一般質問

眞野義行 皆さん、こんにちは。 議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。 通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。 なお、議長の許可を得まして資料を用意しております。 後ほど説明いたします。 テーマは、外国人患者受入れのための体制整備についてです。 質問は大きく分けて2つです。 大問1は、外国人患者受入れに係る対応について、市はどのように考えているのか。 大問2は、外国人医療対策協議会等の設置が必要と考えるが、市の見解は。 それでは始めます。 今から約1か月前の5月2日、八富斎場でインド人女性の火葬式に参列しました。 インドからアメリカへ向かうインド人の母親と息子さん。 成田空港での乗換えで飛行機待ちの間にお母さんがめまいを起こし、成田赤十字病院に救急搬送。 診断の結果、エコノミー症候群と判明しましたが、治療のかいもなく4月30日にお亡くなりになりました。 様々な経緯から、私はこの方の火葬まで関わることになったのですが、成田赤十字病院、成田市役所、葬儀屋、火葬場などと連携、交渉を行いました。 成田赤十字病院の国際診療科の医師は英語が話せる葬儀屋を探し、その葬儀屋がアメリカ大使館に連絡をし、その結果、5月2日の午前中に火葬式が実現し、夕方の特別便でアメリカに飛び立つことができました。 寄る予定のなかった日本で母親が入院し、そのままお亡くなりになり、お骨にしてアメリカに持っていかなければならなくなった息子さんは、言葉が分からず、すべきことも分からず、悲しむ暇もないままアメリカに旅立ちました。 国際空港を抱えた都市にはこういう問題が起きるということを、そしてその対応が本当に大変であるということを、身をもって知ることができました。 もし、この息子さんが英語を話せない方だったら、この特別便に間に合ったかどうか。 そういう意味では、彼は不幸中の幸いだったと言えます。 ところで、葬儀屋の請求額は40万円を超えていました。 私はその高額さに驚いて相談すると、英語の通訳、文書作成、市役所までの同行、その後空港まで付添いをされるということだったので、決して高額とは言えない金額であるとも思いました。 状況を考慮し、結局かなり請求金額は下がりました。 病院の費用については、ICU入院治療で100万円を超えました。 日本の公的医療保険を有していないために、このような高額請求が発生したのです。 旅行者にとって支払える金額ではありません。 まして、単なるトランジットだったのですから。 この1週間後、治療にあたられた成田赤十字病院の先生から連絡が入りました。 外国人患者及び外国人医療費問題についてお話がしたいと。 私も、今回のことでこの問題に関心を持ったので、すぐにお目にかかることにしました。 また、母親を亡くしたインド人の息子さんが、医療費をきちんと支払えたかどうかも気になっていたので。 結局、葬儀屋さんと成田赤十字病院に支払われた金額は総額で約35万円、アメリカに到着後支払うという約束でしたが、今も支払いはありません。 海外旅行保険に加入していなかったようです。 成田赤十字病院の未収金額は約100万円です。 さて、一口に外国人患者といっても、異なる3つのタイプがあります。 1、日本で暮らす資格を持っている在留外国人患者、2、医療目的で日本の医療機関を受診する外国人患者、3、日本滞在中に病気やけがで治療が必要となった訪日外国人旅行者患者の3つです。 1番目の在留外国人患者の場合は、日本の公的医療保険に加入していることから、日本の医療文化や医療習慣を一定程度理解しています。 しかしながら、様々な理由で公的医療保険に加入していない、またはできない在留外国人の方もいます。 彼らが大きな病気やけがで医療機関にかかるともちろん10割負担になり、場合によっては100万円以上の高額な支払いが生じます。 さらに、健康保険がない外国人に対しては、200%の診療費を請求する病院もあるので請求額はさらに高額になり、未払いが生じます。 2番目の、医療目的で日本の医療機関を受診する外国人患者とは、2011年に制定された医療滞在ビザを有して訪日する外国人患者及び同伴者のことです。 最長3年の滞在が可能で、治療・健診のほかに美容・健康増進、そういった目的でも医療滞在ビザは発行されます。 したがって、ここでいう外国人患者とは、主に海外の富裕層の方々を指します。 昨年、議員団で開業前に視察した国際医療福祉大学成田病院のホテルのような個室は、こういった外国人をターゲットにしています。 こうした動きは医療ツーリズムと呼ばれ、富裕層の間では認知度が高く、世界的にかなりな広がりを見せています。 3番目の、訪日外国人旅行者患者は、訪日同行者のみならず単に乗換えのために空港やホテルにいる間にエコノミー症候群などで体調が急変し、救急搬送される外国人旅行者も含みます。 2019年、観光庁が行った、訪日外国人旅行者の訪日中の不慮のけがや病気の医療費をカバーする保険の加入状況等に関してのアンケートでは、約74%の方が旅行保険に加入しているという結果が出ました。 逆に言えば約26%、実に4人に1人が傷病に対して無防備な状態で訪日しているということになります。 この26%の訪日外国人が患者になると、1番目の公的健康保険に加入していない在留外国人と同様の医療費未払いという、深刻な問題が生じる可能性があります。 以上のことから、外国人患者受入れには様々な対応が必要となります。 ここで1つ目の質問をします。 外国人患者受入れに係る対応について、市はどのように考えているのでしょうか。 さて、ここでお手元の資料1をご覧ください。 成田赤十字病院外国人患者数の推移です。 患者数は延べ人数になっています。 平成29年、2017年に国際診療科が開設されてからのデータです。 国際診療科とは、以前より外国人患者を多数受け入れてきた成田赤十字病院が、今後さらに増えていく外国人患者に対して安心して受診、療養できるよう、またスタッフも不安なく医療を提供できるように新設した科です。 医療通訳、翻訳サービスなどのみならず、外国人患者の診療や保険の問題、帰国に関するサポートなど、国際医療に関連して院内で生じる様々な問題の窓口となっています。 このデータを見ると、令和2年度には延べ外国人患者数が5,324人にまで増加していることが分かります。 コロナ禍ですので在留外国人の増加が要因ですが、この4年間の国際診療科の人道的な対応が患者増につながっているのだと思います。 さて、このデータの令和元年度の4,701人の延べ患者数について説明します。 実質患者数は3,770人、そのうち在留外国人は3,354人、訪日外国人は416人。 この416人は短期滞在資格(観光等)で在留しているため、日本の公的保険に加入していません。 この年の成田赤十字病院の未収金額総額は1億436万7,400円です。 内訳は日本人未収金額約8,300万円、外国人未収金額約2,100万円。 外国人未収金額の内訳としては、在留外国人の未収金額が約1,500万円、訪日外国人の未収金額が12人で約600万円となっています。 訪日外国人の例を2つ紹介します。 Aさんは、入国後、成田空港から救急搬送され、数日ICUで治療後に死亡。 発生した医療費は162万7,953円、うち支払われた金額は18万7,933円。 Bさんは旅行者で、国内旅行を終え帰国直前に救急搬送され、数日ICUで治療後、死亡。 発生した医療費は445万7,051円、うち支払われた金額は約80万円。 どちらも分割払いの誓約書を書いてもらっていましたが、退院、帰国後に電話やメールで督促するも、一度も支払われていません。 このケースは、まさに私が関わったものと同じです。 裁判を起こしたとしても、日本の判決は海外では有効にならないので、実質意味がありません。 日本に財産があれば、その差押えもできますが、旅行者なので差し押さえる財産もありません。 つまり、病院の医療かかり逃げという、言葉は悪いですが形になってしまいます。 では、こういった医療費不払いのリスクを抱えた外国人の診療を、医療機関は拒否できるのでしょうか。 それはできません。 医師法により、治療を求める患者がいる限り医師は診療を拒否することができず、必ず治療に応じなければならないという、応召義務が発生するからです。 赤十字という社会的責任を負う成田赤十字病院が、お金を払えそうにないからといって診療拒否などできず、まして、空港から救急で搬送された外国人の診療拒否などできるはずはありません。 ここで、資料1の裏面をご覧ください。 これは、空港内急病人搬送先医療機関一覧です。 警防課で過去5年に遡って調べてくれました。 このデータは日本人と外国人合計の搬送人数です。 空港内での外国人救急搬送の際には、総務省消防庁が推奨している14か国、15言語に対応している救急隊員用多言語音声翻訳アプリ「救急ボイストラ」を使用することで、成田市もこれまで大きな混乱もなく外国人を搬送できているそうです。 しかしながら、搬送先の医療現場では多言語化に対応し切れていないことが実情です。 上位3つの医療機関に、この多言語化についての聞き取り調査を行いましたが、やはり通訳または外国語対応医療ソーシャルワーカーなどの整備が追いついていないということでした。 診療費未払い問題とともに、この医療通訳者の確保・育成も大きな課題となっています。 医療現場の負担を軽減するためにも、訪日外国人旅行者に直接関わるNAA、各空港会社、消防、医療機関、そして通訳人材確保に関わる国際交流協会などの機関が一堂に会する必要性が生じていると思います。 そこで、2つ目の質問です。 外国人医療対策協議会等の設置が必要と考えるが、市はどのようにお考えですか。 以上で壇上からの質問を終わります。 雨宮真吾 議長 小泉市長。 〔市長 小泉一成君登壇〕 ◎市長(小泉一成君) 眞野議員の、外国人患者受入れのための体制整備についてのご質問にお答えいたします。 まず、外国人患者受入れに係る対応について、市はどのように考えているのかとのことでありますが、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響により訪日外国人旅行者数は大きく減少し、在留外国人数についても減少しておりますが、我が国における訪日外国人旅行者数及び在留外国人数は近年増加傾向にあり、本市における外国人住民も増加しております。 このような中、国では平成30年6月に、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策を取りまとめ、日本を訪れる旅行者が医療を必要とする場合に備え、安心・安全に医療を受けられる環境を整えることとしております。 また、訪日外国人に対する取組に加え、在留外国人につきましても、外国人材の受入れ、共生のための総合的対応策を取りまとめ、全ての居住圏における外国人患者が、安心して受診できる体制の整備を進めることとしております。 さらに、外国人患者の受入れ体制に係るニーズなどは都道府県ごとに異なり、優先課題も大きなばらつきがあると考えられ、増加が続く外国人患者を単独医療機関で受け入れるには限界があることから、医療機関に対する支援とともに地域での受入れ体制への支援が重要とされ、都道府県単位の外国人患者受入れ体制整備に対する支援が進められております。 本市では、市内医療機関における外国人患者の受入れ状況などにつきましては把握しておりませんが、国際医療福祉大学成田病院においては現在4か国語に対応し、患者の受入れを行っているところであり、成田赤十字病院においても、平成29年度に国際診療科を開設するなど、体制の整備及び充実が図られているところであります。 また、市のホームページにおいて、市内医療機関の掲載と併せて多言語対応が可能な県内医療機関などの情報が掲載されている「ちば医療なび」を紹介することで、外国人住民が外国語の対応が可能な医療機関などを検索するための一助となるよう、対応しているところであります。 外国人患者の受入れにつきましては、言語への対応や医療費の未払いなどの課題もあると認識しており、国や県での広域の医療体制の整備が必要であると考えておりますので、今後も動向を注視するとともに、外国人患者が必要とする情報の提供を図ってまいります。 次に、外国人医療対策協議会等の設置が必要と考えるが、市の見解はとのことでありますが、国では、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策において、外国人患者が直面する様々な課題に対して幅広く検討することができるよう、行政機関、医療機関に加えて外国人患者受入れ体制整備に関連する関係機関を集めた協議の場を設置することを推奨しております。 外国人医療対策協議会等の設置につきましては、都道府県に設置が求められておりますが、現在までのところ千葉県では設置されておりませんので、今後設置された場合につきましては、本市においても必要に応じて協力をしてまいりたいと考えております。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ご答弁ありがとうございました。 それでは、質問席より質問を続けます。 ここで、東京にある国立の国際医療研究センター病院のホームページを紹介します。 日本の健康保険資格を有していない外国人患者の、診療報酬の請求についての告知です。 「①海外在住で日本の健康保険資格を有しておらず、治療目的のために来日し、当院を受診した場合は、受け入れ準備および事務作業等に必要な業務量を考慮し、診療報酬点数1点につき30円を請求いたします。 」つまり、受診をすれば通常の3倍の診療費がかかるということです。 「②今、日本にいて、日本の健康保険資格を有しておらず、上記①以外で当院を受診した場合は、診療報酬点数1点につき20円を請求いたします。 」つまり、2倍の診療費が発生するということです。 一体、なぜこのような告知をするのでしょうか。 理由は、日本の高度な医療を受けて診療費を払わず、そのまま母国へ帰ってしまうという、そういった悪質な外国人がいるからです。 先ほど説明した、医療ツーリズムで訪日する富裕層とは明らかに異なります。 また、1点につき20円を請求することとともに、事前に医療費が高額になることを知らせておき、前払い制度であることを告知しておけば、医師の応召義務に反することなく、診療費を払わない外国人の受診拒否ができるからです。 この対策は、未払い問題を回避するために有効で、厚生労働省も認めています。 これらは、病院経営上必要な措置であると言えます。 さて、ここで成田赤十字病院の例を紹介します。 赤十字病院でも、診療点数については度重なる討議がありました。 しかしその結果、国際診療科開設の本来の目的に準じ、その道義的責任から1点につき10円で診療を行うことになりました。 つまり、日本人と同等の診療費です。 空港周辺の医療機関がそれぞれの事情で個別対応になることは仕方がないことですが、特に救急搬送された訪日外国人患者に対する対応が、病院ごとに異なるということになると、訪日外国人にとって安心・安全な都市であると言えない可能性があります。 そこで質問します。 国の示す、日本を訪れる旅行者が医療を必要とする場合に備え、安心・安全に医療を受けられる環境を整えるとは、具体的にどういったものを想定しているのでしょうか。 お答え願います。 雨宮真吾 議長 高橋健康こども部長。 ◎健康こども部長(高橋一夫君) 国では、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策において、外国人観光客自身の適切な費用負担を前提に、予期せぬけがの際、不安を感じることなく医療等を受けられ、安全に帰国できる仕組みを構築するとしております。 具体的には、可能な限り多くの外国人観光客の加入を目指した旅行保険への加入勧奨に取り組むことや、観光の振興に主体的に取り組む地域ごとの多様な関係者の連携による環境整備を国として支援するなどとされております。 以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。 ご答弁のとおり、未払い問題が発生しないためには、訪日外国人が自己責任で海外旅行保険に加入することが極めて当たり前、かつ大切なことだと思います。 観光の振興に主体的に取り組む地域ごとの多様な関係者の連携による環境整備も必要不可欠なことになっていくと思います。 さて、皆さんは成田市内在住の小学生O君のことをご存じでしょうか。 昨年、体に大きな疾患が見つかり、千葉大学医学部附属病院で手術を受けました。 放置しておけば確実に命に関わる問題でした。 最初は成田赤十字病院に相談があったのですが、そのときに病院では、難民申請中の親子は健康保険に加入できておらず、このまま日本で手術を受ければ極めて高額な費用が発生すると。 そこで、ぜひ母国に帰国して手術を受けることを勧めました。 しかし、難民として日本に逃れてきたので帰国をすると逮捕されてしまうと、殺されてしまうということから帰国を拒否。 その後、幾つかの経緯を経て、結局千葉大学医学部附属病院で手術ということになりました。 手術は無事成功しましたが、この親子には多額の未払い金が生じました。 総額626万4,550円です。 毎月3万円、18年をかけて返済していかなければなりません。 公津の杜にあるカトリック成田教会では、日本語補助教員を行っていらっしゃる方の呼びかけもあって、O君のための募金活動がありました。 日本人と多くの外国人信者の皆さんが寄附をして、3週間で33万4,479円が集まりました。 しかし、彼はこの先非常に重い十字架を背負って生きていかなければなりません。 ところで、保険未加入者に対する救済措置として、無料低額診療制度というものがあります。 生活保護受給者でない方で低所得者、要保護者、ホームレス、DV被害者、短期滞在の外国人、不法滞在者、旅行者など、生計困難者が対象になっています。 しかしながら、それを実施している医療機関または医療法人が少ないのが現実です。 東京には無料低額診療で受診できる病院がたくさんあり、メディカルソーシャルワーカーのグループが、外国人で医療費が払えない方々に無料低額診療で受診できるよう取組をしてくれています。 千葉県は、無料低額診療事業を行っている病院が少ないことに加えて、成田市には無料低額診療制度を持つ病院がありません。 こういった問題を、国際都市を標榜する成田市が放っておいてよいのでしょうか。 外国人患者受入れのための体制整備は、これからの成田市の発展には欠かすことのできないものだと思います。 そこで、最後の質問をします。 外国人患者が必要とする情報提供を図ってまいりますとのお答えでしたが、市は、具体的にはどのような情報提供を想定しているのでしょうか、お願いします。 雨宮真吾 議長 高橋健康こども部長。 ◎健康こども部長(高橋一夫君) 具体的な情報提供といたしましては、市長よりご答弁申し上げましたとおり、市のホームページにおいて、市内医療機関の掲載と併せて多言語対応が可能な県内医療機関などの情報が掲載されている「ちば医療なび」を紹介することや、13言語で様々な相談について受け付けている成田市外国人総合相談窓口を案内するなど、外国人患者の方が必要とする情報の提供を図ってまいります。 以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。 発信する情報が、医療を必要としている人に対応しているかどうかは、今後詳しく検討していく必要がありますが、それにしても、このO君を救う手だては成田市にはないのでしょうか。 ここで、日本最大の湿原と国の特別天然記念物のタンチョウ、そして阿寒湖と特別天然記念物のマリモで有名な釧路市の外国人患者の対応を紹介します。 私からの問合せに、1時間かけて全ての経緯と現状を語ってくれました。 それはすばらしい取組でした。 2013年、人口約16万人の釧路市は、釧路市外国人傷病者対応連絡協議会を設立しました。 市役所関係各所、医師会、歯科医師会、薬剤師会、観光コンベンション協会、3つの運輸会社、アジアからの研修生を受け入れている企業、そして国際交流会と連携を図り、外国人の方々に、仕事でも観光でも安心して釧路市を訪れていただけるようにするためです。 そして、その2年後の2015年には、通訳者登録制度を始めました。 現在では延べ100人の登録があるそうです。 外国人医療問題として最初に上がることは言葉の問題です。 これにより、医療機関ごとの個別対応で医療現場にかかっていた負担が軽減され、外国人たちが安心して就労や生活ができることにつながっているそうです。 翌2016年には、電話医療通訳及びビデオ医療通訳「メディフォン」の導入を決めました。 しかし、当初予算は26万円。 十分なサービスを受けられないことは分かっていましたが、外国人医療問題を解決するためには、とにかくやってみるんだという意気込みで始められたそうです。 すると、その取組が国土交通省北海道運輸局の目にとまり、実証実験対象地域として認定されたのです。 この登録者の方々の中で、希望者にはプロの同時通訳者を講師に招き、テクニック、マナー、災害時対応通訳の研修も行っています。 さらに、多言語化する訪日外国人に対応するために、昨年2020年から、市の職員と在留外国人を対象にした易しい日本語の講習会も始めたそうです。 港町である釧路市の取組は、国や北海道の動向を待たずに、自分たちの都市のさらなる発展を目指して始めたことがすばらしく、空の港まち成田も大いに参考になることではないでしょうか。 新型コロナ終息後は、世界中の人流が劇的に活発になることが予想されています。 留学生や実習生が再び増加することは確実です。 感染症対策を含めた安心・安全な都市であることは、渡航先、就労先、留学先を決定する上で重要な選択肢の一つになることは間違いありません。 そのために、外国人であっても安心して地域の医療機関にかかることができるシステムづくりは急務となると思います。 そこで、私は4つの提案をします。 一つ、通訳人材バンクの設立。 例えば、教育委員会で現在採用している日本語教育補助員及び有償ボランティアの方は22名、対応言語は9か国語。 さらに英語指導補助教員ALTは16か国で45名。 対応言語は、出身国で考えた場合、英語を含めて9か国語。 両者を合わせると、中国語とシンハラ語のかぶりを引いて16か国語に対応できることになります。 雇用形式の問題を考えずに純粋に人材として、教育委員会のみでこれだけいらっしゃいます。 現在、国際交流協会に、通訳ができる方と対応言語についての調査を依頼していますが、この組織にも多くの人材があると思います。 都市ボランティアの方々も十分に対応可能ではないでしょうか。 釧路市の通訳者登録制度のように、成田市独自の人材バンクを設立することは、今後の成田市の発展に大きく寄与することは間違いないと思います。 2つ目、国際医療福祉大学による医療通訳者養成講座の開設。 大学には既に問いかけをしてあります。 同時にJALとANAにも提案しました。 国際交流協会とつながっていく可能性もあります。 3つ目、外国人未払い医療費補填事業の開始。 例えば、公益財団法人東京都福祉保健財団では、「外国人未払医療費補てん事務」を東京都から委託し実施しています。 空港対策特別交付金の一部をNAAと協議して運用することは十分に可能ではないでしょうか。 これもNAAには相談をしています。 可能性の問題ですので、できるかどうかはまた別だと思いますが。 4つ目、外国人医療対策協議会の設置。 医療機関同士の連絡が不十分な上に、NAAや航空会社との連携もなかなかうまく取れていません。 JAL、ANAに確認しましたが、やはり年に一度ぐらいはこういった外国人旅行者の方で容体が急変される方がいると。 ただし、その方に対する未払い金が生じた場合に、一体この未払い金を誰が持つのかということが、空港のどこで救急車を呼ばれたとかその範囲によって、航空会社が一部負担する場合と、受け入れた病院が負担する場合と様々なことがあって、これは非常に微妙な問題をはらんでいきます。 そこに確かな補填の金銭的な補助がないと、恐らく対策協議会を開いても生々しい話が出てきて、うまくまとまらないのではないかというのが、私の聞き取りからの感想でした。 そこで医療費の問題以外でもぜひ必要だと思われるのは、医療通訳に係る関係者が持つ情報を総合的・横断的に共有する場の必要性です。 それは、さきの通訳人材バンク設立とも関連します。 成田市では、既に災害医療対策会議を継続的に行っています。 その会議に訪日外国人医療問題を加えることはとても有効な方法ではないでしょうか。 千客万来で外国人を招き入れ、けがや病気をしたら自己責任だと。 確かにそのとおりで、旅行保険に入っていない訪日外国人が悪いと、それもそのとおりだと思います。 ですが、それを受け入れざるを得ない医療機関に発生している未払い金の問題は、これは一病院だけが対応できることではありません。 国際都市成田に課せられた使命ではないでしょうか。 そういう意味からも、私は外国人医療対策協議会の設置は、国や県の動向を待たずして成田市が積極的に行うべき緊急な課題だと思っています。 住んでよし、訪れてよし、国際空港を抱える成田市は、先ほども言いましたが県や国の動向を待つのではなく積極的にこの問題に取り組み、成田市の安心・安全を日本中に知らしめるべきだと思っています。 最後になりますけれども、今、不法就労者や偽装難民、それから医療費を踏み倒そうとする外国人の問題、これかなり実は日本中で問題にはなっていますが、忘れてならないのは多くの外国人は一生懸命けなげに暮らしているということです。 その多くの真面目に暮らしている外国人の方々がさらに充実した医療、または様々な支援を受けられるためにも、この問題を市としてぜひ検討していただきたいと思っております。 以上で私の一般質問を終わりにします。 ありがとうございました。...

眞野義行 皆さん、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。なお、議長の許可を得まして、資料を用意しております。後ほど説明いたします。テーマは、スマートシティ推進についてです。それでは始めます。 2月17日に成田市議会初のオンライン研修会が開催されました。テーマは「今の時代における議員の役割」。そのお話の中で、講師をしていただいた大山教授から、議員のみならず日本社会全体のICT環境整備が遅れていて、苦手意識がある。 私は、その原因の一つに、日本中にはびこる英語風味の片仮名の氾濫があると思っています。適当な省略と純日本語発音。それらは当然ICTの世界にもあふれています。ハード、ソフト、アプリ、アカウント、サーバー、クラウド。ハード、ソフト、アプリなどは、幾ら頑張って発音しても、正しく意味は伝わりません。アカウント、サーバーは通じますが、クラウドはtheをつけないとICT用語になりません。全く困ったものです。 ところで、最近よく耳にする、このクラウドという言葉、ここで大変失礼なんですが、皆さんに質問させていただきます。一般質問ではありません。これは一体何でしょう。 〔「雲」と呼ぶ者あり〕 眞野義行 ありがとうございました、お答えを。私には今はっきりその正体が見えます。皆さんの頭の中に、頭上に、もくもくと浮かんでいる、まさにクラウド、雲だと思います。 ここからは私独自の解釈で話が進むので、多少無理がありますが、スマートシティ解説のためとご容赦ください。 さて、このクラウドは、頭蓋骨というハードの中に入っている脳というソフトから湧いて出てくるものなので、自分の頭上にしか存在しないし、ほかの人には見えません。その見えない雲の中にある情報を人に伝えるために言葉が生まれました。言葉という通信によって、一緒にいる仲間のクラウドが大きくなりました。 遠くの人にも雲の中身を伝え、記録に残すために文字が必要になり、もっと遠くの人と時間をかけずに情報交換するために電子が必要になりました。電子という通信によって、仲間のクラウドはとても大きなものになりました。そのおかげで、仲間内での情報交換、知識の共有が素早く、楽になりました。 ところが、ここで問題が発生します。蓄積された情報量があまりにも多く、そのため、人間による情報解析が難しくなってきたのです。また、その仲間内の知識や情報共有だけが便利に進化したため、ほかの仲間との情報交換がおろそかになってしまったのです。まさに縦割り組織です。 そこで、それぞれの集団が頭上に持っているクラウドの、もくもくもくと出た、ここを切って空に返した。そうすると、空を覆い尽くすほどの巨大なクラウドが存在しました。これを、現代社会ではビッグデータと呼ぶようになっています。 こうなってくると、もはや人間がアクセスして情報を探すのは困難になり、AI、人工知能が自分の判断で最適な情報を選択し、ロボットなどを通じてフィードバックすることが求められるようになってきました。つまり、物同士の情報交換、人間が介在しないということです。物同士の情報交換によって、人間の暮らしが快適になる時代がやってきたのです。 ここで改めて、皆さんに質問させていただきます。すみません、何回も。家の中で、最も稼働している家電は何でしょうか。 〔「冷蔵庫」と呼ぶ者あり〕 眞野義行 ありがとうございます。正解でございます。冷蔵庫であります。 例えばこんな冷蔵庫があったら、生活が便利になるんじゃないでしょうか。 スマホと連動させて、冷蔵庫に近所のスーパーを登録しておく。そうすると、スーパーから、今日は何々のスーパーが特売日ですよと、何々大安売りですよと。ああ、じゃ、それでメニューどうしましょうか。こんなメニューがありますよ。じゃ、それでお願いします。そうすると、電子レンジやIH圧力鍋というんですかね、これに冷蔵庫が指令を出して、もう調理の設定ボタンを押さないでも、材料を入れれば勝手にやってくれると。これつまり、物同士の情報交換が行われているんです。 それが、例えばお年寄りの見守りにも使える。冷蔵庫は一番開閉の数が多いですから、開閉の数の多さによって、自分の、孤独に住まわれている保護者の方、地域の方、親の方、この方たちの安否確認ができる。また、子供が親より先に帰ったときに、おやつが冷蔵庫にありますよと冷蔵庫が教えてくれる。こういった冷蔵庫を中心にした家電の物同士のインターネットができれば、情報交換が、すごく便利になると思います。 実際にこれは、今日お帰りになったらすぐ購入することができます。もう皆さんもご存じだと思いますけれども、シャープなんかでAI家電ということで実際にもう販売していますので、つまり、ここまで時代が来ているということです。 AIドローン、ドローンについては、脱炭素を目指した、20分ぐらいでしたら中国ではもう既に、人を2人乗せて遊覧飛行を、実証実験を超えたところでやっています。現在、世界で200社がこのドローン開発にしのぎを削っています。 こういったICT利活用による脱炭素社会への挑戦が既に始まっています。 さて、この世界情勢の下、国土交通省は2018年に、スマートシティとは都市の抱える諸課題、環境、エネルギー、医療・健康、交通、通信、教育に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、計画、整備、管理・運営等が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区と定義しました。簡単に言えば、まち全体がネットワークでつながり、居住者が便利に安心して暮らせるシステムが張り巡らされた都市や地区と言えます。急速な高齢化と多発する都市型災害という課題解決に向けても注目を集めています。 スマートシティという言葉が社会に浸透し始めた2010年前後には、エネルギーをはじめとして、特定分野を対象とした個別分野特化型の手法を用いて成立した取組が多く行われてきました。この個別分野特化型スマートシティ構想については、成田市も7年前の2014年、持続可能なまちづくり推進調査報告書の中で、成田型スマートシティという表現で取り上げています。 その一部を紹介します。東日本大震災以後、市民の環境・エネルギー問題に対する関心が高まっており、とりわけ、過度の原子力発電への依存に対する不安を背景に、未利用・再生可能エネルギーに期待する声が多くなっています。本市は、こうした市民の期待や時代の要請に応えられるよう、民間企業や周辺自治体との連携を図りつつ、地域のエネルギーミックスの最適化とともに環境・エネルギー関連の産業振興に取り組みます。また、スマートシティの推進に伴って整備の進展が期待できるICTネットワークの双方向性及び即時性を活用して、市民の健康なライフスタイルの実現を支援します。 そして、本市がスマートシティ推進のために示した戦略プランは2つ。エネルギーの地産地消の推進と、ICTネットワークを活用した市民の健康増進。既に形になっているものもありますが、改めてお聞きします。 1つ目、エネルギーの地産地消の推進についての現状と今後の展望について。2つ目、ICTネットワークを活用した市民の健康増進についての現状と今後の展望について。 さて、このスマートシティの考え方は、交通という視点から、次のような諸問題を解決するためにも、極めて有効と考えられています。1、持続可能で地域の実情に応じた、めり張りのある地域公共交通網の形成。2、超高齢化社会に対応した安全・安心・快適な外出環境の確保。3、交通モード間の連携による、地域公共交通の利便性向上。4、観光振興との連携による観光客の増加。 これら都市が抱える交通に関する諸問題を、ICTネットワークを活用して解決する考え方をMaaSと呼びます。Mobility as a Serviceの略で、直訳すると、サービスによる移動です。あらゆる公共交通機関やライドシェア、シェアサイクルといったサービスをつなぎ目なしに結びつけ、マイカー以外の交通手段による移動を、一つのサービスとして捉える概念のことを指します。例えば、目的地に行くためのルートや交通手段の検索、公共交通機関の料金支払い、そして、レンタカーの予約、決済をオンライン上でまとめて行えるようになります。 このようなMaaSのシステムが完成すれば、移動効率が向上し、クラウド上のビッグデータの利用で、最適な交通手段の組合せの提案が自動で行われます。最適な交通機関の整備が進めば、マイカー移動が減少し、都市部では交通渋滞の緩和ができ、地方では利用者が増え、交通サービスの継続が可能になります。観光並びに高齢者輸送手段のオンデマンド交通でも、現状よりもさらに利便性が高い交通機関が生まれることが期待されています。 そこで質問です。世界でもまだその取組が始まったばかりのMaaSですが、市ではどのようにお考えですか。また、オンデマンド交通において、ICTを活用した取組の検討はありますか。 さて、このMaaSというシステムを実現させるために、都市計画課、高齢者福祉課、交通防犯課、観光プロモーション課など複数の課の協力が必要になります。冒頭で取り上げた2014年成田市持続可能なまちづくり推進調査報告書の中、第4章、持続可能なまちづくりの実現に向けてについては、このように書かれています。 1、“オール成田”による推進体制づくり。2、広域的なネットワークづくり。3、組織横断的かつフレキシブルな庁内体制づくりということで、市役所内部はもとより、市民、民間企業、成田空港、成田山新勝寺、関連団体、さらには周辺自治体や国内外の地域など、あらゆる者との協力・連携体制を築くことにより持続可能なまちづくりが実現できると。 あれから7年。NARITAみらいプラン第2期基本計画には、「新たにSDGsの理念を取り入れ、各施策に対応したゴールを関連付けることで、気候変動や貧困などの地球規模の課題から身近な地域課題の解決に向け、市民と行政がともに取り組んでいくための意識醸成を図り、持続可能なまちづくりの実現を目指していきます。」とあります。 残念ながら、スマートシティという言葉はなくなってしまいましたが、気候変動や貧困など、地球規模の課題から身近な地域課題の解決に向かうためには、7年前にうたっていた産官学民連携のオール成田による推進体制、組織横断的かつフレキシブルな庁内体制づくりは、スマートシティ推進に必要不可欠なものになります。従来型の個別分野特化型から、分野横断型への進化は、絶対に成し遂げなければならないことなのです。 このような社会情勢の中、吉倉地区周辺まちづくり事業が計画され、2020年4月版まちづくり基本構想図も提示されました。 そこで質問します。吉倉地区周辺まちづくりには、スマートシティの概念が生かされるべきだと思いますが、市はどのように考えていますか。 さて、このスマートシティ推進の肝になるものは、それを進化させる人です。ICTネットワークを人の暮らしにどう生かすのか、まだ見ぬ新しい社会を構築するために、人の創造力が求められています。この創造力を身につけるための重要な方法の一つに読書があります。 2021年3月成田市立図書館サービス計画(素案)、小学生・中学生の現状と課題にも、次のような記述があります。生涯にわたる読書習慣の形成のためには、中学生までの取組が重要といわれています。「千葉県子どもの読書活動推進計画」によると、不読率は、学年が上がるにつれて増えているという調査結果があります。 不読率を改善するには、もちろん図書館という建物そのものの環境整備は必須ですが、これからはICTネットワーク利用による電子書籍導入も必要不可欠なものになっていきます。この話題については、昨日も大倉議員のほうからご提案がありまして、ご回答いただいたんですけれども、重複してしまいますが、続けます。 ところで、読書といえばフィンランド。世界で最も図書館を積極的に利用する国民で、学力世界一の称号も獲得したこともあります。その首都ヘルシンキにある市立図書館オーディ。2019年に成田市議員団海外視察で訪問したこの図書館は、以前伊藤議員も本会議で取り上げられていましたが、図書館という概念を覆すようなつくりでした。 そこで私は、このオーディにメールをしました。1、フィンランド人にとって図書館とは何か。2、電子図書の普及率はどのような状況か。3、新型コロナが図書館に与えた影響はどのようなものか。私が驚いたのは、何と私がこのメールを、時差は7時間ありますが、往復で相殺されますが、24時間で返信が来ました。これ、遠くて見えませんが、大体フォント12で英文A4、2枚びっちり、こんな感じで。 もう僅か24時間で返信が届くという、このサービスの速さ。これは私は非常に感動して、ますますフィンランドが好きになってしまったんですが、あんまりしゃべっていると時間がなくなっちゃいますけれども、要約すると、フィンランド人にとっての図書館とは、単に情報や文化を得る場所ではなく、何かを生み出し、それを共有、拡散できる場所であると。物を製作することも、音楽を演奏することも、自分たちのイベントを企画して楽しむこともできる市民のリビングルームのような存在で、生活の中心的存在になっているということです。 さらに、私が送った2通目の、若者の読書離れについての返信には、フィンランドでも若者の、特に男の子の読書離れが起こっていることが心配であると書かれていました。また、電子書籍については、都市の規模による電子書籍数の差があり、現在、国として共通のプラットフォームづくりを模索しているとのことです。国を挙げて電子図書環境整備に取り組んでいるフィンランドは、さすが読書大国です。 この話を伊藤館長に伝えたところ、ぜひ読みたいということで、その夜に送らせていただいたら、もう既にその翌日には、図書館の司書さんたちにこの手紙を紹介されて、とても励みになったというお返事をいただいて、私もすごくうれしかったです。 いつでもどこでも好きなだけ本が読める電子図書は、不登校の児童生徒を含め、放課後に図書館に行く時間が取れない中学生の読書率向上につながることは間違いありません。スマートシティの、まち全体がネットワークにつながり、居住者が便利に安心して暮らせるシステムが張り巡らされた都市や地区に、まさに合致するものです。 そこで、次の質問をします。昨日の大倉議員と重複する質問になってしまいますが、ICT利活用による電子図書館開設について、市はどのように考えているのでしょうか。 最後は、教育の分野におけるスマートシティ推進です。 ここで改めて、2019年12月、萩生田文部科学大臣のメッセージの一部を紹介します。「今や、仕事でも家庭でも、社会のあらゆる場所でICTの活用が日常のものとなっています。社会を生き抜く力を育み、子供たちの可能性を広げる場所である学校が、時代に取り残され、世界からも遅れたままではいられません。」。 学校現場でのICT利活用教育の遅れが日本社会全体のICT化の遅れにつながっていることは、疑いようのない事実なのです。12月議会の鳥海議員からの質問に対して提出された教育委員会のスキームは、あの段階のものとしては苦労してつくられたものだと分かるし、高めの目標設定、教員の意識高揚というフレーズにも意気込みが感じられます。 しかしながら、残念なことに、本市はいまだタブレット端末配付が完了していません。また、緊急事態宣言が発出されても、長期にわたる休校措置を取る必要が少なくなり、成田市の学校現場でのタブレット端末の必要性が薄れてきているように思います。このような状況下では、児童生徒並びに教職員も、ICT利活用教育についての意識は高揚しません。 今、本市教育委員会職員が、担当課だけでなく全課を挙げて、その必要性を現場の教職員、児童生徒、そして保護者に熱意を持って訴えなければ、このタブレット端末は適度な重さの文鎮と化してしまいます。 そこで、基本に立ち返った質問をします。ICT利活用教育を通して、市は国際都市成田の児童生徒をどのように育てたいのでしょうか。 以上で、壇上からの質問を終わりにします。 秋山忍 小泉市長。 〔市長 小泉一成君登壇〕 ◎市長(小泉一成君) 眞野議員のスマートシティ推進についてのご質問にお答えいたします。 まず、エネルギーの地産地消の推進についての現状と今後の展望についてでありますが、現在、住宅用省エネルギー設備を設置した市民への補助を実施しており、太陽光発電システムでは、補助を開始した平成21年度から昨年度までの11年間に、2,074件の補助を行い、合計最大出力は、9.5メガワットとなっております。 近年の傾向といたしましては、太陽光発電システムに加えて、蓄電池の補助申請が増えていることから、住宅で発電したエネルギーを、家庭で蓄電し消費することで、エネルギーの地産地消がより一層図られているものと考えております。 また、小中学校をはじめとした本市の公共施設におきましては、太陽光発電システムや蓄電池を設置し、発電したエネルギーを施設内で利用しており、今後も新たに整備を計画している施設などにおいて、設置を推進してまいりたいと考えております。 そのほか、本市の成田富里いずみ清掃工場と香取市の太陽光発電所で発電した電力を活用するため、平成28年7月に本市と香取市及びシン・エナジー株式会社が共同出資により、地域電力会社である株式会社成田香取エネルギーを設立し、2市の公共施設に電力を供給しております。 本市では昨年11月に、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指すゼロカーボンシティ宣言を表明し、その中でも省エネルギーや再生可能エネルギー利用の推進を掲げており、今後につきましては、脱炭素社会の実現を目指す中で、エネルギーの地産地消をさらに進めてまいります。 次に、ICTネットワークを活用した市民の健康増進についてでありますが、昨今の情報通信技術の発達により、ICTネットワークは健康づくりに関連する分野においても広く活用され、利用者の健康データの収集、分析を行うことにより、個々の健康増進や疾病予防に寄与しているものと認識しております。 現在、本市では直接ICTネットワークを活用した健康増進事業は実施しておりませんが、インターネットを利用した電子申請により、成人健診の申込みや、乳児家庭全戸訪問などを受けるための届出を受け付けているところであります。さらに、本年度からは、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、従来の対面による参加方式からウェブ会議システムを活用したリモートによる健康教室や講演会などを開催し、市民の皆様の健康づくりに資する取組を始めているところであります。 健康寿命の延伸や生活の質の向上を目指す本市の取組として、ICTネットワークによるデータの活用は、利便性や効率性を高める有効な手段と考えられる一方で、個人情報の管理など課題も挙げられていることから、今後、国の動向や他自治体の先進事例を参考に、本市の実情に合った取組について調査研究してまいります。 次に、MaaSについて市はどのように考えているのかとのことでありますが、本市では市民が円滑に移動できる地域の望ましい公共交通の在り方を示し、持続可能な地域公共交通ネットワークを構築するためのマスタープランとなる地域公共交通計画の策定を、昨年度から取り組んでいるところであります。 近年、公共交通における新技術として、MaaSのような、複数の公共交通機関や移動手段を最適に組み合わせ、目的地まで一括した予約や決済などを提供する新しいモビリティーサービスも開発されてきております。このような取組は、市民の皆様はもとより外国人旅行者も含めた幅広い利用者にとって使いやすいサービスになると期待されますことから、本計画の策定を進める中で、新たな技術やサービスについても先進事例などを参考とし、導入の可能性について交通事業者と研究してまいります。 また、オンデマンド交通におけるICTを活用した取組をとのことでありますが、本市では70歳以上の高齢者のための外出支援策としてオンデマンド交通の運行を実施しており、現在、多くの方にご利用をいただいております。 ご利用には事前登録が必要となりますが、予約のやり取りで使用する連絡先の登録において、昨年度末時点での登録者4,302人のうち半数強の2,270人が固定電話のみの登録であることや、登録者の大半が70歳代後半から80歳代であるという実態からも、スマートフォンなどからインターネットを介して利用予約を行うよりも、オペレーターとの会話による電話予約が、現状では最も利用しやすい方法であると考えております。 また、本市におきましてはAIを活用した予約システムを導入したことにより、オペレーターの運用がスムーズになり、利用者の要望に極力沿った運用ができているものと考えております。 オンデマンド交通におけるICTの活用につきましては、先進自治体などの事例を参考に調査研究してまいりたいと考えております。 次に、吉倉地区周辺まちづくりには、スマートシティの概念が生かされるべきとのことでありますが、吉倉地区周辺における新たなまちづくりにつきましては、成田空港の更なる機能強化などに伴う新たな開発需要や人口増加が見込まれる中、その受皿となる都市基盤を計画的に整備することで、本市が将来にわたり豊かで活力を持ち、持続的に発展していけるよう構想したものであり、現在はその実現に向けて地権者の皆様の合意形成が促進されるよう取り組んでいるところであります。 スマートシティにつきましては、近年ではICTやAIなどの新技術の急速な進展に伴い、これらの新技術と官民が保有するビックデータをまちづくりに活用することで、地域の実情に応じて交通や観光分野をはじめ、防災や防犯、エネルギーや環境、さらには健康や医療など、様々な分野にわたる課題の解決に向けた取組へと変化し、これにより市民生活や都市活動における大幅な質の向上や行政サービスの効率化、高度化などをもたらすことが可能になると言われております。 吉倉地区周辺の新たなまちづくりにおきましても、スマートシティの概念を生かして、地域のポテンシャルや課題を踏まえたまちづくりのコンセプトを定め、持続可能な取組とすることで、まちの魅力や価値を高めることにつながるものと考えておりますことから、先進事例などを参考にしながら、本市としてどのような取組ができるか調査研究してまいります。 なお、スマートシティ推進についてのご質問のうち、ICT利活用による電子図書館開設及び児童生徒への教育に関するご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 秋山忍 関川教育長。 〔教育長 関川義雄君登壇〕 ◎教育長(関川義雄君) 私からは、スマートシティ推進についてのご質問のうち、ICT利活用による電子図書館開設に関するご質問からお答えいたします。 図書館で電子書籍サービスを導入した場合のメリットとして、貸出しから予約、返却まで、インターネットを介して手続をするため、時間や場所にとらわれずに来館しなくても利用できるという点や、貸出期間後は自動で返却されるという点が挙げられます。 しかし、日本で電子書籍が普及し始めたのは2010年頃からと言われておりますが、出版される図書の全てが電子書籍化されるわけではありません。例えば、2019年に出版された図書約7万3,000点のうち、電子化されたのは約2万4,000点で約33%となっており、電子書籍化率が50%を超える欧米などと比較すると、まだまだ少ないのが現状であります。 また、現在、国内で電子化されている書籍は約32万点という調査がありますが、図書館向けの電子書籍は9万点弱と言われており、資料点数が豊富とは言えない状況であることから、本市では電子書籍サービスの導入については、今後の課題と考えておりました。 しかしながら、今回、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言などにより長期に臨時休館をすることになった図書館が全国で広がる中で、電子書籍サービスへの要望が高まってきております。 このようなことから、来年度を初年度とする成田市立図書館サービス計画においても、電子書籍サービスの導入については、コロナ禍における図書館サービスを継続する解決策の一つであるとともに、多様なメディアによる図書館資料の提供の一つとして掲げていることから、本市におきましても電子書籍サービスを来年度から実施してまいりたいと考えております。 次に、ICT利活用教育を通して、市は国際都市成田の児童生徒をどのように育てたいのかとのことでありますが、文部科学省から示されているGIGAスクール構想では、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、一人一人に公正に個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる教育とICT環境の整備を目指しており、この実現に向けて、本市におきましても、全ての子供たちに対して、主体的、対話的で深い学びを実現することを目指し、整備などを進めているところであります。 本市におきましては、来年度からタブレット端末の本格運用を予定しており、子供たちが自己表現を行う中でコミュニケーション能力を高めるための一つのツールとして活用し、考えを互いに共有したり、一人一人の学習状況に対して個別最適化されたAIドリルに取り組んだりすることで、今まで以上に学びを深められるようになります。 このようなことから、教育委員会といたしましては、インターネット上での安全面に配慮しながら、子供たちが自らの人生をさらに豊かなものにできるよう、教員への支援・指導を通じながらICT教育の充実を図ってまいりたいと考えております。 なお、長期にわたり休校措置を取るような非常事態に際しましては、オンライン授業が実施できるよう準備は進めておりますが、教育委員会といたしましては、タブレット端末の主たる活用の場は日々の授業と捉えております。 また、教員に対しましては、タブレット端末は使用することが目的ではなく、あくまで学ぶための手段であることを認識した上で、授業における具体的な活用方法や、本市のGIGAスクール構想における理念を、各種研修会や、随時発行している教育センターだよりなどを通して周知し、効果的な活用が図れるよう努めてまいります。 秋山忍 眞野議員。 眞野義行 ご答弁ありがとうございました。 それでは、質問席より提案及び質問を続けます。 質問1の脱炭素社会の実現に向けたエネルギーの地産地消の推進については、株式会社成田香取エネルギーを有している本市は、日本の中でもかなり先進的な取組をしている自治体と言えます。本市は、スマートシティ実現のための中核になる部分を有していることになります。エネルギーの地産地消は、スマートシティ実現のための大切な要素の一つです。 質問2については提案をさせていただきます。 ICTネットワークを活用した市民の健康増進については、先ほど紹介した2014年持続可能なまちづくり推進調査報告書の中で、戦略10として次のように明記されていました。 中心市街地(公津地区など)にモデル地区を設定し、スマートフォン等のデジタル機器と健康データ分析システムをICTネットワークなどで連動させ、利用者の健康状態を表示するサービスや健康増進活動などに応じたポイントサービスなどを提供し、市民の健康増進及び地域コミュニティの活性化を図りますと。 現在、成田市では、直接ICTネットワークを活用した健康増進事業は実施していないとのことで、大変残念に思います。7年前に公津地区などにモデル地区を設定という、かなり具体的な戦略があったのですから、とても残念です。当時、参考例に挙げていた静岡県藤枝市の健康マイレージは、「健康・予防日本一ふじえだ」をスローガンに、今も拡充、継続されています。 スマートフォンと連動して健康マイレージをためて、そのポイントで市内商店街や飲食店での割引に使用できるようなシステムづくりを進めてほしいです。ICT利活用による健康増進プラス地域商店街の活性化の、一石二鳥になります。 健康増進、医療費削減は、スマートシティ実現のための、大切な要素の一つです。 次に、MaaSについてです。こちらは質問です。 東京大学大学院開発のAI活用オンデマンド交通システム、コンビニクルは、柏市柏の葉スマートシティで導入されていて、2013年、カシワニクルという名称で実証実験を開始し、内閣府の次世代公共交通システムの研究・開発を進めるプロジェクトのモデル都市に選ばれていますが、成田市で行われている実証実験にも導入されているのでしょうか。また、今後導入予定があるのでしょうか。 秋山忍 木下福祉部長。 ◎福祉部長(木下敬君) オンデマンド交通システム、コンビニクルにつきましては、本市におきましては運行開始当初の平成23年度から平成24年度及び平成28年度に導入の実績がございます。これは、東京大学大学院の研究を基にオンデマンド交通システムを開発した2者による見積り競争を実施した結果によるものでございまして、両者のシステムの性能に大きな優劣はなかったものと考えております。 なお、システムが頻繁に変更になりますと、それを実際に操作するオペレーターが混乱することから、平成30年度からは、オペレーションなどを行う運行管理業務の受託者においてシステムの選定を行っております。 以上でございます。 秋山忍 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。 それでは、次の質問です。東京大学及び大学院の様々な学科でMaaSについての研究が始まっていますが、本市の実証実験を担当している新領域創成科学研究科チームによる、本市職員に対する研修または意見交換会等の機会が、これまでにありましたか。また、今後計画されていますか。 秋山忍 木下福祉部長。 ◎福祉部長(木下敬君) 本市と東京大学大学院新領域創成科学研究科とは、これまでAIを活用したオンデマンド交通に関する共同研究を行ってきましたため、その分野につきましては定期的に意見交換を行っておりますが、MaaSに関する研修や意見交換などは、これまで行ってきておりません。また、本市の現行のオンデマンド交通システムは、ご自宅のすぐ近くから行き先のすぐ近くのバス停まで運ぶという考え方ですので、乗り継ぎによる利用は想定をしておりませんので、現在のところMaaSに関しての意見交換等は、計画はしておりません。 以上です。 秋山忍 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。 ところで、2020年度東京大学新領域創成科学研究科の入学試験に、MaaSについて論じる問題が3問出されています。そのうちの一つを紹介します。「都市の中心に商業・業務地区が存在し、そこにつながる鉄道沿いに住宅地が広がり、地価も辺縁部に向かって次第に下がっていくという構造を多くの都市は持っている。MaaSが普及すると、都市の構造はどのように変化するだろうか。」。 MaaSの最終目的は、オンデマンド交通を含めた地域公共交通機関の一本化です。成田市から積極的なアプローチをしてはみませんか。MaaSはスマートシティ実現のための大切な要素の一つです。 次に、吉倉地区周辺まちづくりについてです。これは提案です。 ご答弁の中に、スマートシティの概念を生かしてという前向きなご発言がありました。柏市柏の葉スマートシティのような産官学のまちづくりの上を行く、土地区画整理事業ではありますが、だからこそ、産官学民の取組を目指されることを期待しています。地産地消の自然エネルギーを利活用した、人にも自然にも優しいまちづくりは、スマートシティ実現のための大切な要素の一つです。 次は、電子書籍サービス導入についてです。こちらは質問です。 成田市立図書館の電子書籍サービス導入は、大変喜ばしいことです。今後、成田市の子供たちの読書量向上に向けて、このサービスの有効活用を期待しますが、どのようにお考えですか。 秋山忍 田中教育部参事。 ◎教育部参事(田中美季君) 図書館の電子書籍サービスにつきましては、対象となる電子書籍が限られており、特に児童向けの点数はまだ十分ではないことや、紙の本と同様に、人気のある書籍に予約が集中することなど、様々な課題があります。将来的に、子供の読書を支援する多様なメディアの一つとして活用していただけるよう、電子書籍サービスを構築していきたいと考えております。 以上でございます。 秋山忍 眞野議員。 眞野義行 ぜひよろしくお願いします。 著作権フリーで公開されている青空文庫等以外は、1ライセンス何百円とか何千円という金額でコンテンツを買わなければいけません。 この1月から船橋市は、流山市、八千代市に続いて電子図書館を開設しました。船橋市の図書館担当の方とお話ししましたが、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金のうち、996万6,000円を活用することで、当初予定していたビジネス系新聞や雑誌の記事等に加えて、語学や料理などの実用書、児童書などの新書のコンテンツの充実を図ったそうです。いわゆる新書の購入には、当然予算が必要になります。 1人1台端末が配備される予定の子供たちにとって、大きなタブレットの画面で手軽に本が読め、返却の心配も要らない電子書籍は、タブレットが文鎮化しないためにも、非常に有効な道具であると考えます。ぜひ、行政の後押しをよろしくお願いします。創造力が豊かな子供を育てることは、スマートシティ実現のための大切な要素の一つです。 最後は、ICT利活用教育を通して、市は国際都市成田の児童生徒をどのように育てたいかについてです。 タブレット端末は使用することが目的ではなく、あくまで学ぶための手段であるということを、教職員、児童生徒に伝えていくためには、技術的なことの支援だけでなく、実際の授業でICT利活用教育を支援してくれる人材が必要です。12月議会での鳥海議員からの質問にもありましたが、民間企業からそういった人材を新たに採用する、または、民間企業とアドバイザリー契約を結ぶ計画はありますか。 秋山忍 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 教育委員会としましては、現在も教員への研修を段階的に進めておりますけれども、さらに、来年度からは、ICT支援員やヘルプデスク、教育指導課指導主事による支援体制を構築しまして授業での支援を行ってまいりたいと考えております。 具体的には、ICT支援員につきましては、各学校に月3回程度の配置、ヘルプデスクにつきましては、日中いつでも問合せができるように準備をしております。また、教育指導課指導主事におきましては、各学校の授業研修会に訪問しまして、教科の特性に応じてタブレット端末が有効に活用できるよう支援してまいりたいと考えており、ご提言の民間企業とのアドバイザリー契約につきましては、今後必要に応じて検討してまいりたいと考えております。 以上です。 秋山忍 眞野議員。 眞野義行 分かりました。 次の質問をします。ICT教育の充実には、教育委員会やセンターだけの限られた人員では厳しいものがあります。近年の行政改革の手法が産官学民に移行していることから考えても、私が半年前から提案している千葉工業大学との包括的連携協定を締結することは、予算をかけずにICT教育支援を受けられるという点で非常に効果的だと思いますが、その予定はありますか。 秋山忍 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) ICT教育の支援としましては、端末納入業者より、本市の教育振興基本計画の内容に基づきまして、包括的にサポートしていただいております。教育委員会としましては、教員とICT支援員、ヘルプデスク、教育指導課指導主事が一丸となって、子供たちの学習活動を支えてまいりたいと考えており、千葉工業大学との包括的連携協定につきましても、今後必要に応じて検討してまいりたいと考えております。 以上です。 秋山忍 眞野議員。 眞野義行 分かりました。 ここで、お手元の資料をご覧ください。一番最初のやつですね。地域連携事業の方針ということで、これは千葉工業大学のホームページから抜粋したものです。 具体的な活動計画ということで、下のほうに、小中学生対象の出前授業の開催と。これはコロナで今、現状できていません。小中学生を対象としたタブレットを活用したICT教育支援と。これはコロナでなかなかできていないんですけれども。 ただ、この後紹介いたしますけれども、この千葉工業大学の地域連携事業活動内容、この地域連携事業活動を利用して、今年1月に八街市は、ロボット研究第一人者の先川原教授による市内全中学校同時のオンライン授業を行いました。最先端ロボット工学の開発秘話から、便利なネット社会の情報をうのみにする危険性までを講話されました。千葉日報に大きく出ていたんですが、著作権の問題があって掲載できませんでしたが、ロボット研究に長年関わってきた当事者ならではの見解として、自分の頭で考え、本当に必要かどうか判断してと生徒に呼びかけました。 実は、千葉工業大学は、昨年9月にアマゾンウェブサービスジャパンが行ったオンライン開催によるロボットコンテストで日本一になっているんです。競技はAIによる自律動作で、ミニチュアのまちを走るタイムレースです。私は、子供たちにとって本当に教育が深化するのは、もちろん教育の専門家がお話しするのは当然ですが、こうした実際に活動されている専門家の方によるお話のほうが、はるかに浸透するのではないかと思っています。 続いて、2ページ目の資料を見ますと、そこに、成田中学校も実はブルーインパルスのパイロットによる講演が行われました。このブルーインパルスのパイロット、これは昨年の5月の医療従事者応援飛行を行ったパイロットです。ブルーインパルスのパイロットは、もうトップ中のトップです。 ここで、夢を諦めないと。夢は逃げない、逃げるのは自分、諦めない気持ちで頑張ってほしいという講話を行われたんですね、私も招待されて見に行きましたが。その下のほうに写真が入って、線が入っちゃっていますが、大型受像機の整備も、せっかく講演が無駄にならないために必要かなと思います。 時間がきてしまいましたので、今回スマートシティのお話を通して、ICT教育利活用について述べさせていただきました。ありがとうございました。...

眞野義行 皆様、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。なお、議長の許可を得まして資料を用意しております。後ほど説明させていただきます。 質問は大きく分けて2つです。大問1は、小中学校及び義務教育学校での新型コロナウイルス対応について。大問2は、多文化共生指針について。 それでは始めます。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、本年3月から全国的に始まった教育機関の臨時休校。地域によって異なるものの最大4か月に及んだ休校の中で、日本の教育システムについての弱点が大きく露呈しました。それは、皆さんもご存じのとおり、ICT活用教育です。特に、休校中のオンライン学習環境の整備については、教育関係者並びにマスコミ等で先進諸国からの遅れを指摘されました。また、公立学校と私立学校でのオンライン学習環境状況の差が、教育の格差につながり平等性を損なうという指摘も多くされるようになりました。 これを受けて、文部科学省は6月5日、新型コロナウイルス感染症対策に伴う児童生徒の「学びの保障」総合対策パッケージ詳細版を発表しました。その基本的な考え方として次の4点を挙げています。 1、臨時休業中も学びを止めない。2、速やかに、できるところから学校での学びを再開する。3、あらゆる手段を活用し、学びを取り戻す。4、柔軟な対応の備えにより、学校ならではの学びを最大限確保。特に、4番目の学校ならではの学びの最大限確保という項目で、ICT環境整備について次のように述べています。 1人1台端末の早期実現や家庭でもつながる通信環境の整備など、GIGAスクール構想におけるハード・ソフト・人材を一体とした整備を加速する。その整備の加速が、災害や感染症の発生時における学校の臨時休業等の緊急時においても、ICT活用により全ての子供たちの学びを保障できる環境につながる。そのために、まずは家庭のパソコンやタブレット、スマートフォン等の活用、学校の端末の持ち帰りなど、あらゆる機器や環境を最大限活用するために、各学校及び学校の設置者において、家庭の通信環境について至急把握する。 一方、経済産業省教育産業室は、既に2018年1月に未来の教室とEdTech研究会を立ち上げ、国を挙げてEdTechを推進してきました。EdTechとは、インターネットなどの情報通信技術、いわゆるICTを活用して教育を提供する技術サービスの総称です。 経済産業省は、本年4月に次のような緊急メッセージを発しています。新型コロナウイルス感染症対策、全国の学校の臨時休業は進むでしょうが、そんなときこそEdTechがその力を発揮します。学校が閉まっているからって、学びを止めないで済む。そんな社会の実現に向けた挑戦だと前向きに考えましょう。 残念ながら成田市は、保護者アンケートの結果、通信環境が整わない家庭があり、教育の平等性を欠くという観点から、ICT活用のための準備を進めず、このEdTechサービス導入の検討も行わないまま、従来どおりのプリント形式で2か月を過ごしてしまいました。しかしながら、ようやく成田市も動き始めました。7月30日、教育長名で休校中のオンライン学習環境の整備についてという文書が、成田市内小中学校、義務教育学校に配付されました。そこで、その内容について3つ質問します。 1つ目は、校内に感染者が発生した場合、休校措置が2週間程度とありますが、閉鎖する規模と基準を教えてください。 2つ目は、小学校6年生と中学校3年生を対象にしたオンライン授業を行うとありますが、どのような形の授業を準備しているのでしょうか。 3つ目は、オンライン授業を行うにあたって、教育委員会職員や学校教職員のタブレット端末操作及び双方向通信活用の研修が必要ですが、その進捗状況を教えてください。 次に、技術的な研修を急速に進めるためには、同時にGIGAスクール構想についての共通理解が、全教育委員会職員及び全学校教職員に必要になります。昨年12月に文部科学省から発表されたGIGAスクール構想の実現パッケージには、学校ICT利活用ノウハウ集や民間企業等からの支援協力募集など、民間等の外部支援により導入、利活用を加速するということが提示されています。 6月議会教育民生委員会で、教育委員会の答弁にあった12月から開始予定のGIGAスクール構想研修会は、インフルエンザ等別の感染症の心配もある中、計画どおりいかない可能性が高いと思います。そこで、質問します。12月から開始する予定のGIGAスクール構想研修会のスケジュールについて、予定を変更するお考えはありますか。 さて、約2か月半にわたる長期休業によって、児童生徒の心と体の変容について非常に心配されました。最初の1~2週間は元気に通っていたが、学校の授業が本格化するにつれて、登校を渋る生徒が出てきたり、7時間目授業を行っている学校では、その日だけ休む。また、7時間目になると涙が出てきてしまうという報告が、私の元に届いております。実際に私も、地域小学校の朝の登校指導のお手伝いを継続して行ってきましたが、学校近くまで親と一緒に来ながらぐずって帰ろうとする女の子、登校時間に遅れたからという理由で帰ろうとしていた男の子、巡回中のおまわりさんに説得されて何とか学校にやってきた女の子。私も一緒に学校まで送り届けたりしました。 そこで、次の質問です。学校再開後、市内小中学校、義務教育学校で教育相談等のカウンセリングが行われましたが、外国人を含む児童生徒たちにどのような変容が見られたでしょうか。また、虐待等の事例が発生したのでしょうか。 続いて、感染防止対策のための放課後の消毒作業や3密を避けるという新たな指導項目が増え、さらに多忙化を極めた教職員についての質問です。 成田市の場合、学校再開後、2日から給食が始まりました。3密を避けながらの給食指導は困難を極める上に、小学新1年生や2年生の給食指導は、想像を絶するほど大変でした。ある市の小学校の管理者の方は、小学生の日常に密を作るなという指導は現実的には無理です。本当に先生方は神経をすり減らしていますと話されていました。そして、新たに加わった放課後の校内消毒という作業。成田市は、たとえ保護者でも、校内消毒のサポーターを校内に入れることを禁止しています。そのために放課後30分は消毒という業務が増えました。中学の場合、部活が始まると顧問は部活、副顧問は消毒、当番制にすることも大変でした。 そこで、次の質問です。放課後の消毒作業や3密を避けるという新たな指導項目が増えましたが、現場の教師が感じた困難さや不安についての調査は行われたのでしょうか。 さて、今回の新型コロナウイルス感染症は、学校現場の様々な混乱を引き起こしました。児童生徒のほとんどが楽しみにしている学校行事の縮小や宿泊を伴う旅行行事の中止も、それらのうちの一つです。旅行行事については、近隣市町では、佐倉市、四街道市、富里市、八街市、香取市、印西市、白井市、そして芝山町が、宿泊を伴う旅行行事の中止を発表しています。 さて、この状況の中、成田市は現在も旅行の行き先や時期を学校長判断にしています。先月、8月23日と25日、それぞれ京都方面に新幹線とバスで2泊3日の修学旅行を計画していた2つの中学校は、教育委員会と協議の結果、その10日前に中止が決定されました。まだこれから京都、長野方面への2泊3日の修学旅行を企画している学校や、3月の卒業間際に修学旅行を計画している学校もあります。 一方、保護者アンケート結果を基に、早々と宿泊を伴う修学旅行を中止し、3月に日帰り旅行を計画している学校もあります。宿泊を伴う旅行行事が、学校ごとに大きく異なるというのは、私は平等性に欠けると思います。 そこで質問します。学校行事の裁量は、校長にあることは地域性を生かした教育を実践する上で大切なことですが、宿泊を伴う旅行行事については、市の統一見解が必要だと思いますが、市の見解をお伺いします。 次に、大問2、多文化共生指針についてです。 昨年12月の私の一般質問、多文化共生についての一般質問答弁の中に、本年11月の制定を目指して作業を進めているところであります。また、外国人の方々のご意見に関しましては、ワークショップや住民アンケートなどをはじめとした機会を設け、耳を傾けてまいる予定でありますとありましたが、現在の進捗状況を教えてください。 以上で、壇上からの質問を終わりにします。 秋山忍 議長 小泉市長。 〔市長 小泉一成君登壇〕 小泉一成 市長 眞野議員の多文化共生指針についてのご質問にお答えいたします。 策定の進捗状況についてでありますが、近年、増加傾向にある外国人住民をはじめとする全ての市民が共生できる地域づくりを進めるため、昨年10月に庁内組織である成田市多文化共生指針策定委員会を立ち上げ、全庁的な連携の下、作業を進めております。 これまでに、外国人住民を対象とした日本語教室への訪問、市政モニターへのアンケート調査などを実施したほか、国際医療福祉大学の協力を得て、留学生に対するワークショップを開催し、生活の中で感じたこと、多文化共生社会を実現するために大切なことなどについて、忌憚のないご意見を伺ったところであります。 現在は、外国人住民及び日本人住民の方々へのアンケート調査を実施し、共生のための課題などについて広くご意見をいただき、その取りまとめを行っております。今後は、外国人住民が在籍する市内の学校や事業所などを訪問し、職員の皆様や外国人住民の方々から、直接お話を伺う機会を設けてまいりたいと考えております。 こうした様々なご意見を集約したのち、市民の皆様へのパブリックコメントを実施し、指針を策定してまいります。指針の策定時期につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、本年11月という当初の予定は、困難な状況となっておりますが、早期の策定を目指して取り組んでまいります。 なお、小中学校及び義務教育学校での新型コロナウイルス対応についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 秋山忍 議長 関川教育長。 〔教育長 関川義雄君登壇〕 ◎教育長(関川義雄君) 私からは、小中学校及び義務教育学校での新型コロナウイルス対応についてのご質問にお答えいたします。 まず、校内に感染者が発生した場合の休校措置の規模と基準についてでありますが、陽性者と濃厚接触者の人数や最終接触日などから保健所と協議し、学校及び教育委員会で判断していくこととしております。 また、休校措置を取った場合の小学6年生と中学3年生を対象としたオンライン授業につきましては、学ぶべきポイントを絞り、1日に1時間程度の授業をオンライン会議システムにより配信し、その後、練習問題や発展課題などの自主学習を促す形を考えております。 オンライン授業は、当該学級を担当している教員が行い、機器の接続・操作などにつきましては教育指導課指導主事が支援いたします。家庭にオンライン授業を受けることのできる環境が整っていない児童生徒につきましては、学校のコンピュータ室の活用も検討しております。さらに、モバイルWi-Fiルーターの貸出しや配信時に視聴できない児童生徒のために、授業を録画してインターネット上に限定公開する準備なども進めております。このほか、休校となった学校の全児童生徒の学びを継続させるため、理解度に応じて学習内容を選択することができるAI型ドリルの活用も考えております。 教職員への研修の進捗状況につきましては、成田市緊急時におけるオンライン授業実施マニュアルを作成し、各校に周知したところであります。これは、学校全体で休校時の具体的な対応方法を共有するためのもので、教育指導課指導主事などが実際にオンライン会議に参加したり、教育指導課内で模擬オンライン会議を実施するなど、ICTに対する苦手意識のある教職員でも操作できるようなマニュアルといたしました。 このマニュアルにより、各校でオンライン職員会議を実施することも可能となり、今後、何校かをモデル校として実施することを検討しております。また、今月から市内学校間での遠隔会議でも活用し、まずは教職員がオンライン会議システムに慣れるよう取り組んでまいります。 次に、GIGAスクール構想に関する研修会についてでありますが、端末の納入に合わせて、ICT支援員や教育指導課指導主事の下、端末や授業支援・学習支援ソフトの効果的な活用事例や授業展開の方法を全教職員で共有できるよう実施し、子供たち一人一人の資質・能力を個に応じて育てていけるよう努めてまいります。 次に、学校再開後に児童生徒にどのような変容が見られたかについてでありますが、指導主事などによる全小中学校、義務教育学校への訪問を通して学校の実態把握を行ったところであり、再開当日は、児童生徒の様子はとても元気で笑顔が多く見られました。学校が再開し、3か月が経過しましたが、今では学校における新しい生活様式に慣れてきているようであります。休校に起因すると考えられる虐待についての報告はありませんが、今後も学校との連携を密にし、助言・支援をしてまいります。 次に、放課後の消毒作業や3蜜を避けるという新たな指導事項が増えた後の現場の教師の様子についてでありますが、学校訪問時の管理職への聞き取りや校長会などを通じ、状況の把握に努めております。消毒作業におきましては、これまで、児童生徒の下校後、手すりやスイッチ、共用の用具など、校内の消毒を毎日、教職員が行っておりましたが、本年8月に改定された文部科学省の衛生管理マニュアルにより、消毒につきましては、通常の清掃活動の一環として、新型コロナウイルス対策に効果がある家庭用洗剤などを用いて、発達段階に応じ児童生徒が行っても差し支えないと示されたことにより、教職員の負担も軽減されると考えております。 次に、宿泊を伴う旅行行事についてでありますが、教育委員会では、年度当初に各学校に対し、学校行事の精選や工夫を依頼しており、各学校では既に時期をずらしたり、旅行先を変更しております。教育委員会といたしましては、修学旅行は教育的な意義が大きく、学校生活での最大の思い出となることも多い行事であることから、児童生徒のために、できる限り実施していただきたいと考えております。このことから、学校に宿泊を伴う行事の実施に係る判断の観点を示したところであり、感染状況や保護者の意向を考慮し、各学校と個別に対応し、支援してまいります。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。それでは、自席より質問を続けさせていただきます。 順番を変えて、大問2の多文化共生指針の進捗状況について。これは第2質問ではありませんが、一言述べさせていただきます。 緊急事態宣言下、外国人留学生支援の問題は、マスコミにほとんど取り上げられることはありませんでした。本市でも多くの生徒が生活困窮で苦しんでいましたが、朝日新聞社と毎日新聞社が成田市に取材に訪れ、私費留学生の生活の困窮について、記事にして全国紙に掲載してくれたりしました。しかし、日本社会では、現在も救われるべき人たちの中で、その優先順位が果てしなく下に位置しています。 しかし、そんなときでも社会福祉課、市民協働課、国家戦略特区推進課の職員の方々には、生活に困窮している私費外国人留学生に関する支援や情報提供などでご協力をいただき、本当に感謝しております。留学生自身や日本語学校の先生方も大変喜んでおりました。 そして、おととい、市民協働課の方がわざわざ私の元にお越しくださり、8月27日の千葉県市長会、千葉県町村会、新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要望において、成田市単独要望として、外国人留学生等への支援についてが採用されました。それをわざわざご報告に来てくださいました。以下がその内容です。 外国人留学生は、生活費を自分で賄っていることが多いが、感染症の影響で経営が悪化した就労先から十分な説明を受けることなく、休職を強いられた留学生も数多くいる。帰国困難な滞在者等については、在留期限等の規制が緩和されているものの、生活費を支援する公的制度がないことから、困窮に瀕している留学生に対し生活費の支援を講ずること。私は、とてもうれしく思いました。市民協働課の方々が要望書をまとめ、それを市長会に提出してくださり、成田市の要望として、千葉県の検討のテーブルにのったのです。これがこのまま受け入れられるかどうかは別として、外国人留学生にとっては、成田市が関心を持ってくれているということはすばらしいことです。国際都市成田として、多文化共生に向けてこれはとても大きな前進だと思います。ありがとうございます。 それでは、大問1、小中学校及び義務教育学校での新型コロナウイルス対応についての2次質問に入ります。 ここで、お手元の一覧表をご覧ください。資料1となっているものです。私が、5月から7月中旬にかけて、千葉県内54市町村の教育委員会に電話で聞き取り調査をした結果です。北総教育事務所並びに千葉県教育委員会にも足を運び、ヒアリングを行いました。この調査結果は、各市町村教育委員会に対し加筆・訂正の有無について確認してあります。ただし、2か月かかった調査でしたので、最新ではない部分があるかもしれません。 それでは説明を始めます。新型コロナで休校になった3月から6月上旬までの間、学びを止めないという文科省のスローガンの下、教育委員会や学校が児童生徒に対してICTを活用しながら、どのくらい学習の機会を提供できたかについての調査です。なお、表の空欄部分は、何もしていないという意味ではなくて準備、検討中という意味です。 まず、表のホームページブログによる情報発信状況についてです。こちらは、電話によるヒアリングではなく、私が千葉県下1,135の公立小中学校、義務教育学校のホームページを一つ一つ見て調査した結果です。ホームページの重要性は、民間企業でも飲食店などでも、その出来で経常利益が左右されると言われているほどです。 今の時代、可視化することは安心安全に向けた非常に重要なポイントになります。学校現場でも同様です。ウェブ上では、その学校がどういった運営をし、児童生徒がどのように過ごしているかが分かれば、その学校の透明性をアピールし、結果として信用を得ることにつながります。まして日々の活動が公開されていればなおさらです。紙媒体以外の様々な情報発信の必要性が迫られています。そもそも印刷物は、どんなに頑張って教師が作成して配布しても、特に学校あるあるですが、特に、男子の場合、保護者に行き届かないことが間々あります。1年前の文書がかばんの底から出てくることもあります。まちcomiメール以外にも、ウェブ上に掲載されていれば、保護者はスマホ等で簡単に情報を得られます。 資料2をご覧ください。これが県内いろいろありますが、それぞれ学校のホームページの状況になっております。下のほうに本市の小学校と中学校が載っております。この内容については後で説明いたしますが、今言っている、これから説明するブログというのは一体何かというと、例えばこの真ん中あたりにある君津市立八重原小学校の右下のところにピックアップニュース、それから新着情報。あとは富里市立富里北中学校、ここは真ん中にあります。写真をつけて子供たちの日常をコメントを添えて発信すると、これがブログ発信ということになってきます。 それでは申し訳ないですが、先ほどのまた表に戻っていただいて、このブログというものに関しては、番号4番、上から4つ目、八千代市教育委員会、ここの委員会の取組には驚嘆すべきものがあります。学校ごとのページの仕様は異なっていますが、全ての小中学校が毎日、児童生徒の活動をブログで更新をすることが前提となったつくりとなっています。そして、実際に32小中学校が全て毎日更新しています。 印西市は、形式を統一していませんが、27校中26校というほぼ100%の割合で毎日ブログを更新しています。もちろんこれらの地域では、学年だより等の紙媒体のものも発行されています。つまり情報発信ツールが複数あるということです。ちなみに参考ホームページに学校名が入っていますが、例えば習志野市だと藤崎小学校、八街市、八街中、八街北中と、これは私が調査したホームページの中でも、特に見た目も含む情報発信力も、優れた学校の紹介です。 次の項目、隣です。これは教育委員会独自、または契約している学習コンテンツ整備状況です。先ほど説明したICTを活用して教育を提供する技術サービス、EdTechの一覧です。54市町村のうち34の市町村がEdTechサービスを利用しています。名前には、eライブラリアドバンス、ミライシードなども入っています。皆さんも英語学習ならスタディーサプリというフレーズのコマーシャルをご覧になったことがあると思います。これらもそのうちの一つです。印刷をしなくとも端末上で学習を進められるというものです。 その隣の項目は、教育委員会独自で作成した家庭学習コンテンツです。学校ごとのプリント配布とは別のものです。習志野学習支援応援サイト、やっち学びの部屋、うらやす学びの広場など、このうらやす学びの広場は、校長会からの要望で作成したそうです。ほかにも市原市まなびのへや。 その隣は、授業動画配信です。習志野市の150本以上の動画配信、それに負けじと私も度々例に挙げていますが、八街市の160本以上。野田市、市川市、八千代市、船橋市、流山市、千葉市の取組にもすばらしいものがあります。千葉県が制作・配信したものとは別に、教育委員会主導で独自の授業動画作成及び配信を行っていました。出演する教師の肖像権の問題があるので、保護者宛てにパスワードを発行し、セキュリティに配慮しています。基本的には、休校措置が終われば配信を止めます。特に、習志野市と八街市は、現在も動画配信を継続しており、特に八街市はやちまたオンライン夏期講習と銘打って、8月も毎日1本の動画をアップし続けました。 次の項目は、学校独自授業動画配信についての調査です。1本10分から最長30分の学習動画を学校の職員のみで制作している地域一覧です。7月6日に児童の感染者が確認されたある学校、船橋市の学校では、4日間の臨時休校中に、初日を準備期間にして3日間オンライン授業を実施しました。今もホームページで時間割を見ることができます。 市川市は、LINEでの動画授業配信をLINE株式会社に依頼し、逆にLINE株式会社が、これは有効性があるということで4日間でシステムを完成させて全国配信を始めました。 八千代市は、2018年に全小中学校ICT一斉更新を実施し、その際に富士通の協力を仰ぎウェブ会議システムを導入しています。 最後の2つの欄は、校内活動や教職員会議及び研修等での双方向通信利用状況です。双方向ツール活用参考事例としては、マスコミでも取り上げられた手賀東小学校のオンライン社会見学、私もこれは実際ニュースで見ました。印西市立船穂小学校の沖縄県・長崎県とのオンライン交流、市原市立加茂学園、小中一貫義務教育学校です、のニュージーランドとのオンライン国際交流。 休校中に双方向通信を活用したオンライン学活、密を避けるために行われたオンライン保護者会、オンライン校内児童・生徒会、オンライン進路説明会、授業参観などなど、新型コロナをIT化の大チャンスと捉え、新しい取組を行ってきた地域、学校がこれほどあるのです。 また、地域連携事業として千葉工業大学と協定締結をした委員会が15あります。地域連携事業の中には、小中学生対象の出前授業の開催、小中学生を対象としたタブレットを活用したICT教育支援などあり、予算をかけずにICT活用を推進することができます。その中の勝浦市立勝浦中学校は、この協定を生かし、大学のタブレット入れ替え時にiPadの提供を受け、最小限の予算でICT整備を進めました。2019年約100台、2020年約200台、その結果、勝浦中の先進的な取組は、様々なメディアに取り上げられ、全国に紹介されました。 さて、資料の裏面をご覧ください。そこに本市の名前が出てきます。先ほど申し上げましたが、空欄は何もしていないという意味ではありません。準備中で、これは7月の中旬までに行われた調査ですので、現在は違うと思います。私は、この一覧表とほぼ同様なものを7月20日の段階で教育委員会に提出しました。私は、そのときもICT活用教育の必要性と緊急性を1時間かけて訴えました。しかしながら、教育部全体には広がりませんでした。教育長のお手元には、いつ頃届いたのでしょうか。この状況を踏まえて質問します。 1日に1時間程度の授業とは、1人の教員がカメラに向かって1時間近く授業をするということでしょうか。また、当該学級担当教員が行うということですが、中学校は教科担任制です。中学校の場合、誰を想定していますか。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 小中学校いずれにおきましても、1回20分前後の授業を2回実施する予定でございます。小学校では、6年生の学級担任、中学校では学校ごとに2教科を選択していただいて、その担当教員が授業を行うことを想定しております。また、オンライン授業の実施判断につきましては、休校の日数、学校の状況を考慮した上で行ってまいりたいと考えております。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 続けて、機器の接続・操作などにつきましては、教育指導課指導主事が支援するとのことですが、複数校で感染が発生した場合、どういった対応をお考えですか。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 複数校でオンライン授業を実施することとなった場合には、学校ごとに時間をずらすなど工夫しながら対応してまいりたいと考えております。また、オンライン授業実施マニュアルに基づく研修会につきましては、今月は2回程度予定しておりまして、今後、指導主事が支援しなくても各学校で独自に対応できるような体制づくりを進めてまいりたいと考えております。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 質問を続けます。授業を録画してインターネット上に限定公開するということですが、具体的な方法を教えてください。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 動画共有サイトに授業動画を投稿しまして、取得したURLアドレスを学校から各家庭に通知させていただきます。なお、休校が解除になりましたら、投稿した動画については削除する予定でございます。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 続いて、AI型ドリルの活用をいつから始める予定ですか。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 休校措置が決定した場合、すぐに児童生徒が取り組めるような体制を準備しております。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 続けます。教育指導課指導主事などが実際にオンライン会議に参加したり、教育指導課内で模擬オンライン会議を実施するとありますが、どういった規模で何回ぐらい行われましたか。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 教育指導課の職員同士の模擬オンライン会議や学校からも数校の教員が参加していただいた模擬オンライン会議を4~5回実施したところであります。この会議を通じまして、オンライン授業を運用していく上での課題、その対応策を検討しているところであります。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 次の質問です。GIGAスクール構想に関する研修は、端末の納入に併せて行うとのことですが、納入が年度末になった場合、6月議会答弁であった12月開始は不可能ということでしょうか。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 先ほど教育長のご答弁にもありましたように、端末の納入時期、また校内LAN回線の整備にもよりますが、できる限り早い研修が実施できるよう準備を進めているところであります。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 ここで一旦質問をやめて、4月の緊急事態宣言下で教育委員会に対して行われた書面による質問及び回答、そして要望について紹介させていただきます。 むなしいことに、ほとんど同じ質問を私を含め複数の議員が、質問、要望として教育委員会に問いかけています。4月10日、ユーチューブ等のオンライン授業を検討してみてはいかがでしょうか。4月12日、小中学校において、今後、ウェブ授業が導入されることを予想し、教員が授業の映像を作成するなどの授業研修、授業映像作成などの予定があるかお伺いします。また、現在の児童生徒に対し、学習プリントだけでなくどのように学習の確保をする予定かお伺いします。5月8日、教職員のオンライン会議実践についてのお願い。5月13日、オンライン授業配信ができないものか。5月21日、基礎疾患がある児童生徒は、オンライン授業を導入し、自由登校としてほしい。 これらに対する教育委員会の回答は、オンライン授業を行うためには、児童生徒が視聴するための機器、タブレット等やインターネット環境が必要となります。全児童生徒の家庭にこれらの環境が整わなければ、教育の平等性を保障することはできず、オンライン授業の実施は現状では困難であると考えています。また、各学校においては、新型コロナウイルス感染の拡大防止及び職員に感染症が出た場合の業務の停滞回避を目的として、交代制勤務を実施しているところであり、教員による授業映像作成のための研修などを行う予定は、現在のところではありません、でした。 さて、私はこの54市町村聞き取り調査の中で、学校独自授業動画配信や先進的な取組をしている学校の校長先生方にも、複数直接、3人でしたが直接お話をお伺いしました。ある学校の校長先生は、誇らしげにこんな話をしてくださいました。休校中の交代制勤務時に、先生同士で15分動画を作り続けました。しかし、15分という短い時間でポイントを絞った授業を行うということは、意外に難しいです。1回で満足のいくものはできませんから、先生方で何度も撮り直しをするんです。そうすると、これまで受けてきた以上の授業研修になりました。15分という短い時間設定により、授業者自身が何度も動画を確認できる。先輩教員や同僚と簡単に意見交換ができる。目の前にいない子供たち対する言葉の抑揚のつけ方、声の大きさ、言葉の区切り方など、ポイントを絞って授業改善ができるので、学べることはたくさんありました。このコロナによる休校というピンチは、先生方にとって授業力アップの、まさにチャンスになっています。 ちょっと質問しました。成田市は行っていないということですか、もったいないですねと言われました。現在、この学校がある船橋市では、オンライン授業用の指導案作成研修に入っています。これは、船橋市教育委員会ホームページにもアップされていますので、ぜひ成田市でも参考にして、短いものをどうするかを考えていただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。放課後の消毒作業についてお伺いします。簡素化や児童生徒の手伝いにより、教職員の負担も軽減されるというお話ですが、6月議会で3名の議員が、地域ボランティアや専門業者の手伝いについての質問及び要望を出しました。そのときの回答では、感染拡大のリスクを減らすために、保護者であっても外部の人間を校内に入れないという回答でした。それを変更するお考えはありますか。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 外部からの来校を極力避けるということで、校内が健康な状態であることを維持するという基本的な考え方に変更はございませんが、先月の校長会を通じまして、ボランティアの方が継続的に健康観察を行い、当日の健康状態も良好であることを確認できた場合には、学校長の判断で地域の感染状況も考慮しながら受け入れることを可能としております。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 市内のある学校では、既に6月の段階で保護者ボランティアの受入れをしている学校がありました。8月17日に、この事実について教育委員会に話してあるので、部長も教育長もご存じだと思いますが、こういった文書がPTA会長名で出ています。その一部を紹介します。 校内衛生ボランティアには、70名を超える皆様にご協力いただき、どのような言葉で感謝申し上げればよいのか分かりません。再開の折には改めてご連絡いたします。PTA会長の言葉です。それを受けて校長先生です。子供たちや学校のために迅速な判断、対処をしていただき心から感謝いたします。先を見通すことのではない状況の中で、こうした保護者の皆様の温かい理解とご協力、そしてご支援は、私たちの大きな心の支えになっています。 6月議会答弁と異なる事実が学校現場にあったわけですが、この学校は、保護者と教職員の絆が、やはり深まったと思います。しかし、ほかにはボランティアを断った学校もあります。どのような情報統制が行われているか分かりませんが、保護者同士ではなぜという疑問が起きています。今回、保護者ボランティアの規制が緩和されてよかったのですが、庁内での情報伝達及び意思の統一、そして各学校への丁寧な説明をお願いいたします。 次に、宿泊を伴う旅行行事についてお聞きします。千葉県内54市町村の決定事項、現状を、現在市としては把握していますか。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 地域の実態が異なっており、県内全ての状況を把握する必要はないと考えておりますけれども、近隣市町に関しましては、聞き取り調査などを行い把握しているところであります。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 先ほどの資料1をご覧いただいて、一番左のピンクで塗られている部分、これは現在、宿泊を伴う旅行行事を中止にしている市町村です。1ページ目を見ますと、この薄緑の54番、千葉市教育センターは、ここは中止にしていません。先日、長野県への2泊3日の修学旅行を実施して戻ってきました。透明の部分は、私の時間もなく調査ができなかったものです。裏面にも同じような形で調査が載っています。白抜きのところは、つまり調査が行き届いてないということです。 現在の千葉県内の現状としてはこのような形です。それから、近隣市町村では、先ほど私が最初の質問で言ったとおりの内容になっています。こういう状況の中、修学旅行を設定をするのはなかなか悩ましい問題だというのはよく分かります。 そこで、次の質問をしたいと思います。8月に京都方面への修学旅行を企画していた中学校は、2校とも中止になりました。9月以降も京都や長野方面に修学旅行を計画している学校がありますが、例えば京都市とはどのような連絡協議をされたのでしょうか。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 連絡を取りました7月時点では、京都市内での修学旅行は実施されていないとのことでありましたが、感染対策を整えると伺っております。また、各学校でも旅行業者を通して感染対策の詳細については、随時確認しております。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 最後に、修学旅行が中止になった学校及びこれから発生するキャンセル料は、今後どのような負担になるのか教えてください。 秋山忍 議長 清水教育部長。 ◎教育部長(清水活次君) 市では、保護者の経済的負担を軽減するという目的から、市で補填してまいる予定でございます。 以上です。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 どうもありがとうございました。先ほどの資料の中で、中止した自治体が、私が調べた39の中では、中止しないでやるということで、千葉市、栄町、そして本市の3つと。全体を調べていませんので、これについては何とも言えませんけれども、中止した自治体の保護者宛ての文書の中止理由は、1つ紹介します。 ①千葉県をはじめ全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大していること。②寝食や入浴などで密を避けることが困難であること。③旅行先で児童生徒が発熱した場合の対処が困難であること。④児童生徒や教職員の安全を確保することが困難な状況であること。こういったことです。新幹線の座席、バスの座席、普通に座ると密です。新幹線はもちろん、バスも通常、窓を開けての走行は安全上の理由でできません。例えば京都方面の場合、新幹線に約2時間半乗車します。みんな大騒ぎにお弁当やおやつタイムが、大きな修学旅行の思い出にもなります。夜にスナック菓子を食べながら、先生の目を盗んで恋バナをするのも非常に大きな思い出になったりもします。 そういった事情がある中で、修学旅行をどう捉えるかというのはなかなか難しい問題がありますが、実際には中止になった学校で、不安だったから中止になって安心したという子供もいます。それから、もう無理だと分かっていたから大丈夫ですと。それより私は部活を、大会がやりたかったですとか。それから、やっぱり行きたかったという子も、様々な子がいます。 お願いなんですが、もう一度子供たちに修学旅行に行きたいか行きたくないかではなく、行けるかどうかの判断基準を子供たちにそのチャンスをあげたいと、行かせてあげたいというのがすごく世の中に出てきます。私も何と16回、京都・奈良に修学旅行を引率してます。ですから、修学旅行の醍醐味は分かっていますが、行かせてあげたいというような、例えば中学3年生の場合ですと、子供たちは行きたいかどうかを自分で判断をできるんです。つまりいつも保護的にかわいそうだ、行かせてあげたいというような保護する側として大人が見ていると、案外、子供たちの気持ちがずれていることが多い。 それよりも子供たち自身に、旅行行事にもかかわらず、これからコロナ禍における最後の思い出づくりをどうするか。これを例えば小中学校がありますが、中学校10校を生徒会長を集めてオンライン会議をやるんです。そして、自分たちがこれから中学校生活をどうやって過ごしていったらいいのか。この子たちは、5年後の成人式にもう1回つながりますので、ぜひ守られる存在ではなく、彼らが決められるようなチャンスを与えて、いろいろ行事を企画していただきたいと思います。 ICTのことも、全庁を挙げて担当者のみならず全庁を挙げて取り組まないと、現状なかなか厳しいと思います。ぜひ国際都市成田がICTでもトップになるような、そういう教育を行える都市であってほしいと思います。 チェンジナウ、私の大好きな議員の言葉です。今変わりましょう、以上で一般質問を終わりにします。 ...

眞野義行 皆様、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして、一般質問を始めさせていただきます。 まず初めに、お断りします。今回の質問は、2つだけでしたが、質問2の「学校現場での感染症対策について」は、割愛させていただきます。 理由は、その質問の要旨が、学校現場では、給食配膳時のマスク着用は必須となっているが、新型コロナウイルス対策でマスクが手に入らず、準備できない家庭も出ていると聞いている。その把握と今後の対策について市の考えは、というものだったからです。 もう皆さんもご存じのとおり、質問通告時と今日現在とでは大きく状況が異なっており、3月4日から市内小中学校、高校、全て休校と決まった今、あまりこの質問に意味がないので、取りやめさせていただきます。 したがって、質問は、新型コロナウイルス対策のみになります。しかし、これも既に諸先輩方、議員の方々が質問されている内容なので、私からは、不安定な状況下で発生する不確かな情報の拡散、インフォデミックへの対策に絞って質問します。 さて、時間を見ますと、まさに、今日、千葉県公立入試後期選抜試験が終わった頃です。千葉県の公立入試は、皆さんもご存じかと思いますが、前後期に分かれており、前期試験で不合格の生徒は、今日の後期選抜試験に臨んでいます。 学級の状態でいいますと、私立高校で合格を決めた生徒、前期選抜で合格を決めた生徒、そうすると学級30人の中で20人は進路が決まった状態で、残された10人が最後の今日、受験に臨んでいることになります。 この状態は、実は、中学3年の担任をやっていた経験があられる方であれば、子供たちの状態はよく分かるんですが、笑顔はあるんですけれども、顔面蒼白で引きつる。なぜなら、クラスの20人が進路が決まって、楽しいおしゃべりや土日のお休みの日にディズニーランドへ行ったよとか、いろいろ本当にゆったりと残りの中学校人生を楽しもうという中で受験に臨んでいるので、非常に緊張感が高まります。 この入試制度は今回で終わりになるのでよかったなと思いますが、その子供たち、担任の先生方は一生懸命指導してきたんですけれども、先週木曜日の夜に一斉休校という方針が出されました。 25日の段階では、感染者が出た場合には、休校その他地域の封鎖というか、考えましょうということで自治体に任せるということだったんですが、27日には一斉休校ということで、金曜日の朝から学校現場では大混乱に陥って、子供たちは、「先生、どういうこと、聞いてないよ」って。「誰か感染者が出たんですか」、「私たちの入試はどうなるんですか」、「卒業式はあるんですか」。現場の大混乱は、実際に確認もしましたが、当然でした。 これまで積み重ねてきたものが一瞬で吹き飛んじゃった感があったんですが、それをいつまで言っていても仕方がありませんから、次のステップを踏むために現場では頑張っていました。 マスコミがすごく不安をあおってくるところが私はあると思うし、実際に感染した児童生徒が出て、保護者、職員の中にも出てきたとなると、学校に子供たちを預けているのが安心・安全と言えるんだろうかと、保護者の中には不安を持たれる方がいるというのは仕方がありません。ですから、今回の一斉休校については、保護者の方の中で安心したという声もありました。 私も、元教員でなければ、学校に子供を行かせるということに不安を感じたかもしれません。ただ、ちょっとここで時間をいただきたいのは、実際の学校ではどういうことをしているのか。めったに表に出てきませんので。実際の学校では、冬場は本当に手洗い、換気、うがい、非常に神経を使って最もインフルエンザの防止に努めています。 小学校も特にですが、中学校あたりになると、3年生の男子あたりになると、給食配膳時にマスクをつけなさい、帽子をかぶりなさい、かっぽう着を着なさい、これはかなり至難の業なんですね。ですから、なかなか指導に従わないときなんかは、私が出動する場面というのは結構あるわけですけれども、非常に神経を使っています。 日本の学校の衛生管理、健康状態管理は間違いなく世界でトップだと思っています。何しろ、給食のときにまで、給食指導ということで、教育の一環になっていますので、1分の休憩もありません。ですから、働き方改革と多く言われると思いますが、そこまで徹底的に教育現場ではやっています。 朝の会では、児童生徒の健康相談から始まって、安心・安全な衛生管理の整った状態での給食が配給され、具合が悪いときには、保健室に養護教諭と成田市独自の養護補助教諭が待機していてくれて、何かあったら応急処置、具合が悪ければ病院に連絡、そして救急車の要請もしてくれる。 学校の中での安全というのは、健康状態から考えてもかなりいいんじゃないかなと思うんですけれども、学校全体を休校ということでしたので、これに従っていかなければいけないと思います。 ただ、もう一つだけ言わせていただくと、インフルエンザの罹患率について一切マスコミ等で報道されないので、例えば、去年の1年間とその前の1年間、今年の2月まで、休校、学年・学級閉鎖数というのは、この2月までは2万5,378件、一昨年は3万1,452件、つまり6,000件の減になっています。インフルエンザによる学校の欠席者数も、この2月までは30万1,715人、一昨年は41万人、こちらも10万人の減となっています。 この数字が、学校教育現場が頑張ったからインフルエンザの封じ込みに成功したんだというふうにはつながらないと思いますが、今回の新型コロナウイルス対策によって、学校の先生方はかなり神経を使って頑張った。その理由はあるんじゃないかなと、私は信じているところであります。 しかし、国から一日も早く学校を閉めて子供たちの安全を守ることを優先しようということがありましたので、国際空港を抱える成田市が、その世の中の流れに従わずに学校を閉校にしないということはなかなか難しいと思います。 こうした状況の中、成田市は、関川教育長をはじめ、私はすばらしい判断をされたんではないかと。今日入試が終わって、明日全員が集まってきて、担任がそこで顔合わせて、あさってから休校にすると。もうこれ以上の選択はないと思います。 ただ、話は戻りますけれども、指示が1週間の間に直前で2つぐらい出てくると、子供たちの間から出てくるのは、「なぜ」って、「どうして」です。「月曜日に、火曜日に言っていたことと違うよ」、「私たちはどうしたらいいの」と。つまり、指示が急に2つぐらい出てきてしまうと、子供たちは混乱して、そこで不安と心配が生まれます。これが無駄な憶測を呼びます。 心配や不安から出てくる憶測によって、それがSNSで拡散されると、ありもしない事実が出来上がって、真実が踏みつぶされていきます。 ですから、今はもうトイレットペーパーはありません。マスクの買占めも、それはそれなりの理由があるかもしれませんが、キッチンペーパーもない。アオサは体に効くよという話が出た瞬間に、翌日の午前中にはスーパーからアオサが消えました。これは名古屋の中部大学が、インフルエンザウイルスに効果がありそうだという論文をSNSに上げた、このタイミングで上げてしまったために、新型コロナウイルスに効くんだ、これが一気に拡散した。ですから、中部大学は削除して、今、アオサがなくなるという状態は収まりましたが、昨日、ドラッグストアを見にいっても、もうトイレットペーパーもないという状態。トイレットペーパーは、マスクと原材料が同じだから、マスク不足によってなくなっちゃうよ。そのためになくなりました。 この事実と違う不安の中だから生まれている情報の拡散、これがインフォデミックといいます。 インフォデミックというのは、WHO、世界保健機関が世界中に警鐘を鳴らして、ずっと言っているんですけれども、これが私の今日唯一の質問になります。 WHOからは、パンデミック、爆発的病原菌の拡散、ウイルスの拡散だけでなく、インフォデミックに対する対策も非常に必要だと。 そこで、本市では、このインフォデミックに対して、市民に正しい情報を提供するためにどのような対策を行っているのか。質問は1つですが、お答えください。 以上で、壇上からの質問を終わりにします。 秋山忍 議長 小泉市長。 小泉一成市長 眞野議員の新型コロナウイルス対策についてのご質問にお答えいたします。 WHOからはパンデミックだけでなく、インフォデミックが起きているとの指摘があるが、この対策について市の考えはとのことでありますが、感染症の拡大予防には、市民の皆様に感染症に関する情報や正しい予防方法をお伝えしていくことが必要であると考えております。 そのため、市のホームページをはじめ成田ケーブルテレビ、地域情報誌、広報なりた、区長回覧などにより、市民の皆様へ新型コロナウイルス感染症について、適宜、情報を発信するほか、相談がある方には医療相談ほっとラインを案内するとともに、感染予防について、正しい手の洗い方や、せきエチケット、マスクの着用の仕方といった情報の提供に努めているところであります。 また、本市では、1月28日に新型コロナウイルス感染症を感染症法の指定感染症に指定する政令が閣議決定されたことから、同日に新型インフルエンザ等行動計画による組織体制を準用した、新型コロナウイルス感染症警戒本部を設置いたしました。 1月29日に第1回感染症警戒本部会議を、また、2月3日に第2回警戒本部会議を開催し、庁内各部が連携して迅速に必要な対策が講じられるよう情報共有を行い、さらに、県内での新型コロナウイルス感染症の発生状況などを踏まえ、2月28日には私を本部長とした対策本部に移行し、小中学校の一斉休校や本市が主催するイベントの開催への対応について協議するなど、感染予防対策の強化を図っております。 公民館や図書館などの公共施設においては、感染予防のポスターの掲示や、外国人の方にも、感染予防について正しく理解していただけるよう、日本語のほか英語、スペイン語、中国語でもチラシを作成し、市民の皆様への的確な情報の提供に努めているところであります。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 それでは、自席から続けさせていただきます。 先ほど、市長からのお答えの中に、「公民館や図書館などの公共施設においては、感染予防のポスターの掲示や、外国人の方にも、感染予防について正しく理解していただけるよう、日本語のほか英語、スペイン語、中国語でもチラシを作成し、市民の皆様への的確な情報の提供に努めているところであります。」とお答えがありましたが、私は昨日各施設を実は見て回ってきました。その結果は次のような状況だったんです。 厚生労働省から出されている感染症対策へのご協力お願いポスターという、これは手の洗い方、マスクのつけ方、全て絵で描かれていて、丁寧なもので、文字が分からなくても、目で視覚的に理解できるというものです。 そのポスター、一応、日本語、英語、中国語、3言語でできているんですけれども、成田市立図書館では、3言語ともポスターが貼られていました。もりんぴあこうづも3言語ともポスターが貼られていました。ただ、中央公民館、加良部公民館、三里塚コミュニティセンター、ここは日本語と英語だけでした。中台体育館、中台陸上競技場、ここはありませんでした。 それから、先ほどの日本語のほか英語、スペイン語、中国語でも感染症予防についてのチラシを作成しているということでしたが、そのチラシが置いてあるのは、先ほど言った公共施設の中で、成田市立図書館だけでした。もりんぴあこうづ、中央公民館、加良部公民館、三里塚コミュニティセンター、中台体育館、中台陸上競技場、どこにもありませんでした。 ただし、そこで私が質問すると、職員の方は丁寧に対応してくださって、分厚いファイルの中から、それぞれの感染症対策のチラシを出してくださって、「必要であればコピーします」ということで、コピーしていただきましたが、中にはスペイン語で書かれているチラシが入っていたんですけれども、スペイン語で書かれているので、職員の方は何のことか分からない。ですから、「多分、これでしょう」といって見ると、英語とその上にあった「あっ、これです」ということで、わざわざコピーしていただきました。 施設によって、私は市議会議員だということを言ったんですけれども、別に覆面調査をするような意地悪な気持ちはなかったんですが、一市民として「ありますか」ということで聞きに行ったんですが、誤解のないように言っておきますけれども、どこの施設の方も非常に丁寧に親切にやってくださいました。 ただ、「市民の皆様への的確な情報の提供に努めている」というと、どこの段階でストップしちゃったのかなと。 ですから、市民の皆さんの目に触れて、手に取れるような状況まで行っているかどうかの確認はやっぱりしないと、先ほどの話ではないんですけれども、小中、高校一斉休校にしてまで感染を押さえ込もうということになっているわけですから、この国際都市成田としても、日本人だけでなく、外国人にも正しい感染予防知識を伝えて、これを全市一丸となってやって、成田から一人も出さないんだよというメッセージを上げるためにも、この確認はぜひやっていただきたいかなとすごく思います。 学校がお休みになれば、児童生徒も図書館等へ行くと思います。そのときに、できたら目で分かるようなポスター、学校にも掲示してあるんですけれども、もっと大きな形にして、入口あたりにどんと貼る。 皆さんもご存じだと思いますが、ポスターというのは、商売をやっていれば分かりますけれども、どこに貼るのか、どのくらいの期間貼るのか。これが大事で、市の1階の壁面にポスターがたくさん貼ってあるんですけれども、本当に申し訳ないんですが、ポスターが貼ってあるなあで終わりで、何が書いてあるかは自分の興味・関心のあること以外は目に触れません。 ですから、この感染予防をやるんであれば、図書館の入口の正面に、本当に大きくどかーんと2枚くらい貼って、どうやっても市民の目に触れるような、そういう対策はぜひやられたほうがいいと思います。 それから、もう一つ、ご答弁の中に、成田ケーブルテレビへの情報発信を依頼とありましたけれども、ここは、大変申し訳ないですけれども、関川教育長とかにケーブルテレビに出ていただいて、成田市長でももちろんですが、市民の皆さんに、こういう状況で、今、学校が休校になっていくんだけれども、ぜひ感染拡大防止のためにやりましょうということと、それから、なぜこういうことに至ったのかという熱いメッセージを流していただけると、子供たちにも、保護者にも伝わって、成田市の本気が伝わっていくんじゃないかなと勝手に思っているわけですが、あくまでも、これは私の個人的な意見なんですけれども、アピールとしては、やると安心して、子供たち、それから保護者も納得して休んでいけるんじゃないかなと非常に思います。 これはここで言うべきかどうか分かりませんが、児童生徒の皆さんには、この休みは有効に使っていただいて、読書をしてほしいなと。あと心配されるのは、SNS漬けになって、新たな犯罪に巻き込まれないようにと。これは教育委員会や教師が必ず言うと思うんですけれども、つまらない暇とか、誰かとかって言って、どうしたの、相談に乗るよというのは、今も起きている事件なので、ぜひSNSの使い方を教育現場から子供たちにもう一度再確認をするということで、お伝え願えればありがたいです。 以上で、私の一般質問を終わりにします。 ...

眞野 義行 皆さんこんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。      〔「よし」と呼ぶ者あり〕 眞野 義行 ありがとうございます。他派の会長さんからエールをいただくとは、ヤマトに乗ってはるか銀河に飛び立つような勇気をいただきました。受けとめさせていただきます。  質問に先立ちまして、今回の甚大な災害において被災された方々に対し、お見舞いを心から申し上げます。先ほど小高議員から受け取ったONE TEAMのボールを胸に、多文化共生を中心に質問させていただきます。大問1は、多文化共生指針についてです。大問2は、災害時の外国人支援についてです。大問3は、在住外国人の子供たちへの支援についてです。大問4は、NARITAみらいプラン第2期基本計画素案3-3-1国際理解を促進するについてです。  それでは始めます。まず大問1、多文化共生指針についてです。私は先日、成田市議会議員として初めて海外視察に行かせていただきました。フィンランドをスタートとして、フランス、ドイツの3カ国を視察しました。その視察先の1つフィンランドは、私が最も興味があり視察を楽しみにしていた場所です。  エスポー市にある小中一貫校を訪問したのですが、その目的は、世界的に有名かつ先進的なフィンランドのICT教育、プログラミング教育、そして多文化共生教育です。また、私はフィンランド教師が有する教える技術の高度さにも非常に興味がありました。説明をしてくださった数学の女性教師や校長先生のお話から、日本の教育とは決定的に異なる部分を見つけました。もちろん私なりの解釈ですが、それは、フィンランドの教育は「待つことができる」教育であるということです。それがプログラミング教育につながり、高い理解力、洞察力、そして世界一と言われる豊かな学力を子供たちに与えているんだと。  プログラミング力というのは、自分が定めた目標を達成するために、どういった組み合わせや改善を行っていけばいいか、それを試行錯誤しながら考えていく力、そのことです。そのためには、自分の五感を駆使して、パソコンだけをいじって机の上ではだめなんです。五感を駆使して自分の体験を積み重ね、思考力を高めていきます。当然、それには時間がかかります。それをフィンランドは待てる、そこがすばらしいと思いました。例えば、そのクラスに課題を1時間で解決できない生徒がいたとしたら、担当の教師はカリキュラムを無視して、次の時間も同じ教科を継続することができるんです。  このようなシステムは、それぞれの教師が非常に重い責任を持たされているので、朝決めたカリキュラムと異なるカリキュラムをその日のうちに継続ができる。もし、その生徒が1年間で自分の課題をクリアできない場合、その生徒はもう1年やり直しができます。このやり直しは、落第や留年ではありません。もう1回、勉強のし直しができる。そこまで徹底しています。本当にここまで言ってしまうと、本当にフィンランドで教員をやりたいって心から、もうとっくに引退して化石化しているんですけれども、思ってしまいます。  それは、大学、教員養成になっていっても、例えば専門学校でも、職業訓練校でも大学でも、同じように1年待ちのシステムはずっと継続します。ですから、例えば教員になるには、大学は3年間、その後、2年間大学院、システム的には5年間で修士を取ります。しかし、教師はその間に自分のスキルを高めるために、1年間独自の留学もできます。多くの教員は、留学をして第3言語を学びます。フィンランド語、英語、この英語はフィンランドの子供たちはほぼしゃべれます。そして、その第3言語。説明に当たってくださった校長先生は、ドイツ語が話せるということでした。ですから、子供たちに日本人がやっているようなALT、ネイティブスピーカーを1人も雇っていません。つまり教師は全て言語を教えます。これはすごいと思いました。決められた時間の中で、いかに知識を詰め込むかという現状の日本の教育から見ると全くうらやましい限りですが、これを改革していかなければいけないと思っていますけれども。  さて、このフィンランドについて少しだけお話しをさせていただきます。  フィンランドというのは、自分は北欧の国ということではっきりしてなくて、サンタクロースはいるのか、何かなんとなくもやっといたんですが、大きさ的には九州を除いた日本の大きさ、そこに千葉県の人口よりも少ない550万人の人たちが、人間とムーミンとスナフキンとニョロニョロで仲よく暮らしているという、まさに人と森と水の共生社会、これが成立しているわけです。でも、550万人の人口で国家を維持していくには経済力はありませんので、人を育てることで国力を高めようと。その人を育てるにはどうするかというと、国民に課した24%の消費税を使って、教育力を高める。ですから、教育費は全て無料である。その次に、難民・移民がやはり多いので、彼らをどう大切に育てるか。ここがフィンランドの教育の根幹になっています。  私は、校長先生に外国にルーツを持つ子供たちへの教育について質問しました。すると、現在、この学校には80カ国のルーツを持つ子供たちが集まっていると。移民・難民である彼らは、強制的に最初の1年間はフィンランド語学校に通わされます。通わされるという表現はちょっと不適切なんですが、その後、その子供の発達状況に応じて毎週2時間の放課後学習をやっているという回答でした。強く感じたのは、フィンランドというのは、人を育てることに本当にお金を使っていて、そしてフィンランドにやってきた子供たちのことを、国籍に関係なく国民として大切に育てている国だと、そういう明確な国の方策がすごく心に響きました。  少子高齢化による人口減少は、世界同時に進行していることです。今、自分の国にやってきてくれた人、子供たちを一人一人大切にし、きちんとした教育の機会を与えることは、将来その国の国力維持・発展に寄与することは、間違いがないことだと思います。これこそが多文化共生の本質ではないでしょうか。  さて、成田市は、この10月で在住外国人が6,000人を超えました。5年前の平成27年10月には3,673人だった外国人が、令和元年、今年10月で6,084人になりました。一方、日本人の人口は5年間で1,345人の減少です。外国人が2,411名増加したために、総勢で1,066人の増加となっています。外国人比率は5%、しかし実は混合世帯の1,085人がカウントされていないので、実質の比率はもう少し上がるのではないでしょうか。皆さんもご存じのとおり、最も外国人人口が多いのは遠山地区で1,751人、比率で言うと9%、もう10人に1人が外国人になっています。5年前は5%でした。右肩上がりにふえ続ける外国からやってくる人たちをきちんと迎え、将来成田市に貢献してくれる人材に育てることは、国際都市成田として先進的に取り組む課題ではないでしょうか。  多文化共生についての方向性を定めることは、もはや必然です。しかしながら、共生の本質的な意味を誤解すると、一方的な価値観の押しつけになりかねません。共生とは、そこに住んでいいよという共存ではなくて、お互いによいところ、手を取り合って暮らしていくこと、これを共生と言うと思います。だからこそ、独立して暮らすんじゃない共生社会を目指すからこそ、その策定の指針を決めていくには、日本人とは異なる視点を持った外国人の参加は必要不可欠だと思います。  そこで1つ目の質問です。私は、前回の一般質問でも問いかけましたが、今回も質問させていただきます。多文化共生指針策定委員には、日本人とは異なる視点を持つ外国人の登用が必要不可欠であると考えますが、市の見解はいかがでしょうか。  さて、私たち日本人は、スポーツの分野では多くの共生を経験してきました。あの国技と言われる相撲までもが外国人を受け入れ、相撲人気の復活に寄与しました。陸上競技、テニス、サッカー、バスケ、今やスポーツの世界では、とっくに多文化共生になっています。そして、それを決定づけたスポーツと言えば、今年の流行語大賞にも選ばれたONE TEAMです。ラグビーです。  熱狂の源となったONE TEAMは、日本代表を率いるジェイミー・ジョセフヘッドコーチが掲げたテーマです。ジョセフ氏は、チームに必要な選手たちを国籍問わず招集し、31名の代表選手を選びました。どんな強豪チームでも、選手たちの思いが1つにならなければチームとして機能しない。7カ国15人の海外出身選手を含む31人は、リーチマイケル主将を中心に、桜の戦士ONE TEAMとして快進撃を続けたのです。  ジョセフ氏はこのようにも言っています。ONE TEAMは、世界に広がりつつある排他的な空気に対する明確なカウンターメッセージである。それとともに、近い将来、移民を受け入れざるを得ない日本のあり方を示唆するものとなった。それは安倍総理にもしっかりと伝わったと信じたいと。  さて、そのラグビーと言えば、10月13日に予定されていたB組最終戦のカナダ-ナミビア戦が、台風19号の影響で中止になりました。戦わずして無念の最下位が決まったカナダ代表は、皆様もご存じのとおり、台風の爪跡が残る釜石に残り、泥掃除などのボランティア活動に尽力しました。海外メディアやファンから大きな感動を集めたことは、記憶に新しいことです。最後の1試合を台風で流され、最下位が決まったにもかかわらず、その1日を災害ボランティアとして過ごしたのです。カナダ代表が社会貢献に臨んだ理由として、選手の1人、ジョシュ・ラーセンが、日本人は我々に対しておもてなしを含めアメージングであり続けてくれた。せめてものことはしたかったと語りました。宿泊先のホテルでは、日本の浴衣を着るなど日本文化が流行。地元の人との交流を深めていったそうです。  世界中の人々が感動を覚えたラグビーワールドカップ、それは日本が初めてトップ8に残ったということよりは、日本がいかに秩序だった国で、日本人がいかに礼儀正しい国民であったかということに世界は感動を覚えたのです。そして、それを陰で支えたボランティアスタッフの活躍も、実は大きな感動を呼んでいます。日本は、ラグビーワールドカップを通して、確かなレガシーを残したのです。  さて、来年は、いよいよオリンピック・パラリンピックの開催です。東京都を中心に、千葉県でもおもてなしの体制が整いつつあります。今度は、東京に負けないように、成田市が世界に名をとどろかすような都市になるチャンスが来ていると思います。オリンピック・パラリンピックが終わったときに、確かなおもてなしレガシーを残すべきです。  とはいえ、今回の甚大災害を経験した成田市としては、平常時のおもてなしも大切ですが、災害時の外国人対応は真剣に考えなければならない問題です。2012年1月、東京大学地震研究所のチームが、4年以内に首都圏でマグニチュード7クラスの地震が70%の確率で起こると発表したことが、新聞やテレビで大きく報道されました。  先日行われた市の職員の方々との合同議員研修会、その研修会では、跡見学園女子大学の鍵屋教授から防災の講義を受けました。その中で、首都圏直下型地震の起こる可能性や、その後の対応について極めて重要なお話を伺うことができました。オリンピック・パラリンピック開催時に首都圏直下型地震が起きたら、世界の玄関口となる成田が災害・防災に関する情報提供や対策を十分に行うことは安心・安全な日本のPRへつながります。また、観光地であれ就労であれ、日本に入国し成田で滞在する人々に対し、安全や安心を可能な限り提供することは、国際空港を擁する成田市としての責務でもあります。  その責任をきちんと果たせる成熟した都市であることを広く周知させるために、外国人を交えた地域防災システムを整える必要があります。成田空港のさらなる機能強化を考えるとき、施設運営の部分だけでなく、市の行政が成田空港株式会社と連携をして、外国人災害対策に積極的にかかわることは、極めて重要なことになるのではないでしょうか。  そこで大問2、災害時の外国人支援について質問します。旅行者、在住者に限らず、具体的な支援策として、災害避難時の外国人向けの外国人避難指さし会話や、外国人のための防災ハンドブック等の作成の必要があると思いますが、その考えはありますか。  質問を続けます。先日、市役所近くのAIT日本語学校を訪問し、多文化共生についての意見交換をさせていただきました。その中で、次のようなお話をいただきました。外国人留学生に避難訓練を行いたいと思い市に電話をしたんですけれども、外国人向けの避難マニュアルのようなものがないという回答でした。これだけ多くの外国人留学生がいる中で、災害弱者になる外国人向けのマニュアルがないのは国際都市としては残念だと思いました。そこで私たちは、やさしい日本語を使った避難訓練マニュアルを使って独自に訓練を行いました。M新聞社が取材に来たそうです。  この先、成田市としては、こうした外国人に対する対策をどのように考えているのでしょうか。同じように橋賀台にある成田日本語学校でも、独自の避難訓練を行っています。ただ、それがそれぞれの施設がばらばらな感じがあるので、そこで、次の質問です。行政主導で、外国人のための避難訓練実施が必要だと思いますが、本市にはそのお考えはありますか。  先のAIT日本語学校では、次の質問も出ました。最近、外国人の子供たちの不就学が問題になってきていますが、成田の現状を知りたいですと。  今年の9月、文部科学省が初めて実施した全国調査で、日本に住む外国人の小中学生に当たる約12万4,000人のうち、約2万人が就学してない可能性があることが明らかになりました。皆さんもご存じのとおり、外国人の場合、日本の義務教育の対象になりません。保護者が子供を小中学校に就学させる法的根拠がないために、自治体の就学支援もままならず、その実態把握も難しい状況になっています。  AIT日本語学校は、外国人留学生に、なぜ日本に来た子供が学校に行かないのかというテーマで、日本語で作文を書かせています。同じ外国人学生からの目線で、この問題を解決させようという手法はすばらしいと思いました。幸いなことに、成田市内では、不就学児童生徒の存在は確認されていません。  しかし、AITさんからこんなお話をいただきました。では、母親に連れてこられてやってきたあの子供は何だったのでしょう。日本語を教えてほしいということでしたが、どのように対応していいかわからず、とりあえず断ってしまいました。とてもかわいそうでした。就学義務のないこういった子供たちに日本語を教えたいんですが、そういうことは可能でしょうか。行政の支援があるなら、なおさらありがたいです。  彼らは日本に来たくて来たのではありません。親の都合です。そのとおりです。彼らを日本に連れてこられた被害者にしてしまうのか、それとも日本に留学できてよかったと思える子供たちにするのか、実は大きな分かれ道だと思います。  さて、私は10月30日、9月議会で取り上げた横浜市立飯田北いちょう小学校を視察してきました。大和議員と江戸川区初の外国人議員、インド人の通称ヨギさんの3人です。もちろんヨギさんは日本人国籍を取得しています。日本に多文化共生を根づかせるため外国語教育、特に英語教育を高めるため、その他のいろいろの目標がありますが、議員になられた人です。今、私はいろいろ勉強させていただいています。  飯田北いちょう小学校は、全校生徒235名の学校ですが、外国籍児童が41%、外国につながる児童を合わせると54%、まさに多文化共生です。同席してくださった横浜市教育委員会事務局の国際担当係長は、様々な取り組みの説明とともに、日本語支援拠点施設「ひまわり」という存在も教えてくれました。保護者向けの学校ガイダンス、帰国・来日間もない児童生徒は、日本の学校に速やかに適用できるような集中的な日本語指導と学校生活の体験を行うプレクラス、そして新1年生向けのさくら教室が、まとめて1つの学校にあるのです。  そこで質問します。このような外国人児童生徒のための日本語集中教室を設立することは、児童生徒のみならず、その保護者、教職員、そして成田の未来にとって非常に有益なことだと思いますが、いかがでしょうか。  最後の質問です。NARITAみらいプラン第2期基本計画素案3-3-1、国際理解を促進するについてお尋ねします。今回の第2期素案には、8年後の目指す姿として、多くの市民がグローバル化に対応し、多様な文化や価値観を受け入れ、英語で自分の思いを発信するコミュニケーション能力が向上しています。また、外国人との相互理解により、誰もが住みやすく魅力ある多文化共生のまちが実現していますとありますが、多文化共生のまちが実現するための具体的な施策として、新たにどのようなものを考えているのでしょうか。  以上で、私の壇上からの質問を終わりにします。 秋山忍 議長 小泉市長。      〔市長 小泉一成君登壇〕 ◎市長(小泉一成君) 眞野議員の多文化共生指針についてのご質問からお答えいたします。  本市の多文化共生指針につきましては、庁内組織である成田市多文化共生指針策定委員会を立ち上げ、来年11月の制定を目指して作業を進めているところであります。多文化共生指針の趣旨といたしましては、本市行政の基本的な考え方や目指すべき方向性を示すものであるため、策定委員会の構成員は、副市長以下執行部の関係部長としております。外国人の方々のご意見に関しましては、ワークショップや住民アンケートなどを初めとした機会を設け、集約していく予定であります。これら多くの方々からいただいた貴重なご意見をできるだけ反映させ、本市にふさわしい指針を策定してまいります。  次に、災害時の外国人支援についてのご質問にお答えいたします。  まず、災害避難時の外国人向けの外国人指さし会話や外国人のための防災ハンドブック等の作成の考えはあるかについてでありますが、本市では、地域における災害発生の危険性を周知するため、災害情報の入手先や避難所に関する情報、洪水や土砂災害に関する情報、災害時にとるべき避難行動などを記載した成田市防災マップを、外国人向けに英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語の6カ国語に翻訳し、市のホームページで公開しております。  また、災害時における避難所運営の基本的な活動を記載した避難所運営マニュアルでは、避難所を運営する担当者の外国人への対応として、食事など文化や習慣にできる範囲で配慮することを記載するとともに、各避難所には、避難所のルールや共同生活上のルールをまとめたシートの外国語版を作成し、配置しております。外国人に対する災害情報の提供については、一般社団法人自治体国際化協会が提供している災害時多言語情報作成ツールを活用し、ピクトグラムを使ったトイレや救護所などの案内表示や、簡単な日本語表示を多言語に変換したものを作成し、各避難所において外国人の避難者に対応できるよう整備を進めております。  また、気象警報の発表や震度4以上の地震があった際の災害情報を5カ国6言語で配信する多言語観光・災害情報配信アプリであるFEEL成田の周知にも努めております。指さし会話につきましても、災害情報の提供や緊急時のコミュニケーション手段として有効でありますことから、指定避難所などへの配置について検討してまいります。  次に、行政主導での外国人のための避難訓練実施についてでありますが、このたびの台風15号や台風19号、豪雨災害のように今後も毎年、最大規模の台風の上陸が想定されることから、本市におきましても、増加している外国人住民に対する防災意識の向上は必要と考えております。現在、外国人のみを対象とした避難訓練の計画はありませんが、地域の防災意識の向上を目的とした総合防災訓練や土砂災害訓練では、災害時の円滑な避難所運営が図られるよう、外国人支援の訓練も取り入れており、家族や友人の安否を尋ねるため、近隣に住む外国人が避難所を訪れたことを想定し、語学に堪能な方を通訳に交えた訓練を実施しているところであります。  引き続き語学に堪能な方々に対し、協力者としての呼びかけを行うとともに、指さし会話を取り入れた避難所開設訓練を行うなど、自主防災組織や避難所運営委員会などとの連携を図りながら、避難所における外国人支援に取り組んでまいります。  次に、NARITAみらいプラン第2期基本計画素案のうち、国際理解を促進することについてのご質問にお答えいたします。  多文化共生のまちを実現していくためには、言語や文化・生活習慣などの違いを互いに尊重し理解し合える地域づくりが必要であり、市政全般にわたる多文化共生指針の策定を計画しているところであります。具体的な施策につきましては、外国人住民や地域のニーズを聴取するなど、指針を策定していく中で具体化されるべきものと考えておりますが、まずは来年度より外国人に係る総合相談窓口運営事業を開始し、多言語での対応によって外国人の日常生活を支援してまいります。また、指針策定後も全庁的な連携を図りながら、外国人に関する諸課題への対応に適切に取り組んでまいります。  なお、在住外国人の子供たちへの支援についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 秋山忍 議長 関川教育長。      〔教育長 関川義雄君登壇〕 ◎教育長(関川義雄君) 私からは、在住外国人の子供たちへの支援についてのご質問にお答えいたします。  外国人児童生徒の中には、日本語がわからないために授業の内容が理解できなかったり、友だちや教師とのコミュニケーションをとることが難しい外国人児童生徒もいるという現状があります。そのようなことから、本市では、外国人児童生徒が日本での学校生活に早く適応することができるよう、日本語教育補助員や日本語教育有償ボランティアなどを配置するとともに、翻訳機の導入についても検討を進めるなどして、できる限りの支援を行っているところであります。  日本語教室につきましては、児童生徒の支援において有効な方策の1つになるものと考えますが、その設置場所をどこにするか、指導員の確保や配置はどうするかなど、様々な課題があり、早急に実現させることは難しい状況であります。しかしながら、外国人児童生徒は今後も増加していく傾向にあり、これまで以上に日本語教育の重要性が増してくるものと認識しております。このことから、日本語支援を必要としている児童生徒が安心して学ぶための支援策の1つとして、日本語教室の設置についても、先行事例を参考にしながら積極的に研究を進めてまいりたいと考えております。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行 ご答弁ありがとうございました。それでは、自席より質問を続けさせていただきます。  4日の一般質問で、葛生議員から子育て支援についての質問、成田市の父親の育児参加率に対する回答で、成田市は全国平均並みの59.6%、つまり約60%であるというご答弁がありました。1週間に1回でも食器を洗った、風呂掃除をした、子供をお風呂に入れたなどがあれば、育児参加したことになっているという部分があるので、父親が積極的に参加できる仕組みと啓発を行っていってほしいというお話がありました。私もたまに時間があるときは、子供が小さいころは食器洗いや洗濯を一生懸命手伝ったりしました。  しかし、大抵の場合、クレームが入ります。どうして下着とタオルを一緒に洗うのか。どうしてお皿をここにしまうのか。カレーをつくろうと思うが、カレールウの場所がわからない。そこにあるでしょう。そこってどこ。目の前。目の前って壁じゃないか。こういうことになると、もう悲劇が倍増します。これは、きっと妻とは見えているものが異なっている。恐らく空間認識の差ではなかろうかと。したがって、これは私と妻の育ってきた文化の違いなのか、性別の違いなのか。  夫婦生活は、究極の多文化共生だと思います。それでも早く仕事から帰ったときに、お父さん、お帰りと飛びついてくる子供たちと一緒にお風呂に入る。これは、父親の育児参加ということでイクメンと言いますが、父親が一番代表的にやりたいのが、このお風呂と子供、ほっこりタイムと言うんですね、ここに入っている。この娘さんがいらっしゃるお父さんなんかは、お出かけのときに帰ってくる、何歳まで、ちょっとピーの発言なんですが、してくれるかなとか、あとは何歳までお風呂に入れるかなとか、そういう悩ましい話をいっぱい聞くんです。日本で親子で風呂に入ることはほほえましいこととされて、お父さんが小さな娘さんと一緒にお風呂に入るということは、何の問題もありませんが、実はこれは大問題です。  となりのトトロで、お父さんが2人の娘となごやかにお風呂に入っているシーンがあります。あれは当時、実は世界中で大問題になりました。それはなぜか、世界では父親が娘と裸で入浴するというのは、習慣が一切ありません。一切と言ったのは、最近ちょっと変わっていますが、ないんです。  実は、2006年の段階でも、10年以上前に外務省から海外に駐在する日本人のための忠告・警告カードか何かがありました。その海外安全ホームページと言うんですけれども、そこにこういった注意書きがあります。とある先進国に在住の日本人一家、現地校に通っている娘さんが、作文に私はパパとお風呂に入るのが大好きと書いたところ、学校から警察に通報され、父親が性的虐待の疑いで逮捕された。外務省のホームページに載っています。真実です。家族で撮った写真フィルムを現像に出したところ、子供が入浴している写真があるということで、これも警察に通報され、事情聴取された。  入浴の習慣がほとんどない外国人にとっては、もともと入浴そのものはないんですが、シャワーを浴びせることでも、父親が裸になって娘と一緒にシャワーを浴びるということは、本当にタブー視されています。これは、本当に気をつけないとまずいところです。  フィリピンのALTにも聞いたんですけれども、こちらでは母親がお風呂に入れてシャワーを浴びさせてくれたというんですが、お母さんは一度も裸になったことはない。私をシャワーを浴びさせてくれるときも、必ず服はつけていたと。そうすると、実際にヨーロッパやアメリカでは、風呂場というのはシャワーも含めてプライバシーが非常に強く保たれるべき場所だと考えておられるので、親子であっても一緒に入浴するということは非常識な行為、特に父親と娘の場合は、性的虐待が強く疑われることになってしまうんです。また、児童ポルノに関する規制処罰が厳しく、入浴中の写真を撮ると、子供をポルノの対象にしている可能性があると疑われてしまいます。  海外では欧米でもアジアでも、我が子とはいえ裸で一緒にお風呂に入るという習慣はないんです。大体、欧米ですと、3歳くらいから一人でシャワーを浴び出します。布団文化のようなアジアでは、親子が3人で川の字になって寝るということはありますが、欧米では、もう1歳、2歳で別に寝かせます。スピーカーをつけます。早い段階から子供を自立させています。何でか、夫婦の時間を大切にしたいからです。ここがもう根本的に違います。でも、これも全員ではありません。もちろん。  そこで、こういった我々が当たり前だとすごく思っている。例えば、さっきの育児の話もありましたが、子育てに参加する父親を多く育てよう。イクメン行政指針策定委員会なるものを父親だけでつくったら、恐ろしいものができるんじゃないかというのを、私は非常に不安視しているわけです。だから、策定委員会には自分たちが常識と思っている、その壁の向こう側にいる人たちの視点は必要じゃないか、すごく思うんです。  先ほどの答弁の中で、いろんな方に意見を聞いてほしいと。この外国人の意見を聞く機会を設けるとありましたが、具体的にはどんな人たちを対象にお考えを聞く予定でしょうか、お答えをお願いします。 秋山忍 議長 加瀬林市民生活部長。 ◎市民生活部長(加瀬林操君) 多文化共生に関する貴重なご意見をいただきありがとうございます。参考にさせていただきます。  意見聴取の対象者につきましては、詳細は今後検討してまいりますが、勉学のために市内の学校に在籍している方々以外にも目を広げ、在留資格や年齢層にも配慮して選定する予定です。なお、先日は公民館の日本語教室の現場を訪問し、ボランティアの方々のお話を伺いました。また、今後は教育委員会に配属されている英語指導助手の方々のご意見などにも、耳を傾けてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行 早速、視察に行っていただいてありがとうございました。恐らく実際、日本語教室をごらんになられたら、その数の多さと、それから学生たち、学生とは言わないんですが、受講生たちの真摯な姿に感激されたんではないかと思います。ぜひそういったことをよろしくお願いします。  それから、さらに要望があるんですけれども、外国人指導助手、ALTのお話も参考にされるということなんですが、成田市内には成田日本語学校、AIT日本語学校、それから成田国際福祉専門学校、それから公民館の日本語学校と、もちろん大学もありますけれども、策定委員会は庁内組織でやるということで決まっているんであれば、もう1つ有識者会議のようなものを、こういった実際に多文化に触れられている方たちを集めて有識者会議を開いて、多方面からの意見を参考にしていただければいいなと思います。よろしくお願いします。  それから、続いて問2です。災害時の外国人支援について。  平成29年に行われた第41回成田市インターネット市政モニターのテーマ、避難所に関するアンケートの中に、外国語の案内をあらかじめ準備しておく。外国語併記のガイド冊子を作成する。外国人向けの言葉の案内のようなものを用意するなどの回答がありました。また、その他の意見の中にも、私自身海外へ渡航した経験があることから、自国の言葉が通じない地域での暮らしや、ましてや災害は非常に不安に感じると思います。特に、成田市には様々な国の方が住まわれているようですので、いざというとき、混乱を招かないような準備が必要かと思います。  私の住む大栄地区には高齢者が多く、恐らく外国の方も多く住んでいらっしゃいます。災害が起きたとき、高齢者といえども元気に働ける方は活動を、若くても日本語がわからず困っている外国人の方には手厚くとなる可能性が高くなると考えられます。地域の現状を正しく知っておくことが、被害を最小限にとどめる手だての1つだと思います。  そこで、次の質問です。首都圏直下型地震が起きたとき、多くの日本人避難者の対応をしながら、外国人対応は無理であると考えます。必要事項は事前に記入してもらっておかないと、どういった形の避難所であっても、必ず大混乱に陥ります。想定外という事象を想定内にするには、緊急時の速やかな対応が第一です。外国人被災者の問題を後回しにすると、日本人にも多大な影響が出ます。ここでは、あえて日本人と外国人とに分けさせて表現させてもらっています。  そこで、自治体国際化協会が提供している多言語避難者登録カード、東京都で作成している緊急時ヘルプカード、または北九州市で作成している避難所指さし会話帳など、冊子の形にしたものなどが有効であると考えますが、本市ではどういった形の指さし会話をイメージしているのでしょうか。 秋山忍 議長 宮崎総務部長。 ◎総務部長(宮崎由紀男君) 現在、本市の指定避難所には、受付やトイレなどの案内表示をピクトグラムと日本語、英語、スペイン語、中国語、韓国語などの多言語表示したもの、避難所生活のルールを日本語、英語、スペイン語、中国語、韓国語などの多言語表示したものを用意しております。指さし会話につきましては、案内表示やルールの説明だけでなく、避難所で受け付けを行うものと外国人との会話を、お互いに絵と文字を指さしながら行うものであるというふうにイメージしております。避難所生活におきまして、外国人との意思の疎通を図るツールとなるものとして期待されておりますので、本市におきましても、避難所への配置を検討してまいります。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。ぜひ冊子型のものにして、避難所へ配置してください。  ところで、先月11月12日の夜7時から9時の2時間、成田保健福祉館で行われた、先ほど大和議員の質問の答弁にもありましたが、第2回成田市災害医療対策会議を傍聴してきました。医療に携わるそれぞれの立場からの専門的な意見が交わされ、非常に中身の濃いものでした。  議題は、震度7の地震が起きたときの超急性期--災害発生後48時間の対応ということです--における関係機関の役割と連絡体制について。2、医療救護活動に関する必要物品、資器材、医療品等についてでした。参加された方々は、災害拠点病院・日赤救命救急センター長、救急告示病院・成田病院副委員長、成田市医師団、印旛市郡医師会、成田地区歯科医師会、国際医療福祉大学、助産師会印旛地区会長、柔道整復師会、印旛健康福祉副センター長、成田警察署、成田市消防本部、成田市役所からは健康こども部、危機管理課、健康増進課の方々、総勢恐らく25名ほどだったと思うんですが、この救命救急というのは、搬送されてきた個々の患者に対して、医材や器材など原則全て使えることが原則になっているのが救命救急ですが、この会議は災害救急と災害医療というテーマでした。  災害医療の場合は、需要と供給のバランスが崩れ、必要な機材や薬品が患者に充当されない、つまり回らない。そこで、トリアージの問題などが出てきます。命に危険のないけがは後回しになりますが、回復の見込みのない方にはシールが順番に張られていくと、皆さんもご存じのトリアージ。その災害現場でトリアージの判断をしていく。その過酷さは、医師団ははかり知れない重加があると思います。  さて、この会議ではこんなような話が出ました。まとまりなくばらばらで覚えている限り出していったんで、ちょっと聞いていただけると。  医師団のこのチームの災害拠点病院、担当医師には、衛星電話が必要なんじゃないか、どうやって連絡を取り合うと。気管挿管が必要な場合はどうする。意識のない場合。医療品の管理はどうするのか。医薬品には、それぞれ使用期限があるから一括管理は難しい。消毒は。災害時の医療では、あいた傷口は医療用ホチキスでパチパチとめるのが精一杯だろう。亡くなられた方はどこに安置する。安置場所は八富斎場。搬送は。警察は、いつどうやってかかわるか。身元確認はどうするか。持病を持っている方、例えばぜんそく患者の対応は。大人ならまだしも、子供の場合は死につながる。心臓病や腎臓病など持病を抱えている場合。人工透析患者の対応は。DMATとの連携は。それぞれの分野から様々な意見が出ました。  そのとき、その会議の座長である医師が静かに発した一言は、私の心に響きました。私たちは、神ではないから全ての命は救えるわけではないんだ。これは、救命を放棄しているのではなくて、本当に最前線に立った人間たちが命の極限と向き合っている。会議の中でそういう雰囲気を味わえたというのは、非常に私にとっては貴重でした。そこに一緒に傍聴していらした大倉議員と、命の最前線にいらっしゃる方の生の声を聞くことができて、非常に勉強になりましたねと、共通の感想を持ちました。  命には、当たり前ですが、国境はありません。しかし、言葉の壁が命に国境をつくったとすると、それはとても悲惨なことです。阪神淡路大震災のときの外国人被災率は日本人の1.6倍と言われました。もう時代が変わっていますので、そこまではないと思いますが、そのとき以来、弘前大学の佐藤教授が、やさしい日本語というものの導入を積極的に日本に広め出しました。災害時外国人支援に効果があるということが実証されています。  そこで質問です。多言語対応アプリ、これは貴重に有益だと思いますが、甚大災害のときになかなか対応は難しくなる。そのときに、全国的にやさしい日本語の研修及び導入が進んでいますが、この問題は、危機管理課だけの問題ではなく、むしろ文化国際課及び国際交流協会もかかわる問題だと思いますが、避難所で基本的なやさしい日本語活用へ向けて、具体的な方策及び市の職員の研修が必要だと思いますが、そのお考えはありますか。 秋山忍 議長 宮崎総務部長。 ◎総務部長(宮崎由紀男君) 本市では、震度6以上の地震が発生した場合、各指定避難所を開設するための震災時避難所担当職員を2名ずつ計102名指名しており、毎年、研修を実施しておりますことから、やさしい日本語による外国人対応について、研修に取り入れることを検討してまいります。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行 ぜひ検討よろしくお願いします。  次の質問です。災害時の外国人支援訓練を実施したり、自主防災組織や避難所運営委員会との連携を図るとのご回答でしたが、具体的にはどういった規模で何回行ってきたのか、活動例を教えてください。 秋山忍 議長 宮崎総務部長。 ◎総務部長(宮崎由紀男君) 平成29年6月に公津西地区を対象とした土砂災害避難訓練、また平成29年11月に震災時に玉造中学校に避難する人を対象とした成田市総合防災訓練の際に、外国人対応の訓練を実施したところでございます。2つの訓練では、避難所担当職員及び通訳ボランティアが、避難所を訪れた日本語の話せない外国人観光客に対応するという訓練を実施したところでございます。なお、訓練に参加しました外国人の方につきましては、訓練に参加する自治会長などを通じまして、地区に居住している外国人の方の参加をお願いしたところでございます。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。自治会という組織が弱体化して、日本人に対する防災訓練もままならない状況ですが、だからこそ言葉が不自由な外国人に対して、特別な訓練が必要だと思います。この2年行われていないようなので、オリンピック・パラリンピック前にぜひ1度実施していただきたいと思います。  続いて大問3です。在住外国人の子供たちへの支援についてです。質問ではなくて重ねての要望であります。  日本語集中教室設立については、大栄地区廃校予定跡地5つのうち1つを、もし教育委員会のほうで有効活用できれば、新たな施設をつくらずにスタッフを雇用するとか、そこがスクールバスをどうとかという問題はあるかとは思いますが、これから増加されることが予想される外国人児童生徒への丁寧な対応という点で、将来的にも非常に有益な施設となる可能性を秘めていますので、ぜひ前向きな検討をよろしくお願いします。  最後になりますけれども、外国人、12年前の第1期の策定委員会でも同じ目標が出ていて、多くの市民がグローバル化に対応し、多様な文化や価値観を受け入れ、英語で自分の思いを発信するコミュニケーション能力が向上している。これが12年前。今回の素案にも同じのが出ています。さらに、外国人との相互理解により、誰もが住みやすく魅力のある多文化共生のまちが実現しているという文言も入っています。全く質問ではありません。  実は、先月、11月22日に向台小学校6年生の英語の授業を参観してきました。ALTの英語補助教員の合同研修会です。私は、正直感動しました。それまでに何回か小学校の授業を見ていたんですが、47人集まっている外国人ALTに対して、クラスの子供たちは全く、前から言っていますが、子供たちは物おじしないです。飛行機の中の簡単なスキット、会話をやるんです。ポークがいいかチキンがいいか、よくありがちなんですが、それについてのコメントをばーっと全員が散らばって一瞬のうちにやっていくんです。  子供たちの活動もすばらしいし、ALTは極めて優秀。でも、一番感動したのは、小学校の男性の先生でした。後から聞いたら、非常に極めて英語は苦手だったということですが、もう何とかかんとか、ALTにくっついて、一生懸命英語で授業を展開しようって、だから子供たちは、すごく伸び伸びとやっていました。これは、ほかの都市は知りませんけれども、かなり日本中にも広められるぐらいの小学校の英語の教育、やっぱりすごいと、ここはさすが国際都市成田の教育じゃないかと。校長先生にすばらしかったですと。  平成小学校や公津の杜にも行ったんですけれども、どこもすばらしかったんですけれども、英語で自分の思いを発信するコミュニケーション能力を向上したり、ほかの外国人と多文化共生をやるって、その指針の目標としては、申し分ないと思うんですけれども、あと8年間でどんなふうにやるんですか。その具体的な方策をどこにも出てこないんです。だって、放っておいても進捗しません。でも、チャンスはこういった子供たちです。  自分は今考えているんです。考えて実際に動き出しているんですが、議会の皆さん、それからここにいらっしゃる執行部の皆さんにも、後で個別にお願いに上がるかもしれないんですけれども、おもてなしボランティア、トーク用のeラーニング、あれをアップしてくださいと言ったら、11月15日付でアップしていただいて、おもてなし英会話というのができました。それを来年の4月から半年ぐらい、成田でやっちゃう。今、市長には直接交渉して、参加の交渉をいただいています。キャラクターのうなりくんも許可いただきました。成田ケーブルテレビは、12月の終わりにプロポーザルをやって多分通るんじゃないかと。友人のALTが出演してくださいます。  駅、ショッピングモール、道端、困っている、そこにこの部長さんたちがMay I help you?と言って、本当は議員の皆さんともやろうと思ったら、なかなかこれは難しいので。そうしてそのオリンピック・パラリンピックに向けて、そのeラーニングをつくっちゃう。ケーブルテレビで流して。そうすると、それを小中学校でやる。そして、その親子で家で見る。そこに行政の皆さんが出てくる。市長も出てくる。それを全世界に発信するんです。成田市ONE TEAM、このONE TEAM成田をスローガンにやってみたいんです。ですから、出演をしていただけるような方がいたら、ぜひ、もしこの場で手が挙げられないんでしたら、内線3040に電話をいただければ。  ただ、そういうことをやって、成田ってやっぱりすごいな、国際都市だなって、そうしたらデルタ航空も戻ってくるかもしれません。そういう何か外に、みんなが楽しめるようなアピールをぜひ企画できたら、そうしたら8年後、ひょっとしたらこういう目標は達成できるんじゃないかと。ぜひご協力、また今回も一人で興奮してしまいましたが、次回は冷静にできるように頑張りたいと思います。  それでは、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ...

秋山忍 議長 一般質問を続けます。  3番、眞野義行議員。  〔3番 眞野 義行 壇〕 眞野 義行  皆様、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。  今回の質問は大きく分けて3つです。大問1は、多文化共生について。大問2は、在住外国人の子供たちへの支援についてです。大問3は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたボランティアガイドの育成についてです。  それでは始めます。まず、大問1、多文化共生についてです。  私が所属する政友クラブは、7月10日から3日間、韓国視察を行ってきました。韓国とは現在、政治、経済的に非常に関係が悪化していますが、私たちが訪れたときは、現在のような反日、反安倍ポスターは張られておらず、ソウル市明洞のコンビニでも、普通に日本製品の購入ができました。しかし、3日間とも警察の前、銀行の前など至るところでいろいろな種類のデモが行われており、市役所の前にも何かしらの抗議のためのテントが張られていました。  視察ガイドの話では、韓国国民にとってデモは日常的なことです。いまだに毎週土曜日に、前大統領パク・クネを支援するデモが行われている。最近では、さすがにその数が減ってきましたが、ということだそうです。どうやらデモは、彼らの文化の一つのようです。  さて、今回の視察先の重立ったところは、仁川国際空港、IRパラダイスシティ、仁川広域市中区、ソウル市庁などでした。その中の、仁川広域市中区への表敬訪問と、ソウル市での行政視察、ソウル市外国人住民及び多文化家族支援基本計画について取り上げます。  仁川広域市中区は、1988年から成田市と友好都市になっており、この数年途絶えていますが、少年サッカー交流でも盛んでした。中区への表敬訪問は、区長からのこういった言葉で始まりました。日韓関係は政府間の問題、自治体や民間同士では友好を深めていきたい。終始、非常に和やかな雰囲気で交流が進み、最後は中区の日本の町並みを模した観光施設を案内していただきました。  この町並みは、2007年につくられたものです。高台にある庁舎をおりると、すぐ右側の道路脇に日本の人力車と青年の像、そして通りの向こう側、横断歩道の先には2体の大きな約1メートル50センチくらいですか、招き猫の像が飾ってありました。両方とも5年前、2014年につくられたものです。それくらい親日のまちです。しかし、本当に残念なことに、先ほどの招き猫と人力車の青年の銅像が、撤去されることになってしまいました。その事実は、8月31日、先日、朝鮮日報で報じられました。  私たち政友クラブのメンバーは、その場所で記念撮影をしたのですが、なくなってしまうのです。ある市民団体による国民請願が大統領府へ出されたからです。悩んだ区長は、結局、撤去を決めてしまいました。この悩んだという表現は、朝鮮日報にそう書かれていたので事実だと思います。私はこう思います。区長は、本当に苦しい判断をされたんだと。それは、実際にお会いしたからわかることです。そうでなかったら、自治体主導の反日行為かと思ってしまったことでしょう。  ところで、こういったある民族を否定的に捉える国が考える多文化共生とはどういったものか。ソウル市庁への行政視察には、とても興味がありました。しかし、失礼ながら予想以上に、ソウル市の多文化家族支援基本計画には学ぶべきものが多々ありました。例えば、外国人住民人権チームの結成、外国人住民代表者会議による外国人住民の社会参加の支援、ここには日本人女性が入っていました。そして、外国人支援施設の運営、拡大など、共生のための積極的な施策が数多くありました。  その中でも私が特に興味を持ったものは、移住児童のための多文化統合保育園の拡大、進路・総合サービスの提供、多文化幼少年サッカー教室の運営などの施策でした。民間やボランティア任せでなく、市役所の全庁的な連携体制、多文化家族チームが運営することになっていたのです。残念ながら実際には、国内の不況による若者の失業率の高さから、外国人優遇は逆差別ではないのか、私たちの職が奪われているなどの批判の声も上がり、難しい面もあります。また、積極的に受け入れた移民が、韓国語や文化・伝統を学ぶ前に、自分たちのコミュニティーをつくってしまって、住民トラブルが起きているという話もありました。  しかし、日本と同様に少子高齢化が深刻な韓国では、優秀な外国人雇用の問題と人口増の問題は解決しなければならない大きな課題なので、積極的な施策で乗り越えたいとおっしゃっていました。現在は移民を認めていない日本ですが、特定技能という新しい在留資格が加わったことにより、これまでの技能実習生の本人だけの問題でなく、その家族、特にその子供たちへの計画的かつ組織的な取り組みは、避けられない重要な課題だと思います。成田市においても、毎年ふえ続ける外国人に対して、国任せではなく自治体主導の具体的な施策が必要だと感じました。  そこで1つ目の質問です。市には、各部署を超えた外国人との共生についての専属チーム結成のお考えはあるのでしょうか。次に、外国人との共生、つまりは多文化共生の発想のもと、当たり前のことですが、お互いの文化について理解し合うということです。その文化の違いをきちんと理解していないと争いが起きます。同じ文化圏に住んでいれば、意見の食い違いは論争で終わりますが、異なる文化を背景とした意見の食い違いは、戦争につながる可能性があります。だからこそ、多文化共生のためには異文化との相互理解が必要なのです。  直接その国を訪問できないのであれば、その国の人から情報を得ればいいのです。ただし、同じ国でも、できるだけ複数の人間から。意見や相談があったら、市には窓口がありますよという待ちの姿勢ではなく、積極的に外国人の文化に基づいた考え方を知るための施策が必要だと思います。  そこで2つ目の質問です。成田市の国際化のために、以前は市長と外国人懇談会が開催されていました。それは非常によい企画でしたが、現在どのようになっているのか教えてください。次に、成田市には日本語教室、日本語学校、国際医療福祉大学、国際福祉専門学校など、数多くの外国人が学ぶ施設があります。そういった施設を訪れると、当然ですが、完全に国際化されています。留学生、技能実習生、在住外国人などなど、本当に様々な事情を背景にした、世界中からやって来た人々が、一生懸命日本語を勉強しています。彼らの生の声を聞き、彼らに日本語を教えているボランティア、教職員の方から話を直接聞くというのは、多文化共生を考える上できわめて大切なことになると思います。大切なことは、実際にその場所に行って、自分の五感で現実を体感してくることです。  そこで3つ目の質問です。市内にあるこういった教室や学校で働くボランティアや教職員の方々と、市の職員との意見交換や要望を聞く場はあるのでしょうか。また、国際医療福祉大学の副学長、また事務長から、日本語教室のボランティアから、市の窓口業務についての外国人対応がもう少しスムーズにならないか。できたら外国人向けワンストップ窓口があると助かる。せめて翻訳機などが欲しいとのお声を頂戴しています。  そこで4つ目の質問です。3月議会での答弁の中に、市役所の窓口での多言語対応に備えて、自動翻訳機等についての調査研究を続けているとのことでしたが、その進捗状況について教えてください。  次に、大問2、在住外国人の子供たちへの支援について質問します。  私は、7月31日、渋谷にあるNHK本局を訪問しました。目的は、在住外国人の子供たちの教育現場での現状についての聞き取りです。NHKは2017年から「外国人依存ニッポン」というテーマで、日本全国の外国人労働者が抱える問題について丹念に実態調査をし、記事をまとめ、ウエブ上でその問題を訴えています。渋谷の本局だけでなく、全国各地の取材班が調査、編集をしています。私は、これらの特集やコラムを丹念に読んでいくうちに、大いに共感できる部分と疑問に感じる部分が生まれてきました。直接話を聞きに行こう。在住外国人の子供たちが抱える問題、その本質は何なのか。NHK報道部の記者に連絡し、お話を聞けることになりました。  しかし、その前に、この成田市の現状についての認識がないと、せっかくインタビューに行っても、本当のことが何も得られないと思いました。そこで、市内の日本語教室、日本語学校、日本・インドネシア経済協力事業協会、これは前林小学校の隣にあります。国際医療福祉大学、国際福祉専門学校などを視察し、その活動を見学し、学生、先生、ボランティアの方々にインタビューをしてきました。それらの視察を通してわかったことは、共通して国の政策を当てにせず自分たちでやるという前向きな姿勢です。  また、そこで学ぶ、留学生、実習生、在住外国人、呼び寄せ家族の子供たちの本当にひたむきな日本語を学ぼうとする姿には感動を覚えました。その視察先の一つ、中央公民館で行われている日本語ボランティア教室についてお話しします。これは市役所職員であったOさんが30年前に立ち上げたものですが、その日の参加者は12名、講師の方も12名、日本語教師の資格を持っている方は1名でしたが、皆さん様々な工夫をされて、レベルに応じて外国人に実践的日本語会話を教えていらっしゃいました。  その受講生たちに混じって10歳の小学生とその母親が親子で学んでいました。4月に来日したその親子は、日本語がわからず苦労しているのです。また、17歳の少年は、父親に連れられて1年前にやってきたのですが、中学校卒業の年齢でしたので、どこにも居場所はありません。しかも、日本語がほとんどわからない状態です。友達はいないしやることもない。孤独な自分の将来を考えているのか、その目は本当に悲しそうでした。犯罪に走らなければいいけれどもと。  さて、ほんの一部でありますが、成田に住む外国人の様子を確認してからNHKのインタビューに臨みました。その結果は、受け入れる側の日本人の意識を変えなければならないというものでした。1、日本人は違いに対して寛容ではない。2、いじめを経験しない外国人の子供はいない。3、教師からの差別的な態度を感じている。4、日本語を学ぶ機会が与えられていない。5、日本語を学ぶイコール日本の文化を学ぶということだが、そういった意味で日本語をきちんと教えられていない。6、外国人の子供たちが取り残されている現状、その原因が検証されていない。以上が主な点でした。  報道部の担当記者は、3年間、全国の在住外国人の問題を追跡し、特にその子供たちの問題を中心に調査をしていました。彼が何人もの子供たちを取材するうちに、国や教師に対してある種の怒りが湧いているようで、冷静ながらも言葉からは熱を感じました。  私が非常に気になった点は、いじめを経験しない外国の子供はいないという点と、教師からの差別的な態度を感じているという点でした。彼が、15歳のときにインタビューした子供たちが、再び18歳になったときに質問したら、全ての子供は同じ答えをしたそうです。私は、腑に落ちないので全員がですかと再度尋ねると、きっぱりと「はい」と答えました。  成田市は、教育課程特例校として様々な国からやってこられているALTの先生方を採用してきました。ですから、成田市の子供たちは、見た目の違いでその人間を別の人間として見る感覚はほとんどありません。偏見もなく疎外しようとする雰囲気も出しません。同じ地球人として共生しているかのように見えます。そう思ってきました。しかし、外国人の子供は、実はいじめに遭っていたりするのだろうか。これは不安になりました。  また、教師による差別的な態度については、私はこのように答えました。「恐らく外国人の子供たちに十分にかかわってあげられなかったことが原因じゃないでしょうか。日本の教師の日常は、想像以上に大変ですから」と言うと、その記者は、「教師が外国人の子供を負担に思っているからじゃないでしょうか」と言いました。この最後の言葉は、実はある意味、真実をついていました。結局1時間30分に及んだインタビューは、国の政策を待っていては外国人の子供の教育問題は解決しない。自治体のアイデア勝負だということが結論になりました。彼らが安心して過ごせるコミュニティーをつくってあげることは、子供の教育という観点から考えると、日本人であろうと外国人であろうと、とても大切なことだと思います。外国人との共生を考える上でも、教育委員会から何かしらの提言があってもいいのではないでしょうか。  そこで質問します。言葉を身につけるというのは、その国の文化や生活習慣も身につけるということですが、日本語教育補助員18名で小中学校に在籍する約90名の児童生徒の支援を行うことには無理があると思います。さらなる支援策として、具体的な考えはあるのでしょうか。  最後に、大問3、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたボランティアガイドの育成について質問します。  成田市には、市民活動やカルチャーサークルとして様々な英会話サークルが存在します。私もこれまで複数の講座に参加しました。特に、国際交流協会で今年から新たに始まった初級英会話講座には、私もお手伝いとして参加させていただいています。成田を国際都市にするというワンイシュー議員の私としては、現在は道案内、お買い物サポート、電車乗りかえなど、市民の皆さんが自信を持って行えるような初級講座に興味があります。そして、オリンピック・パラリンピックで成田市民のおもてなしを世界に発信する、これが目的です。  さて、こうして様々な活動に参加すると、大人になってから英語で外国人とコミュニケーションをとりたいと思う人が多いことに、改めて気づかされます。しかし、日本人の減点法的発想が、英語を話す邪魔をします。だから、英語が話せないというよりは、失敗を恐れる余り英語を話そうとしないのです。つまりどうしても自信が持てない。  そこで質問します。語学に自信のある人たちのボランティアガイドではなく、自信がなくてもボランティアになるための第一歩が踏み出せるような企画が必要だと思いますが、そのお考えはありますか。また、具体的な企画としては、東京都には自宅で個人練習ができる外国人おもてなし語学ボランティアwebというeラーニング動画があります。その活用ができれば、初級者であってもボランティアガイドになる可能性が膨らむと思うのですが、いかがでしょうか。  以上で、私の壇上からの質問を終了します。よろしくお願いします。 秋山忍 議長 小泉市長。      〔市長 小泉一成君登壇〕 ◎市長(小泉一成君) 眞野議員の多文化共生についてのご質問からお答えいたします。  まず、本市の外国人との共生にかかわる体制についてでありますが、言語や文化、生活習慣を越えて共生できる地域づくりのためには、市政全般においての対応が必要であると考えております。本市におきましても、国が示した外国人材への対応策を具現化していくために、多文化共生の指針の策定を計画しているところでありますが、策定に際しては庁内組織を立ち上げ、全庁的な連携体制で取り組んでまいりたいと考えております。  なお、この組織につきましては、指針制定までのものとなりますが、全庁的な連携は、その後も継続、発展させ、外国人に関する諸課題に対しまして、適切に対応してまいります。  次に、以前開催されていた外国人懇談会についてでありますが、本市においては、平成9年度から平成17年度にかけて、外国人による懇談会を開催し、公募により出席された方々から様々なご意見をいただきましたが、回を重ねる中でメンバーの固定化を招き、開催を見合わせるに至ったものであります。  現在のところ、外国人のみを対象とした懇談会の開催は予定しておりませんが、インターネットや電子メールが普及した今日においては、市長への手紙や市政モニター事業の活用によって、外国人の方々の意見や提言を気軽にお寄せいただくことができ、迅速な回答も可能になっております。  次に、外国人が学ぶ市内の学校に勤務する方々との意見交換や、要望を聞くための機会についてでありますが、現在、本市と国際医療福祉大学に在籍する留学生や教職員との間で、交流の機会を設けております。今後もこれらの機会を活用しながら、皆様の声に耳を傾けてまいります。  次に、市民課の窓口での多言語対応についてでありますが、市民課では、外国人の方が窓口で手続をされる際に、担当職員との意思の疎通を補助するための電話通訳サービスを導入しており、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、タイ語に対応しております。加えて、総務省の外国人住民基本台帳通訳サービスであるナビダイヤルでは、タガログ語、ネパール語、インドネシア語の通訳も可能となっております。また、外国人労働者の受け入れ団体などの支援もあり、市民課窓口での外国人への対応については、現在のところ支障はありませんが、出入国管理法の改正に伴う外国人労働者及びその家族の受け入れ拡大への対応も考えられることから、多言語化への対応については今後の課題と認識しております。  自動翻訳機につきましては、既に導入した自治体から聞き取りを行ったところ、多言語対応が可能という利点がある反面、使用する用語に専門用語が含まれていると正しく翻訳ができないなどの課題があることも伺っております。加えて、全国的には導入事例も少ないことから、市民課での窓口対応の状況を把握しつつ、自動翻訳機の性能なども考慮しながら、引き続き調査研究をしてまいります。  次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたボランティアガイドの育成についてのご質問にお答えいたします。  語学に自信がなくてもボランティアになるための第一歩が踏み出せるような企画が必要とのことでありますが、本市では、平成29年度と平成30年度に、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、都市ボランティアを担う人材を育成するとともに、外国人観光客等が安心して滞在できる環境を整えるため、千葉県との共催により、外国人おもてなし語学ボランティア育成講座を開催しました。  この語学ボランティアの特徴としましては、決まった日時と場所で活動するボランティアではなく、日常生活の中で自主的に活動するボランティアとして、町なかで困っている外国人を見かけた際などに英語で積極的に声をかけ、道案内などの手助けをしていただくもので、東京オリンピック・パラリンピック以降も、継続して活動していただけると考えております。  本講座は、英語の語学力に応じて、簡単な日常会話ができる方などを対象としたおもてなしコースと、語学力に自信がない方でも受講しやすいように、初級者向けの語学講座を加えたセットコースの2つのコースを設けて開催し、約300人の方々に受講していただきました。さらに、今年度は、東京オリンピック・パラリンピックに向け、競技会場の周辺駅や空港などで交通案内や観光案内などを行っていただく都市ボランティア約300人の方々の面接を6月に終えたところであり、10月から千葉県全体での共通研修、来年2月ころには、市主催の観光案内などを習得していただく研修を行ってまいります。  東京都のホームページで公開しているeラーニング動画につきましては、外国人おもてなし語学ボランティア育成講座の受講を後押しすることを目的に、誰もがおもてなしの心の一端を気軽に学べるものとなっております。  本市といたしましても、このようなeラーニング動画については、オリンピック・パラリンピックだけでなく、ボランティアの育成に有効と思われることから、東京都の動画を本市のホームページなどで紹介し、語学力に自信がなくてもボランティアになるための第一歩を踏み出せるよう、後押ししてまいりたいと考えております。  なお、在住外国人の子供たちへの支援についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 秋山忍 議長 関川教育長。      〔教育長 関川義雄君登壇〕 ◎教育長(関川義雄君) 私からは、在住外国人の子供たちへの支援についてのご質問にお答えいたします。  日本語の補助について、さらなる支援策として具体的な考えはあるのかとのことでありますが、本市では、日本語支援を必要としている外国籍児童生徒に対応するため、日本語教育補助員を配置しており、本年度はスペイン語、フィリピンのタガログ語、中国語、スリランカのシンハラ語、韓国語、モンゴル語の6言語の日本語教育補助員を18名採用し、小学校14校、中学校7校に派遣し、友達とのコミュニケーションを支援したり、授業における学習の補助を行い、児童生徒が日本での学校生活に早くなれることができるよう取り組んでおります。また、保護者に対しても、学校から家庭へ配付する文書の翻訳や、保護者会、個人面談での通訳などを行い、学校教育への理解を深めていただいております。  さらに、年度途中に外国籍児童生徒が転入してきた場合など、日本語教育補助員では対応できないときには、有償ボランティアによる支援を行っており、本年度は既に9名の支援員を配置しております。  今後は、日本語教育補助員の配置とともに、多様な言語に対応するため、翻訳機の導入を検討してまいりますが、他市の導入状況を十分に研究し、外国籍児童生徒の支援の充実に努めてまいります。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行  それでは、自席から質問させていただきます。小泉市長、関川教育長、どうもありがとうございました。  それでは1つ目です。多文化共生の指針策定については、大いに期待するところでありますが、要望といたしましては、本市の全庁的な策定委員会には、ぜひ外国人を加えていただきたいと思います。  私が所属する政友クラブの宇都宮会長は、30年前の1988年には、既に外国人との共生問題を議会で取り上げられており、その中で在留外国人の審議会への参加または意見交換会の開催についての提案をされています。また、例えば近隣の印西市では、2012年に印西市国際化推進懇談会という組織を立ち上げ、国際交流関係者4名、学識経験者2名、公募市民3名、在住外国人3名の計12名で国際化を推進しています。  さらに、印西市では、外国人市民意識調査も行っています。調査票は、印西市に住む18歳以上の外国人全員に送っています。しかしながら、多文化共生の問題は、むしろ現在成人となっている外国人の問題よりも、呼び寄せ家族の問題、特にその子供たちをどのように日本社会に取り込むか、それが重要課題になっていくと思います。  私はこう思います。共生についての一番大切な考え方は、外国人の子供たちと日本人の子供たちの未来の共生像、これをどう描くかだと。成田市には、約50名の世界各国からのALTが勤務されています。実際に成田市で生活をし、児童生徒と接しているALTの方々から共生についてのアイデアをいただくことは、極めて貴重な機会になると思います。昨年約70名だった児童生徒が、今年は約90名。日本人の児童生徒、外国人の児童生徒という区別的な発想ではなく、同じ成田市の児童生徒として、少子高齢化に臨む若者を育てるという発想が極めて大切だと思います。  そこで質問します。他市の事例では、国際化推進懇談会などの構成員に学識経験者や外国人が見受けられますが、本市の新しい多文化共生指針策定委員会に外国人を加えるお考えはありますか。 秋山忍 議長 加瀬林市民生活部長。 ◎市民生活部長(加瀬林操君) 多文化共生指針の趣旨といたしましては、行政上の基本的な考え方や目指すべき方向性などを唱えるものでありますため、策定に当たりましては、まずは庁内委員会として本市職員で構成する多文化共生指針策定委員会によって進めてまいりたいと思います。市民の皆様のご意見につきましては、市政モニター制度の活用やパブリックコメントの実施などによりお伺いするほか、外国人の方のご意見につきましても、国際医療福祉大学にご協力いただくなどして、耳を傾けてまいります。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行  なるほど、ありがとうございました。それでもやはり要望したいです。  本市職員で構成する組織ということであれば、教育委員会のALTのリーダー2名、これに参加を求めることも可能だと思います。我々日本人と異なる視点・観点を持つ人間が組織に入ることは極めて重要です。今はその予定がないということですが、ぜひ検討していただきたいです。なぜなら彼らが組織に入ることで、マイナスになることは一つもありません。  質問を続けます。千葉市では、2005年に始まった外国人市民懇談会を継続的に続けています。2018年に行われた座談会のテーマは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで訪れる外国人観光客には、どのようなおもてなしがよいかでした。3グループに分かれての意見交換会及び発表という形式です。  これまでのテーマの中には、千葉市多文化共生のまちづくり指針について、多文化共生社会推進のための日本語学習支援のあり方、外国人にごみ出しのルール、有料化を知ってもらう効果的な周知方法などがありました。参加人数は最大で17名、集まりが悪いときがありながらも継続をさせています。  成田市も様々な理由から、市長との懇談会がなくなったということはわかりますが、なくなってから14年たっています。多文化共生社会に対応するには、これからの成田市がどうあるべきかについて、直接、在住外国人の意見を聞く場所の設定は必要だと思います。  そこで質問します。外国人が増加傾向にある本市においても、提言を受けるだけでなく直接顔を合わせる懇談会の機会を設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 秋山忍 議長 加瀬林市民生活部長。 ◎市民生活部長(加瀬林操君) 行政と外国人の懇談につきましては、多文化共生指針の策定の中であわせて検討してまいりたいと思います。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行  わかりました。検討されるということですから、その結果を楽しみにしています。  続けます。先ほどありました国際医療福祉大学に来られている留学生の方々からも意見を伺うとありましたが、そこに来られている留学生の方々は、はっきり言いますと、かなり優秀な学生たちです。私は、5月末に医学部の英語による授業を参観し、その後、教授のお話を聞かせていただきました。約120名の学生がレベル4つに分けられ、そのうちの1番のクラスと4番のクラスに参加させていただきました。外国人留学生の多くは、1番上位のクラスに在籍しており、彼らは極めて優秀で、授業後も教授に対して質問攻めをしていました。  そういった優秀な留学生の話を聞いているだけでは、今成田に住んでいる外国人の本当の姿は見えないんじゃないでしょうか。彼らは、日本には住んでいますが、学生ということで生活感のない意見になる可能性があります。市内には、中央公民館、加良部公民館、三里塚コミュニティセンターなど、それぞれの公民館で独立した日本語教室が開催されています。その現場に行って、ボランティアの方々の話を聞いたり、実際に学んでいる外国人の方々の話を聞くのは、多文化共生の本質を見きわめる上で極めて大切だと思います。  そこで質問します。市の職員が、こういった日本語教室でボランティアとして活動していらっしゃる方々の現場を視察したり、学生たちの話を聞くような予定がありますか。 秋山忍 議長 加瀬林市民生活部長。 ◎市民生活部長(加瀬林操君) 現在のところ予定はありませんが、今後本市においても外国人の増加が予想されますので、多文化共生指針を策定していく中で、皆様のお話をお伺いしたい状況が出てきた場合には、そうした訪問も検討させていただきます。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行  わかりました。こちらも検討ということですので、その進捗状況等については、この後の議会でも継続質問させていただきます。  あわせて要望ですが、実際に公民館等で行われているボランティアによる日本語教室の様子の見学及び広報紙等での情宣活動にも力を入れていただきたい。活動されているボランティアの方々の中には、場所の提供はあるけれども、現場に一度も視察に来られていないので、丸投げ感があるという声も聞きました。年に一度でもよいので、公民館職員以外の市職員の方が訪問することで、ボランティアの方々のモチベーションアップにもつながると思います。  お話を伺う機会を設けるだけでなく、こちらから出向くという行為は、市の行政と市民の皆さんの距離を縮めるために大いに役立つと考えます。人手不足の中、本当に大変だとは思いますし、全てのボランティア活動に顔を出すことなど現実的には無理です。しかし、多文化共生指針、そういった新しい委員会を立ち上げるということであれば、多文化共生の現場に出向いて、その状況を自分の五感で体感してこられることは必要だと思います。期待します。  続けます。次に、大問2、在住外国人の子供たちへの支援についてのご答弁ですが、これは平成30年、宇都宮議員の一般質問、平成31年、飯島議員の総括質疑、平成31年、油田議員、大倉議員、雨宮議員、会津議員、令和元年、大和議員、そして私の一般質問に対する市長及び教育長答弁の内容とほとんど変わりません。もちろん予算をふやし、人的な増加は見られますが、内容に変化がありません。  これだけ多くの議員の方々が継続的に外国人の労働問題、日常生活の諸問題、そして子供たちの教育問題を取り上げているのです。非常に重大な問題です。特に、外国人の子供と教育の問題は本当に深刻です。もし彼らが日本に定住した場合、かけがえのない戦力となってくれる可能性があります。少子高齢化の進む日本にとっては貴重な存在です。しかし、教育を誤れば、自分たちのコミュニティーをつくり、住民とのトラブルが発生する危険性も含んでいます。先ほどの韓国、移民大国ドイツ、そういった国々が例になっています。日本語教育補助員の増員や翻訳機の検討では、対応できなくなることは明白です。なぜなら、今やっていることは教育ではないからです。それでも翻訳機はないよりあったほうがいいと思います。  そこで質問です。翻訳機の検討ということですが、どういった形のものをお考えでしょうか。また、6月答弁にもありましたが、その選定に当たっての進捗状況を教えてください。 秋山忍 議長 神山教育部長。 ◎教育部長(神山金男君) 翻訳機は、校外学習などで活用できることや多言語に対応できるものであることが必要であると考えます。そのため現時点では、Wⅰ-Fⅰモデルの翻訳機や翻訳ソフトではなく、SIMカードを活用した持ち運びができ、教室外や学校外でも多言語に対応できる翻訳機の導入を考えておりますが、他市の導入状況を調査いたしまして、引き続き検討してまいります。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行  ありがとうございました。  次に、ご答弁の中に、外国籍児童生徒が日本での学校生活に早くなれることができるように、支援の充実を努めてまいりますという趣旨の発言がありました。しかし、少なくとも中学校現場では、外国人生徒担任の教師から支援されているという声は、余り聞かれません。  例えば、私の学校の外国人の生徒は、5日間のうち3日間は何の支援も受けられていません。しかも学力的にも厳しく、数学の授業にもついていけません。だから日本語が少しでもわかれば友達ができるのにかわいそうだけれども、何の支援もできていません。  また、別の方からは、私の学校の子供たちは、世界10カ国からやってきているので、とても支援を受けているとは言えず、毎年困っています。学校に来なくなる生徒もいます。また、定期試験の対応ができない。そもそも日本語が読めないので、英語圏の生徒ですら英語のテストにきちんと対応できない。その結果、評価もできない。すると高校進学の道が極めて難しくなる。  ただでさえ多忙な教師の業務に、日本語支援を必要とする児童生徒が加わることの問題は深刻です。どうしても彼らの対応の優先順位が下がってしまいます。これが彼らに、先ほどNHKのインタビューで答えたと思うんですが、彼らに担任に差別された、無視されたという誤解を与えているんではないかと思います。  外国人の子供だから仕方がないとは誰も思っていませんが、多忙な教師の日常、特に中学3年生を受け持つ担任にとって、この問題は重大です。1週間に2日しか来ない日本語教育補助員では対応できないんです。自分で学べる優秀な外国人も、まれにはいます。90人の児童生徒に対して、日本語教育補助員18名と支援員9名でばらばらに行うより、学校として成立させたほうが、はるかに効率がよく、何より言葉の壁に苦しむ子供たちが、安心して過ごせる学校ができます。公立の日本語学校を設立し、外国人の子供たちを受け入れるモデル都市になることは、国際都市成田にとって必要なことだと思います。  そこで、最後の質問をします。以上のような状況を踏まえ、全国に先駆けて公立の児童生徒のための日本語学校をつくっていくお考えはおありですか。 秋山忍 議長 神山教育部長。 ◎教育部長(神山金男君) 本市独自の日本語学校をつくることにつきましては、大変困難であると考えております。今後どのような支援が効果的か、調査研究をしてまいりたいと考えております。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野 義行  ありがとうございました。  大変困難という言葉で終わってしまいましたが、大変困難であろうというのは、私も非常によくわかっていることであります。ただ、その困難の内容について、一つ一つ細かく検証していかないと、この問題は解決しないんじゃないかと思います。もし現場の大変さをわかっていらっしゃるのであれば、日本語で苦労している子供たちプラス教師を救うための検討はぜひ必要ではないでしょうか。  最後に、横浜市立飯田北いちょう小学校の取り組みを簡単に紹介します。多文化共生教育に先進的に取り組んでいます。横浜市教育委員会が、飯田北いちょう小学校内に設置した飯田北いちょう日本語教室では、専門の日本語講師による日本語の初期指導や生活適応指導、国際教室担当教員による日本語指導や教科指導、日本語支援非常勤教諭と外国語補助指導員、母言語支援者による言葉の支援等、児童の日本語力に応じたきめ細やかな指導が行われています。  さらに、地元自治会、子ども会、学童クラブ、青少年育成協議会、放課後キッズクラブ、さらには児童の日本語指導や学習支援に携わっている地域のボランティア団体等との日常的、継続的な連携、協働を推進したり、地域行事に積極的に参加するなどして、各団体と顔の見える関係をつくり、多方面から児童を取り巻くネットワークづくりを進めています。  どうでしょうか、横浜市は人口375万人の都市ですから、それと比べるのは非常識であるかもしれませんが、しかし、教育委員会も成田市が新たに立ち上げる多文化共生指針策定委員会に加わると思います。大変困難という一言で、この問題に前向きに取り組まないのは、余りにも寂しい話だと思います。だって、国際都市成田にある教育委員会なのですから。  やらないための議論に時間を使い、結果、前年度踏襲というのは、日本人のあしき文化です。本当に時間の無駄です。今まではそんなことはやってない、ほかでそんなことはやってない。これは、決してネガティブな否定的な言葉ではありません。今までやってないからチャンスで、ほかでやってないからチャンスで、考え方一つでピンチはチャンスになると思います。多文化共生、これを目指した策定委員会には大いに期待しています。  それでは、私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。 --------------------------------------- ...

秋山忍 議長 一般質問を続けます。  3番、眞野義行議員。      〔3番 眞野義行君登壇〕 眞野義行 皆様、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行といいます。この3月までは、若くかわいらしい中学生を前にいろいろ前で偉そうに話をしてきたんですが、今日はまるで環境の違う、少し古目の中学生の皆さんを  それでは、通告に基づきまして、人生最初の一般質問をさせていただきます。  今回の質問は、大きく分けて3つです。  大問1は、成田市総合計画NARITAみらいプラン、第5節1-2「魅力ある国際性豊かな観光地づくりを推進する」に関する質問です。大問2は、同じく成田市総合計画NARITAみらいプラン、第3節3-1「国際理解を促進する」に関する質問です。大問3は、成田国際学校構想についてです。  それでは順に質問をさせていただきます。  まず大問1です。  「魅力ある国際性豊かな観光地づくりを推進する」という目標のもと、12年後の成田市のあるべき姿として、「充実した観光施設が整い、本市の観光情報が適切に提供されています。また、多くの訪日外国人旅行者に満足してもらえる国際性豊かな観光地が形成されています。」と記されています。そのための現状分析と課題として、「観光に関する市民意識を向上させることで、ボランティアガイドの育成など、観光客の受入れ態勢を強化し、国内外問わず観光客が快適に過ごせる観光地づくりが必要とされています。さらに、訪日外国人旅行者は、増加傾向にあることから、トランジットツアーの実施や多言語対応での案内など、外国人が気軽に訪れることができる受入れ環境のより一層の整備が求められています。」とあります。  皆さんもご存じのように、来年、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。オリンピック憲章第2章、IOCの使命と役割の15項に「オリンピック競技大会の有益な遺産を、開催国と開催都市が引き継ぐよう奨励する。」とあります。IOCはオリンピック・レガシーの分野として、スポーツ、社会、環境、都市、経済の5分野を定めています。レガシーとは遺産という意味で、特にオリンピックでは、オリンピック後の施設有効利用やスポーツ・ボランティア面での人材育成を意味します。  例えば、2012年のロンドンオリンピックでは、人口34万5,000人都市のコベントリーが、サッカーのホストシティーとして300人の都市ボランティアを採用しました。ボランティアガイドに対する基本的な考えは、コベントリーにいらした旅行客を町の最前線でおもてなしするということ、その方々の体験をすばらしく質の高いものとすることでした。また、さらに重要視していたことは、将来、ボランティアを経験した人たちが、オリンピックのその先の機会においても活動を行おうとするボランティア遺産をつくっていくことでした。  そのロンドン大会、コベントリー市、都市ボランティア総括責任者、デイビッド・バウイ氏が、昨年の9月9日に成田市で開催された都市ボランティア募集説明会で講演をされました。ここでこの講演の一部を紹介します。  都市ボランティアの役割に競技会場への道案内があります。フレンドリーでヘルプフル、礼儀正しく、そして積極的に誇りを持って活動することが求められました。競技会場内で活動する大会ボランティアは、運営側の業務を裏方としてサポートするのがその役割ですが、都市ボランティアはそれとは異なり、ボランティア自身がその都市を代表して人と接していきます。全ての観客に対して、競技会場に向かう動線上において、最初の体験を与えるのが都市ボランティアです。オリンピックにおいては、もちろん競技観戦から得る印象は大きいですが、都市の印象から得るものが第一印象として大きなインパクトを得ます。  また、このようにも述べられました。  オリンピックのときに、都市ボランティアに参加した人の心に残るもの、それはまちに対する誇り、プライドです。あの一大イベントに参加したのだ、私があそこにいたからできたのだという思いを抱ける一生に一度の貴重な機会です。本日皆様にお伝えしたいメインメッセージはただ一つ、この機会を絶対に逃さずに参加してもらいたいということです。  コベントリー市では、オリンピックでのボランティア親善大使が大成功に終わった後も、コベントリー市の親善大使としての活動を続けています。2018年現在、その数はふえ続け400人になっています。それは、オリンピック後のボランティアの方々の感想にもあらわれています。それらの一部を紹介します。  「社会性が身について人とのつながりができた」、「地域のコミュニティに参加することで使命感や達成感を得た」、「まちへの理解がさらに深まった」などです。ボランティアガイドを経験することで、さらに自分のまちを愛するようになったという感想が多く寄せられました。  さて、オリンピックまで残り407日。これをビジネスチャンスと捉え、シティプロモーション部観光プロモーション課(成田ブランド推進室)を中心とし、成田空港株式会社の協力のもと、平成27年3月から成田空港トランジット&ステイプログラムをスタートさせました。海外からの旅行者で、乗り継ぎのために空港で長時間過ごさなければならない方々に、日本の文化・伝統を紹介し、何よりも成田市及び周辺地域の魅力を伝えるために旅行案内をするというすばらしい企画です。成田市を単なる通過都市にしないために、韓国の仁川空港での実施実績をもとに企画されたものです。  私も実際に空港に行き、この活動の一部を拝見させていただきましたが、日本の伝統文化を体験されている海外からいらっしゃる旅行者の方々の表情は、皆とても生き生き明るいものでした。空港株式会社のオリンピック・パラリンピック専門部の方のお話によりますと、やはりSNSの威力が強く、ツアーのことや日本文化体験のことを事前に理解して空港に来られるようになっているそうです。また、現在では約半数の旅行者がリピーターとなって、むしろ乗り継ぎ時間、これを楽しみだとおっしゃってくれる方がふえているそうです。  ここで私の体験談、少しだけ話させていただきますが、およそ30年くらい前にニュージーランドに行ったときに、車で国を大体10日ぐらいかけて放浪の旅に出ていたんですが、あるモーテルに泊まったときに、そこで受け付けをやってくださったおばあちゃまがとてもいい方で、1泊したんですけれども、そのときに最後、ビールが余ったので、そのおばあちゃまにビールを渡して飲んでくださいと。そして、それから10年後。そのおばあちゃんとの出来事がすごくうれしくて、また、たまたまニュージーランドに行く機会があったのでもう一度行ったんですが、何よりももうそのモーテルに行こうと思いました。そうしたら、今度はそこでおじいちゃまが対応してくださいました。10年たっておばあちゃんじゃなくておじいちゃんになって、何かどうしたんだろうという不安はあったんですけれども、そのおじいちゃまにもやはり1泊、同じ部屋に通していただいたんですが、最後お別れするときに、やはり今回もビールが余ってしまったのでビールをお渡ししたんです。そしたら、おじいちゃんが最後一言、わかったって、君が来る次の10年後までこのビールをとっておこう。もう感動して、これは涙が出ちゃいました。  何の話かっていいますと、そのときに当然おじいちゃんと記念撮影をしたんですけれども、観光をプロモートするというのは人をプロモートするということだなって。その美しい風景、写真、いっぱいあって、パンフレットの写真もいっぱいあったんですが、何より10年たっても20年たっても色あせないのは、そのおじいちゃんと撮った写真の1枚です。つまり、観光で人を育てるというのは、人が育たないと観光が育たないんじゃないか。それはすごく自分の体験としてあります。  ですから、このトランジット&ステイプログラムでリピーターが多いというのは、SNSで見ますと、全てボランティアの方とのツーショットがアップされています。きれいなお寺、古い由緒あるお寺というよりも、その人とどう絡んだかということが写真として残っている、これがリピーターをふやしている。これは実にすばらしい。  私は教員をやっていましたが、全くこのことを知りませんで、こんなにすばらしいことをやっているなら、ぜひ皆さんに紹介したいなと一生懸命思って、今しゃべっているわけですが、ただこのすばらしいプログラムなんですが、実は心配なところがあります。それは、プログラムに参加されているボランティアの方々の年齢的な問題です。この後、お答えの中で話が出てくると思いますけれども、年齢層が非常に高く、スタート段階から高齢化の問題があるんです。そのことで、もっと宣伝をすれば若いボランティアがふえるんじゃないか、そのための施策はないものだろうかと、そういったことの趣旨で、今提案をしているわけです。  オリンピック・パラリンピックを目前に控え、成田市の若者がこういうプログラムに参画しないというのは、実にもったいないんじゃないかと、そう思っているわけです。ボランティア面での人材育成というのは、全てのオリンピックでの最重要視されることです。  そこでお聞きします。  先ほどから何度も繰り返していますが、成田空港トランジット&ステイプログラム等のボランティアガイドの現状について、そして、若年層の英語案内ボランティアへの参加機会の提供について、最後に、オリンピック・パラリンピックに向けたボランティアガイドの育成と大会後の活用を絡めてお答えください。  次に、大問2です。  NARITAみらいプラン、第3節の3、基本目標達成「国際性豊かなまちづくり」についてお伺いします。  まず1つ目の質問です。  基本目標達成のために、その基本施策として、「国際理解を推進する」とあります。国際理解という言葉は誰もが耳にした言葉ではありますが、いま一度、教育委員会が考える国際理解教育とは何か、そのことについてお尋ねしたいと思います。  次に2つ目です。  同じく基本施策「国際理解を推進する」の中の12年後の目指す姿についてお伺いします。  その姿として、「多くの市民がグローバル化に対応し、多様な文化や価値観を受け入れ、英語で自分の思いを発信するコミュニケーション能力が向上しています」とあります。学生のみならず、市民のレベルで英語を使って自分の気持ちを伝える能力が向上しているという目標は、壮大なドラマ、これは一大スペクタクルだと思います。もし実現できるようなことがあれば、これはまさに国際空港がある都市成田ではなくて、国際都市成田になると思います。  実は、私はこの意見には大賛成で、何とか議員としても協力したいなと思っているんですけれども、ただ具体的な方策がないと、もう残り9年しかありませんが、果たしてこの目標は達成できるのであろうかと、そこは不安になります。  成田市の小中学生は、英語の授業の中で日常的にALT、外国人講師と接することができるために、外国からいらっしゃる方々になれています。全く恐れることはありません。本当にフレンドリーに授業ができます、小学校も中学校も。が、高校生あたりから英語を話す外国の人たちがなぜか苦手になってきます。これは急速になっていきます。理由はあるんですが、今日は述べません。そして、大人になると恐怖心を抱く人さえいます。この恐怖心は何か。町なかで英語で話しかけられると、まず心臓の心拍数が急激に上がります。その次に血圧が上昇します。最後、顔が引きつります。そして逃げ出します。  この「逃げる」という表現については、実は、小中学校に配られる教育委員会からの「あなたは外国人に話しかけられたらどうしますか」という項目の最後に、選択肢として出てきます。その1個前が、黙ってスルーする。最後に、逃げるということ。この逃げるということが果たして適切かどうか。私は実は適切だと思っているんです。実際に逃げる人はいませんが、少なくとも心の中ではばっと距離を置いちゃう。これを直さないとなかなか難しい。  じゃ、一体どうしたらいいのかと。簡単な話なんですが、日本語で答えればいいんです。日本に来ている海外の方々は、日本に来て、日本語を話そうとして一生懸命来られる海外の方に出会ったこと、私は一度もありません。中国語、韓国語、フランス語、英語、ドイツ語、スペイン語、全て自分の国の言葉で話しかけてきます。日本人は元来、非常に真面目な人間ですから、しかも英語も一生懸命やらなければならないという刷り込みがありますので、だから外国人と見ると、何か英語をみんなしゃべる人と。話しかけられると英語で話さなきゃいけない。プレッシャーがかかっちゃう。そうじゃない。日本語でちゃんとやれば、話したいことはきちんと話せば、目を見て話せば必ず伝わる。そうやって日本語を教えてあげればいいんです。だけど、現実にはそうはいかない。文科省も含めて、英語がしゃべれない日本人ってもうさんざん言いますから。しゃべれなくたって別に問題ないんですけれども言いますから。  私は教員をやっているとき、保護者と話をしますと、大型スーパーに勤めていらっしゃる方なんかは、実際ばあっと言われると、多分トイレへ行きたいんだろうなと思うんだけれども、言われていることはわかるけれども、とっさにどう助けるための一言を言ってあげていいかがわからないと。駅前で、この間も買い物に行ったら、ちょっと何か外国人の方で道に困っている人がいたと。声をかけてあげたいんだけれども、何てかけていいかわからない。それは、実は基本的なルールがあるんですけれども、その最初の発話、発問、これができないためにうまくできない。保護者の方、こうも言います。私は何とかして出川哲朗さんよりうまくしゃべりたい。あの出川イングリッシュは実は非常に有効な手段です。一生出川イングリッシュでは困りますが、あの発想が皆さんにもっと気楽にできればいいかなと思うんです。  結果、これだけ多くの外国人が訪れているまちで、しかも実際に会話するチャンスがあふれているのに、一部の英語で会話する自信のある方を除くと、何ら交流が持てない。また、参道の方々にお話を聞いたんですけれども、やっぱり参道の方々もちょっと高齢化は進んでいるんですが、お年寄りの方だと、もう今さら英語を話さなくてもお客様のほうが楽。  若い方たちの中には、やっぱりやってみたいという方がいるんですけれども、こういった現状で、先ほどのみらいプランに戻りますが、約9年後に「多くの市民がグローバル化に対応し、多様な文化や価値観を受け入れ、英語で自分の思いを発信するコミュニケーション能力が向上しています」という壮大な目標を達成させるためには、約3年過ぎたんですが、PDCAサイクルの実施が極めて重要になると思います。  そこでお尋ねします。  NARITAみらいプラン第1次実施計画の英語科研究開発事業においてのPDCAサイクル実施状況及びアクション部分のローリング作業の進捗状況についてお教えください。  最後、3つ目です。  平成15年に成田市が国より認定された国際教育推進特区の特別措置は、平成21年から教育課程特例校に名前が変わったものの、合計15年続いています。これらの教育の結果、これはすばらしい、成田市独自のすばらしい成果だと思います。確かに成田市の児童生徒は、外国人に対して物おじせず、ALTとのコミュニケーション活動を活発に行えるようになっています。しかしながら、中学生の場合、例えば修学旅行などで初対面の外国の旅行者と話しかける場面になると、物おじしてちゅうちょする場面が出てきます。それは発達年齢的なものもありますが、決められた枠内での活動はできるんです、スムーズに。そうじゃなく、自分のイマジネーションを使った活動の場面になると、なかなかちゅうちょするというのは、やはり中学生を見ていて、ここを変えないとなと思うところの1点ですね。  そこでお尋ねします。  現在、成田市の小中学校で、ALT以外の外国人とのコミュニケーション活動を設定されている学校があるのでしょうか。  すみません、大問3が残っていました。  同じく、NARITAみらいプラン、第3節の3-1、4年間の取組の方針の中に、「外国人児童生徒に対し、学校生活・日常生活への適応を図ることができるよう支援します。」とあります。  成田市は現在、日本語教育補助員を小中学校に配置し、外国人児童生徒等の教育支援を行っています。これは、先般、大和議員のほうからも同じ話がありましたが、しかし、この日本語教育補助員の方々は、各小学校に駐在しているわけではなく、複数校のかけ持ちです。日本語を話せず読み書きもできない児童生徒が、1週間のうちの2日以上、日本語教育補助員からの支援を受けられない現状があります。もちろん、彼らの中には、向上心にあふれ、学習意欲が高く優秀な子もいます。そういった子たちは1年から2年の間に日本語を習得し、2年くらいたつと小学校の4年生、5年生ぐらいまでの漢字も読み書きができます。しかし、それでも日本にある入試にはうまく対応できません。ここは小学校と中学校の大きな違いです。ですから、高等学校進学の際の進路指導のときには、受け入れ先がないという現実があります。これは後のインターナショナルスクール設置という構想につながっていくんですけれども、どうしてもこの優秀な海外から来ている子供たちをうまく導いてあげることができないというのが、困った現状としてはあります。  また、この問題は教職員の負担にも大きくつながっています。例えば、英語圏から来た外国人児童生徒について例を挙げましょう。皆さんは英語科の先生がいるから大丈夫じゃないかと思われるかもしれませんが、中学校では3年間、各学年に英語科の先生がいるとは限りません、学校の規模で。そうすると、特に3年生と1年生ではまるで学校の生活の内容が違ってしまいますので、3年生で受験を迎えて、テストとかいろんな対応をしなきゃいけないときに、その当該学年に英語の教師がいないということは、結果、日本語補助教員もいないし、英語でコミュニケーションをとってくれる教員もいないということ、これは実は放置されているというのに近い状態になるときが多々あります。かなり向学心に燃える子供たち、本当にかわいそうな場面がいっぱいあります。  あと、試験と評価も大変難しいです。つまり、英語を母国語としてアメリカから来る生徒も、英語の試験は100点とれません。なぜか。日本語が読めないからです。もちろん英訳をしたり、平仮名が読めたらルビを振ったりしてあげますが、英語ですらこういう状況になります。これが日本の長い歴史、文化伝統を教える社会、いろんな科学用語が出てくる理科、もう数学も同じです。全ての教科で、非常に教育について不利益をこうむることが起こっている。  これからもう外国人就労者がふえるということ、新しい法制がこの4月に制定されて、これから5年間で約35万人の外国からの就労者を受け入れるということ、この間も会派の勉強会で総務省の方のレクチャーを受けてきましたが、この現状を鑑みると、インターナショナルスクールを成田市につくることは、今後、海外の貴重な労働者を成田市に招き入れるには非常に必要な施設ではないかと、私は日常を見て痛感することがあります。  今回は、教育委員会にインターナショナル設立についての手だて、発想があるのかどうかをお伺いすることでとどめておきますけれども、ただ、東京には約16校のインターナショナルスクールがあります。その中で高校資格を認められるのが6つあります。ところが、千葉にはゼロです。国際都市を抱えて、国際医療福祉大学を抱えて、市場を国際輸出拠点にして、国際インターナショナル、いろいろグローバルという話はいっぱいみらいプランにも出てきますが、果たしてその学校という施設がそこに存在しないのは、貴重な優秀な海外からの労働者を成田市から逃がすことになってしまうのではないかと、そういう非常に強い思いがあるので、こちらを最後の質問とさせていただきます。  私の質問は以上です。どうもありがとうございました。 秋山忍 議長 小泉市長。      〔市長 小泉一成君登壇〕 ◎市長(小泉一成君) 初めに、眞野議員の海外でのエピソードを聞かせていただきまして、最初、10年前にビールを渡したおばあちゃんはどこへ行っちゃったのかなと、その辺がちょっと気になりました。  それでは、NARITAみらいプラン、ボランティアガイドの育成についてのご質問からお答えいたします。  まず、トランジットツアーなどのボランティア高齢化の現状と若者の育成における成田空港トランジット&ステイプログラム等のボランティアガイドの現状についてでありますが、成田空港トランジット&ステイプログラムは、成田空港で乗り継ぎする外国人観光客や成田市に宿泊する外国人観光客に、ボランティアガイドの案内により空港周辺の自然や文化を体験していただき、本市の観光の魅力を発信してもらうことを目的に、空港会社を初めとし、国や県、周辺市町と連携を図りながら、平成27年3月から実施しております。  本年3月現在、登録しているボランティアガイドは221人、年齢構成として、50代の方が全体の19%、60代の方が43%、70代以上の方が24%で、50代以上の方が全体の86%を占めております。全てのボランティアガイドは英語で案内ができ、そのうち1割を超える方が、英語のほか、中国語、韓国語、スペイン語などでの対応も可能であり、知識豊富なガイドにより大変好評をいただいており、平成30年度は1万2,278人の方々に参加いただき、平成29年度の7,023人を大きく上回る参加がありました。  また、成田空港トランジット&ステイプログラム以外にも、成田山新勝寺などで活動する成田ボランティアガイドの会では、約50人の会員登録があり、英語のほかスペイン語での対応も可能であり、国内外から訪れる参詣客におもてなしの心で日本の魅力を知ってもらう活動をしておりますが、成田空港トランジット&ステイプログラムと同様に、年齢構成は50代以上の方が大半を占めております。  次に、若年層の英語案内ボランティアへの参加機会の提供についてでありますが、成田太鼓祭では、成田国際高校の生徒による英語でのイベント案内、成田エアポートツーデーマーチでは、国際医療福祉大学の学生によるスタート受け付け、成田祇園祭では、成田高校の生徒による山車の案内放送、外国人観光客向けに成田市の夜の観光魅力を紹介したナリタノヒカリのイベントでは、成田航空ビジネス専門学校の学生による会場案内など、各種イベントに様々な協力をいただいております。  今後も、学校への情報提供や市のホームページ、成田市観光協会のホームページ、FEEL成田でボランティアガイドの募集の周知を図るとともに、引き続き、空港会社やエアライアンを初めとする民間企業などと連携を図りながら、若年層へのボランティア参加機会の提供に努めてまいります。  次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたボランティアガイドの育成と大会後の活用についてでありますが、千葉県において昨年募集した都市ボランティアにつきましては、競技会場の周辺駅や空港などで交通案内や観光案内などを行うものであり、県内では5つのエリアに配置され、うち成田市内エリアでは、JR・京成成田駅などで300人の方々に活動いただくこととなっております。  この成田市内エリアの都市ボランティアには434人の応募があり、その選考、育成及び運営については本市が行うこととなっております。現在は書類選考を終え、今後は面接を経て、都市ボランティアとしての基礎知識や本市の交通案内及び観光案内についての理解を深める研修などを行い、大会開催時及びその前後の期間に活動していただくこととなります。  大会終了後につきましては、都市ボランティアの活動により身につけた知識や経験を生かして、本市のスポーツツーリズムの推進にご協力いただくためのスポーツツーリズム人材バンクへ登録していただくほか、観光ボランティアガイドとしても活動していただけるよう、働きかけてまいります。  なお、英語科研究開発事業及び成田国際学校構想についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 秋山忍 議長 関川教育長。      〔教育長 関川義雄君登壇〕 ◎教育長(関川義雄君) 私からはNARITAみらいプラン、英語科研究開発事業についてのご質問からお答えいたします。  まず、国際理解教育についての教育委員会としての見解についてでありますが、本市はNARITAみらいプランにおいて、成田国際空港を擁する町として市民が国際性や世界的視野を育むことができるよう、空港の立地を生かした国際性豊かな取り組みを推進することが大切であるとし、国際交流イベントや交流事業など、多種多様な方法により国際交流を図ることで、外国人と互いに理解し合い、ともに暮らしやすいまちづくりを推進しております。  また、市民の国際理解を深めるため、英語教育や国際理解教育、異文化体験事業の拡充など、国際的視野を育むような学習機会の充実に努めております。  教育委員会といたしましては、英語を用いて積極的にコミュニケーションを図ることのできる児童生徒の育成、外国人に対して物おじしない児童生徒の育成、他国の文化に触れることにより、自国の文化も大切にできる児童生徒の育成、この3点を目指す教育が国際理解教育であると捉えております。  次に、PDCAサイクル実施状況についてでありますが、全ての小中学校で実践している英語教育につきましては、大学教授や県の指導主事、高校教員、市内小中学校教員からなる成田市小中学校英語教育に関する検討委員会を年4回開催し、広くご意見をいただき、英語科研究開発事業の検証を行っております。  また、毎年実施している成田市英語科アンケートにより、児童生徒、保護者、教員からの意見や評価をもとに、翌年の指導案を見直すとともに、教員を対象とした研修会をより効果的に行えるよう改善を図っております。  本年度は夏休みの研修として、ALTによるワークショップと大学教授の講演を予定しており、日本人教員とALTがともに学ぶことができる研修を企画しております。  ALTと児童生徒が1対1で英語面接を行う英語効果測定についても、これまでの3段階評価から4段階の評価に変更することにより、児童生徒の英語によるコミュニケーション能力をより細かく測定できるように昨年度見直しを行いました。今後、数年間の経年変化を分析し、英語科研究開発事業の改善に生かしてまいります。  次に、ALT以外で外国人とのコミュニケーション活動の設定はあるのかとのことでありますが、多くの小学校では年間数回、地域の外国人や他校のALTを招聘し、国際交流会を行っております。また、成田山表参道や成田空港、校外学習や修学旅行などにおける外国人へのインタビュー活動や、外国人留学生を学校に招き、英会話を通して交流を行っている小学校や中学校もあります。  教育委員会といたしましても、研修会などを通して、これらの各校独自の取り組みを市内の教員に広め、児童生徒がALT以外の外国人とも触れ合うことのできる機会がさらにふえるよう、支援してまいります。  次に、成田国際学校構想についてのご質問にお答えいたします。  外国人就労者の子供たちのための国際学校についてでありますが、本市では日本語支援を必要としている外国籍児童生徒に対応するため、日本語教育補助員を配置しております。本年度はスペイン語、タガログ語、中国語、シンハラ語、韓国語、モンゴル語の6言語の日本語教育補助員を18名採用し、小学校14校、中学校7校に派遣し、友達とのコミュニケーションを支援したり、授業における学習の補助を行い、児童生徒が日本での学校生活に早くなれることができるよう取り組んでおります。また、保護者に対しても、学校から家庭へ配布する文書の翻訳や、保護者会、個人面談での通訳等を行い、学校教育への理解を深めていただいております。  国際学校の設立についてでありますが、地方公共団体は学校教育法の規定により、児童生徒が義務教育を受けるための小中学校の設置が義務づけられております。同法の規定による各種学校としての国際学校、いわゆるインターナショナルスクールにおいては、就学した児童生徒は義務教育を受けたとはみなされず、その後の進学や就職にも支障が出る可能性があるという課題があります。また、現状、各学校においては、日本人と外国籍の子供たちが一緒に過ごすことにより、互いの文化について理解し合い、外国籍の子供の日本語習得が促進されるだけでなく、地元の子供たちとかかわることで、その地域の一員として日本で暮らしていくための素地ができていると考えております。  このようなことから、本市では、インターナショナルスクールの設置ではなく、既存の小中義務教育学校の枠組みの中で、外国籍の子供たちを支援してまいります。  さらに、日本語支援を必要としている児童生徒が安心して学び、学校生活を送ることができるよう、教育委員会といたしましては、今後、翻訳ソフトなどの導入について研究を進めてまいります。 秋山忍 議長 眞野議員。 眞野義行 自席から失礼いたします。ご丁寧な回答をありがとうございました。  今日は二次質問は行いません。私からの要望という形で終わらせていただきます。  教育委員会の方々が成田市の英語教育充実に向けて努力されていること、それから観光プロモーション課並びにスポーツ振興課の職員の皆さんがオリンピック・パラリンピックに向けて慎重に準備を進められ、その成果が着実に上がっているということは、今日のご説明でよくわかりました。本当にありがとうございます。  また、先ほど言った、ここでデイビッド・バウイ氏の話を紹介させていただきます。  バウイ氏は現在、次のようなシステムを導入しています。ボランティアサポートです。新しいボランティアの採用や研修にもボランティアが参加し、新たに加わったボランティアを直接サポートするバディシステム、2人が助け合いながら行動するというシステムですが、これは現在でも成田空港トランジット&ステイプログラムでは実施されていることですが、これを教育委員会と連携をして、このバディシステムで英語のボランティアの数を英語によってふやしていくというのは可能ではないでしょうか。できたらやっていただきたいなと。これは社会人活用の一環としても、学校の中にそういったボランティアの方を取り込んで、実際にプログラム、どういうふうにやっているのか、どんなコミュニケーションを英語でとれば外国の方が喜んでいただけるのか、これは可能じゃないかなと思うんです。  これから都市ボランティア希望者の選考及び研修を控え、実際にオリンピックへの準備が忙しい中、新たな企画の検討が難しいことはわかりますが、これは当市プロモーション課の方にも、ぜひ教育委員会と連携で、もし可能であればやっていただきたいなと。そうでないと、若者の発掘をしないと、今おっしゃっていただいたような年齢層の方々が、5年後、10年後、果たしてボランティアとして継続が可能かというのが非常に心配なところがあります。3年間で1万3,000人近くリピーターが来るというのは、ちょっとすごい企画だと思います。これが絶対に火が消えることのないようにお願いしたいと思います。  それから、あとデイビッド・バウイ氏の最後のほうの話で、デイビッド・バウイ氏は今、小学校のリーダーシップ育成ということで、新たな、先ほども言いましたが、ヤングアンバサダー(大使)プログラムというのも立ち上げて、講演の中で、現在、日本文化や言語など、日本という国について学んでおり、2020年に向けた活動準備をしています。このプログラムがやがて千葉県内の学校での取り組みと何かしらの形でつながっていけばよいと思っていますというのを、昨年9月に成田市で講演をされているんです。  実は、私、このときはまだ教員をやっていたんですけれども、全くバウイ氏がオリンピックに向けて小中学校にこういうメッセージを発しているということは知らず、教育委員会の方にも問い合わせしたんですけれども、やはりこういう話が出たということはわかっておらず、ひょっとすると千葉県の教育委員会のレベルでも、この発言があったというのを認識していないのではないかというのが不安になっています。  一応、成田市内では、久住中学校と小学校が、小規模で1校、1校の学校ですので、連携してこの指定校に当てられて、オリンピック・パラリンピックのボランティア教育等々について、今活動はしているんですが、例えば東京都ですと、これは千葉県は2018年から始まったんですが、東京都はその1年前から、東京都ですからやっているんですけれども、もう5つのプログラムに分けて、市内の小中高、大学、それから特別支援学校、いろんなプログラムを立ち上げて、それでボランティア活動の細分化をして、実際に活動がもうインターネットでホームページを見ると出てきます。千葉県も似たようなことはあるんですけれども、ちょっと活動としては寂しいかなと、正直思います。ただ、今から新しい行事をつくるのは、現場の教員にとっては非常に負担なんですけれども、ですから、ちょっと難しいのかなとは思うんですが、ただ、バウイ氏が一体何を求めているのか、今現在、それが実際に動いているのか、もし要求されたら、こちらからバウイ氏をオリンピック招致のための講演として呼んでおいで、千葉県が何もしていない、特に成田市は知りませんでしたというのは、ちょっとおっかないなということで、今ここに話題に上げさせていただきました。  これらの話も、成田市の議員になってから今週いろんな話も聞きますと、非常にいろいろな問題が山積していて、一人の幸せが必ずしもほかの人の幸せにつながるとは限らないというのは痛感しているところでありますが、ただやっぱり成田市の職員の皆さんは非常によくやられていて、成田市はすごい都市だなというのは改めて痛感しているところでありますが、横の連絡がもしあれば、もう少し市民生活にプラスになるのかなというのは非常に思っているところがあります。  このNARITAみらいプラン政策の前に行われた若手職員による成田市職員ワールドカフェというもの、資料だけ拝見させていただいたんですが、非常におもしろい試みで、これを定期的にやられているのかどうかわからないんですが、もしやられていれば、少なくともオリンピックに向けてどうすべきかということの横のつながりがあるといいんじゃないかなと思います。  例えば、観光プロモーション課のトランジット&ステイプログラムが、学校での、先ほど言いましたが、英語教育や職業体験に組み入れる。若いボランティアの発掘につながる上に、生徒の実践的英会話の練習になる。しかも、町を案内するということで、成田市内の歴史と文化、伝統の再確認、再認識ができる。でも、これは1課ではできず、2つの課の協力が必要になると思います。市場の問題、新市場が出てきていますけれども、恐らく企画されていると思いますが、成田市場をトランジットツアーに組み込む。そこに中高生をボランティアとして採用する。それは旅行者が喜ぶだけでなく、学生は新市場の体験と、それから実践的英会話の訓練にもなる。一石三鳥ではないでしょうか。それから、子供にとっての体験学習はとても大きな教育的効果を生むというのは、もう皆さんもご存じのとおりです。  それから、成田市にある日本語学校、2つ、3つありますけれども、市民課の窓口にボランティアとして採用されてはいかがでしょうか。これはなぜかというと、先日、個人的に訪問した国際医療福祉大学の事務の方がおっしゃっていたんですが、多言語に対応できる窓口の職員の方がおらず、役所の手続が非常に時間がかかって大変であると。そうすると、日本語学校の生徒は、まさに日本語を学んでいるので、多言語対応が可能なんですね。ですから、そういった官と民が一体になった国際都市のような活動は、これも可能ではないでしょうかと思うんです。もしかしたら、外国籍の方々も安心して市役所で手続ができる上に、ボランティアをやった方の中には成田市の役所で働きたいなと思う方が出るかもしれないです。毎日雇用するのが大変でも、月曜日は何語、火曜日は何語というパターンでもあるんじゃないかなと。成田市だからこそできるオリンピック遺産の残し方はたくさんあると思うんです。成田市だからできることはいっぱいあると思うんです。  空港を育てること、それから大学を育てること、それから市場を育てること、それから病院を育てること、青臭いことを言って恐縮なんですが、どれも大切なんですけれども、やはり一番大切なのは人を育てることではないでしょうか。教員やっていましたので、こんな話になっちゃいますが、人を育てて、その自分の住んでいるまちを愛するようになれば、そしてそこで暮らしたいと思える人、若者をふやしていけば、その若者がやがてそのまちを育てることになる。一番いい循環になるんじゃないかなと。ですから、いろいろな観点があると思いますが、人が育って、成田市を好きになる若者をつくりたいなと強く思っております。  すみません、これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ...