと感じます。10年後の2035年には、3人に1人が65歳以上の高齢者、オンデマンド交通を高齢者福祉課で扱い続けることは、私は難しいのではないかと考えます。
MaaSへの取組を始めている先進都市では、年齢による補助の仕方を工夫しながら、全ての市民に活用しやすい方法を考えています。先ほどの市長答弁に、市内全域を対象とした様々な公共交通サービスが互いに補完し合う運行体制の構築が求められておりますとあったように、オンデマンド交通の所管を都市計画課に移すか課の新設を行って、2035年問題に対応できる組織づくりが必要だと考えます。市のお考えをお聞かせください。

神崎勝 議長

鈴木都市部長。

鈴木浩和 都市部長

公共交通を持続可能なサービスとして構築をしていくためには、目的や方向性の共有を図り、各関係者がその目的や目標に向かって、施策を進めていくことが重要だと認識しております。
このための取組を具体的に表したものが本市の地域公共交通計画でありまして、本計画に沿って、全ての関係者が必要な取組を進めるよう、引き続き計画を所管する都市計画課を中心といたしまして、各施策の進行管理を行ってまいりたいと考えております。
一方で、現在コミュニティバスやオンデマンド交通それぞれに運行実態を踏まえ、持続を図る上での検討を行っているところでございまして、民間の交通事業者の方もまた同様に、運転士不足などの課題を抱えつつ、運行に当たっている状況と認識しているところでございます。
人口減少や高齢化などの社会情勢を踏まえまして、どのように公共交通サービスを持続していくのかは、行政、交通事業者、利用者の方々など、幅広く関係するこれは地域課題であるというふうに言えると思います。
地域公共交通会議や地域公共交通活性化協議会において、ニーズやその実態を踏まえて公共交通の在り方、そしてサービス提供の方法などについて、幅広く検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。

神崎勝 議長

眞野議員。

眞野 義行

ありがとうございます。 国は、既存の考え方や仕組みでは解決できない日本の超高齢化社会の対策としても、公共交通DX、MaaSの推進を全国に促しています。
例えば、お隣の四街道市、国土交通省が公募した令和2年度グリーンスローモビリティの活用検討に向けた実証調査支援事業に応募し、全国6地域の一つに選出されています。
グリーンスローモビリティとは、時速20キロメートル未満で公道を走る電動乗合交通で、環境への負荷が少なく、狭い路地も通行が可能で、高齢者の移動手段の確保や観光客の周遊に資する新たな交通手段として期待されているものです。検討を重ねながらも、現在、高齢化が進む千代田団地内で無料で運行しています。
このCO2を排出しない電気自動車の活用というのは、スマートシティづくりの基盤であり、MaaS進捗にはなくてはならないものです。
さて、CO2を排出しない再生可能エネルギーの活用は、自治体のみの努力では進捗しません。市民一人一人の方の意識向上や実際の取組が必要になります。先ほどのご答弁で、太陽光発電システムに併せて、蓄電池設置への補助についても申請する方が増えているとのお答えでしたが、これの具体的な数字を教えてください。

神崎勝 議長

岩沢環境部長。

岩沢宏樹 環境部長

本市では、平成25年度から定置用リチウムイオン蓄電池の補助を実施しております。補助件数につきましては、平成29年度までは最大で年間32件でございましたが、平成30年度は79件、令和元年度は74件、令和2年度は111件、令和3年度は126件、そして昨年度は107件でありました。令和4年度までの延べ件数は603件となります。 以上です。

神崎勝 議長

眞野議員。

眞野 義行

蓄電池の補助申請者が増加傾向にあるというのは分かりましたが、今後の傾向についてはどうお考えでしょうか。

神崎勝 議長

岩沢環境部長。

岩沢宏樹 環境部長

蓄電池は、太陽光発電システムに併せて設置することにより、昼間に使い切れなかった太陽光発電の電気をためて、別の時間帯に使用できることに加え、最近では、災害などによる停電時にも電源として使用できるということで、設置が増えている状況にございます。
近年の傾向としては、電気料金の上昇や固定価格買取制度の期間が経過して、電気の買取り価格が下がったご家庭が増えたことなど、こういったにより太陽光発電の電気は、自家消費した方が有利な場合が増えていると考えられます。さらに、蓄電池の低価格化が進み、従来に比べて割安感が出てきたと承知しております。 このようなことから、今後も蓄電池の補助申請は増えていくのではないかと考えておるところでございます。

神崎勝 議長

眞野議員。

眞野 義行

ありがとうございました。ゼロカーボンシティを宣言している本市ですから、こういった補助のさらなる拡充をご検討お願いします。
次に、成田市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の中にある成田市役所エコオフィスアクションの4つの重点取組の中で、公用車については、原則として電動車等を選定することとしますとありますが、現状の公用車の電気自動車比率を教えてください。

神崎勝 議長

野村総務部長。

野村吉男 総務部長

消防車両を除いた本年9月1日現在の本市の公用車は182台で、そのうち電気自動車は4台であり、うち1台は本年3月に導入しており、その比率は約2%となっております。
また、電気自動車以外にも低公害・低燃費など、環境負荷が少ないハイブリッド車を現在9台導入しており、ハイブリッド車も含めた比率は約7%でありますが、今後もリースの更新などに合わせて順次導入を予定しております。
以上でございます。

神崎勝 議長

眞野議員。

眞野 義行

分かりました。 公共施設への市民が利用できる充電スポットの設置について、検討を進めてまいりますとのお答えが先ほどありましたが、まず市役所駐車場に充電スポットを設置してはいかがでしょうか。窓口が混んでいても、その待ち時間に電気自動車の充電ができるとあれば、待ち時間のストレスがかからない上に、電気自動車普及のための成田市の本気度といいますか、見える化につながるとも思うのです。駐車場の再整備と異なり、すぐにでも実施できるような気もしますが、市のお考えをお聞かせください。

神崎勝 議長

野村総務部長。

野村吉男 総務部長

充電スポットの設置は、電気自動車の普及に有効であると認識しておりますが、市役所駐車場への設置については、庁舎の大規模改修などと併せて検討してまいります。
以上でございます。

神崎勝 議長

眞野議員。

眞野 義行

ありがとうございます。大規模改修を待つというお答えでしたけれども、2050年ゼロカーボン期限は近づいておりますので、ぜひ市の本気を示すためにも、複数基の充電スポットの設置を要望いたします。 次に、成田市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の同じく第5章、二酸化炭素排出削減等に向けた5つの重点取組の中に、まち歩きや自転車が楽しめる環境づくり、環境に配慮した交通体系の整備などが挙げられています。CO2排出抑制のための具体的な取組としては、市民や事業者に対して、公共交通機関利用の推奨、ノーカーデーの奨励、新規自動車購入の際には、次世代自動車選定推奨などが挙げられています。 ゼロカーボンシティ実現のためには、公共交通網の整備と環境問題は非常に密接な関係があることは周知の事実です。特にMaaSに取り組んでいる都市は、地産地消のエネルギー活用とともに、脱ガソリン車、そしてその先の脱自家用車を目指しています。こうした都市機能全体に関わる問題については、全庁を挙げた横断的な取組が必要なことは言うまでもありませんが、これまでに公共交通網整備と環境問題について、庁内でどのような意見交換を行ってきましたか。

神崎勝 議長

岩沢環境部長。

岩沢宏樹 環境部長

環境問題は公共交通のほか、行政の多くの分野に横断的に関わっているものでございますので、今回の環境基本計画の中間見直しに当たりましては、庁内の組織であります環境管理委員会におきまして、庁内の意見を集約して計画に反映させてきたということでございます。
ゼロカーボンシティの実現に向けては、組織横断的な取組が必要でございます。したがいまして、各部署において所管する事業につきましても、環境基本計画中間見直し及び地球温暖化対策実行計画の考え方を踏まえて実施していくとともに、必要に応じまして全庁的に意見交換を行いながら、今後も取り組んでまいります。 以上でございます。

神崎勝 議長

眞野議員。

眞野 義行

ありがとうございました。今後とも全庁横断的な話合いを活発によろしくお願いいたします。
それでは、ここで配付した資料をご覧ください。私が所属する政友クラブで7月に行なった群馬県前橋市の視察のものです。前橋市は、2022年デジタル田園都市国家構想推進交付金事業を活用し、MaaSの取組を開始しています。 まず、資料右上の番号では24と書かれている部分をご覧ください。
「スマホひとつで目的地までらくらくご案内」と題して、バス、鉄道、タクシーなど個々ばらばらの交通サービスではなく、スマホ一つでどれでも利用できる公共交通網の構築を目指しています。2020年に実証実験を始め、僅か2年で社会実装を進めている前橋市のスピーディーな取組には、非常に驚かされました。
電車、バス、タクシーもそうですが、市内のレンタル自転車もICカードで予約決済ができ、使用時に限ってはICカードだけでなく、マイナンバーカードをかざすとロックが外れ、使用ができます。担当者に直接お伺いしたところ、やはり年々利用者が増えていて、環境に配慮した、そして健康に留意した、こういったサイクリング、自転車活用というのは増えているということです。
次に、裏面をご覧ください。裏面の下、めくっていただいて番号41の部分ですが、この今言ったマイナンバーカードが自転車だけでなく、様々な交通機関で利用できるようになっているんです。
それは一体どういうことかというと、このマイナンバーカードのマイタクシステム、これはタクシーを利用するときの例なのですが、このアイディアが非常に秀逸で、マイナンバーカードにはICチップがあるんですけれども、そのICチップには2分の1くらいの空き領域がありまして、そこに直接、市役所に行って、改めて氏名、年齢、住所等を伝えて直接書き込んでいただいて市民認証ができると。これで間違いは起こらないんですね。これで、このデマンドタクシーのマイタク、バス、電車、シェアサイクルまで、利用して、タッチすれば市民と認証して、割引の支援が受けられることになっています。 この資料に記載されているとおり、このICチップの活用は自治体の条例で定めることが可能だそうです。ただ、マイナンバーカードについてはいろいろな議論もありますので、最終的に銀行口座のひもづけというところまでいけば、普通の交通系ICカードと、それからキャッシュカード、タッチ形式で、これも全てキャッシュレスで行われるのではないかというのを目標にはしています。先ほど言った南房総市、あそこも今、実証実験でできるかどうかというのを検討しているそうです。
次に、再び表面にしていただいて、すみません、あっちもこっちも。右上の番号39、下のほうです。
これはデマンドタクシー、マイタクの説明になっております。乗車対象が高齢者に限られておらず、障がいを持たれている方や妊産婦さんの方も利用可能です。これは富里市が始めるというか、多くの自治体で高齢者という区切りは、やっぱりしていないんですね。市民一緒になって、ただし補助の仕方を年齢に、またはいろいろな問題で変えるというのが多くのパターンです。
ここの赤字で書いてありますけれども、既存のタクシーを活用した運賃補助サービスを全市域に導入すると。つまりオンデマンド交通が走っているところと、普通のタクシーが走っているこの料金の差がどうとか、民間を圧迫するとかというのは起きないということです。福祉のタクシーのように扱ってしまうとこうなるけれども、みんな一緒に走って、その中で年齢に応じて後で補助を出すという形式にすれば、民間も困らない。なので、共存共栄が図られるということなんです。
ですから、私も先ほどから言っているとおり、ちょっとMaaSという形で全体の公共交通網、それから民間のタクシー、いろんなことを考えてみるのもひとつ大きな手ではないでしょうかというのは、そこに理由があります。
資料にはないんですけれども、この同じ前橋市のバスの利用の仕方がこれも非常に画期的で、前橋駅から、前橋に県庁があるんですけれども、約3キロの区間、ここに日本でも珍しい6路線の系統のバスが走っているそうです。それぞれ時間も違うし、バス停も違う。これは、利用者の多い時間帯はバスの本数が多いけれども、利用者の少ない時間帯は当然本数がない。市民にとっては非常に不便であったと。それから、同じ時間帯にバスが競合して走るので利益も薄い。これで前橋市は何をしたかというと、この6つのバス会社を集めて共同経営にしましょうと、この区間だけは。これは今もう実現して運行しています。
すごいのは、何がよくなったかというと空白の時間帯がなくなったので、A社は朝の7時台にばっと出す。B社は10時台、割と閑散とするところに回すと。だけど、このA社とB社でそれぞれ上がった収益は、足して2で割る。なので、6社が集まっていますので、トータルで空いているところにバスがあって、乗客が少なくても、利用者が多いところの分を配分するので、結局バス会社全体として非常に利益が上がって、市民のバスの利用率も上がったと。今まで空白の時間にバスが走るようになりましたので。
だから、やればできるんだなと。そんなこと言ったって、できないと思っちゃうんですけれども、できないで話しているとできないのだなと。でも、やるという方向でやると解決するんだなと、これすごく感じました。
私は、成田市、先ほどから言っていますけれども、やはり国際空港を抱えていて、冒頭でご紹介したとおり、ANAもJALも空港と地上の交通の便を一体化すると、つなぎ目なしに。こういったMaaSの取組を積極的にしているんです。それから、JR東日本ももう行っています。千葉交通もそうですけれども、まだ本格的ではないですが。これは成田市、私はずっと成田の空港の更なる機能強化、それから成田空港の持つポテンシャルを最大圏に生かすと。この中に、やっぱりMaaSというのを一つ入れて、スマートシティづくりを目指していくと。
これは自分の意見ですけれども、もちろんですが、更なる機能強化って、やっぱりどこの、周辺部にいても中心部にいても空港の騒音下にいらっしゃる方も、できるだけひとしく同じ公共サービスが受けられる。民間も今みたいに市と協働して、いいよ、公共交通の一つとして民間も参入しましょうと。そうすると、運転士の高齢化問題、コミュニティバスも、それからバスもタクシーも、2035年問題のときには、公共交通の運転士から民間のタクシー、バス会社の運転士も、みんな免許返納になってくるわけです。
免許返納にみんななっちゃったら、どんなに公共交通網を立派にしても運転士がいない、それは皆さんお分かりのことですよね。それをみんなまとめてみんなで、そうすると運転士の働き方改革の時間シフトをずらせばうまくいくんじゃないか、あらゆる可能性があって、これが観光に非常に使われるわけです。
外国から日本に来るときに、成田市が統計を取ったわけじゃない、分からないですけれども、現状成田市はトランジット&ステイ、トランジットの間、時間を使うというパターンの外国人が、統計を取っていないから分からないですが、成田を目標に来ている外国人の方はどれくらいいるのだろうと。でも、外国から全て成田市内のシェアサイクル、シェアリングカー、それからバス、電車、全て外国から航空会社が行っているように、オンラインで予約、決済ができれば、成田は魅力が増すと思います。
先ほど飯嶋重一議員もありましたけれども、観光の方法が変わっているなと。外国人がみんな自転車で回っているな、日本人も回っているなと。だから、そういったことが本当にシームレスにつなぎ目なしで、ICカードをピッピッとやって、そういったまちづくりをやれば、成田市の観光もすごく魅力的になるし、私はやっぱり国際都市成田は、先進事例を見に行くというのはいっぱいあっていいんですけれども、このMaaSということについては、他市から、先進事例だな成田市ってと、多くの行政の方、議員が来るような都市であれば、やっぱり成田市は大きく活性化するとすごく思うんです。 ですから、私の言っていることは、またまたそんな簡単に言ってと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、でも前橋市はやっちゃっていますから。だから、もしもそうかなと思われる方がいたら、ぜひ進捗を前向きにお考えください。
以上で、私の一般質問を終わりにいたします。