一般質問

眞野 義行 皆さん、こんにちは。 議席番号9番、政友クラブ、眞野義行です。 通告に基づきまして、一般質問を行います。 なお、議長の許可を得まして、資料を用意しておりますので、後ほど説明いたします。 テーマは、災害対策についてで、次の4つの観点から質問します。 ❶成田市総合防災訓練 ❷成田市地域防災計画 ❸災害廃棄物 ❹防災公園の整備 それでは始めます。 1月1日午後4時10分頃、石川県能登地方で発生したマグニチュード7.6の巨大地震、阪神・淡路大震災を引き起こした地震、そして熊本地震のマグニチュード7.3をはるかに超え、大きな災害となりました。 最大震度7の揺れで、輪島市と珠洲市の中心部については、少なくとも3割が全壊したと見られ、ビルも倒壊したほか、断水して、津波の危険がある中で、消火が遅れ、輪島市などでは大規模な火災も発生しました。 石川県内で死亡が確認された方は2月26日の時点で241名、現在も行方が分からない方々は9名、住宅被害については7万7,804棟、断水は現在も2万230戸以上、停電も今も約770戸、震災から2か月がたとうとしている現在も避難所生活を送っている方は483か所で、合わせて1万1,735人。 2月6日時点で県内全ての公立中学校が再開されたものの、震災前と同じような条件で登校できている生徒は全員ではありません。 今回の震災で亡くなられた方々、改めてご冥福を祈り、いまだ不自由な生活をされている方々の生活が一日も早く日常に戻ることを心から祈念しております。 それにしても、改めて感じることは、自然災害は人間の英知を超えるということです。 幾ら想定しても、災害は人間の都合など考えずに、忘れた頃に想定外の規模でやってきます。 そして、想定外だから大規模災害となります。 だからこそ、私たちは日常の準備で想定外の災害を少しでも想定内に収める、そのための準備は本当に必要なのではないでしょうか。 防災用品の準備、そして食料、飲料水の備蓄、これ最低3日間、これについては、もうかなり私たち市民の間にも浸透してきておりますが、ただ災害が起こったときの行動訓練の必要についてはなかなか浸透しないように感じています。 本市では、約300の自治会が設立されているものの、加入率としては昨年令和5年2月末で市内全体の約47.5%となっており、災害時などを考えると非常に厳しい数値です。 したがって、自主防災組織や避難所運営委員会などの設立も、自治会の負担になるということで行えない地域もあります。 私が所属している自治会は執行部3年制度を取っておりますので、継続的な活動が可能となっており、現在は自主防災組織を結成して避難訓練を行っています。 しかしながら、もっと地域の人たちに共助の大切さを分かっていただきたいという思いから、本市が実施している成田市総合防災訓練を公津地区に誘致しようということになりました。 そこで自治会長と私で、2022年11月に向台小学校で実施された成田市総合防災訓練に参加し、危機管理課の方々と協議の結果、昨年11月、公津の杜小学校で実施の運びとなりました。 その訓練の際には、地震体験車の設置もお願いしました。 そして、危機管理課の皆さんのご努力で、成田市総合防災訓練に初導入され、それを経験された地域の方々からは、震度7の揺れがこれほどのものとは想像していなかった、非常によい体験ができたという多くの声をいただきました。 さて、この防災訓練ですが、内容は非常に充実しており、地域の自主防災訓練と連動することができます。 訓練としては、大地震発生後、自治会指定の自主避難場所に集まり安否確認をし、そこから徒歩で小学校に向かい、その後体育館内での行動訓練や、屋外の展示体験コーナーを活用した知識・技能訓練などを行うというものです。 展示体験コーナーでは、防災VR、ゴーグルをして実際に映像を見るやつですね。 それから水消火器体験、煙体験、消防服試着体験、簡易雨具の作成指導、新聞を利用した災害時用のスリッパの作り方指導、避難行動要支援者対応の福祉用具装着体験など多岐にわたっており、自宅を出てから約3時間以上の訓練になったのですが、参加された自治会の皆さんは、様々な体験の学習ができて本当によかったと口々におっしゃっていました。 ただ、私としては残念な部分がありました。 それは、これだけ充実した防災訓練、この防災訓練の参加が自治会のない地区からの参加者がほとんどなかったということです。 公津の杜地区は六丁目までありますが、自治会がない地区が2つあります。 逆に、この防災訓練を通して、地域防災の重要性を感じてもらおうという趣旨だったので、少し残念でした。 そこで質問します。 この総合防災訓練実施に当たっての市の周知方法について教えてください。 次に、総合防災訓練におけるペット同行避難訓練について、お伺いします。 同行避難とは、飼い主とペットが安全な場所まで一緒に避難することを指し、避難所で飼い主がペットを飼育管理する同伴避難とは異なります。 能登半島地震の被災地では、飼い主とはぐれてしまった迷い猫が多く発生しています。 また、避難所にペットを連れていくことをちゅうちょする被災者が車中泊を続けるなど、災害時にペットとの共生をどう図れるかという課題がまた改めて浮き彫りになっています。 本市で行っている総合防災訓練はペット同行避難訓練ですが、その内容について教えてください。 次に、私がこれまで度々取り上げてきた外国人避難者に対する対応についてお伺いします。 今回の避難訓練は外国人対象のものではなく、同じ避難者として避難所で暮らす場合の想定だと思いますが、どういった内容のものを実施しているのでしょうか。 次に、成田市地域防災計画について質問していきます。 成田市地域防災計画は、災害予防活動、災害応急対策活動及び災害復旧活動等の一連の災害対策を実施するに当たり、市民の生命、身体及び財産を災害から守るために実施すべき事務について定められているものです。 その中で、マグニチュード7.3、成田空港直下地震による被害の特徴として、冬の18時を想定しています。 そのときの被害予想は、発災直後における市全体の避難者の数は約1万8,200人、帰宅困難者数は約5万2,000人、また成田国際空港が立地しているため、多くの帰宅困難者の発生が懸念されるとあります。 しかしながら、本市の特徴は成田空港のみならず、成田山新勝寺の参拝客が存在することにあると思います。 今回の能登半島地震は、よりによって1月1日に発生しました。 正月三が日の成田山新勝寺参拝客の数は300万人という推計が出ている現状で、単純に考えれば1日100万人の帰宅困難者が発生することになります。 帰宅困難者どころか、勾配が急な山道、新勝寺本堂への上がる急な階段、ここに参拝客の方々が隙間もなく並んでいた場合、転倒による圧死の数は想像もつきません。 しかも、この期間の参道周り及び国道51号は大渋滞、正月三が日では職員の参集も極めて厳しい状況に陥ると思います。 そこで質問します。 まず、成田空港直下地震における被害の特徴として、冬の18時を想定している根拠を教えてください。 あわせて、成田山新勝寺参拝客の存在を考慮し、発生時刻の見直しが必要だと思いますが、市の見解をお伺いします。 次に、帰宅困難者等支援についてお伺いします。 本市では、東日本大震災時の成田駅周辺と指定避難場所である成田市役所での帰宅困難者による混乱が契機となり、成田駅周辺帰宅困難者等対策協議会を開催するように至ったようですが、この協議会の構成メンバー及びその協議内容について教えてください。 次に、帰宅困難者等支援マニュアルでは、鉄道が運行を休止し、運休が見込まれる場合、むやみに移動しないこと等を呼びかけることになっていますが、私は地震を経験したことがない外国人観光客、そして日本語が分からずパニックに陥るおそれがある外国人観光客向けに、多言語で呼びかけることも非常に重要であると考えます。 その対応について、市の見解をお聞かせください。 次は、成田国際空港株式会社との連携についてです。 私は2月上旬、NAAを訪問し、成田国際空港BCP及び特に外国人への旅行客対応、それから成田市の連携についての聞き取り調査を行いました。 空港内従業員は2023年2月調査時で約3万6,000人、地震発生時、空港内で夜間を過ごす帰宅困難者の数は、旅客ターミナルビル利用者を合わせると2万8,000人と予想。 毎年9月1日に防災訓練を行い、障がい者及び傷病者対応訓練などを行っているが、外国人に特化した訓練は行っていない。 発災時には、多言語対応の社員をターミナル内へ派遣し、旅客への情報提供を実施する。 インフォメーションデスクでの翻訳機の活用もする。 旅客ターミナル内での避難誘導訓練における多言語対応については、ピクトグラムを使用して避難誘導を行うほか、日英中韓の4か国語による館内放送を実施する。 旅客ターミナル内での避難誘導訓練における航空会社と空港事業者との連携については、旅客ターミナルビル内の航空会社やテナント等で自衛消防組織を結成し、訓練実施の際にはこれら自衛消防組織と連携している。 ほかにも多くの情報を得ることができ、非常に有意義な時間になりました。 私からは、ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアの各国からの実習生や留学生も急増しているので、日英中韓の4か国語以外の言語についてもアナウンスすることについて検討されてはいかがでしょうかと提案いたしました。 さて、本市は空港の更なる機能強化を提唱して、成田国際空港株式会社との連携強化を図っていますが、私は災害時連携も機能強化の重要な課題と考えます。 そこで質問します。 空港で発生する2万8,000人の帰宅困難者対応について、成田国際空港株式会社とはどのように連携するのか、市のお考えをお聞かせください。 また、空港会社が空港内の帰宅困難者を周辺のホテルへ一時避難させることも想定されますが、市としても一時避難場所として確保しておく必要があると思います。 市の考えをお聞かせください。 次に、災害廃棄物についてお伺いします。 本市の成田市災害廃棄物処理計画では、成田空港直下地震による災害廃棄物発生量を約30万トンと見込んでいます。 それらの膨大な量の災害廃棄物については、仮置場の設置が必要になると思いますが、市はどのような対策を行うのでしょうか。 また、窓口に訪日外国人や在住外国人が来庁することを想定し、関係部局と連携する等、窓口対応を実施するとありますが、具体的にどのような対応を考えているのでしょうか。 最後に、防災公園の整備についてお伺いします。 2010年3月に、本市は成田市緑の基本計画を策定し、その中で、広域避難場所まで遠い地域を中心に、災害時の避難場所となる都市公園の整備を検討します、また災害救助活動・復興の拠点となる都市公園の機能を充実させますとの記載があります。 さらに具体的な方向性として、防災公園等の整備が掲げられていますが、現在の進捗状況について教えてください。 以上で1回目の質問を終わりにします。 神崎 勝議長 小泉市長。 〔小泉一成市長 登壇〕 小泉一成 市長 眞野議員の災害対策についてのご質問にお答えいたします。 まず、成田市総合防災訓練についてでありますが、昨年11月18日に公津の杜小学校を会場として開催した成田市総合防災訓練は、市民の防災意識の高揚と防災行動力の育成を図ることを目的として、公津の杜小学校を指定避難所とする自治会及び住民と自主防災組織、消防団などの地域住民の方々、自衛隊や警察、消防、医療、福祉などの関係機関や一般の参加者を含め、518名の皆様に参加をいただきました。 この成田市総合防災訓練の開催に当たっては、地元自治会や関係機関を対象とした全体会議を開催するなど、事前調整を行うとともに、広報なりたや行政回覧による開催案内、市役所や公津の杜コミュニティセンターでのポスターの掲示、公津の杜小学校を通じた保護者へのチラシの配布、開催日当日の防災行政無線による放送など、防災訓練の開催について広く地域の皆様をはじめ、市民の皆様にもご参加いただけるよう周知を行ったところであります。 また、総合防災訓練におけるペット同行避難につきましては、当日、訓練参加者の皆様に対しまして、環境省から示された、人とペットの災害対策ガイドラインに基づくリーフレットを配付し、日頃からの備えや避難所でのペット飼育のルールなどについて説明を行うとともに、公津の杜小学校に避難された場合の実際のペットスペースについても確認いただいたところであります。 また、外国人対応につきましては、今回訓練が行われた公津の杜小学校区では、参加した住民は全員避難者としての立場で訓練に臨んでいらっしゃいました。 この中で、同じ避難所に外国人住民が避難してきた場合に、宗教上の理由で食べられないものがあることや、生活習慣に違いがあること、話しかけるときはやさしい日本語を使っていただくと理解しやすくなることなど、外国人とともに避難生活を送るに当たって、知っておいていただきたいことやお願いしたいことなどの説明を行ったところであります。 今後も関係機関との連携を深めながら、また実施内容の工夫を重ねながら、多くの市民に参加していただける総合防災訓練を引き続き開催することで、市民の防災意識の高揚と地域防災力の向上に努めてまいります。 次に、成田市地域防災計画についてでありますが、本計画における地震発生想定時間につきましては、計画の前提条件として、国や県が検討した想定地震のうち、市へ及ぼす影響が大きいと考えられる千葉県北西部直下地震、成田空港直下地震、茨城県南部地震、成田市直下地震の4つを選定し、それぞれの地震について、夏12時、冬5時、冬18時に発災した場合における建物被害や人的被害の想定を行い、その結果から本市における計画の基本方針として、地震対策の目標とする想定地震を成田空港直下地震と設定しており、その中で最も被害が大きいケースである、冬18時に発災した場合の想定結果を被害の特徴として示しているところであります。 発災時刻の見直しにつきましては、本市の特性として、成田山新勝寺参拝客や成田空港利用客についても考慮する必要があることから、本市地域防災計画においても、地理に詳しくない観光客などに対して発災時に適切な誘導等を行うことにより安全を確保するよう定めているところでありますが、市民生活への被害の大きさを考慮した冬の18時に発災した場合を本計画の想定としつつ、多くの帰宅困難者が発生した場合にも本計画が実効性のあるものとなるよう、関係機関との調整等に努めてまいります。 帰宅困難者等の支援につきましては、本市では平成28年12月に成田駅周辺の事業者と公的機関から構成される成田駅周辺帰宅困難者等対策協議会を設置し、帰宅困難者等に対する支援方法について検討を重ねております。 本協議会につきましては、鉄道事業者として東日本旅客鉄道株式会社、京成電鉄株式会社、大規模集客施設事業者として成田山新勝寺、イオンモール成田及びイオンタウン成田富里、帰宅困難要配慮者支援施設として、ホテルウェルコ成田、成田U-シティホテル、経済団体として成田商工会議所、観光団体として成田市観光協会、公的機関として千葉県印旛地域振興事務所、成田警察署、自衛隊千葉地方協力本部成田地域事務所、消防本部を含めた本市による委員構成となっております。 本協議会の協議内容につきましては、平成28年12月の協議会設立以降、令和元年度から3年度まではコロナ禍の影響により開催することができなかったものの、これまで7回の協議会を開催し、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設をスカイタウン成田にある文化芸術センター及び重兵衛スポーツフィールド中台とすることや、帰宅困難者等のうち、特別な配慮が必要な方を受け入れる帰宅困難要配慮者支援施設を成田U-シティホテルとホテルウェルコ成田とすること。 さらに、帰宅困難者等支援マニュアルを策定するとともに、昨年度及び本年度には図上訓練も実施し、発災時における関係機関の対応能力の向上と連携強化を図っているところであります。 外国人観光客の対応につきましては、当該マニュアルにおける帰宅困難者対策の中で、災害発生時に各機関は、利用客に対し鉄道の運行状況等を館内放送や電光掲示板などを用いて広報するとともに、むやみに移動を開始しないことや、施設の安全が確認できている状況であれば、利用客を施設内に可能な限り留め置くよう、各機関により広報を行うこととしており、外国人観光客向けの多言語による広報についても、関係機関と連携し、その取組がさらに推進されるよう努めてまいります。 成田国際空港株式会社との連携につきましては、本市の地域防災計画においても、市は空港など関係機関と被害情報等を共有し、連携を取りながら円滑な災害応急対策業務の実施に努めることとしており、発災時に空港機能が停止した場合、多くの空港利用者が帰宅困難者となることが予想されることから、成田国際空港株式会社をはじめとする関係機関との連携を図り、帰宅困難者の安全確保のための体制を整備することとしております。 また、現在のところ、空港の帰宅困難者のための臨時避難所として、空港周辺のホテルなどを事前に本市が確保しておく考えはありませんが、関係機関との調整により、本計画が一層実効性のあるものとなるよう努めてまいります。 次に、災害廃棄物についてでありますが、本市では、地震や洪水などによる大規模災害発生後に大量に発生する廃棄物の処理を迅速かつ的確に行うため、仮置場の選定、庁内の組織体制、広域的な連携による処理体制などを定める成田市災害廃棄物処理計画を策定しており、計画の実効性を高めるため、仮置場候補地の選定を進めているところであります。 この計画の中で、仮置場につきましては、候補地をあらかじめ選定しておくことや、可能な限り多くの候補地を確保することなどを定めておりますが、候補地の選定に当たっては、広さのほか、民家や学校が近くにないことや、廃棄物を運搬する大型車両が出入り可能であること、候補地までの道路の被災状況、被害が発生した地域との距離など、災害発生後の状況なども考慮する必要があります。 このような中、本市では公園などの市有地を中心とした候補地のリストアップ、現地確認及び土地管理者等との協議調整を行っております。 今後におきましても、発災時における災害廃棄物処理を迅速かつ適正に実施できるよう、仮置場の確保に取り組んでまいります。 また、外国人対応につきましては、成田市災害廃棄物処理計画において、関係部局と連携し、窓口対応を実施するほか、国際交流協会等のNPOやボランティア団体、国際医療福祉大学や日本語学校など、平常時から外国人支援のために協力している団体に依頼し、迅速な情報伝達に努めることとしております。 災害発生時には多様なごみの発生が見込まれるため、ごみの種別ごとの分別方法の周知、仮置場の場所や受付時間の周知などを行う必要がありますことから、関係機関のご協力をいただきながら、様々な手段を活用して、周知に努めてまいります。 次に、防災公園の整備についてでありますが、都市公園につきましては、住民のレクリエーション、スポーツなどの場としての機能のほか、災害時における避難場所や火災による延焼を防止するオープンスペースとしての役割などを有しております。 また、成田市地域防災計画において、都市公園の一部は災害対応拠点として、また応急仮設住宅の建設場所やヘリコプターの臨時離着陸場に位置づけられております。 現在の取組状況としましては、このような都市公園の機能を確保するため、緑の基本計画の基本方針にある、安全・安心を支える緑の整備に向けた実現施策に沿って、既存施設の管理を適切に行っているところであります。 今後、新規の公園の整備や既存の公園の再整備の際には、災害用トイレなど、防災機能を有する施設の整備についても検討してまいりたいと考えております。 神崎 勝議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございました。 この地震の発災時刻について冬の18時ということで、この後多くの帰宅困難者が発生した場合にも本計画が実効性のあるものとなるよう、関係機関との調整等に努めてまいりますというお答えいただきました。 やはり、先ほども申し上げたとおり、成田山新勝寺と、この発災時刻のことについて、あと期間については、ちょっとご相談されたほうがいいのかなと思います。 あと、そもそも冬の18時というのは、この北国で雪で大変な地域にはふさわしいことだと思うんですが、今これだけ温暖化が進んで熱帯夜が続く中で、成田市に果たしてこの冬というのが正しいのかどうか。 今回も1週間以上シャワーも浴びられない避難者の方たくさんいました。 これ、冬だからもっているんです。 でも、今多くの市内の体育館も、冷暖房まだ完備していません、スポットで空調機は入りますが。 夏、窓を開けられない体育館の中に、1週間、避難民がどっと入っていて、その中で、今季節性のインフルエンザもなくなっちゃって、もう夏から9月にも学級閉鎖が出ているような状態、コロナもある、換気ができない中で、果たしてこの冬の18時という設定は妥当かどうかということについては、やっぱりもう一度再考されたほうがいいのではないかなとすごく思います。 また、特に今年、成田市は市制70周年で様々な行事が設定されています。 このときに起こったらとかというのもありますので、あらゆるケースについて想定なんかはできっこないというのは、もうすごくよく分かっておりますけれども、やはり不測の事態、それから最悪の事態を避けるためにも、複数の想定はあったほうがいいのではないかと思います。 よろしくお願いします。 あと、外国人対応ですが、成田国際空港BCPで準備されているような4か国語対応では、はっきり言って駅周辺とか屋外では難しいと思っております。 ただ少なくともJRや京成電鉄の駅構内で、4か国語による災害対応のアナウンスは録音しておけばできるということで、国際空港も実際にこの4か国語についてはマニュアルがあって、その録音テープを流すということで職員が集まらない。 だから、これは簡単とは言いませんが、できる可能性があるんじゃないかなと思っております。 よろしくご対応をお願いします。 次に、成田駅周辺帰宅困難者等対策協議会についての関連質問をします。 公津の杜地区も、公津の杜駅と国際医療福祉大学と、そしてユアエルムを抱えていて、成田駅周辺とはまた異なる状況で、帰宅困難者が多数発生する可能性があります。 私も一昨年からユアエルムや大学と、この帰宅困難者について何とかならないものかという協議は実はしてきております。 この話合いの中で出てきたのが、市からも大学に対して、発災時の施設活用についての打診が何度かあったということなんですが、どういった形の利用を想定しているのか教えてください。 神崎 勝議長 野村総務部長。 総務部長 本市と国際医療福祉大学において、災害時に被災者の安全確保や生活支援を充実させることを目的とした大学施設利用の可能性について協議を行っているところでございます。 神崎 勝議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。 私の所属する自治会でも、以前から震災後の避難場所等で大学の施設を活用できないかと話題に上がっていました。 公津の杜のマンション群のうちの一つの自治会とで、自治会の活性化や地域防災について考えるというテーマで、先日、合同役員会を開催しました。 その話の中で、発災時のユアエルムの施設活用や地下にあるスーパーマーケット、ロピアというところなんですが、飲料水の活用についての話題が出ました。 自助・共助が重要視されていますけれども、自分たちが助かるための地域資源の活用は非常に重要だと考えています。 災害発生前に、地域の自主防災組織等が、例えば大型スーパーや大学施設利用などについて協議したいとき、市としてはどういったバックアップが可能でしょうか。 神崎 勝議長 野村総務部長。 総務部長 自主防災組織等と民間企業等の間の個別の協力体制の協議につきましては、基本的に双方により直接行っていただきたいというふうに考えております。 市がバックアップするということについては考えておりませんが、自主防災組織の活性化などにつながることにつきましては、引き続きご協力をさせていただきます。 以上でございます。 神崎 勝議長 眞野議員。 眞野 義行 ある特定の地域の特定の自治会群に、市としてバックアップというのはなかなか市全体の利益というか、考えたときにはなかなか難しいなとは思います。 重々承知で、ただ地域で活動していて、この地域の弱体化、それから自主防災組織もなかなか加入率上がらないとか、立ち上がらないとかとなっていると、自分たちの地域を守るために知恵を出し合って何とかという、活動しようと思っているとき、いやいやそれはその地域限定の話だからなかなかというと、市民感情としては、何かバックアップは欲しいかなという。 難しいというか、ほぼ厳しいなというのはよく分かるんですが、頑張ろうと思っている組織のバックアップが何か道があれば、また教えていただけるとありがたいです。 次は、防災公園についての質問をします。 現在、市内に災害対策拠点としての機能を有した都市公園は幾つありますでしょうか。 神崎 勝議長 鈴木都市部長。 都市部長 成田市地域防災計画での災害対応拠点設置予定場所といたしまして、指定緊急避難場所、指定避難所などとして、重兵衛スポーツフィールド中台及び下総運動公園、また自衛隊の集結地、活動拠点として、大谷津運動公園ほか、そして臨時ヘリポート、応急仮設住宅建設場所などといたしまして、大谷津運動公園はじめ9つの公園が設置予定場所となっております。 以上です。 神崎 勝議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。 9公園が災害対応拠点設置予定場所となっているとのことですが、特に重兵衛スポーツフィールド中台は指定避難所としてのみならず、先ほどの市長答弁にもあったように、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設としても指定されています。 この施設に災害用トイレ等が整備されていないというのは、指定避難場所としては十分に機能しているとは言い難いのではないでしょうか。 今回の能登半島地震でも様々な課題が浮き彫りになりましたが、やはり生活用水とそれからトイレの問題は非常に深刻になっています。 成田市地域防災計画の成田空港直下地震による被害の特徴の被害項目を見ると、土砂災害危険度の高い地域は、大栄と成田地区、特に大栄地区と下総地区の丘陵部では山腹崩壊のリスクもあると。 建物被害では、全壊棟数は大栄地区で427、成田地区で293、半壊棟数は大栄地区1,291で顕著であり、遠山地区898、成田地区847、ライフライン施設被害では、発災直後の上水道断水率は、大栄地区79.6%、成田地区66.4%が特に高く、1か月後の断水率もともに15%を上回り、断水が継続するとあります。 被害の特徴として、成田、下総、大栄地区の被害が甚大であると、そういう予想が出ているんですが、重兵衛スポーツフィールド中台や下総運動公園のような指定避難場所に避難をしてきた被災者が一定期間生活するための設備が整っていないというのは、ちょっと問題があるのではないかと考えています。 国の中央防災会議が作成する防災基本計画には、次のような記述があります。 市町村は、指定避難場所において、貯水槽、井戸、仮設トイレ、マンホールトイレ、マット、非常用電源、ガス設備、衛星携帯電話等の通信機器のほか、空調、洋式トイレなど、要配慮者にも配慮した施設設備の整備に努めるとともに、避難者による災害情報の入手に資するテレビ、ラジオ等の機器の整備を図るものとする。 また停電時においても施設設備の機能が確保されるよう、再生可能エネルギーの活用を含めた非常用発電設備等の整備に努めるものとすると。 さて、本市は2010年に成田市緑の基本計画を策定し、防災公園の整備を掲げてきましたが、その1年後、2011年3月に東日本大震災を挟みながらも、この14年間、なかなか防災公園の整備が進んでいません。 そのあたりの原因については、どこにあるとお考えでしょうか。 神崎 勝議長 鈴木都市部長。 都市部長 成田市地域防災計画の中で、災害対応拠点設置予定場所として位置づけている既存公園の機能を確保するためにも、まずは公園の適切な維持管理を優先しているところでございます。 また、通常の公園施設における維持管理の面で申し上げますと、遊具をはじめ、日常使用する施設の適切な維持管理が重要でございまして、更新工事等を優先して行わなければならない、こうしたこともその理由でございます。 以上です。 神崎 勝議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。 公園の適切な維持管理や更新工事を優先してきたという、それはそのとおりだと思います。 ただ、そこに防災公園ということの観点を加えるだけで随分変わってくるのかな、施設が古くなったら変えよう、あ、じゃここにかまどベンチを作る、それからマンホールトイレ等もなかなか大変なところあるんですが、被災者がいっときでも長く生活ができる環境を、公園の設備を更新するときにも一緒にやるという、この観点はぜひ入れていただきたいなと思います。 先ほどの市長答弁で、今後新規の公園の整備や既存の公園の再整備の際には、災害用トイレなど防災機能を有する施設の整備についても検討してまいりたいと考えておりますと、前向きな答弁いただきましたので、ぜひ進めていただきたいなと思います。 予算をかけて、優先順位を上げて取り組むべき課題だと思います。 なぜなら、これは命を守るための公園整備、都市整備だからです。 さて、この災害用トイレなど、防災機能を有する施設の整備という観点から、東小学校跡地パークゴルフ場・複合施設整備事業について確認させていただきます。 この事業についてのこれまでの説明では、新たに整備される建物はクラブハウスとしての機能だけではなく、空調設備を備えた避難所としての機能を併せ持つ体育館、さらに災害対応としての防災倉庫や非常用自家発電設備を併せ持つ複合施設ですとのことでしたが、災害救援活動復興の拠点となる防災公園施設の一つと考えてよいのでしょうか。 神崎 勝議長 鈴木都市部長。 都市部長 本複合施設でございますが、現在の十余三運動施設の旧東小学校区の地域住民の方々を主な対象とした指定緊急避難所、指定避難所としての機能を引き継ぐことになりますので、地域における災害救援活動の拠点となる施設になりますが、都市公園法による公園としての位置づけではございません。 以上です。 神崎 勝議長 眞野議員。 眞野 義行 それでは、この複合施設は、ほかに災害対応としてどのような機能を有しているのでしょうか。 神崎 勝議長 鈴木都市部長。 都市部長 本施設でございますが、災害時に給水設備が使用できなくなった場合に、受水槽に蛇口を直接接続いたしまして水を使用できるようにする災害用蛇口、これを設けているほか、平常時はベンチとして使用いたしまして、災害時にかまどとして使用できるかまどベンチを2基設置いたします。 また、災害時における情報手段を確保するためにWi-Fi環境の整備をするほか、災害時に使用できる公衆電話を設置いたします。 なお、備品の対応になりますが、携帯電話の充電などにも使用するためのUSBポートなど、こういったものの整備を行います。 以上でございます。 神崎 勝議長 眞野議員。 眞野 義行 非常に充実した設備だと思います。 マンホールトイレの設置がないのはちょっと残念かなという気はしますが、旧東小学校区の方々にとっては、十分に地域の災害救援活動の拠点になる施設であると感じております。 ここでお手元の資料をご覧ください。 これは、葛西臨海公園に設置されている設備の数々です。 葛西臨海公園は、災害時に活動拠点となる設備を有している防災公園です。 公益財団法人東京都公園協会が管理しており、都内にある活動拠点となる防災公園21施設のうちの一つです。 この公園には、かまどベンチが35、マンホール型トイレが80、この写真の上のものなんですが、防災井戸ポンプ2、防災井戸ポンプです、この正面の奥のほうに見えるのは、これがマンホールトイレがずらっと並んでいます。 もうなかなか壮観な景色になるんですけれども。 それから、災害救援自動販売機10、この緊急時飲料ベンダーというやつです。 このときは電源が落ちても、中の飲物を取り出せるということで、これが10基設置されています。 それから、防災用照明灯、真ん中のやつです。 これはソーラーで夜でも電源が落ちても明るくなるというやつです。 あと、防災パーゴラ、これは普通のあずまやとは違って、ただ屋根にテントを張って、緊急の医療行為を行うとか、事情がある要支援者の方の休息場所にするとか、様々な活用が考えられるものです。 私はこれまで葛西臨海公園、何回か訪れたことがあるんですが、広大な駐車場がこういった防災公園になっているとは全く知らなかったです。 見ていたんでしょうが、全く見えていなかったという現象ですね。 事務所の方にお話をお伺いしたところ、1989年に開園した公園ですが、1995年の阪神・淡路大震災を受け、2002年から2004年にかけて防災公園として整備されたそうです。 既に20年経過しているので、直接見て、私も劣化は進んでいるのかなとは思ったんですが、きちんと整備管理はされ、毎年ではないんですが、近隣地域自治会と連携した防災訓練も行われていると。 そのときには、マンホールトイレの組立てや、今ご紹介しましたが、ふだんはベンチとして利用されていて、災害時にはかまどとして使える、かまどベンチの組立て、そして実際に炊き出しもやると。 消火器による初期消火なども行うと。 地域の住民の方々がこういった施設で実際に体験するということですね。 あと、園内にある無料休憩所は、これ裏面になりますけれども、2013年に防災情報ひろばとして整備され、マンホール型トイレをはじめとし、様々な防災用品が展示されています。 また、電力が途絶えても取り出せる、先ほどご説明しました、災害救援自動販売機も設置されています。 これは日常ふだんにも、普通にも使えていますので、さりげなく防災について目の前にあるということですね。 防災サポートボランティアを募集しており、様々な活動を行っていますということで、こちらのポスターですね。 実際、いろんな活動をしてきたんですが、現在ちょっと活動が縮小されてしまって、月に第2、第4日曜日に消火訓練を行っているとのことです。 ただ、この消火訓練、水消火器訓練なんですが、毎回、園内を訪れた親子組が80名から100名参加するそうです。 どういう周知をしているのかというと、このボランティアと職員の方で、公園に遊びに来ている親子をその場で声をかけて、防災どうですか、消火器訓練しませんかというところで、もう呼び込んで行うそうです。 行って、水消火器訓練をやって、園内のこの無料休憩所でさりげなく防災について学習して、いろいろ備品も展示してありますので、防災マンホールトイレを見ると。 何かすごいことをしているなとも思いました。 だから、もう本当驚いたんですけれども、水族館や大観覧車で有名な葛西臨海公園が、設備が非常に充実した防災公園であるということ、これをこういった活動によって認知度を高めて、遊びに来たついでにという言葉は語弊がありますが、防災意識の高揚につながっていると、なかなかすばらしいなと思いました。 私自身、今回の一般質問を通して、今も地震が起こったところですが、改めて防災について考えて学ぶことが多かったんですけれども、それらを踏まえて、市に1つご提案があります。 ご答弁いただいたとおり、今後、新規の公園の整備や、既存の公園の再整備の際には、災害用トイレなど、防火機能を有する施設の整備についても検討してまいりたいと、そう考えておりますということでしたので、市制70周年のお祝いの行事のほかに、後世に残すための防災公園づくりをぜひ企画していただきたいと、本当にそう思っています。 私は、大きな予算をかけた開発行為、これに反対するものではありませんが、今ある施設を、命を守るための施設に変えていくと、そのために予算をかけることも非常に大切なことだと思っています。 さらにそういう思いが強くなりました。 成田市国土強靱化地域計画の基本目標の1番目には、次のように明記されています。 いかなる大規模自然災害が発生しようとも、人命の保護が最大限図られること。 以上で、私の一般質問を終わりにします。...

眞野 義行 皆さんこんにちは。議席番号9番、政友クラブ、眞野義行です。 通告に基づきまして、一般質問を行います。なお、議長の許可を得まして、資料を用意しております。後ほど説明いたします。 テーマはスマートシティ推進についてです。それでは始めます。 昨年3月に策定された成田市デジタルトランスフォーメーション(DX)基本方針には、以下の記述があります。DXとは、ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させることです。紙などのアナログ情報と業務プロセスをデジタル化し、その結果、デジタル技術が社会に浸透することで、それまで実現できなかった新たな価値やサービスが創出される社会全体の変革を意味しています。 本市はデジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を掲げ、誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化を宣言しました。これはまさに、2018年に国土交通省が定義したスマートシティという概念に一致します。 スマートシティとは、都市の抱える諸課題、環境、エネルギー、医療・健康、交通、通信、教育、それらに対してICT等の新技術を活用しつつ、計画、整備、管理・運営等が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市、または地区です。簡単に言えば、まち全体がネットワークでつながり、年齢、性別、出身国などにかかわらず、全ての住民が便利に安心して暮らせるシステムが張りめぐらされた都市や地区のことです。 このスマートシティの考え方は、交通という視点から、次のような諸問題を解決するためにも極めて有効と考えられています。 1、持続可能で地域の実情に応じためり張りのある地域公共交通網の形成、2、超高齢化社会に対応した安全・安心、そして快適な外出環境の確保、3、交通モード間の連携による地域公共交通の利便性向上、4、観光振興との連携による観光客の増加、これら都市が抱える交通に関する諸問題をデジタルの力で解決しようとする考え方をMaaSと呼びます。 MaaSとは、あらゆる公共交通機関やライドシェア、シェアサイクルといったサービスをつなぎ目なしに結びつけ、マイカー以外の交通手段による移動を一つのサービスとして捉える概念のことを指します。 例えば、スマートフォンなどで、目的地に行くための全ての交通機関のルートや乗り換え情報の検索、チケットの予約、支払いまでをワンストップで可能にしようとするものです。 このようなMaaSのシステムが実現すれば、移動効率が向上し、クラウド上のビッグデータの利用で、最適な交通手段の組合せの提案が自動で行われます。最適な交通機関の整備が進めばマイカー移動が減少し、都市部では交通渋滞の緩和ができ、地方では利用者が増え交通サービスの継続が可能になります。観光並びに高齢者輸送手段のオンデマンド交通でも、現状よりもさらに利便性が高い交通機関が生まれることが期待されています。 航空会社も当然MaaS導入には積極的で、ANAは2021年4月、ANAそらたび検索というアプリの提供を開始しました。こちらは、皆さんもよくご存じのオンライン経路検索サービス、駅すぱあとを提供する株式会社ヴァル研究所と連携して、移動手段に航空機を加えた乗り継ぎ案内サービスです。もちろんその中で航空券の予約が可能です。 JALも2022年2月から、JALMaaSとして、空と地上を組み合わせたリアルタイム経路検索サービスを開始しています。こちらは、JR東日本が提供するリアルタイム経路検索サービスを利用しているため、JALを利用しない場合のJRのみの経路情報も表示されます。例えば、成田から大阪に行くといった場合に、成田、大阪と検索すると、ジェットを使った場合と、使わないで新幹線だけの乗り継ぎ、何分、幾ら、これが同時に一覧として出てきます。利用者は、時間を取るか、費用を取るか、一度の検索で全て分かります。 航空会社は、自治体との連携を強化して、移動手段の選択肢が限られているなど、地域が抱える移動に関する課題の解決と交流人口の創出に取り組んでおり、今後は、連携する自治体の拡大を図るとともに、空港から目的地までの移動のサポートに加え、地域の魅力発信にも積極的に取り組んでいくと宣言しています。 さて、私は2021年3月議会で、このMaaSについて同様の質問をしました。そのときのご答弁としては、新たな技術やサービスについても先進事例などを参考とし、導入の可能性について、交通事業者と研究してまいりますというお答えでした。前回の質問から2年が経過し、その間に様々な自治体で先進的な取組が始まっています。 例えば千葉県内ですと、柏市は2019年には、国土交通省スマートシティモデル事業へ選定を受け、東京大学、千葉大学、これは元々キャンパスが柏市にありますので、千葉県、三井不動産、NTTドコモなどが連携し、日本の最先端都市、柏の葉スマートシティの運営及び開発に当たっています。 千葉市は、2020年に新基本計画審議会スマートシティ部会を立ち上げ、現在は未来都市戦略部スマートシティ推進課を設置しています。昨年3月に、千葉市スマートシティ推進ビジョンを策定し、幕張新都心でNTTドコモ、JR東日本とともに、NTTドコモが開発するまくはりMaaSのアプリを通して、住民及び来訪者の回遊性の向上に関する期間限定の取組を実施しました。 銚子市は、市制90年を迎えたことを契機に、JR東日本とともに観光周遊の利便性向上を目的に、沿線企業や自治体、地域と連携しながら、地域・観光型MaaSを今年8月にスタートさせています。 館山市、南房総市は、経済産業省の後押しを受けて、今年度から交通課題の解決に向けて、地元の交通事業者と連携し、実証エリアを走行するバスにマイナンバーカード用のリーダー端末を設置し、その上で、マイナンバーカードを活用した認証、決済システムの検討を始めています。 佐倉市は、京成電鉄、ちばグリーンバス、佐倉市観光協会などと連携・協力して、佐倉市内の観光振興を目的にMaaSの取組として、京成線各駅から京成佐倉駅の往復乗車券、佐倉市観光協会のレンタサイクル、ちばグリーンバスのフリー乗車券、佐倉市内店舗の食事券、お土産券がセットになったお得なチケット、旅する佐倉1日きっぷをスマートフォンアプリ上で発売しています。 このように、スマートシティの基盤となるデジタルの力を借りた公共交通機関の整備は、その規模の違いはあれ、着実に進捗しています。 そこでお聞きします。MaaSの導入に向けて、本市の現在の状況と今後の取組について教えてください。 次に、スマートシティ推進のためには、その地域ごとのエネルギー確保、特に地球環境に優しい再生可能エネルギーの活用は必須条件です。ゼロカーボンシティを宣言し、2050年までにCO2を実質ゼロにすると宣言している本市のエネルギーの地産地消の取組は、気になるところです。これまでの取組と今後の展望や計画等について教えてください。 さて、このエネルギーの地産地消の取組は、行政のみが行うものではありません。住民の皆さん一人一人の意識向上だけでなく、具体的な取組が必要になります。本市では、省エネルギー設備の普及促進、環境への負担低減、地球温暖化の防止等環境の保全のため、住宅用省エネルギー設備を設置した市民に、予算の範囲内において補助を実施しています。 さらに、昨年度令和4年度からは、電気自動車等を購入した市民に、予算の範囲内において補助を開始しました。ゼロカーボンシティ実現のために、電気自動車の普及を促すためのとても大切な施策だと思います。さらなる進捗のためには、公共施設への公共用電気自動車充電スポット設置が大切だと思います。市の考えをお聞かせください。 以上で、1回目の質問を終わりにします。 神崎勝 議長 小泉市長。 〔市長小泉一成君登壇〕 小泉一成 市長 それでは、眞野議員のスマートシティ推進についてのご質問にお答えいたします。 まず、MaaSの導入についてでありますが、MaaSとは、複数の公共交通機関や移動手段を最適に組み合わせ、目的地まで一括した予約や決済などを提供する新しいサービスであり、公共交通の維持や移動手段の充実などを目的とし、国土交通省が普及支援に取り組んでおり、近年では、各自治体での実証実験や導入事例が徐々に増加しております。 このような中、本市では、持続可能な地域公共交通の構築などを目的として、公共交通の在り方や方向性を示す成田市地域公共交通計画を令和3年12月に策定し、公共交通の再編、利用環境の改善、利用の促進及び新技術を活用した利用者への情報提供の推進を4つの視点として掲げ、これらの視点に基づく21の施策につきまして、バスやタクシーを運行する交通事業者とともに、令和9年度までの目標の達成に向けた取組を開始しております。 具体的には、コミュニティバスのルート及び運行形態の検討やオンデマンド交通の本格運行を見据えた検討をはじめ、利用促進に向けては、運転免許証を自主返納する方への支援や民間路線バス事業者による空港周辺の観光施設を巡るバスの運行、バスの乗り方教室による意識啓発を行うなど、多面的に取り組んでいるところであります。 あわせて、MaaSをはじめとする新たな移動サービスに関する調査などを行っており、現在は、国や民間事業者などが主催する説明会や電動車両を活用した新たなモビリティーの試乗会に参加するなど、積極的な情報収集に努めているところであります。 一方で、急速な少子高齢化や人口減少などの社会経済情勢の変化を背景として、地域公共交通の利用者は長期的に減少傾向にあるとともに、今後、人口減少が見込まれる地区と人口増加が見込まれる地区が存在し、公共交通を取り巻く環境は大きく変化していることから、地域の実情に応じた公共交通の維持や確保は必要不可欠であります。 近年では、地域公共交通を担う運転士不足が深刻化していることや高齢運転者による交通事故の社会問題化に伴い、高齢者などが利用しやすい地域の旅客運送サービスを確保する必要があるなど、市民の移動手段の確保は、重要な課題と認識しております。 こうしたことから、本市の公共交通は鉄道、路線バス及びタクシーのほか、市民の生活交通手段を確保するため、コミュニティバスや高齢者の外出支援としてオンデマンド交通の運行など、市内全域を対象とした様々な公共交通サービスが互いに補完し合う運行体制の構築が求められております。 また、MaaSの導入は、移動する際の利便性の向上や観光振興に寄与することなどを認識しておりますが、その導入に当たっては、地域によって異なる生活環境や公共交通の利用状況を踏まえた持続可能な移動サービスであることが重要であり、また、交通事業者ごとに情報提供や決済など、提供するサービスの状況が異なるなどの課題もあることから、行政だけで取り組むものではなく、利用者のニーズや交通事業者の知見、ノウハウが必要不可欠であります。 本市といたしましては、既存の公共交通サービスであるコミュニティバスや民間路線バス、オンデマンド交通の持続可能な運行を図ることを基本としつつ、地域の課題やニーズを踏まえ、交通事業者をはじめとする関係機関との協議を行い、引き続きMaaSなどの新しい移動サービスの導入について調査・研究してまいります。 次に、エネルギーの地産地消についてでありますが、現在、住宅用省エネルギー設備を設置した市民への補助を実施しており、太陽光発電システムでは、補助を開始した平成21年度から昨年度までの14年間に2,375件の補助を行い、合計最大出力は11.4メガワットとなっております。また、太陽光発電システムに併せて蓄電池設置への補助についても申請する方が増えており、住宅で発電したエネルギーを家庭で蓄電し消費することで、エネルギーの地産地消がより一層図られているものと考えております。 小中学校をはじめとした本市の公共施設におきましては、太陽光発電システムや蓄電池を設置し、発電したエネルギーを施設内で利用しており、今後も新たに整備を計画している施設などにおいて、設置を推進してまいりたいと考えております。 そのほか、本市の成田富里いずみ清掃工場と香取市の太陽光発電所で発電した電力を活用するため、平成28年7月に本市と香取市及びシン・エナジー株式会社が共同出資により、地域電力会社である株式会社成田香取エネルギーを設立し、2市の公共施設に電力を供給しております。 本市では、昨年度から本年度にかけて成田市環境基本計画の中間見直しを実施し、従来の計画の重点プロジェクトであるエコライフによる低炭素なまちづくりを大幅に拡充し、成田市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)として別冊に取りまとめました。 この中で、成田香取エネルギーの活用による電力の地産地消や事業所、公共施設への太陽光発電設備など、再生可能エネルギーの導入、さらには省エネルギーと再生可能エネルギーを組み合わせ、建物のエネルギー収支実質ゼロを目指す建築物のZEB化の推進などを掲げており、ゼロカーボンシティ宣言を表明した自治体として、今後もさらなる推進を図ってまいります。 次に、公共施設への電気自動車充電スポット設置についてでありますが、脱炭素化の取組の一つとして、電気自動車の普及は有効なものと考えております。そのためには、町なかで利用できる充電設備を増やし、充電が少ない場合でも、安心して走行できるような環境を整えていくことが必要であると考えておりますので、公共施設への市民が利用できる充電スポットの設置について、検討を進めてまいります。 神崎勝 議長 眞野議員。 ご丁寧なご答弁ありがとうございました。それでは、自席より質問を続けます。 成田市地域公共交通計画によると、オンデマンド交通の所管が都市計画課のように思えますが、実際には高齢者福祉課が担当しています。この理由について教えてください。 神崎勝 議長 鈴木都市部長。 鈴木浩和 都市部長 オンデマンド交通につきましては、高齢者の通院や買物のほか、気軽に外出できる機会を増やすための交通手段として、高齢者の福祉を目的に運行していることから、高齢者福祉課が担当しておりまして、本市の公共交通サービスの一つとして、地域公共交通に位置づけをしているところでございます。 以上です。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。 実は、この昨年10月から富里市でも従来のコミュニティバスの運行体系を変更して、セダン型の乗用車による富里市デマンド交通の運行を始めました。乗降ポイント方式とドア・ツー・ドア方式の2つを用意して、市民全員が利用できます。運行時間は1日12時間、365日運行。担当は経営戦略課公共交通推進班。ドア・ツー・ドア方式は、70歳以上の方や障がいをお持ちの方、妊産婦の方など高齢者に限っていません。70歳以上の高齢者に限って運行している成田市のオンデマンド交通は、むしろ珍しい形式かなと思っております。 次の質問に移ります。 その地域公共交通網形成のための計画についてです。成田市には、成田市地域公共交通網形成計画と成田市地域公共交通計画があり、協議会としては、成田市地域公共交通会議と成田市地域公共交通活性化会議があって非常に複雑です。それぞれの担当課、そして目的及び相違点について教えてください。 神崎勝 議長 鈴木都市部長。 鈴木浩和 都市部長 まず、公共交通に関する計画策定の経緯から申し上げます。 計画の名称や目的につきましては、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づいておりまして、計画策定を開始した令和元年4月時点で本法律に定められた名称は、地域公共交通網形成計画とされておりました。その後、計画策定を進めるさなかの令和2年11月に法改正が行われました。地域公共交通網形成計画から、地域公共交通計画に名称が変更となっております。したがいまして、改正法に基づき、成田市地域公共交通計画のみが本市の計画として策定したものでございます。 また、法改正におきまして、公共交通ネットワークの確保、充実を図るという趣旨に変更はございませんが、人口の減少や運転士不足などの課題を踏まえまして、地域の多様な移動サービスや新技術などを活用し、地域ニーズに沿った公共交通サービスの構築に取り組むとする新たな視点で見直しが行われております。 このことから、成田市地域公共交通計画には、改正法の趣旨や新たな視点を盛り込むとともに、利用者数や収支などの定量的な目標の設定、評価の制度化なども行っております。なお、計画は策定に当たった都市計画課が所管し、各施策及び計画全体の進行管理に取り組んでいるところでございます。 次に、協議会についてでございますが、成田市地域公共交通会議は、道路運送法施行規則を根拠としており、コミュニティバスやオンデマンド交通など、本市が運営する公共交通の運行内容を協議することを目的としており、交通防犯課が所管しております。 一方、成田市地域公共交通活性化協議会でございますが、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を根拠としておりまして、地域公共交通計画の策定及び実施に関する協議を目的としており、地域公共交通計画を扱う都市計画課が所管しているところでございます。それぞれ根拠とする法律や目的に違いがあることに加えまして、公共交通全体の活性化を図る成田市地域公共交通活性化協議会は、地域ニーズの把握などを図るため、福祉や観光など、より幅広い分野の方々も含めて構成しているところでございます。 以上です。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。 なかなか一度説明を聞いただけでは、私にはちょっと理解し難いところがあり、実は市民の方から、公共交通について調べているときに、目的の地点にたどりつけず、その途中でいろいろな公共交通に関する言葉が出てきて、どうなっているんだと問われて、申し訳ないです、答えられなかったので、いま一度確認させていただきました。ありがとうございます。 先ほどから私はMaaSの話をしているんですけれども、MaaS推進に向けて積極的に取り組んでいる自治体は、MaaS推進協議会を立ち上げ、MaaS推進課ともいいますが、公共交通DXのための横断的な体制を整え、計画立案をしています。 この先、公共交通DXは間違いなく進んでいきます。そのときに、担当課や協議会が複数存在する本市の形だと、なかなかつなぎ目なしのスムーズな地域公共交通網形成の構築が難しいのではないかと感じます。10年後の2035年には、3人に1人が65歳以上の高齢者、オンデマンド交通を高齢者福祉課で扱い続けることは、私は難しいのではないかと考えます。 MaaSへの取組を始めている先進都市では、年齢による補助の仕方を工夫しながら、全ての市民に活用しやすい方法を考えています。先ほどの市長答弁に、市内全域を対象とした様々な公共交通サービスが互いに補完し合う運行体制の構築が求められておりますとあったように、オンデマンド交通の所管を都市計画課に移すか課の新設を行って、2035年問題に対応できる組織づくりが必要だと考えます。市のお考えをお聞かせください。 神崎勝 議長 鈴木都市部長。 鈴木浩和 都市部長 公共交通を持続可能なサービスとして構築をしていくためには、目的や方向性の共有を図り、各関係者がその目的や目標に向かって、施策を進めていくことが重要だと認識しております。 このための取組を具体的に表したものが本市の地域公共交通計画でありまして、本計画に沿って、全ての関係者が必要な取組を進めるよう、引き続き計画を所管する都市計画課を中心といたしまして、各施策の進行管理を行ってまいりたいと考えております。 一方で、現在コミュニティバスやオンデマンド交通それぞれに運行実態を踏まえ、持続を図る上での検討を行っているところでございまして、民間の交通事業者の方もまた同様に、運転士不足などの課題を抱えつつ、運行に当たっている状況と認識しているところでございます。 人口減少や高齢化などの社会情勢を踏まえまして、どのように公共交通サービスを持続していくのかは、行政、交通事業者、利用者の方々など、幅広く関係するこれは地域課題であるというふうに言えると思います。 地域公共交通会議や地域公共交通活性化協議会において、ニーズやその実態を踏まえて公共交通の在り方、そしてサービス提供の方法などについて、幅広く検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。 国は、既存の考え方や仕組みでは解決できない日本の超高齢化社会の対策としても、公共交通DX、MaaSの推進を全国に促しています。 例えば、お隣の四街道市、国土交通省が公募した令和2年度グリーンスローモビリティの活用検討に向けた実証調査支援事業に応募し、全国6地域の一つに選出されています。 グリーンスローモビリティとは、時速20キロメートル未満で公道を走る電動乗合交通で、環境への負荷が少なく、狭い路地も通行が可能で、高齢者の移動手段の確保や観光客の周遊に資する新たな交通手段として期待されているものです。検討を重ねながらも、現在、高齢化が進む千代田団地内で無料で運行しています。 このCO2を排出しない電気自動車の活用というのは、スマートシティづくりの基盤であり、MaaS進捗にはなくてはならないものです。 さて、CO2を排出しない再生可能エネルギーの活用は、自治体のみの努力では進捗しません。市民一人一人の方の意識向上や実際の取組が必要になります。先ほどのご答弁で、太陽光発電システムに併せて、蓄電池設置への補助についても申請する方が増えているとのお答えでしたが、これの具体的な数字を教えてください。 神崎勝 議長 岩沢環境部長。 岩沢宏樹 環境部長 本市では、平成25年度から定置用リチウムイオン蓄電池の補助を実施しております。補助件数につきましては、平成29年度までは最大で年間32件でございましたが、平成30年度は79件、令和元年度は74件、令和2年度は111件、令和3年度は126件、そして昨年度は107件でありました。令和4年度までの延べ件数は603件となります。 以上です。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 蓄電池の補助申請者が増加傾向にあるというのは分かりましたが、今後の傾向についてはどうお考えでしょうか。 神崎勝 議長 岩沢環境部長。 岩沢宏樹 環境部長 蓄電池は、太陽光発電システムに併せて設置することにより、昼間に使い切れなかった太陽光発電の電気をためて、別の時間帯に使用できることに加え、最近では、災害などによる停電時にも電源として使用できるということで、設置が増えている状況にございます。 近年の傾向としては、電気料金の上昇や固定価格買取制度の期間が経過して、電気の買取り価格が下がったご家庭が増えたことなど、こういったにより太陽光発電の電気は、自家消費した方が有利な場合が増えていると考えられます。さらに、蓄電池の低価格化が進み、従来に比べて割安感が出てきたと承知しております。 このようなことから、今後も蓄電池の補助申請は増えていくのではないかと考えておるところでございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございました。ゼロカーボンシティを宣言している本市ですから、こういった補助のさらなる拡充をご検討お願いします。 次に、成田市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の中にある成田市役所エコオフィスアクションの4つの重点取組の中で、公用車については、原則として電動車等を選定することとしますとありますが、現状の公用車の電気自動車比率を教えてください。 神崎勝 議長 野村総務部長。 野村吉男 総務部長 消防車両を除いた本年9月1日現在の本市の公用車は182台で、そのうち電気自動車は4台であり、うち1台は本年3月に導入しており、その比率は約2%となっております。 また、電気自動車以外にも低公害・低燃費など、環境負荷が少ないハイブリッド車を現在9台導入しており、ハイブリッド車も含めた比率は約7%でありますが、今後もリースの更新などに合わせて順次導入を予定しております。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 分かりました。 公共施設への市民が利用できる充電スポットの設置について、検討を進めてまいりますとのお答えが先ほどありましたが、まず市役所駐車場に充電スポットを設置してはいかがでしょうか。窓口が混んでいても、その待ち時間に電気自動車の充電ができるとあれば、待ち時間のストレスがかからない上に、電気自動車普及のための成田市の本気度といいますか、見える化につながるとも思うのです。駐車場の再整備と異なり、すぐにでも実施できるような気もしますが、市のお考えをお聞かせください。 神崎勝 議長 野村総務部長。 野村吉男 総務部長 充電スポットの設置は、電気自動車の普及に有効であると認識しておりますが、市役所駐車場への設置については、庁舎の大規模改修などと併せて検討してまいります。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。大規模改修を待つというお答えでしたけれども、2050年ゼロカーボン期限は近づいておりますので、ぜひ市の本気を示すためにも、複数基の充電スポットの設置を要望いたします。 次に、成田市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の同じく第5章、二酸化炭素排出削減等に向けた5つの重点取組の中に、まち歩きや自転車が楽しめる環境づくり、環境に配慮した交通体系の整備などが挙げられています。CO2排出抑制のための具体的な取組としては、市民や事業者に対して、公共交通機関利用の推奨、ノーカーデーの奨励、新規自動車購入の際には、次世代自動車選定推奨などが挙げられています。 ゼロカーボンシティ実現のためには、公共交通網の整備と環境問題は非常に密接な関係があることは周知の事実です。特にMaaSに取り組んでいる都市は、地産地消のエネルギー活用とともに、脱ガソリン車、そしてその先の脱自家用車を目指しています。こうした都市機能全体に関わる問題については、全庁を挙げた横断的な取組が必要なことは言うまでもありませんが、これまでに公共交通網整備と環境問題について、庁内でどのような意見交換を行ってきましたか。 神崎勝 議長 岩沢環境部長。 岩沢宏樹 環境部長 環境問題は公共交通のほか、行政の多くの分野に横断的に関わっているものでございますので、今回の環境基本計画の中間見直しに当たりましては、庁内の組織であります環境管理委員会におきまして、庁内の意見を集約して計画に反映させてきたということでございます。 ゼロカーボンシティの実現に向けては、組織横断的な取組が必要でございます。したがいまして、各部署において所管する事業につきましても、環境基本計画中間見直し及び地球温暖化対策実行計画の考え方を踏まえて実施していくとともに、必要に応じまして全庁的に意見交換を行いながら、今後も取り組んでまいります。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございました。今後とも全庁横断的な話合いを活発によろしくお願いいたします。 それでは、ここで配付した資料をご覧ください。私が所属する政友クラブで7月に行なった群馬県前橋市の視察のものです。前橋市は、2022年デジタル田園都市国家構想推進交付金事業を活用し、MaaSの取組を開始しています。 まず、資料右上の番号では24と書かれている部分をご覧ください。 「スマホひとつで目的地までらくらくご案内」と題して、バス、鉄道、タクシーなど個々ばらばらの交通サービスではなく、スマホ一つでどれでも利用できる公共交通網の構築を目指しています。2020年に実証実験を始め、僅か2年で社会実装を進めている前橋市のスピーディーな取組には、非常に驚かされました。 電車、バス、タクシーもそうですが、市内のレンタル自転車もICカードで予約決済ができ、使用時に限ってはICカードだけでなく、マイナンバーカードをかざすとロックが外れ、使用ができます。担当者に直接お伺いしたところ、やはり年々利用者が増えていて、環境に配慮した、そして健康に留意した、こういったサイクリング、自転車活用というのは増えているということです。 次に、裏面をご覧ください。裏面の下、めくっていただいて番号41の部分ですが、この今言ったマイナンバーカードが自転車だけでなく、様々な交通機関で利用できるようになっているんです。 それは一体どういうことかというと、このマイナンバーカードのマイタクシステム、これはタクシーを利用するときの例なのですが、このアイディアが非常に秀逸で、マイナンバーカードにはICチップがあるんですけれども、そのICチップには2分の1くらいの空き領域がありまして、そこに直接、市役所に行って、改めて氏名、年齢、住所等を伝えて直接書き込んでいただいて市民認証ができると。これで間違いは起こらないんですね。これで、このデマンドタクシーのマイタク、バス、電車、シェアサイクルまで、利用して、タッチすれば市民と認証して、割引の支援が受けられることになっています。 この資料に記載されているとおり、このICチップの活用は自治体の条例で定めることが可能だそうです。ただ、マイナンバーカードについてはいろいろな議論もありますので、最終的に銀行口座のひもづけというところまでいけば、普通の交通系ICカードと、それからキャッシュカード、タッチ形式で、これも全てキャッシュレスで行われるのではないかというのを目標にはしています。先ほど言った南房総市、あそこも今、実証実験でできるかどうかというのを検討しているそうです。 次に、再び表面にしていただいて、すみません、あっちもこっちも。右上の番号39、下のほうです。 これはデマンドタクシー、マイタクの説明になっております。乗車対象が高齢者に限られておらず、障がいを持たれている方や妊産婦さんの方も利用可能です。これは富里市が始めるというか、多くの自治体で高齢者という区切りは、やっぱりしていないんですね。市民一緒になって、ただし補助の仕方を年齢に、またはいろいろな問題で変えるというのが多くのパターンです。 ここの赤字で書いてありますけれども、既存のタクシーを活用した運賃補助サービスを全市域に導入すると。つまりオンデマンド交通が走っているところと、普通のタクシーが走っているこの料金の差がどうとか、民間を圧迫するとかというのは起きないということです。福祉のタクシーのように扱ってしまうとこうなるけれども、みんな一緒に走って、その中で年齢に応じて後で補助を出すという形式にすれば、民間も困らない。なので、共存共栄が図られるということなんです。 ですから、私も先ほどから言っているとおり、ちょっとMaaSという形で全体の公共交通網、それから民間のタクシー、いろんなことを考えてみるのもひとつ大きな手ではないでしょうかというのは、そこに理由があります。 資料にはないんですけれども、この同じ前橋市のバスの利用の仕方がこれも非常に画期的で、前橋駅から、前橋に県庁があるんですけれども、約3キロの区間、ここに日本でも珍しい6路線の系統のバスが走っているそうです。それぞれ時間も違うし、バス停も違う。これは、利用者の多い時間帯はバスの本数が多いけれども、利用者の少ない時間帯は当然本数がない。市民にとっては非常に不便であったと。それから、同じ時間帯にバスが競合して走るので利益も薄い。これで前橋市は何をしたかというと、この6つのバス会社を集めて共同経営にしましょうと、この区間だけは。これは今もう実現して運行しています。 すごいのは、何がよくなったかというと空白の時間帯がなくなったので、A社は朝の7時台にばっと出す。B社は10時台、割と閑散とするところに回すと。だけど、このA社とB社でそれぞれ上がった収益は、足して2で割る。なので、6社が集まっていますので、トータルで空いているところにバスがあって、乗客が少なくても、利用者が多いところの分を配分するので、結局バス会社全体として非常に利益が上がって、市民のバスの利用率も上がったと。今まで空白の時間にバスが走るようになりましたので。 だから、やればできるんだなと。そんなこと言ったって、できないと思っちゃうんですけれども、できないで話しているとできないのだなと。でも、やるという方向でやると解決するんだなと、これすごく感じました。 私は、成田市、先ほどから言っていますけれども、やはり国際空港を抱えていて、冒頭でご紹介したとおり、ANAもJALも空港と地上の交通の便を一体化すると、つなぎ目なしに。こういったMaaSの取組を積極的にしているんです。それから、JR東日本ももう行っています。千葉交通もそうですけれども、まだ本格的ではないですが。これは成田市、私はずっと成田の空港の更なる機能強化、それから成田空港の持つポテンシャルを最大圏に生かすと。この中に、やっぱりMaaSというのを一つ入れて、スマートシティづくりを目指していくと。 これは自分の意見ですけれども、もちろんですが、更なる機能強化って、やっぱりどこの、周辺部にいても中心部にいても空港の騒音下にいらっしゃる方も、できるだけひとしく同じ公共サービスが受けられる。民間も今みたいに市と協働して、いいよ、公共交通の一つとして民間も参入しましょうと。そうすると、運転士の高齢化問題、コミュニティバスも、それからバスもタクシーも、2035年問題のときには、公共交通の運転士から民間のタクシー、バス会社の運転士も、みんな免許返納になってくるわけです。 免許返納にみんななっちゃったら、どんなに公共交通網を立派にしても運転士がいない、それは皆さんお分かりのことですよね。それをみんなまとめてみんなで、そうすると運転士の働き方改革の時間シフトをずらせばうまくいくんじゃないか、あらゆる可能性があって、これが観光に非常に使われるわけです。 外国から日本に来るときに、成田市が統計を取ったわけじゃない、分からないですけれども、現状成田市はトランジット&ステイ、トランジットの間、時間を使うというパターンの外国人が、統計を取っていないから分からないですが、成田を目標に来ている外国人の方はどれくらいいるのだろうと。でも、外国から全て成田市内のシェアサイクル、シェアリングカー、それからバス、電車、全て外国から航空会社が行っているように、オンラインで予約、決済ができれば、成田は魅力が増すと思います。 先ほど飯嶋重一議員もありましたけれども、観光の方法が変わっているなと。外国人がみんな自転車で回っているな、日本人も回っているなと。だから、そういったことが本当にシームレスにつなぎ目なしで、ICカードをピッピッとやって、そういったまちづくりをやれば、成田市の観光もすごく魅力的になるし、私はやっぱり国際都市成田は、先進事例を見に行くというのはいっぱいあっていいんですけれども、このMaaSということについては、他市から、先進事例だな成田市ってと、多くの行政の方、議員が来るような都市であれば、やっぱり成田市は大きく活性化するとすごく思うんです。 ですから、私の言っていることは、またまたそんな簡単に言ってと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、でも前橋市はやっちゃっていますから。だから、もしもそうかなと思われる方がいたら、ぜひ進捗を前向きにお考えください。 以上で、私の一般質問を終わりにいたします。 ...

眞野 義行 皆さん、こんにちは。議席番号9番、成田を真の国際都市に、政友クラブ、眞野義行です。 通告に基づきまして、一般質問を行います。 今回の質問も、国際都市成田の外国住民の現状について、及び国際交流協会の実施運営についてです。 それでは始めます。まず、皆さんにお尋ねしたいことがあります。外国人とは何人でしょうか。 〔「外国人ですね」と呼ぶ者あり〕 眞野 義行 ありがとうございます。 外国人という人種は、存在しますか。自分の国以外の国のことを「外の国」と表現することをどのように思われますか。私は、この言葉が、日本が島国であり、いまだ閉ざされた国であることの象徴だと思っています。もしほかの国で、外人、外国人と呼ばれたら、気にしない人も多いでしょうが、私は疎外感を感じ、その仲間に入れてもらえないような気がします。 特に、外人という言葉は、古くは平家物語にも登場する言葉で、無関係な人、仲間以外の人という意味も持っています。やや否定的な意味合いが持たれることから、現在ではより中立的な外国人という言葉が使われるようになっています。それでも、何かの場面で外国人とかアジア人などとひとくくりにされたら、日本人としての自意識及び愛国心が強い私は、日本国籍を持つ日本人なんだけどと思ってしまいます。外国人という言葉は、人間のルーツ、個性、誇りを無視して十把一からげにくくってしまうとても乱暴な言葉ではないかと、私は感じています。 また、言葉の持つ力は非常に強く、日本人が外国、外人、外国人という言葉を使い続けることは、日本人と外の人という区別を自ら植え続けている、そういうふうに思っています。私は、このことが日本人の国際化の大きな障壁になっているのではないかと感じています。あくまでも私が感じています。秩序正しく穏やかで礼儀正しいけれども、心を閉ざしている。この言葉は、英語補助教員ALTの多くが共通して口にする言葉です。オープンマインドと皆が口をそろえて言う理由、心を広げて意見をお互いシェアしましょうといって、ここにあると思います。とはいえ、私も便宜上、外国人という表現は使います。 さて、この外国人という存在、日本人にとっては観光客という認識がほとんどではないでしょうか。日本人のおもてなしの心が盛んに世界で評価されますが、それは旅行者やスポーツ集団に対してであって、住民となると冷たいというのが現実です。 さて、皆さん、ここで再び質問です。インバウンドとは、どういう意味でしょうか。私もこの言葉を初めて聞いたときに、うん、インバウンド、bound for Tokyoとか、方向を示す、中に入ってくるから、国内に来る人かと思ったのですが、慌てて調べましたが、これは英語でしょうか。日本人のあるある英語風味の片仮名業界用語でしょうか。国でも本市でも、よく耳にします。これをちゃんと正しく答えられる方はいらっしゃるのでしょうか。僕は分かりませんでした。 コロナ禍後のインバウンド需要の伸びが期待される。インバウンドは日本では、外国人が日本を訪れる旅行のことを指していて、訪日外国人旅行を指し、時には外国人旅行者という意味で使われるようです。しかしながら、これは日本人がちょっと間違った使い方をしている言葉で、和製英語と言ってもいいと思います。英語にもインバウンドという言葉はありますが、旅行に使うとしたら、到着という意味であって、これは外国人のみに使う言葉ではありません。ちなみにアウトバウンドと言えば出発を意味します。 私は、このインバウンドという言葉にあまりなじめません。使い方が不思議な上に、外国人を人として見ておらず、お金を落とすだけの存在として扱っているかのように感じるからです。これも私の感じです。 さて、本市は「住んでよし 働いてよし 訪れてよしの 生涯を完結できる空の港まち なりた」というとても分かりやすい標語を掲げています。しかしながら、本当に残念なことは、「訪れてよし」の部分はインバウンドという言葉で、外国人を真ん中に据えて考えていますが、「住んでよし 働いてよし」という対象に外国人が入っているのでしょうか。繰り返しになりますが、国際都市成田なのに、住んでいる外国人やその暮らしぶりについて、あまりにも無関心ではないでしょうか。 国際空港を抱える成田市は、国際都市として多文化共生のまちの実現について考えるべきです。外国人住民にも関心を持ち、外国人訪日需要の推移とともに、コロナ禍を挟んだ本市の外国人人口推移についても、注視する必要があります。 そこで、お聞きします。コロナ禍前後における人口推移の現状及び今後の見込みについて教えてください。 さて、この外国人という存在について、単なる旅行者ではなく、同じ赤い血が流れる地球人として、日本人が意識せざるを得ない出来事が続いています。まず、昨年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻、それに伴う避難民受入れ、4月28日には、政府の有識者会議による技能実習廃止及び外国人労働者の確保・育成を目的とする新制度創設の中間発表、そしてつい先日、1週間前ですか、6月9日に参議院本会議で、大混乱の中成立した改正入管難民法。緊張感が高まっている台湾有事も含め、戦争や紛争から生まれる難民・避難民についても、他人事ではなく、国の外にもきちんと目を向けなければならない時代になっています。 本市でも、昨年、ウクライナ避難民の受入れという形で国際貢献を行いましたが、現在、ウクライナ避難民の支援内容と、今後の支援計画について教えてください。 さて、この難民・避難民への国の対応については、先ほども話をしましたが、非常に大きな法令改革が閣議決定されました。本来、入管難民法とは、戦争や紛争などで国内にとどまることで、命の危険にさらされる人たちを保護することが目的でつくられたものですが、日本の場合、その門戸は世界で突出して少なく、2022年、昨年の例を挙げれば、申請者3,772人に対して202人、約5%、コロナ前は1%にも達していませんでした。その結果、難民申請を繰り返さざるを得ない難民が後を絶ちません。 その難民申請は、審査結果が出るまで長い時間を要するために、働くことは認められています。仮に難民と認定されなくても、審査請求という手続を行えば、平均で約2年から2年半働き続けることができるという救済措置がありました。しかし、この救済措置が取りあえず難民認定申請をしておけば日本で働けるという風潮を広めることにつながり、偽装難民問題も深刻化しました。 例えば、技能実習として来日し、在留資格切れと同時に難民申請を行い、日本での労働を続けるというような悪い外国人も増えてきたのです。それを指南する悪徳日本人ブローカーもいるようです。こういった本国に強制送還されることを避ける目的で、申請を繰り返す例が見られることから、3回目以降の申請者は、相当の理由がなければ送還されることになりました。本当に苦しんでいる難民を守ろうというのが、今回の改正法の趣旨ですが、難民認定審査が適正に行われるのか、施設内の医療体制の見直しはきちんと行われているのか。これは、2年前にスリランカ人のウィシュマさんの死亡事故ということがありましたが、事件ですね。日本で暮らしたことのない子供たちの保護はどうするのかなど、不透明な部分が多く国会が紛糾しました。 さて、本市は2016年9月に、台湾桃園市と友好都市協定を締結していますが、台湾有事が取り沙汰されている現状で、市制70周年を迎える本市がすべきことの一つに、人道支援の締結を台湾桃園市と行うことがあると、私は考えています。必要があると思います。台湾に限らず世界中で戦争、内戦などが続いていますが、国際都市として難民・避難民の受入れ体制づくりを進めるべきだと考えますが、市の見解をお聞かせください。 次に、様々な資格で本市に在住している外国人の対応についてお伺いします。 まず、外国人相談窓口の運用状況で、相談に対応できる言語及び相談者が使用する言語で、対応が多いものを教えてください。並びに今後の課題についても教えてください。 言語の問題もさることながら、外国人にとって様々な手続を行うためには、日本人以上に複数の課を回る必要が生じます。庁内の連携は必要不可欠だと思いますが、外国人総合相談窓口の現状把握や問題解決のための庁内の情報共有について教えてください。 次に、国際交流協会の自主運営についてお伺いします。 令和元年度から令和3年度の行政改革推進計画の実施結果によると、「新たに語学講座の種類を増やすなど、コロナ禍においても新規会員と自主財源の獲得に向けた取組を行い、一部業務では、事務の移管が進められたが、このまま会員の減少が進んだ場合、自主運営に向けて全ての事務を移管するのは困難である」とありました。まず、直近の国際交流協会の会員数の増減の傾向について教えてください。 次に、国際都市にある国際交流協会が自主運営ができないということは、私は極めて深刻な問題だと思っています。ほかの国際都市には例を見ません。国際交流協会は自主運営に向けた努力をすべきだと思いますが、市としてどのように支援をしていくのか、見解をお聞かせください。 以上で、1回目の質問を終えます。 神崎勝 議長 小泉市長。 〔市長 小泉一成君登壇〕 ◎市長(小泉一成君) 眞野議員の国際都市成田の外国人住民の現状についてのご質問からお答えいたします。 まず、在留外国人の人口状況についてでありますが、コロナ禍前後における市内の在留外国人人口は、令和2年2月の6,304人までは増加傾向にありましたが、同年3月から政府による水際対策として外国人の入国制限が始まった頃から徐々に減少が進み、令和4年2月には5,660人まで減少しました。 しかし、その後は入国制限の緩和などにより増加に転じ、さらに令和5年4月29日に入国制限などの措置も撤廃されたことから、先月末時点には7,292人と過去最高の人口となり、今後も増加が見込まれるものと考えております。 次に、難民・避難民についてでありますが、本市のウクライナ避難民の現状と今後の支援といたしましては、国際空港を擁し、平和都市宣言を行っている本市では、ロシアによるウクライナへの侵攻を受け、ウクライナ支援に関する総合的な相談窓口を文化国際課内に設置するとともに、国から要請を受けたウクライナ避難民1名を、昨年9月から受け入れ、対応に当たっております。 避難された方が市内で生活を始めるに当たり、本市では、国及び県と共に一時金を支給するほか、市のリサイクルプラザで再生品として取り扱っている自転車や食器などを提供いたしました。 また、本市で安心して生活できるよう、国から生活支援金が支給され、本市からは入居するアパートの家賃の補助を行っております。 さらに、避難されたご本人が、日本語学習を強く希望していたことから、市内の日本語学校より学習支援をいただき、現在は、アルバイトをしながら日本語検定の取得に向けて、学習に励んでおります。 なお、アパートの家賃補助につきましては、当初、補助期間を1年間としておりましたが、ご本人の生活状況を考慮し、引き続き補助を行うことといたしました。今後はこれに加え、日本語学校卒業後の就労支援などを行ってまいります。 今後の受入れ体制づくりにつきましては、引き続きウクライナ支援に関する総合的な相談窓口を設置してまいります。 現在、受け入れている1名のほかに、ウクライナ避難民の受入れ要請はありませんが、今後も避難民を受け入れる際には、関係部署が連携し、市内の外国人の受入れのノウハウを持つ関係団体の皆様からご協力をいただきながら、避難された方々が安心して過ごせるよう取り組んでまいります。 また、難民の地位に関する1951年の条約、いわゆる難民条約に定義された難民の方の受入れにつきましては、国が主体的に取り組む事項であり、その対応につきましては、国及び県の指導や助言が不可欠であると考えておりますことから、受入れ要請があった場合には、これらの機関と情報共有を図りながら対応してまいります。 次に、在住外国人についてでありますが、外国人総合相談窓口の運用状況と課題につきましては、令和2年10月に本相談窓口を開設し、英語またはスペイン語で通訳ができる会計年度任用職員を配置して、相談を受け付けております。そのほかの言語につきましては、タブレット端末や電話を用いた通訳サービスにより対応しており、相談対応が多い言語としましては、スペイン語や英語、中国語などであります。 なお、本相談窓口については、広報なりたや市のホームページ、ポスターの掲示、行政回覧、LINE、フェイスブックなどで周知を図っており、相談件数は年々増加してきておりますが、今後も外国人住民の増加が見込まれるため、より一層の周知が必要であることから、効果的な情報提供に努めてまいります。 また、本相談窓口の現状把握や問題解決のための庁内の情報共有につきましては、相談内容が多岐にわたることが多いことから、会計年度任用職員が相談者に同行して関係部署での手続のサポートを行うことで、情報共有を図っております。今後につきましても、相談者が抱える問題を迅速に解決できるよう努めてまいります。 次に、国際交流協会の自主運営についてのご質問にお答えいたします。 まず、会員数の推移はとのことでありますが、成田市国際交流協会は、市民と外国人の相互理解と、諸外国の都市との交流を市民の手で支援していこうと、昭和61年に設立されました。直近10年間の国際交流協会の会員数について申し上げますと、会員の高齢化などにより、減少傾向となっております。 さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、海外との交流が休止したり、国際交流イベントの開催が中止となったりしましたことから、一時は会員数がコロナ禍前の7割ほどに減少いたしました。 このような中、協会では、コロナ禍においても会員が参加可能な活動として、日本語教室をはじめとする各種語学講座を新たに開講いたしました。 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束しつつある中、交流イベントが徐々に再開していることから、会員数は増加傾向に転じ、現在はコロナ禍以前の令和元年度の水準まで戻りつつあるとのことであります。 次に、国際交流協会の自主運営に向けた本市の今後の支援計画についてでありますが、協会の自主運営を実現するためには、市民の草の根交流を推進し、運営の中心的役割を担う人材を確保する必要があり、新たな会員の加入が不可欠と考えております。このことから、本市といたしましては、具体的な支援計画の策定などは予定しておりませんが、協会が実施する交流イベントを、広報なりたや市のホームページなどを通じて広く市民の皆様に周知していくことで、新たな会員の獲得につなげ、協会の自主運営化について支援してまいります。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ご答弁ありがとうございました。 それでは、質問を続けます。先ほど外国人人口が回復してきて、過去最高の7,292人ということでしたが、これは成田市人口13万1,565人、これは5月末のデータですね。もう5.5%を超えてきました。実に20人に1人を超えているという計算です。日本全体での外国人住民の人口の割合は約2%です。そのことから考えても、およそ3倍とは言いませんが、非常に多くの外国人が成田市に突出して暮らすという計算になっています。 さて、一口に在住外国人といっても、様々な在留資格を持って成田市に住んでいます、留学や技能実習という資格もあります。この4月には、美郷台に市内3校目の日本語学校が開校しました。6月には、玉造にホテル業務に特化した外国人技能実習生の入国後講習施設も開校しました。こうした技能実習生、研修生及び留学生を指す中長期在留者の新規上陸後の住居地届出の年間件数の推移を過去5年に遡って教えてください。また、令和5年度5月までの状況も併せて教えてください。 神崎勝 議長 谷平市民生活部長。 市民生活部長 中長期在留者の新規上陸後の住居地届出の年間件数は、平成30年は3,109件、令和元年は3,347件、令和2年は1,553件、令和3年は510件、令和4年は4,168件となっております。また、令和5年1月から5月までは1,845件となっております。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 中長期在留者の新規上陸後の届出件数が、平成30年3,109件、コロナ禍を挟んで昨年は4,168件だったと、この約8倍に増えてきたと。コロナが終わって留学生、実習生が大量に成田市にやってきている。そういうことです。また、今年の1月から5月までの件数も1,845件ですが、先ほど言いましたとおり、今度は10月入学の留学生の増加によって、4,000人を超えていくことは間違いないと思います。 先ほど言いましたが、令和3年の510件が令和4年に一気に8倍の4,168件になっているという事実が物語るものは何か。国際空港を抱える本市としては、アジア諸国との連携や今後も間違いなく増加していくであろう外国人との共生社会づくり、これに関心を持たなければならない。これはもう自明の理です。訪日外国人に関心を持つだけでなく日本経済の下支えをしている技能実習生の存在を心に留めておいてください。また、この技能実習生の制度問題については、私たち政友クラブの飯嶋重一議員がよくご存じです。ご自身の農業経営の中で、15年にわたって技能実習生の方を雇用してこられました。日本の農業の担い手として、外国人採用の重要さと、既に日本が迎えているこの技能実習生の制度の問題、その危機について実感として体感されています。 それでは、次に難民・避難民について質問します。 現在、1名のウクライナ避難民を受け入れているとのことですが、家賃補助の額は幾らで、その継続期間をいつまでと考えていますか。 神崎勝 議長 伊藤シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 本市では、成田市ウクライナ避難民の住居の家賃等に係る補助金交付要綱を策定しており、家賃補助の上限は1人世帯の場合、月額5万5,000円を上限と定めております。また、補助金を交付する期間は、交付決定を受けた日から起算して1年を限度と定めておりますが、やむを得ない事由等があると認めるときは、その期間を1回に限り延長することができます。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。その避難民の方なのですが、現在、日本語学校に在籍中とのことですけれども、卒業時期をいつと考えていらっしゃるのでしょうか。 神崎勝 議長 伊藤シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 現在、本市にお住まいの避難民の方につきましては、昨年10月より市内の日本語学校より、学習支援のご提供をいただいておるところでございます。そのご本人につきましては、本市で受け入れた当初は、1年をめどに本国に帰国したいと希望しておりましたが、ウクライナでの紛争が長期化していることから、現在、卒業時期も含めまして、本人の希望を再度確認しながら、国や関係者と今後の支援などについて現在協議をしているところでございます。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。ぜひ継続的な支援をお願いしたいと思いますが、難民・避難民の受入れに関しては、ほとんどの自治体で国際交流協会が主体となって行っていると思いますが、本市の状況について教えてください。 神崎勝 議長 伊藤シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 本市で受け入れた避難民の方につきましても、行政手続や各種契約手続などの際に、成田市国際交流協会に登録のあるウクライナ語、ロシア語、英語の語学ボランティアにご協力をいただいております。 また、昨年度は国際交流協会が開催する日本語教室に受け入れていただいたほか、協会の交流イベントにもご招待いただき、ほかの会員の皆様と交流を図っていただいたところでございます。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 実際に市民の方と交流を図っているということは、とてもすばらしいことだと思います。また、担当課の職員の方も、定期的に本人に会いながら叱咤激励をして、何とかということで活躍されているというのもよく分かっております。 ただ、ちょっと残念なのが、こういった事実が、恐らく議員の皆さんにも、今こういう状況で、避難民の方が暮らしているというのを、あれ、そうだったかと思われている方は多いのかなって。それから市民の方も、私たちが募金して昨年やって、ああいった行動、その後の経過がとうなっているかというのが、なかなか表に出てきていない。 もちろんこれは個人情報の保護の問題がありますので、難しいところは当然分かりますが、実際にこの交流イベントに私も一緒に参加しましたが、そのイベントに参加した人とウクライナの料理を作って食べようという、すごく楽しいものでしたが、その方たちはもう知っているので、だからそういったこの発信はして、そういった地道な活動が草の根活動の一環になって、成田市はきちんと難民・避難民の受入れを継続的にやっているのだと、私たちは国際都市の一市民として、募金が直接使われてなくても参加できているのだと、そういうことを伝えていくことがすごく大事で、もったいないですよ、本当によく今やっているので。だから、もっと自信を、自信というか、自信がないわけではないでしょうが、もっとうまいこと宣伝をして、成田市のやっていることを広くみんなに伝えていただきたいと思います。 その難民・避難民の受入れについては、入管難民法が改正されたところであり、国の動向を注視する必要がありますけれども、国・県からの要請後の個別対応で、これから動いていくことが多くなると思うのですが、その対応ができるような組織がちゃんとないと、そのたびごとに担当課の方、また3年ごとに職員が代わっていくというのもあって、ここで右往左往する。また引継ぎもなかなか難しいと。なので、私は前にも言いましたが、日本の表玄関として存在している国際都市成田には、多文化共生課のような新しい部署をつくって、一本化できるような市であってほしいと思いますが、市の見解をお聞きします。 神崎勝 議長 伊藤シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 まず、難民の受入れ実績がある千葉市によりますと、受入れ要請があった際は、国の主導の下、国と連携をして準備を進めると伺っております。 現在、本市におきましては、ウクライナ避難民の支援につきましては、総合的な相談窓口を文化国際課内に設置し対応に当たっておりますので、今後も引き続きやっていきたいと思います。 避難民の受入れにつきましては、住宅、子育て、教育、福祉など、必要となる支援の関係部署が多岐にわたるほか、言葉や生活習慣の違いなどの課題もあることから、相談窓口が中心となって関係各課と連携するとともに、国や県、成田市国際交流協会などの関係団体の協力をいただきながら、避難された方々にとって必要な支援を迅速に提供できるようにしてまいりたいと考えております。このことから、議員ご提案の部署の新設につきましては、現状としては考えておりません。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。 その多文化共生課のような新設について、今度、同じような質問で、外国人総合相談窓口を開設しておられる市民協働課の方にちょっとお伺いしたいのですけれども、先ほどのご答弁で、会計年度任用職員が相談員に同行して、関係部署での手続のサポートを行うことで、情報提供を図るということでしたが、外国人総合相談窓口という名称なわけですから、ワンストップ窓口であるべきではないかと。言葉、文化の異なる外国人の不安を解消するためにも、関係部署が定期的に情報交換を行い、相談者が抱える問題を迅速に解決できるようにすべきだと思います。同じ質問になりますけれども、多文化共生課のような部署の新設が必要であると考えますが、改めて市の見解をお聞かせください。 神崎勝 議長 谷平市民生活部長。 市民生活部長 本市の外国人総合相談窓口は、各種手続における窓口を一つに集約し完結するワンストップ窓口ではございませんが、窓口で伺う相談は、市から届いた手紙が日本語であるため、内容が分からないというものや、生活に係る相談など多岐にわたっております。会計年度任用職員が相談者に同行することで、言葉が分からないという不安を取り除き、関係部署の職員と一緒に対応することで、必要な情報につきましては共有し、解決できるように努めております。このようなことから、部署の新設につきましては、現在としては考えておりません。 以上でございます。 神崎勝 議長 眞野議員。 眞野 義行 ありがとうございます。市民協働課の窓口の方は、本当によく働いてくださっていて対応も、ただやっぱり言葉の語弊があって申し訳ないですが、どたばた感がある。それはなぜかというと、担当課が多岐にわたる、答弁にもありましたが、だからどこに連絡をする、誰と連携する。これが、そのたびごとに、相談の内容ごとに違っちゃう。だから、ワンストップじゃないかと私は言っているんです。 例えば、国際都市なのに1階の市民課の脇に外国人専用窓口がない。外国との文化交流をする窓口が4階にあって、市民生活相談をする窓口が2階にあって、実際の手続が1階の市民課でやると。 外国人にとって、成田市は「住んでよし」のまちになっていますかと冒頭でも言いましたが、ワンストップ国際交流拠点はできるんですよ、すばらしい資料を作って。どうしてワンストップ国際人流拠点ができないのかが、物すごく不思議なのです。だって、費用などは一体幾らぐらいかかるんですか。ワンストップにしないと外国人に優しいまちにならないですよ。多文化共生課のような部署の新設を行って、国際交流協会と連携して運営を行うことは、そんなに大変なことなんですかね。私は、すぐできる、やるかやらないかの二択だと思います。だから、ぜひその実施に向けて考えていただきたいと思います。 時間がなくなってきましたので、先ほどのご答弁の中に、市民の草の根交流の推進とありましたが、草の根交流というものが一体何であるかというのは、なかなか細かく言うことは難しいことではありますが、例えば私が考える草の根活動というのは、日常生活をサポートすることです。したがって、相談窓口が国際交流協会で、そこから内容によって、行政担当課や暮らしサポート成田が引き受けていくと。現在のような多重構造では、まずどこに行けばいいのか分からないんです。本当に想像してみてください。 例えば、アラビア語は世界の中で三大難解言語と言われていますが、ずっと何か一筆書きみたいな文字は全然分からないです。アラビアにぽんと行って、さあ暮らそう。バスはどうやって乗るのか。前から乗るのか、後ろから乗るのか、小銭は使えるのか、幾らなのか、カードは使えるのか、バスに乗ることすら分からないのです。全部分からない。その中で、では担当課はどこだと言われたって分からないです。ホームページを見たって全然分からないです。 だから、そういうサポートをするためのやっぱりシステムが、成田市にないというのはすごい残念でなりません。気軽な相談からDV、それから離婚相談まで、実は今も2件を私は抱えながら、自分がいろんな課に連絡しながら調整してやっているところもありますけれども、そこに行けば、取りあえず安心ができる場所を用意することが、「住んでよし 働いてよし」のまちづくりになるんじゃないですか。 インクルーシブの推進と、昨日、水上議員のほうからも提案がありましたが、ちょっと間口を広げて、自分たちの中がうまくいっているのではなくて、外を見て、ほかの考え方といろいろ意見をシェアしながら、同じ赤い血が流れる地球人として、みんなが教育、勤労、医療をひとしく受けられる都市をつくるというのは、そんなに大変なことではないと思うのです。 最後になりますけれども、ある県内の公益財団法人として自主運営している国際交流協会の職員の方のお話を紹介します。30分ぐらい熱く語っていただいたのですが、昔は、松戸市、市の職員が3年間出向で国際交流協会にいたのです。 今はちょっと取りやめになっちゃっているのですが、この方が言った言葉の中ですごく印象に残ったのは、コロナ禍前から実習生や留学生が多いのですが、彼らが過ごした私たちのまちを、帰国した後に再び訪れてみたい。そして、将来住んでみたいと思えるようなまちにしようと思っています。大切なことは教育です。そして、優良な外国人をいかに増やすかです。先の長い話になりますから、ただ5年、10年後を考えた種をまく必要があると思って活動しています。 以上で、一般質問を終わりにします。...

眞野義行 議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして、一般質問を行います。 今回の質問も、多文化共生のまち実現についてです。 それでは始めます。昨年12月、3年ぶりに岡田日本語教室、岡田先生主催の国際交流の集いが開催されました。日本語スピーチ発表会や民族舞踊などが披露され、とてもにぎわいました。日本語スピーチ発表会では、インドネシア、香港、スコットランド、ペルー、アメリカ、スリランカ出身の6名の方が、5分以内でそれぞれご自身が決められたテーマに沿ったスピーチを行いました。 「誤解」をテーマにしたインドネシアの青年は、日本語の難しさから、様々な誤解が日常生活に生まれることをテーマにしましたが、スピーチの最後に、「誤解は1回で済むようにしたい」というジョークで会場を沸かせました。 また、日本に住んで約20年間のアメリカ人の男性は、成田市の変遷について、昔は空港があるだけの田舎だったけれども、今はインターナショナル田舎になったということで、こちらも秀逸な表現で大爆笑を取っていました。 出場した方々は皆、自分の思いを日本語で一生懸命発信していました。こういった日本語スピーチ発表会をもっと多くの日本人の方々が聞く機会があれば、外国人に対するイメージもさらによくなるんではないかと思います。 ところで、極めて慎重な対応を取り続ける日本と異なり、世界では完全にコロナ前と同じ人流・交流が生まれています。国際空港を抱える成田市は、多文化共生のまちの実現について考えるときに、コロナ禍を挟んだ成田市の外国人人口の推移についても、十分注視、考慮する必要があると思います。そこで、現状及び今後の人口推移の見込みについて教えてください。 さて、2016年より施行された成田市総合計画「NARITAみらいプラン」、皆さんもご存じのとおり、12年間の基本構想、4年ごと3期に分けた基本計画、3年単位の実施計画から成り立っています。実施計画については、計画の実効性を高めるため、毎年度ローリング作業を行い、予算編成作業の指針とすることにしており、その作業過程の中に行政評価の観点を取り込み、PDCAサイクルを構築することによって、より戦略的な行政運営を目指していますとあります。 7年が過ぎようとしている現在は、第2期基本計画に入っていますが、このNARITAみらいプラン第3章にある国際性豊かなまちづくりについてお尋ねします。 そこには、①国際理解を促進する②国際交流を推進するという、まさに国際都市成田として取り組むべき2つの重要な項目があります。そして、8年後の目指す姿として、「多くの市民がグローバル化に対応し、多様な文化や価値観を受け入れ、英語で自分の思いを発信するコミュニケーション能力が向上しています。また、外国人との相互理解により、誰もが住みやすく魅力ある多文化共生のまちが実現しています。」また「成田国際空港を窓口として世界各国から多くの来訪者が訪れるとともに、多くの外国人が市内に在住し、国際交流イベントや友好・姉妹都市との交流が、市民を中心として行われています。」とあります。 つまり、2027年までの残された5年間で、多くの成田市民が、国際人としての自覚を持ち、国際感覚を身につけ、英語で外国人と意見交換ができ、市民自ら様々な多文化交流イベントを実施している世界が広がっている。夢のような多文化共生都市をつくると宣言してあります。この目標そのものは、国際都市としてすばらしいものであり、私も本当に実現するんであれば、もう世界に誇れる国際都市成田だと思っております。ただ、これを現実のものにするためには、かなり思い切った施策が必要と考えます。 そこで、お尋ねします。12年間のうち7年間が過ぎようとしていますが、国際理解を促進するという目標に対して、これまでどのようなPDCAサイクルを構築し、戦略的な行政運営を行っているのでしょうか。 さて、多くの市民が英語で自分の思いを発信するコミュニケーション能力が向上するためには、英語教育の重要性は言うまでもありませんが、年々多言語化していく外国住民との相互理解には、むしろやさしい日本語の普及が必要であるという考えが近年の主流になっています。近隣市町村である佐倉市、富里市、八街市、四街道市、印西市などは、市と国際交流協会連携の下、昨年から日本語教室を再開しています。本市の一番歴史ある中央公民館日本語教室の現状はどうなっているのでしょうか、教えてください。 次に、私が2021年12月議会で質問した「全職員が多文化共生の重要性を理解し、共通認識を持って職務に当たるためには、どのような具体策を検討しているのでしょうか」及び「地域住民と外国人住民との顔合わせを含めた地域共生社会への第一歩としては、行政主導の災害時における外国人対応の訓練が最も効果的だと思いますが、その計画はありますか」との問いに対して、「昨年度から避難所担当職員研修会の中で、やさしい日本語を研修項目に取り入れています。」「本年度は、本庁のみならず出先機関も含めた各部署、13部47課から選任された306名の職員が受講しています。」また「地域の自主防災組織や避難所運営委員会に、外国人住民が参画されることは、住民活動による地域防災力のさらなる向上が期待されますことから、今後も引き続き地域との連携・協働を図っていく中で、外国人住民を含めた市民との協働による訓練に取り組んでまいります。」とのご答弁をいただきました。それぞれについて進捗状況を教えてください。 また、私は、2021年9月議会で部活動の在り方に関する質問として、スポーツリーダーバンクの拡充について質問しました。その答弁として、「スポーツ分野だけではなく語学や観光などの人材も充実させていただきたいと考えております。」とのご答弁をいただきました。現在は、スポーツツーリズム人材バンクという名称に変わり、新たな取組を始められていると思いますが、その状況を教えてください。 以上で1回目の質問を終わります。 荒木 博議長 小泉市長。 〔市長 小泉一成君登壇〕 小泉 一成市長 眞野議員の多文化共生のまちの実現についてのご質問にお答えいたします。 まず、コロナ禍における市内の在留外国人の人口状況についてでありますが、外国人人口は、令和2年2月の6,304人までは増加傾向にありましたが、同年3月から政府による水際対策として外国人の入国制限が始まった頃から徐々に減少が進み、令和4年2月には5,660人まで減少しました。しかし、その後は入国制限の緩和などにより増加に転じ、令和5年1月末時点には6,802人と過去最高の人口となり、今後も増加が見込まれるものと考えております。 次に、NARITAみらいプランの基本目標「国際性豊かなまちづくり」について、どのようなPDCAサイクルを構築し、戦略的な行政運営を行っているのかとのことでありますが、外国人住民の生活を支援するための総合相談窓口の開設や、日本語教育補助員を各学校へ派遣し、日本語が十分に理解できない外国人児童生徒の支援を行うとともに、海外の友好姉妹都市との交流や国際交流イベントなどを通じて、国際理解や国際親善の推進を図っております。これらの事業につきましては、行政評価及び実施計画ローリングの策定作業の過程を通して、PDCAサイクルに基づいた事業の実施に取り組んでいるところであります。 具体的な取組といたしましては、令和2年10月に外国人総合相談窓口を開設し、外国人相談員が外国人住民の生活に係る相談対応や情報提供を行っております。 本相談窓口につきましては、広報なりたや市のホームページ、ポスターの掲示などで周知を図っており、相談件数は年々増加してきております。本年度は、より一層の利用につながるよう行政回覧や、新たにLINEやフェイスブックを活用し、近くで困っている外国人住民に本相談窓口を伝えていただくようご案内をしております。 また、国際交流事業につきましては、これまで成田市国際交流協会と連携して友好姉妹都市とのホームステイ交流をはじめ、スポーツや文化芸術を通じた交流、また国際交流イベントの開催などを行ってまいりましたが、いずれも新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により休止を余儀なくされており、行政評価において、目標とする指標を達成できておりません。 本市では、このことを踏まえ、対面によらない新たな交流方法として、令和2年12月に、アメリカ・サンブルーノ市との姉妹都市締結30周年を記念し、私とサンブルーノ市長のオンライン会談を、昨年4月には、本市と台湾・桃園市との学生同士のオンライン交流を行いました。また、10月には、桃園市と友好都市を締結している都市の担当者らが、オンライン会議を開き、コロナ禍での国際交流の事例について発表し、その成果や今後の展開について、意見交換をしたところであります。さらに、同月、日中国交正常化50周年を記念して中国咸陽市で開催されたシンポジウムに、友好都市である京都府宇治市と本市、また成田日中友好協会の皆様とオンラインで参加いたしました。 オンライン交流は、訪問団による交流に比べ、一度により多くの人数が参加できること、また、子供でも気軽に参加できるという利点があります。その一方で、時差を考慮する必要があり、訪問団による交流に比べ、交流できる時間が制限されるという課題があります。 これらのことから、今後は、新型コロナウイルス感染症の収束を見据えて、友好姉妹都市の実情等も踏まえながら、これまでの対面での交流と、新たな交流ツールとしてオンライン交流を組み合わせるなど、それぞれのよさを生かした交流を推進してまいります。 国際交流イベントにつきましても、休止となったり開催が制限されたりする状況が続いている中、国際市民フェスティバルにつきましては、市民を中心に組織された実行委員会において、イベントの企画運営を行ってまいりましたが、開催目的や内容を見直し、本年度で終了することといたしました。今後は新たに実行委員会を立ち上げ、市内に在住する外国人と日本人住民が交流し、互いの文化について学ぶことを目的としたイベントを開催してまいります。 また、昨年度策定した成田市多文化共生指針における取組につきましても、職員一人一人が多文化共生の重要性を理解し、多文化共生社会を実現できるよう、情報を共有し、庁内で連携してまいります。 次に、やさしい日本語に係る庁内研修の進捗状況についてでありますが、やさしい日本語は、日本語の理解が十分でない外国人に分かりやすいよう配慮されており、外国人のみならず、高齢者や障がいのある方などと意思疎通を図る上でも有用なものと認識しております。 成田市多文化共生指針において、多文化共生のための環境づくりを基本目標に掲げ、やさしい日本語の活用啓発を具体的な取組の一つとしており、本年度、国が開催した公的機関向けのやさしい日本語研修を外国人相談員が受講し、外国人住民からの相談対応に活用しております。また、職員一人一人がやさしい日本語への理解を深められるよう、研修資料を庁内で共有しております。 やさしい日本語に限定した職員研修は実施しておりませんが、本年度から新規採用職員研修における接遇の1項目として、また、全職員を対象とした接遇研修の1項目として、やさしい日本語での言葉遣いについて取り扱っております。 また、毎年、接遇強化月間を設け、「あいさつ」、「言葉づかい」、「電話対応」といったテーマで、全職員が接遇向上の取組を行っております。昨年6月に実施した接遇強化月間では、テーマとした「言葉づかい」の1項目として、やさしい日本語を取り上げることで、職員一人一人が、誰にも分かりやすい説明や多文化共生への意識づけにつなげていけるよう取り組んでおります。 今後も、やさしい日本語に対する職員の意識の醸成を図っていくため、研修について調査研究してまいります。 次に、災害時における外国人対応の進捗状況についてでありますが、本市の地域防災計画では、言語、生活習慣、防災意識が異なり、日本語の理解が十分でない外国人を「要配慮者」として位置づけ、多言語のパンフレットなどの作成により防災知識の普及を図るとともに、語学ボランティアの確保などで、災害時における情報提供や安全確保の体制整備を進めることとしております。 具体的な取組としましては、市域の浸水想定区域や土砂災害警戒区域などの危険性をはじめ、災害情報の入手先や避難所に関する情報などを記載した成田市防災ハザードマップを8か国語で、市のホームページにて公開するとともに、新たに転入された外国人住民には、防災情報を記載したパンフレットを転入手続の際に配付しております。 さらに、昨年度からは、増加する外国人住民の安心安全な暮らしを守るため、防災情報等を迅速に伝達するなりたメール配信サービスを8か国語に多言語化するとともに、今月からは、転入時などに配布している防災パンフレットを、4か国語から8か国語に拡充したところであります。 また、災害時における避難所運営の基本的な活動を記載した避難所運営マニュアルにおいては、外国人への対応として、食事などの文化や習慣にできるだけ配慮するよう明記するとともに、避難所での共同生活上のルールなどをまとめた外国語版のシートを作成し、各避難所に配備しております。このほか、災害時に指定避難所を開設する市の担当職員に対しては、やさしい日本語を使用した外国人対応の研修を継続して実施しているところであります。 一方、災害時における地域との連携・協働という面におきましては、公助としての公的機関の活動には限界があることから、自分の命は自分で守るという自助や、自分たちのまちは自分たちで守るという共助の考え方に基づき、地域ごとに自主防災組織や避難所運営委員会の発足を働きかけるとともに、これらの組織に外国人住民が参画されることは、住民活動による地域防災力のさらなる向上が期待されることから、地域に居住する外国人の参画を防災講話や避難訓練などを通じて依頼しております。 そのほか、新たな取組といたしましては、国際医療福祉大学の外国人留学生を対象に、防災対策や災害時の行動手順などの啓発をはじめ、初期消火訓練、地震体験車を用いて大地震の揺れを体験していただくなど、幅広い体験学習も実施いたしました。 また、新型コロナウイルスの影響で避難訓練の開催が困難な状況でありましたが、昨年11月に開催した総合防災訓練においては、外国人の避難も想定した取組も実施したところであります。 今後も様々な機会を通じて、多文化共生の視点に配慮しながら、自助・共助・公助の取組を促進し、災害時における外国人支援体制の推進に取り組んでまいります。 次に、スポーツツーリズム人材バンクの状況についてでありますが、成田市スポーツツーリズム人材バンクは、これまでのスポーツリーダーバンクにおけるスポーツ指導者だけではなく、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて育成した都市ボランティアから語学や観光などスポーツの分野のみならず、多様な人材の登録・紹介を行う制度として機能を拡充し、令和3年10月1日から運用を開始いたしました。 現在、スポーツ指導や通訳、観光案内、看護など様々な専門的知識を持つ44名の方にご登録いただいており、本年度の実績といたしまして、全日本女子硬式クラブ野球選手権大会では看護師として、また、ガールズベースボールクリニックでは通訳としてご活躍いただいたところであります。 今後も、成田市スポーツツーリズム人材バンクが本市におけるスポーツツーリズムの推進やスポーツ振興に寄与するよう、多様な人材の確保に努めるとともに、広く活用していただけるよう、広報なりたや市のホームページ、成田ケーブルテレビなどにおいて、本制度の周知を図ってまいります。 なお、多文化共生のまちの実現についてのご質問のうち、学校教育におけるNARITAみらいプラン基本目標への取組及び公民館の日本語教室についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 荒木 博議長 関川教育長。 〔教育長 関川義雄君登壇〕 >教育長 私からは、多文化共生のまちの実現についてのご質問のうち、学校教育におけるNARITAみらいプラン基本目標への取組及び公民館の日本語教室についてのご質問にお答えいたします。 まず、NARITAみらいプランの基本目標「国際性豊かなまちづくり」について、どのようなPDCAサイクルを構築し、戦略的な行政運営を行っているのかとのことでありますが、国際性豊かなまちづくりに向けて教育委員会といたしましては、児童生徒の国際理解を促進するため、英語教育や国際理解教育、異文化体験事業の拡充など、国際的視野を育むような学習機会の充実に努めております。英語を用いて積極的にコミュニケーションを図ることのできる児童生徒の育成、外国人に対して物おじしない児童生徒の育成、他国の文化に触れることにより自国の文化も大切にできる児童生徒の育成、この3点を目指す教育が国際理解教育であると捉え、各学校での実践を支援しているところであります。 また、国際交流の推進の取組といたしましては、コロナ禍で見合わせていた他校に勤務しているALTを招いた国際交流活動や、成田山表参道での外国人へのインタビュー活動などを再開している学校もあります。さらに、本年度は、市内複数の学校で海外の学校とオンライン交流を行い、異文化理解を深める機会を持つこともできました。 本市の英語教育の取組に対する検証につきましては、全ての小中学校で実践している英語教育について、大学教授や県の指導主事、高校教員、市内小中学校教員から成る成田市小中学校英語教育に関する検討委員会を年3回開催し、広くご意見をいただき、英語科研究開発事業の改善を図っております。 検討委員会で出された意見や、児童生徒や保護者、教員を対象に実施している成田市英語科アンケートの結果を生かした上で、新学習指導要領との関連も図りながら次年度に向けた指導案の作成を毎年行ったり、ALTや小中学校教員を対象にした研修会の内容を工夫したりしております。ALTと児童生徒が1対1で英語面接を行う英語効果測定についても、市全体や学校ごとの児童生徒の英語によるコミュニケーション能力を細かく測定し、数年間の経年変化を分析しております。 英語科研究事業の成果として、NARITAみらいプランのまちづくり指標の一つである、小中学校英語アンケートの「英語の学習が好きですか」との設問に対する肯定的な回答の割合は、令和3年度調査において89%となり、目標値の88%を達成したことなどが挙げられます。また、本年度に行った成人式アンケートでは、「ALTがいたことは英語を学ぶだけではなく、外国人と触れ合うよい機会であった」、「アルバイトで外国人への対応をした際、学んできたことを生かせたと実感できた」など、本市の英語教育の経験が生きているといった回答が見られました。 このように、今後もPDCAサイクルに基づいた事業を実施し、NARITAみらいプランの理念をALTや学校の教員と共有しながら、多様な文化や価値観を受け入れ、英語によるコミュニケーションを主体的に図ろうとする心豊かな児童生徒を育成することを目指してまいります。 次に、公民館の日本語教室の現状についてでありますが、公民館では、地域のコミュニティへ溶け込みやすくなるように、日常の会話を中心としたコミュニケーション方法を学ぶ目的で、日本語ボランティアの方々にご協力いただき在留外国人を対象とした、外国人のための日本語教室を開催しております。この日本語教室は予約なしで気楽に参加できることもあり、多くの外国人に受講していただいております。 その中で、日本語ボランティアと外国人、さらには外国人同士の交流の場としても活用がされているところでありますが、本教室は、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年3月から休止しておりました。この間、日本語ボランティアの代表の方と、継続的に協議を重ねてまいりましたが、現在、本年4月からの再開に向けて準備を進めているところであります。 教育委員会といたしましては、引き続き外国人のための日本語教室を開催し、在留外国人に対して日本語を学ぶ機会を提供してまいります。 荒木 博議長 眞野議員。 眞野義行 ご丁寧なご答弁ありがとうございました。残りが9分になってしまいましたので、質問はたくさんあるんですが、もし残したものは予算委員会で継続的に聞かせていただきたいと思います。 すみません。それでは質問を続けます。 先ほどのご答弁で、令和4年12月末時点には6,792人と、過去最高の外国人人口となったとのお話でした。5%くらいですか、計算が間違ってなければ。外国人登録人口の過去5年間の推移を教えてもらえますでしょうか。 荒木 博議長 谷平市民生活部長。 市民生活部長 各年1月末日の人口で申し上げますと、平成31年は5,731人、令和2年は6,266人、令和3年は6,193人、令和4年は5,685人、令和5年は6,802人となっております。 以上でございます。 荒木 博議長 眞野議員。 眞野義行 外国人人口は、回復してきて過去最高ということなんですけれども、海外から成田市へ転入手続を行った外国人の人数の過去5年間の推移を教えてください。 荒木 博議長 谷平市民生活部長。 市民生活部長 海外から成田市へ転入手続を行った外国人の人数といたしまして、中長期在留者の新規上陸後の住居地届出の年間の件数を申し上げます。 平成30年は3,109件、令和元年は3,347件、令和2年は1,553件、令和3年は510件、令和4年は4,168件となっております。 以上でございます。 荒木 博議長 眞野議員。 眞野義行 コロナ禍で停滞していた令和3年の510件が、この令和4年に一気に8倍の4,168件になったということで、これが過去最高ということは、改めて驚くことです。中長期在留者の新規上陸後の住居地届出の多くが、つまりこれは技能実習生や留学生であることを考えると、国際空港を抱える本市としましては、アジア諸国との連携や今後、間違いなく増加していくであろう外国人との共生社会づくりに関心を持つことが必要であると、これは自明の理だと考えます。 ちょっとここで例を挙げますが、例えば、最近よく本市と比較対象となる印西市では、国際交流協会が昨年から日本語教室「りぼん」を再開していて、これは市が中心になって、各公民館のことを統括している。ちょっと成田市が独特だと思うんですが、市が管轄しているんです。これは、多くの都市でやられていることですが、この1年間で急激に増加し100名を超えたと。その中でも、特に外国人の子供が増加しているということです。 この日本語教室は、コロナ禍の中、外国人住民が孤立するのを防ぐため何を行ったかというと、教室で学んでいた外国人に食料支援を行ったということです。これは、社会福祉課云々ではなくて、この国際交流協会がこういう人道支援、地道な人道支援を行っているということです。 印西市の多文化共生のまちづくり推進のための取組も、少し紹介させてもらいます。例えば、2014年と2019年に印西市は、外国人市民意識調査として、印西市在住の満18歳以上の外国人市民全員に対して、郵送によるアンケート調査を行っています。目的は、多文化共生のまちづくりを推進するに当たり、外国人市民の生活やニーズを把握し、今後の施策への参考とするためだということです。1回目の回収率は23.6%で、2回目は34.8%でした。 また、この10年間、企画財政部企画政策課が主催する印西市国際化推進懇談会を毎年2回から3回継続して開催してきています。その会議は、日本人が9名、外国人が6名の計15名で構成されています。先月1月に開催された会議での発言の一部をご紹介します。 「印西市は、数年続けて住みよさランキング1位になったが、外国人にとって本当に住みよいまちかどうか分からない。外国人にとっても住みよいまちになり、それが何らかの指標として表れてくるとよいと思う。」 また別の委員からは、「日本人の地域住民がどの程度外国人に関心があるのかに興味がある。市や国際交流協会でもいろいろ取り組んでいるとは思うが、外国人に対する市民の意識を変えていくことが重要であり、市民から新しい仕掛けをしていくような取組も必要である。」 また「印西市国際交流協会では、国際協力機構の草の根プロジェクトとして、タイの自治体と湯河原町が行っている、介護ケアシステムの連携プロジェクトに協力していくことになった。」と、こう言って印西市は若者人口がいっぱい増えていく。成田市は少しずつですが減っている。 今回グーグルが印西市に日本初のデータセンターを建設すると発表したこと。これは、私は実は成田市にとっては結構ショックな話ではないかと、私の中では個人的に思っています。なぜなら、この日本初のデータセンターを建設すると発表したということは、これは印西市が国際都市として大きく踏み出すきっかけになったと思っています。それは、グーグルブランドがIT企業進出の呼び水になる可能性もあると思っているからです。千葉ニュータウン地区を中心に若いファミリー層の流入が続いている現状での大手海外企業の進出は、若い外国人や富裕層の外国人の増加にもつながり、ますます都市に活気が出るのではないかと。これでもし印西市に国際中等教育学校やインターナショナルスクールの誘致が始まれば、どういうことになるのか。 私は、この印西市の方とちょっと話したのですが、すごく目が外に向いています。国内の限られた人材でどうするかではなく、外の人材をどう活用するか。ものすごくこれを考えていて、私は話していてすごく気持ちがよかったです。こういう話をしたいんですが、どの方に話をしたらいいのかが、すごく成田市の中で、自分はこの4年間活動してきて、誰に話したらいいんだろうって。国際交流のことは文化国際課が担当だ、シティプロモーション部が担当とか、理念をつくるのが市民協働課であるとか、本当に僕の意見ですが、すみません、違うんですよ。 例えば、印西市は、企画政策、これがまちをつくるということについて、外国をどう取り込んでくるかというこのまちづくりは。申し訳ない、語弊があったら困るんですけれども、窓口で対応する部署が理念をつくったりするんじゃなくて、まちをつくるのにどういうふうに外国と共生社会をつくるかって、これは外国人材をたくさん取り込むことになります。しかも、さっき言いましたとおり、8倍に増えているんですね。4,000人を超えている、留学生とか実習生が。そういうことをためして、2年前に実際に外国人の受入技能団体が成田に来ています。 来て感じるのは、国際都市で空港があったから、実習生の研修生を迎えに行くのに、成田国際空港があるから、あっという間に来てすぐ研修センターに行けるから、すごい立地条件がいい。もうわくわくしてきたら、何にも国際都市として整ってない、それがすごく残念だ。成田に来たいと思っている海外の企業や、そういった管理団体はたくさんあるんです。本当にあるんです。今も東京都から介護福祉士、今は介護福祉士の時給は高いということで、東南アジアの方は、N2以上の能力を持って日本に来てますので、ですから成田という立地条件が、外国人材として介護福祉士をどんどん採用できるということも、これ本当にみんな注目して見ているんですけれども、申し訳ないですけれども、本当に閉じてます。だから、この閉じているところをどうにか開くと。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以上で、一般質問を終わりにします。...

眞野義行 皆さん、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問を行います。 今回の質問は、自治会活動でのDX推進についてです。 それでは始めます。 本年6月に閣議決定された、デジタル社会の実現に向けた重点計画及びデジタル田園都市国家構想基本方針の中で、国はデジタルデバイド(情報格差)対策について様々な提言を行い、それを受けて本年9月、総務省より「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画第2.0版」が公表されました。その一部を紹介します。 地理的な制約、年齢、性別、障がいや疾病の有無、国籍、経済的な状況にかかわらず、誰もがデジタル化の恩恵を受けられる、享受できることにより、日常生活等の様々な課題を解決し、豊かさを真に実感できる、誰一人取り残されない人に優しいデジタル社会の実現を目指す。このような社会は、行政機関だけでは実現できないことを国民全体で共有し、国、地方公共団体、企業、団体、住民等がおのおのの立場で相互に協力し、身近な場所で身近な人からデジタル機器、サービスの利用方法を学ぶことができる環境づくりを推進する必要がある。 さて、成田市は、本年3月に、成田市デジタルトランスフォーメーション(DX)基本方針を策定しました。その第2章、デジタル化の現状と課題「デジタルデバイド対策」には、「デジタル活用に不安がある高齢者に対する補助、外国人利用者向けのシステム等の多言語化、デジタル機器に不慣れな人でも容易に操作できるユーザーインターフェースの設計といった取組が考えられます。本市では、現在、高齢者向けスマートフォン講座を行っていますが、定員数を超えた応募があり、高い需要があることから、講座の数を増やす等、市民の要望に応えていく必要があります。」とあり、対策としては、「高齢者向けの講座回数を増やす、マイナンバーカードの出張申請を実施する等、デジタルの活用に不安がある市民へ向けた補助を充実させる。また、電子申請フォームの入力項目といったユーザーインターフェースの見直しや、市で導入しているシステムについて外国語対応の検討を行い、高齢者や障がい者、外国人を含む全ての市民がデジタル化の恩恵を受けられるようにする。」とあります。 また、9月議会で伊達議員の一般質問、情報弱者への対策についてのご答弁では、「情報弱者への対策、これは欠かすことのできない重要な施策であると認識しております。今後もDX推進と一体的に、デジタルデバイド対策の充実を図っていかなければならないと考えております。」とありました。 「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル社会」、その実現に向けては、もちろん行政側の市民に対するDX推進アプローチは必須ですが、国が示す考えのように、住民等がおのおのの立場で相互に協力し、身近な場所で、身近な人からデジタル機器サービスの利用方法を学ぶことができる環境づくりの推進が必要です。そのためには、住民相互の共助の母体となる自治会活動でのDX推進は非常に効果的と考えます。 現在、成田市デジタルトランスフォーメーション(DX)基本方針には、こうした自治会活動でのDX推進についての明記はありませんが、その位置づけについてどのようにお考えか教えてください。 さて、先々月10月30日日曜日、市役所6階で成田市区長会研修会が開催されました。各地域の区長50名以上が参加され、とても大きな研修会でした。私は傍聴させていただきましたが、「持続可能で未来を見据えた自治会の在り方」について様々な事例発表が行われ、非常に参考になりました。とても充実した研修会が開催されたと思います。 特に、自治会長6人の発表者のうち、3名による「自治会活動でのDX推進状況」には大いに興味が沸きました。地域の高齢化が進む中、負担も大きく、役員の成り手不足が顕在化している自治会の現状を、デジタル力によって改善または維持しようという意気込みが強く感じられました。 事例発表後のグループ討議では、発表者が10人ずつ、5つに分かれたテーブルを回り、質疑応答に答えるという形でしたが、1時間という時間制限いっぱいに活発な意見交換が行われていたように思います。 私もその一部を聞かせていただきましたが、ICT活用については、横文字や片仮名が出てくるだけでうんざりして頭に入ってこない。やっている人は簡単というが分からない人には何が簡単なのかが分からない。もっとあったのは、そもそもLINEって何という、高齢者のIT難民化の深刻な現実について改めて考えさせられました。まさに情報格差が起こっていたと思われます。 しかしながら、ここまで私が話してきた片仮名「デジタル・トランスフォーメーション」、そもそもなぜDXと省略するのかということも難しいんですが、「デジタル・デバイド」、「ユーザーインターフェース」などを含めて、IT業界用語はもとより、日本に氾濫している片仮名言語の難解さをきちんと理解している方が、日本人にどれくらいいるのかも大いなる疑問です。国もデジタル庁も、本当にこのことを考えるんであれば、もう片仮名は必要最小限に抑えて、誰にでも分かるやさしい日本語を使うべきじゃないかなと強く思います。 さて、この研修会後にはアンケートが配布されていました。まだ集計途中かもしれませんが、参加者からの意見や感想を踏まえて、自治会活動でのDX推進についての現状と課題について教えてください。 ところで、この自治会DX推進については、全国様々な自治体での実証実験が始まっています。例えば、群馬県前橋市では、アナログ的な取組が多い自治会活動のDX化を進めるため、実証実験として3つのモデル地区を選定し、市内約50の自治会長及び自治会連合会の会長や副会長に計55台のタブレットを配布しました。事業費として2022年度当初予算で310万円を計上。市は、2022年度を実証実験として位置づけており、結果を検証した上で、2023年度以降に市内全自治会に配布する方針です。自治会事務の負担が軽減されるとともに、情報共有による交流が生まれ、自治会活動におけるDX推進のきっかけになることを期待して始められたそうです。 担当の方に電話でお話を伺いましたが、本年度の実証実験は既に終了していますけれども、最初は抵抗があった自治会長たちが、実証実験終了後には、予想に反して継続を望む声が大きく、驚きましたとのことでした。市の広報誌、情報交換、災害情報などが瞬時に届き、市との情報共有の円滑化が図れたことが主な原因でした。ただし、本年度から全自治会に同様の施策を行うかについては、予算の関係もあり、現在検討中だそうです。 また、愛知県犬山市でも、町内会の事務的な負担を減らし、軽減できた労力や時間を防災・防犯活動や親睦・交流を深める活動など、実質的な町内・地域活動に利用し、地域の活性化につなげていくため、町内会業務のデジタル化を支援する事業をスタートさせました。こちらは7つの自治会の協力の下、7月から試験的に運用を始めています。担当者のお話では、モデル事業は、当初予定を1年延長し2024年度まで行い、実証期間にかかる経費は市が負担するそうです。ただし、こちらも市内全域での実施に踏み切るかどうかは、予算の問題もあり検討中とのことです。 本市では、独自事業としての計画がまだありませんので、自治会ごとにDXを自主的に進めるしかありません。そうなると、コミュニティ事業補助金の活用が考えられますが、その補助対象になる備品と補助限度額について教えてください。 さて、このように全国的に見れば、国が提唱するように、「皆で支え合うデジタル共生社会」構築のために、試行錯誤しながら前進している自治体が出てきていることは事実です。本市も、成田市DX基本方針を策定したところではありますが、こういった先進都市の事例についての認識と今後の自治会DX推進への計画はあるのかどうかお答えください。 以上で壇上からの質問を終わりにします。 荒木博 議長 小泉市長。 小泉一成 市長 眞野議員の、自治会活動でのDX推進についてのご質問にお答えいたします。 まず、成田市デジタルトランスフォーメーション基本方針の中での位置づけについてでありますが、この基本方針は、本市が取り組むべき重点項目として、「市民の利便性の向上」、「行政事務のデジタル改革」、「デジタル化を支える基盤の整備」の3つの基本方針を基に、職員の目線ではなく、市民等の利用者の目線・立場に立って推進することを目的に、本年3月に策定したところであります。 また、総務省では、本年9月に、「自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画」を改定し、自治体DXの取組と合わせた「地域社会のデジタル化」を推進計画の中に盛り込み、地域の実情や住民ニーズに応じた自主的・主体的な取組の推奨が位置づけられたところであります。 このようなことから、自治会活動でのDX推進について、本市のDX基本方針では、現時点で具体的な位置づけはされておりませんが、国の推進計画の位置づけを踏まえますと、3つの基本方針それぞれに関連性があると考えられますことから、今後、地域ごとの取組意欲を高めていく必要があると考えております。 次に、現状と課題についてでありますが、区・自治会では、加入率の低下やコロナ禍による地域活動の低下などが課題となっていることから、本年度、成田市区長会の研修会において、活動の参考となるようDXを推進し、役員の負担軽減や感染症対策を講じながら活動を継続している市内の区・自治会の先進事例を紹介し、合わせて国際医療福祉大学にご協力をいただき、感染症対策をテーマとした講演を開催しております。 DX推進に関する事例として、オンライン会議や電子回覧版、ホームページの作成や活用方法などの紹介があり、その後、グループに分かれて意見交換が行われました。参加者からは、ほかの区・自治会の活動内容を知ることができ、今後の活動の参考になった。オンライン会議に必要なパソコンやタブレット端末を区・自治会では所有していない、などの意見がありました。区・自治会は、世帯数や区・自治会員の年齢などが様々であることから、それぞれの実情に合わせてDXを推進していくことが、よりよい自治会活動を行うために必要であると考えております。 次に、コミュニティ事業補助金の活用についてでありますが、区・自治会のコミュニティ活動の促進を図るため、設備や備品及び修繕に係る補助対象となる費用の2分の1以内で、5年ごとに200万円を限度として補助しており、区・自治会で使用するパソコンやタブレット端末などの電子機器の購入に活用していただいております。 次に、先進都市の事例についての認識及び今後の計画についてでありますが、本市で把握している先進都市の事例としましては、行政からの情報を迅速に受信するため、タブレット端末やスマートフォンで使用できる連絡ツールアプリケーションを導入し、実証実験を行っている自治体や区・自治会の役員間の連絡や情報共有のため、LINEの使い方の動画を作成し、ホームページにおいて紹介している自治体などがあり、緊急の連絡などの一斉通知ができることや、場所や時間にとらわれず会議を行うことができる一方で、システム環境の差や運営するためのルールづくり、区・自治会員同士が直接情報を交換する機会などが減少することによる、コミュニケーション不足などの課題もあると認識しております。 本市の区・自治会においてDXを推進するためには、まずは意識の啓発が必要と考えておりますことから、成田市区長会の研修会での先進事例の紹介や意見の交換などを継続して実施し、それぞれの実情に合わせて、区・自治会が自主的、主体的にDXの活用方法を考えることができるよう、引き続きサポートを行ってまいります。 今後も、区・自治会からの相談に対して、分かりやすい説明を心がけるとともに、他自治体の事例などを調査研究してまいります。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ご答弁ありがとうございました。それでは質問を続けます。 本年6月7日閣議決定されたデジタル田園都市国家構想基本方針では、国は、全国津々浦々で構想を力強く進めていくためには、地方の創意工夫がなされた独自の取組を積極的に横展開していくことが必要である。また、地方公共団体、民間企業、個人など様々な主体の意欲を高め、広く国民全体の関心を高め、様々な主体が積極的に取組に参画してもらえるような環境整備も求められる、とうたっています。すなわち、これは、上からのDX推進だけではなく、国民一人一人の意識向上による底上げの重要性を訴えているのだと思います。 その底上げの仕掛けを行うことが行政側に求められていると思いますが、様々な主体が積極的に取組に参画してもらえるような環境整備には、1つの課だけではなく様々な課の連携が重要と考えます。障がいや疾病の有無、国籍、経済的な状況等にかかわらず、誰もがデジタル化の恩恵を受けられるような社会、享受できるような社会にするためには、それぞれの担当部局が直面している問題解決のための情報共有が必要になるからです。 先ほどのご答弁でも、今後、地域ごとの取組を意欲的に高めていく必要があるとのお答えでしたが、例えば、自治会DX推進という観点から見ると、総務部行政管理課DX推進係と市民生活部や福祉部との連携は非常に大切なものと考えます。組織として立ち上がったばかりのDX推進係ではありますが、その職員構成等から他の部局との連携について教えてください。 荒木博 議長 清水総務部長。 総務部長 行政管理課のDX推進係は、本市のDXを積極的に推進していくため、本年度からこれまでの情報推進係から名称を改めるとともに2名の増員を図りまして、現在5名体制で行っております。内容としましては、各課のデジタル化の現状や課題、今後の要望等の把握等に努めているところであります。 また、各部署におきましても、ICT推進リーダーが選任されておりまして、合計で81名が一体となって活動しております。ICT推進リーダーは、各課のDX推進の中心的な役割を担っておりまして、各課の業務におけるデジタル化の推進に取り組んでいただいております。今後も、これらの横断的な体制を発展させながら、庁内の連携強化に取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。行政のDX推進には、おっしゃるとおり、横断的な庁内の連携強化が最重要と考えます。各部署81名ものICT推進リーダーが選出されたということは、職員の皆さんの意識の高さを非常に感じるところで、頼もしい限りです。今後の皆さんのご活躍が、国際都市成田の真の国際化につながっていくことと思っていますので、大いに期待しております。よろしくお願いします。 さて、先ほども申し上げましたが、国は、DX推進には国民一人一人の意識改革も必要であると訴えています。現在の日本は、まさにデジタル災害に見舞われていると思えるほど、先進諸国から遅れを取っています。この大規模災害の最大の問題は、災害に見舞われているということに日本国民があまり気づいていないということ、私はこう考えています。この深刻な問題に対応するには、その初期段階では国が主導するしかありませんが、持続可能な生活基盤の復興及び構築には、自助・共助が必要不可欠です。その自助・共助の核になるものは、地域コミュニティである自治会ではないでしょうか。 先ほどのご答弁で、本市の区・自治会においてDXを推進するためには、まずは意識の啓発が必要と考えることから、成田区長会の研修会での先進事例の紹介や意見の交換などを継続して実施し、それぞれの実情に合わせてDXの活用方法を考えることができるよう、引き続きサポートを行ってまいりますとありました。 しかし、実際にLINE活用、オンライン会議、電子回覧版、無料自治会ホームページの作成などの実践を行政に頼らず始めている自治会があるわけですから、情報交換だけではあまりにももったいないと思います。そうした自治会に対して、市がモデル事業を積極的に展開するための予算を計上し、市民活動としてのDX推進をサポートすることが必要と考えます。これこそがまさに国が言う「皆で支え合うデジタル共生社会」の実現につながると思います。 そこで、改めてお伺いします。底上げ、ボトムアップのための最も効果的な自治会DX推進について、先進自治体のようにモデル地区を選定しての予算の考えと、コミュニティ事業補助金の弾力運用についてどのようにお考えか、お聞かせください。 荒木博 議長 谷平市民生活部長。 市民生活部長 市長からご答弁を申し上げましたとおり、本市の区・自治会においてDXを推進するためには、まずは意識の啓発が必要と考えておりますことから、DXをより身近に感じてもらえるように、オンライン会議等を実際に体験していただく研修を考えてまいります。 また、コミュニティ事業補助金につきましては、現在も補助対象を追加するなど弾力的に運用していることから、今後も柔軟に対応してまいります。 以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。成田市DX基本方針のスタート段階ですから、予算計上の話を含めて、これから様々な研修や実証実験が行われていくことと思います。ご答弁のとおり、オンライン会議体験なども非常に効果的かと考えております。しかしながら、成田市区長会研修会で発表があったように、地域住民自らDX推進に取り組んでいるところがあるのです。その熱が冷めないうちに援助することも必要じゃないかと、こういったチャンスを逃さない手はないのかと考えます。 そこで、私から提案があります。2年前にも同様の提案をしましたが、再度提案します。それは、千葉工業大学と包括的地域連携協定を締結し、本市のDX推進に協力していただくということです。 ここで資料1をご覧ください。地域連携事業の方針の具体的な活動計画には、次の項目があります。幾つかあるんですが、3つ目、協定自治体と連携し、地域活動へ学生ボランティアを学生の希望に応じてではありますが派遣をする。それから、1つ飛ばして、地域の課題解決に向けたプロジェクト参画。それから最後、災害救援活動。 次に、裏面の資料2をご覧ください。こちらは実際に南房総市と千葉工業大学による産学協働プロジェクト。その中では、教授、それからその教授のゼミの学生、そしてボランティアで希望している学生が様々な分野で活躍しています。 包括的地域連携協定の締結は、こういった千葉工業大学が行われているような活動から考えると、自治会活動でのDX推進に大きく寄与する可能性が大ではないかというふうに考えます。この大学生活用ということが肝腎だと私は考えます。 なぜなら、例えばDX推進でタブレット、インターネット等の指導をもらうときに、この学生がそこの指導に、地域のお年寄りとか自治会の方に入っていけば、お年寄りの方々も若者から丁寧に教えてもらうことに嫌悪を抱く方はほとんどいないのではないかと思います。また、若者住民がいない場所での学生たちとの交流は、地域の活性化にもつながっていくと考えます。DX推進窓口を行政や民間委託で行うことの検討に、大学との連携も入れれば、低予算かつ持続的なDX推進につながります。 先ほどの研修会アンケートの中には、オンライン会議に必要なパソコンやタブレット端末を区・自治会では所有していないんだと。そういった意見があったとのことですが、だからこそ、大学の知識と経験、若い学生に加え、耐用年数切れのタブレット端末を無償でお借りするというのはいかがでしょうか。 私は、2年前同様、千葉工業大学担当者とお話ししましたが、現状、耐用年数切れのタブレット端末台数にはゆとりがあります。お貸しすることは可能ですが、これまでは教育機関に無償貸与してきたので、自治会活動に対するDX推進援助の前例も想定もありません。いずれにしても、まず包括的地域連携協定を締結することから始まると思いますとのことでした。でも私は、この電話を通して、これは十分に新しい前例を成田市がつくる、その脈は十分あるんじゃないかと感じました。 最後に、成田市区長会研修会では、私が所属する自治会の会長も発表されましたが、その内容の一部をご紹介します。 3年任期制の執行部6名と輪番制による各ブロック長11名の計17名で運営を行っていますが、コロナ禍を契機として、最小限の情報伝達手段として、携帯電話のLINEを選択しました。班長方の利用可能状況は、1年目は3割、2年目は5割でしたので、LINEと従来どおりの紙ベースでの伝達を行いました。3年目の今年は、班長が全員LINEの使用が可能だったので、自治会の情報伝達が一本化されました。その結果、LINE上で各担当者の活動状況がすぐ分かり、情報共有がとてもスムーズにできるようになりました。 また、2021年からは執行部役員会議をZoomで行うようにしました。このオンライン会議は飲食ありで行っているので、気軽に参加できます。今後は、班長の会議もオンラインで行い、自宅や仕事場から10分でもいいので参加できるようにして、役員の負担を軽くしたいと考えています。私たち公津の杜1丁目は、コロナ禍を契機に自治会活動のDX化に取り組んでいるところです。 この説明の中の、例えば事例としては、先々月ですか、ちょっと大きな地震があったときに、もうすぐ会長から各班長へLINEで「近所どうですか」ということでもう瞬時に、もちろん働きに行かれている方は職場からですからちょっと違いましたが、一瞬でその地域の各区の反応が、状況が分かりました。 また、迷い猫の情報が入って、自治会で、公津の杜1丁目で迷い猫を探してもらえないかということで、これもLINEで写真つきで添付して流したら、もうすぐその翌日には目撃情報が来ました。残念ながら発見には至っていないんですけれども。情報共有の早さは間違いなく、これが災害時には絶対的に大きな、携帯電話の電話回線が使えなくても、Wi-Fiがそのまま残っているかどうかはまた別の問題としても、通信手段がWi-Fi、インターネット経由でのLINE、またはLINE電話が生きていれば、命を救える可能性は確実に増えます。電話とは全く違っていますので。 だから、自治会がどうやって盛り上がっていくのか。維持それから発展、これはなかなか難しい課題ですが、DXを推進することでひょっとすると救える命がある。タブレット端末がもし班の中で班長に配っていただければ、公津の杜だと本当に大地震だけなんですね、心配しているのは。家屋の倒壊、それから自分たちの状況、それはタブレット端末で撮影して、すぐに情報共有して、そこに人手が不足ならそこに行こうというあらゆる可能性は出てくるんです。 なので、どうにかDX推進を住民の立場から、自分たちから盛り上げるような、必要と感じていない人に、どんなにすばらしい事例や実践を見せて紹介しても、要らない、助けはいらない、自分は一人でもやれるという形になってしまうので。住民同士の中に、しかも若者を取り入れてやっていくというのは、やっぱりすごく効果的かなと考えるところが強いですので、ぜひこの際、協定等をお考えいただいて、予算をほとんどかけずにできる官学連携、千葉工業大学のことも含めますけれども、いろいろ検討していただければ自治会のほうも助かるかなと思っていますので、よろしくお願いいたします。 以上で私の一般質問を終わりにします。...

荒木博 議長 次に、3番、眞野義行議員。〔3番眞野義行君登壇〕 眞野義行 皆さん、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問を行います。今回の質問も、国際都市についてとGIGAスクール構想についてです。それでは始めます。企画政策課担当の成田市総合計画「NARITAみらいプラン」には、次のような記述があります。成田市総合計画「NARITAみらいプラン」は、本市が目指すべき将来都市像の実現に向けた方向性を指し示す「羅針盤」となる計画です。「NARITAみらいプラン」という名称には、国際都市としての本市のイメージと、次代に向けた未来志向の思いが込められています。国際都市としての本市のイメージとは、一体何でしょう。成田市民が抱いているイメージなのか、成田市職員が抱いているイメージなのか、はたまたほかの自治体が抱いているイメージなのか。成田を国際都市にというスローガンを第一に掲げて議員になった私にとっては、ずっと気になっている言葉です。そこで調べてみました。これまでの歴史で、成田市が国際都市という言葉をどのように捉え使ってきたのか。まず、総務課担当の市民憲章。「市民運動を通じて平和で住み良い国際都市づくりを進めるため、「市の憲法」としての役割を果たすとともに、成田市民の精神的な支柱となっております。」と。文化国際課担当の成田市文化芸術推進基本計画。「時空をつなぐ心豊かな文化・国際都市成田」を基本理念とし、4つの柱と10の施策を定めております。消防総務課の成田市消防団長挨拶。団員の多くがサラリーマン化している現在、その任務は過酷なものとなっておりますが、「郷土愛護の精神」のもと団員一丸となって「市民が平和で安心して暮らせる国際都市、成田」を目指し日夜努力しております。次に、会議録検索システムを利用して、過去の一般質問及び委員会での発言に絞って調べてみました。合計434件のヒット。検索できる最古のものは、今から33年前の1989年、その年は過去最多の37ヒットでした。それ以前については検索できないので、残念ながら本市で初めてこの言葉が登場したのはいつか分かりませんでした。その中から「国際都市」に関連する答弁を幾つか紹介させていただきます。1989年3月定例会、長谷川市長。このジャパンビレッジは、すぐれた日本の伝統、文化を内外に紹介することをメーンテーマとするものでありまして、まさに国際都市成田にふさわしいプロジェクトであります。国際都市を標榜する本市の街づくりは、おおむね順調に進んでいると考えております。1995年6月定例会、小川市長所信表明。特に、成田の子供たちは国際都市にふさわしく世界に目を向けた地球スケールの人材に育てたいというのが私の願いであります。小泉市長も成田市議会議員であられた1998年6月定例会では、次のように述べられております。現在の成田市の施策は、港まちとして空港を生かしきれていない、国際化という視点からの政策が欠けていると思われます。したがって、国際都市とうたってはいるものの実感に乏しい。国際都市として国際会議場やアメ横通りのような世界のマーケット、外国の学校誘致などの積極的施策、ビジョンを掲げるべきと考えます。本市はこれまでその時代に合った国際都市というイメージを持って、その発展にご尽力されてきたわけですが、私はアフターコロナを見据えた新しい視点に立った国際都市づくりが必要になると思います。そこで、改めてお聞きします。本市が考える国際都市とは、どのような都市をイメージしているのかお答えください。さて、今、行政側に問いかけた質問ですが、私がイメージする国際都市とは次のものです。同じ赤い血が通う地球人同士が、医療、教育、勤労の機会をひとしく受けられる都市。私はこれまで多文化共生を軸にして、外国人に対する医療、教育、防災、日本語教育支援、そして前回ではウクライナ避難民受入れなど、在留及び訪日外国人、難民、避難民の方々との共生社会実現に向けた提案を行ってきました。多文化共生指針策定時には、微力ながらも協力させていただきました。また、個人的な援助活動としては、コロナ禍でアルバイトができず収入が途絶え、帰国もできないベトナム人留学生、家庭内で集団感染をして途方に暮れたペルー人一家、保育園入園問題で困っているスリランカ人、全体的としては在留資格切れで不法滞在状態になっている外国人のコロナワクチン接種援助などなど、社会福祉課、健康増進課職員の皆さんにも、大変お世話になったこともありました。会津議員も地域住民の外国人及びその子供たちのための居場所づくり、その他でも継続的な地道な支援活動を行っておられます。私は、困難に直面している同じ赤い血が通う地球人を地道に援助することが、国際都市の果たすべき責務だと考えます。さて、世界に目を向けますと、半年たっても収束のめどが立たないロシアによるウクライナ侵攻、最近ではヨーロッパ最大級のザポリージャ原子力発電所への攻撃が行われました。また、先月8月2日には、アメリカナンバー3の地位にあるペロシ下院議長が台湾を訪問し、翌3日には蔡英文総統と会談をしました。これに猛反発をした中国は、4日に台湾を取り囲むように合わせて6か所の海域と空域で、実弾での射撃などを含めた重要軍事演習を行いました。本市は、2016年9月に、台湾の桃園市と友好都市協定を締結したわけですから、もし万が一有事の際には、難民の受入れが始まることになるのではないでしょうか。つまり理念としての平和活動ではなく、現実的な貢献として、内戦や戦争の難民受入れという、そういった形の国際人道支援が求められているんです。そこで、お伺いします。国際人道支援は、国際空港を持つ国際都市として果たすべき重要な責務と考えますが、市の見解をお聞かせください。関連して、私が6月議会で指摘させていただいたウクライナ避難民の受入れ体制づくり、9月4日現在で、日本では1,840人、千葉県では76人のウクライナの方を受け入れております。その進捗状況と今後の計画について教えてください。次に、GIGAスクール構想の進捗状況についてお聞きします。昨年6月文部科学省から、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議(第一次報告)で、次のような提案がされました。GIGAスクール構想を通じて学習環境を改善し、学校教育の質を高めていくためには、デジタル教科書の活用をより一層推進する必要がある。今後、次の小学校用教科書の改訂時期である2024年度をデジタル教科書を本格的に導入する最初の契機として捉え、着実な取組を進めるべきである。そして、先月8月25日に行われた中央教育審議会、教科書・教材・ソフトウェアの在り方ワーキンググループによる中間報告では、これも2024年度に小学5年生から中学3年の英語でデジタル教科書を先行導入し、その次に現場ニーズが高い算数・数学を導入するという方向性が示されました。ただし、審議会では、次のような至急の課題も出されました。学校に端末が導入されて2年目であり、端末の活用レベルの教師間・学校間格差などの課題があることは事実です。また、デジタル教科書そのものの使い方もまだ不得意、または使ったことがない教師もいる。デジタル教材や学習支援ソフトウエア等の研修をどんどん進める必要がある。また、現状では個々の児童生徒の学び方にも特質があり、ハイブリッドにデジタルと紙の教科書の両方が用意されている環境が必要である。ICT利活用についての要求は、現場の苦労や混乱を知らずに文部科学省から次から次へと襲いかかってきます。私は、こういった過度な要求は、現場の教職員や児童生徒にとって、タブレットを触ることが目的になってしまい、深く対話的な学びの実現に結びつかない可能性があるのではないかと、非常に危惧しております。多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、子供たち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育を理念としたGIGAスクール構想、そのためのICT環境の本来的意味を持った整備が、今、教育界に求められているのではないでしょうか。さて、私は2020年9月議会で、本市のICT利活用状況の遅れを厳しく指摘させていただきました。そこから2年たった本市のGIGAスクール構想の進捗状況は、非常に気になるところであります。そこで、まず小中義務教育学校でのICTの効果的な利活用事例について、児童生徒の学習に関するものと教職員の校務に関するもの、それぞれについてご紹介ください。また、GIGAスクール構想の下、全国一斉にスタートしたICT利活用教育ですが、実質1年を経過した現時点での児童生徒、教職員の変容について教えてください。ところで、私たち日本人が、OECDなどの調査でオンライン後進国であることは周知の事実です。そのために国はデジタル庁なるものを立ち上げました。存在感はいまだ薄いですが。日本社会及び教育界は、世界基準に到達する必要があるのです。さらに言えば、本市が外国に引けを取らないようなICT利活用教育を推進するのは、日本の表玄関である国際都市成田としての使命と考えます。さて、このGIGAスクール構想の成否は、ICT支援員の存在にかかっていると言っても過言ではありません。そこで、このICT支援員についてお伺いします。今年度の人数及び勤務形態、そしてその活用状況についてお答えください。以上で、壇上からの質問を終了いたします。 荒木博 議長 小泉市長。〔市長小泉一成君登壇〕 小泉一成 眞野議員の国際都市についてのご質問にお答えいたします。まず、本市が考える国際都市とは、どのような都市をイメージしているのかとのことでありますが、昭和53年に開港した成田空港は、我が国を代表する国際基幹空港として着実に発展を続け、日本の空の玄関口として多くの人や物が交流する拠点となっております。また、成田山新勝寺や宗吾霊堂などをはじめとする歴史と伝統のある寺社を擁し、豊かな自然環境にも恵まれている本市には、多くの外国人観光客も訪れております。さらに近年は、本市に居住する外国人も増加傾向にあり、国際的な交流拠点としての要素と、先人より培われてきた歴史と伝統、そして豊かで美しい自然とがバランスよく調和し、日本人も外国人も、全ての市民が地域の一員として共に支え合い、快適に暮らすことのできるまちが、本市の考える国際都市のイメージであります。このようなことから、総合計画「NARITAみらいプラン」においても、国際性豊かなまちづくりを基本目標に掲げ、国際理解を促進する施策として、英語教育や多文化共生を推進するとともに、外国人旅行者が気軽に訪れることができるよう受入れ体制を充実させ、本市の伝統文化を国内外へ発信するなど、積極的な観光施策に取り組むこととしておりますので、これら施策を通じて、本市が考える国際都市の実現を目指してまいりたいと考えております。次に、国際人道支援は、国際都市として果たすべき重要な責務と考えるが、市の見解はとのことでありますが、本市は、自ら永遠の平和都市となることを決意し、昭和33年に世界連邦平和都市を宣言し、広島、長崎への原爆投下から50年目に当たる平成7年には、核兵器の廃絶と恒久平和確立のために非核平和都市を宣言するとともに、成田市平和啓発推進協議会や市民の皆様のご協力をいただきながら、平和啓発事業を実施してまいりました。このような中、本市では、本年2月にロシアがウクライナへの侵攻を開始したことを受け、人道支援として、ウクライナから国外へ避難されている方々が少しでも安心して過ごせるよう、県内でいち早くウクライナ避難民を受け入れることを表明し、支援に関する総合的な相談窓口を文化国際課内に設置いたしました。また、本年3月17日にJR成田駅及び京成成田駅前において、街頭募金を実施するとともに、市役所をはじめ市内公共施設に募金箱を設置しており、先月末までに約140万円を日本赤十字社に送金したところであり、皆様からお預かりした募金は、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国での救援活動などに役立てられております。さらに、今月27日にはウクライナへの人道支援として、本市と成田市国際交流協会主催で、ウクライナ出身のバンドゥーラ奏者カテリーナさんによるチャリティーコンサートを文化芸術センタースカイタウンホールにて開催する予定であります。国際空港を擁し、平和都市宣言を行っている本市といたしましては、国際人道支援は重要であると認識しておりますことから、今後も国や県、関係団体と連携を図りながら取り組んでまいります。次にウクライナ避難民の受入れ体制づくりの進捗状況と今後の計画についてでありますが、現在、ウクライナから本市に避難されている方はいらっしゃいませんが、出入国在留管理庁と情報共有を図り、避難民の受入れに向けた体制の強化に努めております。また、避難された方々を受け入れる際には、言葉や生活習慣の違いなどによる課題が想定されるため、外国人受入れのノウハウを持つ国際交流協会や市内の日本語学校、さらには、成田赤十字病院の皆様など、関係団体のご協力が必要不可欠でありますことから、これら支援協力者との会議を開催し、情報共有を図ったところであります。今後も避難民を受け入れる際には、避難された方々が安心して過ごせるよう、関係団体の皆様からご協力をいただきながら、引き続き支援体制の強化に取り組んでまいります。なお、GIGAスクール構想についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 荒木博 議長 関川教育長。〔教育長関川義雄君登壇〕 教育長 私からは、GIGAスクール構想についてのご質問にお答えいたします。まず、ICTの効果的な活用事例についてでありますが、児童生徒が提出した考えをタブレット端末上でリアルタイムに共有することで、比較し関連づけながら深め合ったり、一つのワークシートやプレゼンテーション資料を班のメンバーで話し合いながら共同編集することが可能となりました。加えて、国内外の他校の児童生徒とオンラインでつながり意見交換をするなど、タブレット端末を活用することにより児童生徒の意欲を高め、学びを深める授業を展開できるようになりました。また、様々な事情により登校できなかったり、教室に入れない児童生徒のために授業動画や黒板の画像、連絡事項などを配信する活用も広がっております。あわせて、発達段階に応じて情報モラルや情報セキュリティーに関する意識を高められるような授業実践も行っております。ICTの活用により、教職員の業務改善も図られており、児童生徒に配付する学習素材を印刷することなくタブレット端末を通して送信することができるようになったほか、全校児童生徒の健康観察に関する情報をデジタル処理できるようになりました。また、校内の会議において、クラウドサービスを活用して提案文書を情報共有したり、校外の会議や研修会にオンラインで参加できるようになりました。次に、児童生徒・教職員の変容についてでありますが、児童生徒は授業においてスムーズにタブレット端末を操作できるようになってきております。昨年末に小学5年生から中学2年生までに実施したタイピング検定では、1分間に入力することのできる文字数の本市の平均は、全国平均とほぼ変わりなく39文字でした。一方で、タイピング練習に力を入れ、児童が休み時間にも自発的に取り組んでいた小学校では、6年生の平均が71文字に達しました。また、本市教職員を対象に実施したアンケートを昨年度と本年度の1学期末で比較すると、毎日活用しているという回答が25%から44%に、1日当たりのタブレット端末活用授業数が2時間以上という回答が35%から51%に上昇しました。この数値は、全国の様々な自治体の調査と比較しても。遜色ない数値となっております。一方で、1日当たりのタブレット端末活用授業数が1時間以下と回答した教職員が49%であったこと、また4月から新たに多くの教職員が転入してきたことから、教育委員会といたしましては、個々の操作レベルに応じた実践的な研修会を実施したり、効果的な取組事例を紹介するとともに、ICT支援員やICT担当指導主事が定期的に学校を訪問するなどして、今後も継続して支援してまいります。次に、ICT支援員についてでありますが、4名の支援員が1日7時間、市内29校を巡回訪問しております。学校の希望や実態に応じて、学校ごとに配置日数を変えたり、勤務の割り振りを柔軟に行うなどして、より多くの教職員を支援できるような体制を構築しております。ICT支援員の各校における活用状況につきましては、授業におけるタブレット端末の効果的な活用方法や校務の効率化に関する相談及び提案、授業で使用するアプリの事前の動作確認、授業展開時の突発的なトラブルへの対応、学校からの要望に応じた実技研修会の開催など多岐にわたっており、特に他校の実践事例を具体的に紹介してくれる支援については、各校から高い評価を得ております。夏季休業中においては、学校の要望に応じて、十分な時間を確保して実技研修会を開催したり、ICTを苦手とする教職員への個別支援を実施いたしました。教育委員会といたしましては、今後も、全てのICT支援員、及びICT支援員を統括するコーディネーター、教育指導課職員による定例会議を充実させ、市内のGIGAスクール構想の進捗状況について情報交換するとともに今後の支援の在り方について共通理解を図ってまいります。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。それでは自席より質問を続けます。順番を変えて、GIGAスクール構想の進捗状況についての質問から始めます。実質1年という期間の中で、今、教育長からご答弁ありましたように、本市のGIGAスクール構想の進捗は目を見張るものがあると感じております。活用状況が全国の様々な自治体の調査と比較しても、遜色ない数値となったとのご答弁でしたが、私も実際に授業を見学に行ったり、管理職、教職員及び児童生徒との情報交換を通して、成田市のICT利活用教育の浸透の状況を確認しております。本当にすごい勢いだなと思っております。また、さらに先ほどのご答弁にあったPプラスのタイピングテストスピードが、小学6年生の平均で1分間71文字の学校があるというのは、これはかなり驚異的なスピードです。文科省じゃなくて、そのPプラスのタイピングというのをホームページで開くと、実際に5分間、1分間、3分間とありますとありますけれども、1分間スピードは出ますが、私なんかでもぽちぽち打ってると、よくて90から100くらいかななんですが、小学6年生で平均70超えは相当早いと思います。つまりこれは何を意味するかといいますと、1時間の作業が30分で終わってしまう。全国平均の約2倍ですから、みんなの作業時間を半分で済むということですね。端末操作のスキル向上は、課題提出やプレゼンテーション資料作成の時間短縮につながっていき、共有された情報についての意見交換が行われ、深く対話的な学びの時間確保につながっていくと考えます。また、ICT支援員の効果的な活用についてもご答弁のとおり、端末操作はもちろん、どんどん更新されるアプリ活用、そして授業支援まで積極的にかかわってくれてありがたいというお話も、私も聞いております。しかしながら、ICT支援員によっては、1日ぽつんと座っているだけで存在感が薄く、また技術的にも満足ができないという声も上がっています。教職員の中にリーダーを育成していくためには、ICTに詳しい教職員の要望に応えられるようなレベルの高い支援員の必要性も高まります。実際のところ、現場教職員のICT支援員に対する評価及び要望については、どのような状況になっているのでしょうか。 荒木博 議長 堀越教育部長。 教育部長 ICT支援員のおかげで授業においても校務においてもICT化を進めることができているとの声が多く届いております。1学期末に実施したアンケートでは、81%の教職員が「とても助かっている」、あるいは「助かっている」と回答しております。要望といたしましては、ICT支援員の常駐や支援日数の拡充、より専門的な支援や積極的提案を求めるものなどが挙がっております。以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。先ほどのご答弁では、4名の支援員が1日7時間、市内29校を巡回訪問しているとのことでしたが、この人数だと多くて週に一度程度となるのではないでしょうか。そうなると、本当に個別対応が必要なときに、対面で教えてもらえないという不具合が生じます。ご答弁にあったように、ICT支援員の常駐や支援日数の拡充を含めた予算の上乗せ、及び支援体制が充実している委託業者選択が必要になると思います。ところで今年度の委託業者は昨年度と変わっていますが、その理由を教えてください。 荒木博 議長 堀越教育部長。 教育部長 昨年度も今年度も、電子入札システムを利用した制限付一般競争入札を行い、委託業者を決定したことによるものでございます。以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。いろいろな状況の中で、業者が変わったということだと思うんですけれども、毎年委託業者が変わっていく可能性があるということは、雇用されるICT支援員も変わってしまう可能性があるということで、教職員や児童生徒との人間関係の再構築に時間がかかるというデメリットがあります。またICT担当教職員を中心として、教員同士で端末操作やアプリの活用方法を教え合うことも必要ですが、一部の教職員に負担がかかることにつながります。教師が本来の授業スタイルを維持するための時間確保も必要で、そのためには質の高いICT指導員を継続的に市が直接雇用する必要があると思います。市の見解をお聞かせください。 荒木博 議長 堀越教育部長。 教育部長 業務委託によるICT支援員の配置と直接雇用する方法につきましては、議員のおっしゃるような人間関係の構築のほか、研修体制や緊急時の人員面における補充体制など、それぞれメリット、デメリットがございますが、教育委員会といたしましては、雇用形態にかかわらず、教職員のICT活用能力を向上させるために充実した支援ができるよう努めてまいります。以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。例えば本市には、教育課程特例校制度を生かした独自のALT採用で、大きな効果を上げている前例があります。市独自の継続的な雇用がALT同士の人間関係を深め、お互いの授業プランの情報交換もスムーズに行えています。ほかの市から本市に通勤しているICTに詳しいALTが中心になって、休日にもかかわらずタブレット端末の使い方から授業実践の具体例までの勉強会を自主的に開いているという例もあります。成田市のALT雇用の現状や研修体制の充実が、本市のALT採用倍率の高さにつながり、実際に優秀な人材が集まっています。ただし、採用面接をされる教育委員会、指導主事、また主任ALTの負担は相当なものですが、それでもICT支援員についても、きちんと職員として採用することには、同様な効果が大いに期待できます。DX化で世界基準から取り残されている日本がすべきことはただ一つと、私は考えます。それは、子供たちの教育を通してDX化を推進することです。5年後、10年後の成田市の未来を考えたとき、わざわざデジタルトランスフォーメーションなどと声を上げなくても、それが幼少期から自然に身についている若者が成田市にあふれていれば、DX先進都市成田につながっていきます。そのための予算の拡充が、成田市を国際都市に成長させていくと思います。繰り返しになりますが、2024年度から教師用及び児童生徒用デジタル教科書の導入が段階的に始まります。現場からのICT支援員常駐や支援日数拡充の声は切実です。これもし私が現場にいるときだったら、多分もうお手上げになるような勢いのものが降ってきます。ようやく端末操作に慣れてきた、ようやく授業に使えるようになってきた。デジタル教科書は昔からありましたから、生徒用のも導入しろということになると、これ相当現場の教員は大変になります。このことをずっと考えていくと、端末操作に慣れていない教職員が取り残されていく危険性が高まります。GIGAスクール構想の誰一人取り残さない教育については、実は端末、ICTに不慣れな教職員にも同時に言えることです。教育長におかれましては、GIGAスクール関連予算の増額要求、市長におかれましては、その予算の確保について、ぜひよろしくお願いいたします。世界基準の教育を受けられるということは、国際都市の重要な要素と考えます。よろしくご検討をお願いします。次に、国際都市に関する2回目の質問です。過去の議会議事録の中から、2000年6月定例会での内山議員のご発言を一部ご紹介します。成田市が作成する行政資料の中には、必ずといっていいほど、国際都市なりたという表現が出てきます。「国際空港に近接した都市として限りない可能性を持つ」とか、「国際的な人、物、情報、文化の交流基地としての役割を持つ」などと言葉を連ねています。中略いたします。やはり成田市民が、みんなで本当に国際都市、国際観光都市をつくろうと、そうなるんだという気持ちになるような仕掛けをしていかなければならない。ただ今のご答弁で、日本人も外国人も、全ての市民が地域の一員として共に支え合い、快適に暮らすことのできるまちとありましたが、交換留学生、姉妹都市提携、交流パーティー開催などは国際化への一つの施策ではありますが、これだけでは外国人と成田市民が同じ地域住民として快適に暮らせるまちの実現にはつながらないと思います。多文化共生指針を作成したからといって、国際都市になるわけでもありません。成田市の市民が、みんなで本当に国際都市をつくろうと、そうなるんだと、そういう気持ちになるような仕掛けが、私も必要だと感じています。2020年から始まったNARITAみらいプラン第2期基本計画は、2023年で終了します。第3期基本計画について考えるとき、それぞれの課が国際都市とは一体何だろう、そういうビジョンを持って、都市づくりに取り組む必要を、私は本当に強く感じます。そこで伺います。共生社会実現に向けて、国際都市成田は、現在どのような具体的な取組をされているか、また今後どういった具体的な施策を行うつもりでしょうか。 荒木博 議長 木下企画政策部長。 企画政策部長 具体的な取組といたしましては、外国人住民の生活を支援するための総合相談窓口の開設や、日本語教育補助員を各学校へ派遣し、日本語が十分に理解できない外国人児童生徒の支援を行うとともに、国際交流イベントなどを通じた国際理解や国際親善の推進を図り、共に支え合い、快適に暮らすことができるまちづくりを推進しております。また、多言語による案内看板の整備や観光情報の発信を行うなど、外国人旅行者が気軽に訪れ快適に過ごせる環境整備も併せて進めているところでございます。来年度からは、国際市民フェスティバルに代わるイベントとして、日本人住民と外国人住民との交流を図る、(仮称)多文化交流フェスティバルを開催する予定でございます。以上です。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。継続的にそういった活動は、ぜひ続けていただきたいと思います。私からは、さらにもう一歩進めた発想で、ご答弁にも何回も出てきましたが、共に支え合う、つまり共生ということなんですが、支え合うわけですから、日本語を教えてあげる、交流会を開いてあげる、「してあげる」発想からは、永久に共生社会への道は見えてこないと思います。日本人から見た外国人との共生ではなくて、外国人から見た日本人との共生社会の観点が、極めて必要になると思っています。1つだけ例を挙げます。適切かどうか分かりませんが、コロナ禍の中、外国人旅行者の入国が始まっています。きちんとした添乗員つきのツアーが前提です。そこで一番問題になったことが、外国人旅行者たちが、日本に来てきちんとマスクを着用してくれるかどうか。逆です。外国人から見たときには、いつ日本人がマスクを外すんだろう、この観点なんです。実際に欧米諸国からの旅行者で、日本離れが起きているという報道もあります。どちらが正しいかは全く別、これはここで議論するつもりもないですし、ただその日本人だけの内向きの自分たちの価値観で世界を見ていると、やがて本当に孤立する可能性があると、そういうことを私はここで訴えたいんです。国際社会の動きに敏感なことは、国際都市の重要な要素です。さて、私は昨年6月議会で、外国人患者受入れ体制整備について一般質問を行いました。その時の質問の一つが、訪日外国人の海外保険未加入問題でした。2019年に観光庁が行った訪日外国人旅行者の訪日中の不慮のけがや病気の医療費をカバーする保険加入状況に関するアンケートで、約26%、実に4人に1人が傷病に対して無防備な状態で訪日しているということになります。実は、厚生労働省は、コロナ禍で厳しい入国制限を設けていたときに、訪日外国人に対して、コロナ治療にも適用される海外旅行保険加入を義務づけていました。それは当然で、もし保険未加入の場合、日本人は10割負担ですが、訪日外国人に対しては、20割から30割の診療費を課す医療機関がほとんどだからです。それが医療費未払いにつながり、一部医療機関の経営圧迫につながっています。しかし、現在はその義務づけがなくなり、以前のような努力義務となってしまっています。先ほどのご答弁に、外国人旅行者が気軽に訪れることができるよう受入れ体制の充実とありましたが、保険未加入という医療の問題を放置したまま気軽に来日されては困るのです。千客万来で迎え入れて、事故や病気は自己責任。しかし、その医療費はどうするんだろう。これで医療費未払いが発生して、人道的見地から受け入れている病院だけが、大きな損失を抱えていくんです。医療の問題をきちんと解決してこその受入れ体制の充実です。国際空港を抱える国際都市成田は、訪日外国人に対する海外旅行保険加入義務について、どのような対策を考えているのでしょうか。 荒木博 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 訪日外国人旅行者の医療費未払いについての課題は認識しておりますが、国では、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策において、外国人観光客自身の適切な医療費負担を前提に、予期せぬ病気やけがの際、不安を感じることがなく医療等を受けられ、安全に帰国できる仕組みを構築するとしていることから、国の動向を注視してまいります。なお、成田空港内にある外国人観光案内所では、海外旅行保険のパンフレット配布や加入案内にも、対応していると伺っております。 以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。おっしゃったとおり、国でもまだここははっきりしてない、問題と認識しているけれども。だから、それが成田市がということは、これもなかなか難しいと感じています。そこで、私は先月8月18日に、成田赤十字病院国際診療科部長と永田町を訪問してきました。そこで、厚生労働省、外務省、法務省入管の職員9人と、外国人医療に係る問題についての情報交換を行ってきました。外国人医療の問題は、訪日外国人、定住外国人、実習生、留学生、そして在留資格切れの外国人まで細かく分かれ、一度のお話では全く解決しません。今回は健康保険に入っていない、または入れない在留外国人と、仮放免中、難民指定の子供の問題なんですが、と海外旅行保険未加入でやって来る訪日外国人の医療問題に絞って意見交換をしました。現場の臨床医から提示される問題は、それぞれの省庁が縦割りで行っていては解決できない問題です。法的整備が必要な検討課題を提示して、1時間40分の中身の濃い意見交換を終えました。次回は、本市の9月議会終了後を予定しています。国際都市成田の外国人受入れ問題ですから、1回の会議で終わらせるわけにはいきません。国際空港を擁する国際都市が、仕方がないとはいえ、座してこの国や県の動向を注視しているだけでは、なかなかこの問題の解決を見ることはできないんではないでしょうか。提案があります。成田市を真の国際都市にするために、興味のある成田市職員のどなたか、永田町にご一緒しないでしょうか。ご連絡をお待ちしております。冗談でなく本気で結構言っております。最後になりますが、私が6月議会で厳しく指摘させていただいたウクライナ避難民の受入れ体制づくりが、関係者会議を開催し情報交換まで進んだことは、本当に喜ばしいことです。これまで現場の最前線で多文化共生と向かい合ってこられ、今回ウクライナ避難民を助けたい一心で集まってくださった方々の力を借りることは、行政にとってプラスにこそなれ、何のマイナスにもなりません。そして、これまで、外国人対応について個々に地道に努力されてきた方々の情報交換の機会ができ、しかも最終的に医療につながる組織ができたことは、ウクライナ避難民受入れにとどまらず、5年後、10年後の成田市の国際化に必ず寄与します。シティプロモーション部長をはじめとして、担当職員の皆さん、ご尽力ありがとうございました。こうした人種を超えた地道な人道支援活動を当たり前にできる都市を国際都市と呼ぶんです。繰り返します。国際都市とは何でしょう。私はこう思います。同じ赤い血が流れる地球人同士が、医療、教育、勤労の機会をひとしく得られる都市のことです。 以上で私の一般質問を終わりにします。 ...

雨宮真吾 議長 一般質問を続けます。 3番、眞野義行議員。 〔3番眞野義行君登壇〕 眞野義行 皆さん、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして、一般質問を行います。 今回の質問は、グローバル人材の育成についてです。 それでは、始めます。昨年11月に、日本国籍を有している外国人の友人から連絡がありました。明日、茨城県立の中高一貫校の校長公募の第3次最終面接があって、学校教育においてどのような改革を行うのか具体的に提示する必要があります。自分の学校経営理念や改革案について聞いてほしいですと。びっくりしました。4か月ほど音信不通になっていて、どこで何をしているのやらと思っていたら、突然、日本の県立学校の校長採用面接のお話です。 資料として送られてきた茨城県立高等学校等校長選考試験実施要項を読むと、求める人物像について5つ記載されており、次の2つが目に留まりました。 1つ目は、過去の事例にとらわれない柔軟な発想力と企画力を有する者、2つ目は、社会の変化への対応力と先見性を有する者。 私からは、ギフテッドと呼ばれる子たちが生きやすい学習環境構築について論じたらどうだろかというアドバイスをしました。今さら彼に、グローバル人材の育成に不可欠な英語教育についてのアドバイスは全く無意味ですから。 さて、その後、彼から採用内定通知が届いたという連絡がありました。何と公立中高一貫校で外国人校長の誕生です。やるな、茨城。しかも募集人数5人という狭き門を突破しての内定です。ひょっとすると日本で初めてかもしれません。 さらに、彼から校長選考試験の応募人数を聞いて、さらに驚きました。皆さんは、5名の募集に対して、一体何人の応募があったと思われますか。1,673人です。茨城県立中高一貫校の校長職に対して、実は1,673人の応募があったんです。倍率にすると何と335倍、本当に驚きました。 そこで、私は、茨城県教育委員会に対して、校長公募についての聞き取りを行いました。ご紹介します。 2017年度に、初めて企業の管理職経験者などを対象に校長公募を行い、5人募集に対して63人が応募、採用決定は3人。2018年度は、同様の公募で3名募集、採用はゼロ。この過去2年の経験から教育委員会ホームページのみの募集では期待できる人材が集まらない。しかし、民間企業の管理職経験者で学校経営に興味のある人材が多いという感触を得た。 そこで転職・求人を行う企業複数に打診、その中で唯一エン・ジャパン株式会社が興味を示したそうです。お笑い芸人のバカリズムさんが青い着ぐるみを着て踊っているCM、皆さんもご存じかと思います。エン・ジャパンは、このような転職の取扱い経験がないということだったが、これをビジネスチャンスと捉え、プロジェクトチームを立ち上げました。そして協力をバックアップをしてくれた。その結果、1,673人という応募が殺到、改めて民間企業の力を感じ、官民一体の重要性を感じたということです。 私は、次の質問をしました。1,673人もの応募があったにもかかわらず、募集枠5人に対して合格者4人、実質倍率418倍、採用を5人にしなかった理由は何ですか。合格した4名の方は、これまでのキャリアもビジョンも突出していた。教育現場での経験はないが、県立の中高一貫校の校長をぜひお任せしたいと思わせる方々で、前例にとらわれず新しい学校をマネジメントできるすばらしい人材を確保できたということでした。 ここで、お手元の資料をご覧ください。 これは、首都圏の中高一貫校及び国際バカロレア(IB)と言われています、認定校・候補校の一覧です。文部科学省のデータ及び学校のホームページを基に作成しました。国際バカロレアとは、世界中の大学進学へのルートを確保することを目的として設置された世界共通の進学資格です。その理念は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より平和な世界を構築する。探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成です。この理念は、従来の詰め込み式日本型教育の脱却を目指す文部科学省が積極的推奨している教育理念で、まさに個別最適化された主体的・対話的で深い学びの実現です。 お手元の表の右側にある丸は、そのバカロレアの初級・中級・上級資格を取得できる印です。ちなみに二重丸は、日本語でも取得できる新しい制度ということになっています。本来、バカロレアをやるときは、全教科を英語で教えるということになっていますが、これは日本人の新しい中高一貫校にはハードルが高いので、日本語で教えてもいいですよと、ただし、英語と数学と理科は英語でやります。 裏面をご覧になっていただきますと、茨城県、ぱっと目を引きますが、2020年から2022年、来年度4月ですね、この3年間で10校の中高一貫校を一気に開設します。 千葉県は、千葉市立稲毛国際中等教育学校がありますが、実に少ないということです。 そこで、私は、再び教育委員会に質問しました。3年間で10校もの開設と、茨城県にとってこれはかなりの決断だと思いますが、その理由は何ですか。 まず、進路選択の多様性を求める児童生徒及び保護者の要望、次に企業誘致、企業誘致を行う際には、その幹部職員のお子さんの教育環境は非常に大切で、そのための教育制度改革の必要が迫られた。特色ある中高一貫校を設置することは、茨城県の発展に必要不可欠と考えた。 ここで、再び資料の裏面、そのまま茨城県をご覧ください。薄い黄色で塗られている茨城県立並木中等教育学校SSHと書いてあります。これはスーパー・サイエンス・ハイスクールの意味で、科学・理科に特化した学校です。 また、私立茗渓学園中学校・高等学校、つくばインターナショナルスクールの3校は、いずれもつくば市にあります。ご存じのとおり、つくば市は、筑波研究学園都市として、筑波大学のほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、理化学研究所、国土地理院、気象研究所など、国の様々な研究・教育機関をはじめ民間の研究機関が集まっている、まさにグローバル人材育成のための学園都市です。 世界や日本で有名な学園都市には、誰もが知っているような国立・私立大学がまちの中心にあります。そのため、都市開発においては、「◯◯大学がある」という付加価値がつき、まちのブランド力アップにつながっています。 例えば、イギリスではオックスフォード大学、アメリカではハーバード大学やマサチューセッツ工科大学。日本では一橋大学を誘致して学園都市として発展した東京都国立市、音楽大学として有名な国立音楽大学、桐朋学園もあります。 学園都市は、教育レベルが高く、たくさんの子育て世代が移り住んで、子供を持つファミリー層の増加、つまり若い世代の継続的な人口増加につながります。 さて、視線を私たち成田市に向けてみましょう。立地としては東京から1時間、成田山を中心に様々な歴史的遺産とともに広がる田園風景、国際空港を抱え日本初のワンストップ市場も開場、外国人住民及び来日観光客も右肩上がりの都市環境。学校教育では、市独自の外国人英語教師を各学校に常駐させ、先進的な小学校英語を実施、子育て世代への支援も充実。そして何より本市は、1979年の琉球大学での設置以来認められていなかった大学医学部の設置を果たしました。さらに附属病院の開院。 本市は、国際医療福祉大学を中心に据えたグローバル人材育成のための学園都市を形成するには、条件はかなり整っていると考えます。 そこで、質問します。国際医療学園都市構想の概要及び目的を教えてください。あわせて、グローバル人材の育成に関する市長の見解もお願いします。 さて、最近本当によくグローバルという言葉を聞くようになりました。GIGAスクール構想のGもグローバルです。そもそもグローバル人材というのは、どういう人間のことを指すのでしょうか。 私は、こう思います。世界中のどこに行っても安定した力を発揮できる人材、したがって、世界共通語として英語を使ったコミュニケーション能力は重要課題と考えます。 世界を瞬時に結ぶSociety5.0の世界では、海に囲まれた島国日本と外の国、外国という概念はもう成り立ちません。この複雑かつ変化に富んだ世界を生きていく子供たちをどのように育てるか。従来の学校教育を超えた対応が求められています。 したがって、グローバル人材の育成をする人間には、グローバル化についての明確な視点が必要になります。それがなければ、文部科学省が掲げるグローバル人材育成は絵に描いた餅になります。 そこで、お伺いします。先進的な英語教育、国際教育を推進してきた本市ですが、小中義務教育学校におけるグローバル化についてはどのようにお考えでしょうか。 また、教育課程特例校制度を生かした英語教育の成果と課題については、どのように分析しているのでしょうか。 さて、再びお配りした資料の裏面下をご覧ください。すみません。中高一貫校の種類についての解説図です。 今回、話題にするのは、一番左の中等教育学校です。中学生になるときに適性検査を受けて合格すれば、入学できるという形式です。高校入試がなく、6年間かけてじっくり生徒を育成するために、生徒個々に応じた、ゆとりのある教育が展開できます。本年4月に開校予定の千葉市立稲毛国際中等教育学校は、このタイプです。2019年1月の千葉市学校教育審議会答申の中で、中等教育学校が目指す教育について、次のように書かれています。その一部を紹介します。 今後、社会の変化は加速度を増し、現在の子供が大人になる頃には、社会の在り方そのものが現在と劇的に変わり、これまで人類が経験したことのない時代になっていると考えられ、稲毛国際中等教育学校では、このように複雑で予想不可能な時代の中で、子供たち自身が未来を切り開くリーダーとなり、豊かで幸せな人生を生きていくために必要な力を育成する。幅広い教養と国際的視野を身につけ、主体的に物事に取り組み、多面的、多角的に課題解決に向かい、ワールドワイドに情報発信でき、継続的に努力できる人間を育成することを目指す。 全てのことが盛り込まれたような難しいテーマではありますが、まさに国際都市成田が目指すべきグローバル人材育成の指針であり、その目的を具体化するための千葉市立の国際中等学校です。 そこで、お尋ねします。国際都市成田にこそ国際中等教育学校が必要と考えますが、市の見解は。 以上で1回目の質問を終わりにします。 雨宮真吾 議長 小泉市長。 〔市長小泉一成君登壇〕 小泉一成 市長 それでは、眞野議員のグローバル人材の育成についてのご質問にお答えいたします。 まず、国際医療学園都市構想についてでありますが、本構想は、医学部及び附属病院の設置を核に、介護施設の設置や国際医療への展開も視野に入れながら、地域医療の充実を図るとともに、医療産業の集積を進め、日本の医療技術を海外へ輸出するための拠点とするなど、一大医療学園都市を築くという理念の下、その実現に向けた国家戦略特区による規制緩和策を取りまとめたものであります。 本構想は、国際医療福祉大学医学部の開学及び附属病院の開院により、大きな柱が完成したものと考えておりますが、来年の春には医学部において初の卒業生が輩出され、地域医療や国際医療へのさらなる貢献が期待されるなど、新しい段階に入ることになり、医療関連産業の集積についても、協力して進めてまいりたいと考えております。 国家戦略特区制度は、産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動の拠点形成を目的とする制度であり、国際医療学園都市構想及びエアポート都市構想の提案により、国家戦略特区の指定を受けた本市といたしましては、グローバル化の進展する現在の社会に対応し、国際競争力の強化などに寄与できるような国際性豊かな人材を育むことは非常に大切なことであると考えております。 なお、グローバル人材の育成についてのご質問のうち、英語教育、国際教育について及び国際中等教育学校についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 雨宮真吾 議長 関川教育長。 〔教育長関川義雄君登壇〕 教育長 私からは、グローバル人材の育成についてのご質問のうち、英語教育、国際教育についてのご質問からお答えいたします。 各教科の授業や学校行事を含め、日々の学校生活全体の中で、自国の文化に触れ、そのすばらしさを知るとともに、様々な国や地域の多様な文化や価値観を受け入れ、児童生徒が自分の思いを発信したり、伝え合ったりするなどの経験を積み重ねていくことが、グローバル人材の育成においては重要なプロセスであると承知しております。その上で学校生活において、児童生徒がこのような経験を通じて成長できる環境を形成していくことが、学校のグローバル化につながるものと理解しております。 成田国際空港を擁し、多くの外国人とともに共生している本市といたしましては、グローバル化が進んだ社会の中で、物おじすることなく自信を持って自分の思いを発信することのできる児童生徒を育成することを目指し、小学校低学年からの英語教育を推進しております。 教育課程特例校制度を生かした英語教育の成果につきましては、例年実施している英語アンケートによると、昨年度、本市の小学校6年生の85.7%、中学校3年生の68.7%の児童生徒が「英語の学習が好きである」または「どちらかといえば好きである」と回答しており、これは全国学力・学習状況調査、質問紙調査のデータと比べ、それぞれ10ポイント以上高い割合であり、本市の児童生徒の英語学習への関心の高さが表れた結果となっております。 また、「外国の人と友達になったり、外国のことについてもっと知りたいと思う」、日本や自分が住んでいる地域のことについて、外国の人にもっと知ってもらいたいと思う」と回答した割合も全国に比べ10ポイント程度上回っており、自国や他国のことについて知ったり、外国人に対して自分の思いを発信したいという意欲の高さは、小学校低学年からの英語教育の成果であると考えております。 児童生徒と外国人英語講師が1対1で英語面接を行う成田市英語科効果測定においては、「英語で会話することができる」、「会話のやり取りがある」児童生徒の割合などをはかっております。昨年度の効果測定の結果では、「会話の流れをくみ、粘り強く会話を続けようとしているか」の数値が、学年が上がるにつれ上昇しており、指導の成果が明確に表れました。 一方、課題といたしましては、小学校から学び始めた英語学習について、小学校6年生から中学校3年生までの経年変化を見ると、「英語の学習が好きである」割合が86.3%から68.7%に、「外国の人と友達になったり、外国のことについてもっと知りたい」割合が81.9%から71.3%になるなど、英語学習に対する意欲や関心が、中学校への進学を機に低下傾向にあることが挙げられます。 教育委員会といたしましては、課題の解決に向け、大学教授や県の指導主事、高校教員、市内小中学校教員からなる成田市小中学校英語教育に関する検討委員会において広くご意見をいただき、教育課程特例校の取組を検証していくとともに、今後も児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成に努めてまいります。 次に、国際中等教育学校についてでありますが、国際中等教育学校は、いわゆる中高一貫教育を行うための学校であり、6年間の計画的・継続的な教育指導や生徒の個性を生かす教育ができるようになるというメリットが考えられます。 また、他市の国際中等教育学校では、グローバルリーダーの育成を理念に掲げているなど、国際性豊かな人材の育成に力を入れている事例もあります。 一方、受験競争の低年齢化につながるおそれがあることや、高校受験がないことによる学習意欲の一時的な低下などが課題として考えられます。 グローバル人材の育成のためには、国際中等教育学校による中高一貫教育が必要であるとのことでありますが、本市としましては、市独自プランによる小学校低学年からの英語教育を推進するなど、グローバル化に対応できる人材育成に取り組むとともに、英語教育の方向性について検討するなど、課題の改善に努めているところでありますので、引き続き既存の小中義務教育学校の枠組の中で、現在行っている教育を推進してまいります。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。 それでは、自席から質問を続けます。 教育課程特例校制度を生かした、本市の小学校低学年からの英語教育は、私も非常に高く評価できるものです。ところで、この教育課程特例校制度は、いつから、どのような経緯で始まりましたか。 雨宮真吾 議長 堀越教育部長。 教育部長 国際空港を擁する本市におきましては、将来を担う児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成を図ることが必要であると考え、千葉県と合同で構造改革特別区域の申請を行い、平成15年に内閣府から国際教育推進特区の認定を受けました。その後、平成20年からは文部科学省所管の教育課程特例校として英語教育を推進しているところでございます。 以上です。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。本市と同時期に小学校英語教育の特区として認可された自治体は、どのくらいありましたか。 雨宮真吾 議長 堀越教育部長。 教育部長 本市を含め全国で81自治体が認可されました。県内では、本市のほかに千葉市と船橋市が小学校英語教育の特区として認可されております。 以上です。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 先ほどの教育長答弁にありました、英語アンケート結果の全国調査との比較は判断材料の一つであると思いますけれども、同時期に小学校英語教育の特区として認可された自治体との比較も、かなり有効な資料となると考えます。これまでの約20年間で、特区の自治体や英語教育を推進している自治体との情報交換はどのように行われてきましたか。 雨宮真吾 議長 堀越教育部長。 教育部長 公開研究会や英語教育に関する協議会、他自治体への視察や本市への視察の受入れなど、様々な機会を活用し、情報交換を行ってまいりました。一例としましては、東京都品川区で行われた公開研究会への参加や埼玉県深谷市への視察、柏市や松戸市からの視察受入れなどがございます。 以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 どうもありがとうございました。同じ県内の千葉市、船橋市との情報交換も重要と考えます。また、中学生の進路選択として、国際科や英語科への進学率の経年変化、これも調査の対象にはなるんじゃないでしょうか。印旛郡の進路連絡協議会に問い合わせれば、すぐに分かります。英語学習が好きかどうかというのも大事な指標なんですけれども、英語学習を将来の自分の進路選択に入れたかどうか、これはやはり成田市の英語効果測定としてはさらに有効だと考えます。 ところで、2003年に成田市とともに内閣府から国際教育推進特区の認定を受けた千葉市が、この春に、先ほど申しましたが、千葉市立稲毛国際中等教育学校を開校します。国際都市成田の教育委員会として、改めてこの事例をどのように捉えますか。 雨宮真吾 議長 堀越教育部長。 教育部長 千葉市立稲毛国際中等教育学校につきましては、国際性豊かな人材の育成に力を入れている事例として認識しておりますが、本市としましては、先ほど教育長からご答弁申し上げましたとおり、市独自プランによる小学校低学年からの英語教育を推進するなど、グローバル化に対応できる人材育成に取り組むとともに、英語教育の方向性について検討するなど、課題の改善に努めているところでありますので、引き続き既存の小中義務教育学校の枠組みの中で、現在行っている教育を推進してまいります。 以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。教育特例校として、本市独自の授業案の作成及び見直し、ALTの採用、さらに教育委員会にALTを常駐させ、定期的な授業参観や研修会を行っているというのは、よく私も知っています。しかも、この活動は、かなり先進的かつ効果的な方法であることも認識しています。歴代の教育委員会の英語科の担当の職員、それから検討委員会の先生方の努力は、これは並々ならぬものがあります。 しかしながら、文部科学省から特別な英語の教育課程を認められて20年がたっています。2016年にスタートしたNARITAみらいプランに明記されていた12年後の市民の目指す姿の項目の中に、多くの市民がグローバル化に対応し、多様な文化や価値観を受け入れ、英語で自分の思いを発信するコミュニケーション能力が向上していますという記載があり、それは第2期基本計画にも継承されています。 この夢のような未来をつくり出すには、学校教育に係る部分が非常に大きいと考えます。先ほどのご答弁の、既存の小中義務教育学校の枠組みの中で現在行っている教育を推進していく。なかなかこれでは残り6年の中では難しいのではないかと考えます。 なぜなら、ここまで取り組んできた市独自の小学校英語教育は、中学校で高校入試の影響を受け、なかなかうまくつながらず、まして高校になると、コミュニケーション手段の一つである英語が座学の英語学になってしまって、全く授業としてはコミュニケーション活動に成立していないというところもあります。これは進んだ学校、高校の学力の上下、あまりいい表現ではないですが、学力に一切かかわらず、同じような状況が起こっています。 実際に私も、卒業生の多くが、3年後ぐらいに会うと、英語を忘れたというんです。その英語を忘れたというのは一体何かというと、言葉が出なくなった。とっさに言葉が出ないというのが一番の致命的な問題なんです。何という資産の無駄遣いか。小中で分断され、中高でさらに分断される英語を何とかコミュニケーション手段の一つに充実発展させるためには、高校入試という壁を取り払った6年間教育でじっくり生徒を育てられる中高一貫校の設置は最も効果的であり、それこそが成田市が国際都市として発展していくために必要不可欠なものと考えます。 千葉県教育委員会に確認しましたが、県立高校再編計画に新たな中高一貫校を設置する予定はない。県立成田国際高校の校長先生とも話しましたが、やはりその計画はないと。ただ、そのときに校長先生から、では、成田市立の中高一貫校をつくられたらどうですかと。さすが国際高校の先生だなと私はすごい感心しました。 先ほどの一覧表でお分かりになるとおり、首都圏地区では千葉県だけが特色ある高校再編に対して消極的です。はっきりこれは言います。時代の波に乗り遅れています。 ここで本市が国際中等教育学校設置に踏み出せば、成田市に優秀な人材を集める契機になります。なぜなら、成田市立なので、市内在住か転入予定の児童しかその学校には進学できません。進学の際には適性検査が実施されますが、いわゆるお受験とは異なり、理科系が苦手だけれども、英語が好きだという子供にも入学のチャンスが生まれます。千葉県立成田国際高校国際科は、学力的なハードルが高く、私は英語好きの子供たちが進学を断念するという事例をたくさん経験しました。好きなんですよ、成田の子供は英語が。だけど英語以外の教科も点を取れないと入れないんです。 ということで、よく中1ギャップということが言われますが、中学校教員にとっては、日本の深刻な教育課題、高校入試を乗り越えられない実は高1ギャップのほうが問題です。不本意ながら進学してしまった先で中途退学、これが実は増えています。 ところで、私は、2012年2月に成田市内の中学校で公開授業をしました。先ほどのご答弁にもありましたが、成田市小中学校英語教育に関する検討委員会主催によるものです。当時の成田市顧問の大学教授は、文部科学省初等中等教育局教科書調査官を務められた経験のある新里眞男教授でした。中学校英語教科書の「サンシャイン」著者代表でもあります。 その授業後、日を置いて、新里教授から二度ご連絡をいただきました。一度は、私の授業のことを英字新聞TheDailyYomiuriで紹介したいが、名前を載せていいかということです。見づらいですが、隣にパックンマックンが載っていますけれども、こういうやつですが、これは現在は読売新聞社の発行で、現在の名前としてはTheJapanNewsという名前で発行されています。 内容は、自分ではっきり言っちゃいます。千葉県成田市立玉造中学校英語教諭眞野義行の英語授業に感動したという記事で、私はこれまでに、このように生徒が状況に応じて自然に英語を使っている授業を見たことがないとまで書いてくださいました。 さて、もう一度は成田市の英語教育についての意見交換です。このときは、当時の教育委員会英語担当だった小学校教諭のS先生も同席しました。そのときに私は教授に言いました。新里先生、どうしてこんな授業ができるのか。新里先生監修、そして成田市の教育委員会が頑張った、成田市英語、小学校英語研究の成果です。これははっきり感じました。他市から転勤してきたときに、同じ授業をやったんですけれども、成田の子供たちは実に順応性が高く、慣れている。だからもう本当にチャンスなんだ、成田市はと本当に感じました。だからこういう授業になりました。 私は、2019年12月議会で、成田市立国際学校及び日本語学校の設立を提案しましたが、成田市には英語に特化した中高一貫校が必要だし、成田市ならできると考えた最初でした、このときが。小学校で英語によるコミュニケーションの基礎を学び、成田市立国際中等教育学校でグローバルな視野を持つ生徒を育てる。その生徒のうちの何人かが国際医療福祉大学で学び、英語を駆使して世界に羽ばたく。また別の何人かは成田市の多文化共生社会での地域医療問題に取り組む。こうして初めて小学校から大学までが一本のパイプで結ばれると考えます。国際教育推進特区・教育課程特例校という制度が実を結ぶのです。 成田市の学園都市構想及びエアポート都市構想は、教育という観点からつくられたものではありませんが、先ほど小泉市長は、グローバル化の進展する現在の社会に対応し、国際競争力の強化などに寄与できるような国際性豊かな人材を育むことは非常に大切であると考えているとおっしゃいました。ただし、この中高一貫校設置は、教育委員会とは別にプロジェクトチームが必要になります。もう教育委員会の職員の皆さんは余力はありませんので、ぜひ小泉市長をはじめとした執行部の皆さんが、本当に力を持っている成田の子供たちが具体的な未来に羽ばたけるような国際中等教育学校設置について、検討をよろしくお願いいたします。 以上で私の一般質問を終わりにします。...

雨宮真吾 議長 次に、3番、眞野義行議員。 〔眞野義行登壇〕 眞野義行 皆さんこんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問を行います。質問は、多文化共生指針についてです。 11月17日付の日本経済新聞デジタル版に、在留資格特定技能について、出入国在留管理庁が長期就労や家族帯同を認める業種を広げる方向で調整に入ったという記事が掲載されました。在留期限をなくすということで、事実上の移民受入れにつながる可能性のある制度改革です。2022年度3月に正式決定して省令や告示を改定する流れを想定しているとのことです。 ここで資料1をご覧ください、2019年出入国在留管理庁のもので、新たに創設された在留資格特定技能についての説明資料です。 資料の左下にある特定技能2号のポイントと書かれているところなんですが、熟練した技能があれば在留資格を何度でも更新可能で、在留期間3年、1年または6か月ごとの更新とありますが、大きなポイントは赤いところで、家族の帯同を認めるというところ、ここがそういう資格であるということです。制度制定当時は、建設、造船・舶用工業など2分野に限って認められた資格でした。 資料上段をご覧ください。赤い字で特定産業分野(14分野)とありますが、今回、出入国在留管理庁が改定の動きを見せている部分は、特定産業14分野の全てを特定技能2号に格上げしようというものです。すなわち、特定技能の対象業種14分野全てで無期限の労働環境が整うことになり、資料右側の部分にあるように、これまで専門職や技術者らに限ってきた永住への道を労働者に幅広く開く、外国人受入れの歴史的な転換となります。 さて、この特定技能、少子超高齢化が進み生産労働人口が減少する一方の日本において、今後の労働者問題に大きな好影響を与えるはずの制度改革でした。しかしながら、労働者を送り出す国によって手続が異なるだけでなく、送り出し機関の介在の有無や役割などが各国政府によって多種多様となっており、さらには悪質な仲介事業者の存在が問題になって受入れ人数の伸びがありませんでした。そこに新型コロナウイルス感染症の流行が起きたのです。 今年9月末の出入国在留管理庁発表では、2019年、2年前、当初に立てた以降5年間の受入れ人数34万5,150人を、途中経過でありますが大きく下回り、特定技能1号在留外国人数は全分野合計で3万8,337名にとどまっています。約10%を超えたところです。この新型コロナウイルスは、国境を越える人の流れを止め、各国で深刻な人材不足を引き起こしています。経済活性化に向けた人材の争奪戦が想定される中、どう労働力を確保するかは世界共通の課題ではありますが、感染拡大が収まらない状況では打つ手がないといったところです。 さらに、南アフリカでは、先ほど石渡議員も話題にされた新たなコロナ変異株が確認され、日米で株の大暴落につながる、または再びの入国制限を引き起こすなど、社会経済への影響は続いています。このタイミングで、出入国在留管理庁が人手不足の深刻な業種14分野で定めている外国人の在留資格特定技能について、2022年度にも在留期限をなくす方向で調整しているということは、かなり大きな改革だと私は思います。したがって、もしこれが現実となった場合、日本が外国人労働者に選ばれる国になっている必要があります。これまで長きにわたって単一民族を続けてきた日本が、ほかの文化を取り込むのではなく、ほかの文化と共生をしていく道を探さなければいけないのです。 さて、成田市は今年度、多文化共生指針(素案)に関するパブリックコメントを実施しました。今後、日本の表玄関成田市が国際都市として成長していくための指針が示されることになるのです。この素案は実にきめ細かくつくられており、市民協働課の皆さんを中心とした策定委員の皆さんのご努力が読み取れます。特に、市民協働課の職員の皆さんは、この作成にあたって、市内各所の外国人が学んでいる学校や日本語教室など6か所、企業等5か所を回り、さらには東京四谷にできた外国人在留支援センター、通称FRESCに赴いて研修を行うなど、現場重視の活動をしてこられました。本当にご苦労さまでした。 しかしながら、これは職員の皆さんもお分かりのように、ゴールではなくスタートの準備ができたにすぎません。これから、この指針に基づいて様々な課が連携して施策を講じていくのだと思います。まさに横断的な体制整備が必要と考えます。 そこで質問します。多文化共生指針(素案)に明記されている庁内連携体制の整備とは具体的にどのようなものでしょうか。 また、連携体制を整備するのは当然のことながら、多文化共生の国際都市成田という意識を職員の方々が持つことは非常に大切と考えます。この意識改革は容易ではありません。例えばコロナワクチン集団接種会場では、英語の表記はありましたが、多言語化は不十分でした。会場への外に置いてある案内板は日本語のみでした。多言語翻訳機は会場に用意されていましたが、掲示物や案内の掲示板にこそ、外国人も住民として存在しているんだというあかしが必要だと思います。やさしい日本語の活用が求められます。たとえ永住権を持った外国人であっても、日本語の読み書きは想像以上に難しく、特に漢字にはお手上げです。実際にALTの方の中にも、長年もう二十何年日本に住んでいらっしゃるんですが、日本語の漢字が難しく、この漢字の存在が日本文化の中に入っていくことの難しさの一つだとおっしゃっている方もいます。私たちが学ぶ以上に日本語の読み書きは本当に難しいんです。 また、多言語化や、やさしい日本語採用の意味は、ただ単に外国人のためにあるのではなく、そういった表示や表記が常にされているということが、市民の皆さんの多文化共生への意識づけになると思います。職員一人一人が多文化共生の重要性を理解するとは、こういうことだと思います。 そこで質問します。全職員が多文化共生の重要性を理解し、共通認識を持って職務に当たる。そのためにどのような具体的な検討をしているのでしょうか。 ところで、令和3年6月教育民生常任委員会において、多文化共生指針(素案)について質疑が行われ、国際都市として外国人住民や外国人観光客の独自の視点やノウハウを生かし、地域の課題解決に向けて共に取り組んでいくというご答弁がありました。 多文化共生が成功するかどうかの鍵は、外国人が実際に生活をする地域の共生がうまくいくかにかかっています。日本から一方的に見た外国人の姿やその背景にある文化が果たして正しいのか。そこを見誤ると、私たちがしてあげたいことと、外国人がしてほしいことに差が生じます。せっかくのおもてなしも大きなお世話、言葉は悪くて恐縮なんですが、になることがあります。それは日本社会でも起きることです。だからこそ、日本以外の国々の人たちの視点が必要になるのです。 そこで質問します。施策の進捗管理について、現状や課題を共有し改善策の検討を行うためには、庁内組織への外国人の参加が必要であると考えますが、市の見解をお聞かせください。 さて、共生社会実現のための核になるものは、日常生活の場である区・自治会・町内会との関わりです。ところが、近年その加入率の低下が続き、2021年3月には、成田市の加入率は約49.2%、コロナ禍の中、夏祭り等の住民交流行事が中止になり、自治会及び役員の皆さんの高齢化も相まって、そのまま各種行事を廃止してしまう組織もあります。子供の減少によって、子ども会の維持も難しくなっています。さらに自治会がない地域もあります。日本人の間でも、年齢、性別、職業を超えた共生社会の維持が難しくなっているのが現状です。その上に多文化共生となると、行政の支援がなければ、とても地域住民だけで進められるものではないと考えます。 そこで質問します。多文化共生の地域づくりを進めるにあたっては、行政と地域の連携・協働は必須ですが、市はどのような具体策を検討しているのでしょうか。 さて、この地域づくりの最大の目的は、命を守るための協働体制、共助体制を継続維持、そして発展させることだと思います。 ここで、成田市自主防災組織のしおりに記載されている一部をご紹介します。 自主防災組織をより身近なコミュニティ活動の一環として位置づけ、無理のない組織を全員で検討してください。皆さんが協力して、自分たちを守るという連帯感が湧く程度の規模が適当です。区・自治会・町内会等の活動の一部に含めて設けることが適当です。防災及び災害時対応における共助という観点から、区・自治会・町内会を単位とした地域住民による防災・避難訓練はとても大切であるということは間違いありません。 しかし、地域組織力の低下が問題になっている現状では、地域住民による外国人住民に対する自主防災組織や避難所運営委員会への参画要請は、自治会役員のさらなる負担につながり現実的ではありません。ここは行政の積極的な関わりが必要です。 そこで質問します。区・自治会・町内会との連携・協働は、災害時の対応にも大きな効果があると考えますが、どのような具体的な策を検討しているのでしょうか。 以上で壇上からの質問を終わりにします。 雨宮真吾 議長 小泉市長。 〔市長小泉一成君登壇〕 小泉一成市長 眞野議員の多文化共生指針についてのご質問にお答えいたします。 まず、推進体制についてでありますが、多文化共生指針は、本市の多文化共生社会を実現するため、基本的な考え方や目指すべき方向性などを明らかにし、具体的に推進するために策定するもので、本指針が掲げる各施策は、特定の部署のみが実施するものではなく、全ての行政分野において各部署が必要に応じて連携しながら取り組んでいく必要があります。 このようなことから、庁内連携体制の整備としましては、本指針を策定するために設置した策定委員会を活用して各施策の情報を共有し、庁内全体で取り組んでまいります。また、全職員が多文化共生の共通認識を持つための具体策につきましては、各施策を推進するため、職員一人一人が多文化共生の重要性を理解し、共通認識の下で職務に当たることができるよう、多文化共生に関連する情報を共有し庁内で連携してまいります。 次に、施策の進捗管理についてでありますが、本指針は、多文化共生社会への方向性と基本的な取組を示すものであり、数値目標を示すことができない取組も含まれております。このため、数値的な達成状況の把握や評価が難しいことから、多文化共生に関連する業務を定期的に調査し、結果を庁内にフィードバックしながら本指針が掲げる各施策を推進してまいります。今後、進捗管理を進める中にあっても、まずは職員が施策の現状や課題を共有し、改善策の検討を行う必要があると考えておりますことから、庁内組織への外国人住民の参加につきましては予定しておりませんが、外国人住民の声を伺う方法について検討してまいります。 次に、地域との連携・協働についてでありますが、多文化共生の地域づくりにおける具体策としましては、外国人住民に地域を知っていただき、地域の一員として、地域住民とのつながりを持っていただくために、区・自治会等の活動は有効であることから、区・自治会等の方々に活用していただけるよう、外国語版の加入促進のチラシを作成してまいります。また、地域で生活していく上で必要となるルールや慣習などについて、外国人住民にご理解いただくため、ごみの出し方や日常生活における生活習慣に関することなど、外国人のための生活マニュアルを作成し周知に努めてまいります。 災害時における自主防災組織及び避難所運営委員会との連携・協働につきましては、災害時における外国人対策として、地域における災害発生の危険性を周知するため、災害情報の入手先や避難所に関する情報、洪水や土砂災害に関する情報、災害時に取るべき避難行動などを記載した成田市防災マップを多言語で翻訳し、市のホームページで公開しております。本年4月からは、増加する外国人住民の安心・安全な暮らしを守るため、防災情報等を迅速に伝達するなりたメール配信サービスを8か国語に多言語化し、災害時における情報提供の充実に努めております。また、新たに転入された外国人の方には、これらの防災情報を記載したパンフレットを転入手続の際に配布しております。 また、災害時における避難所運営の基本的な活動を示した避難所運営マニュアルでは、避難所を運営する担当者の外国人への対応として、食事など文化や習慣にできる範囲で配慮することを求めるとともに、各避難所には、避難所のルールや共同生活上のルールをまとめた外国語版のシートを作成し配置しております。 さらに、一般社団法人自治体国際化協会が提供している災害時多言語情報作成ツールを活用し、トイレや救護所などの案内表示や簡単な日本語表示を多言語に変換したものを作成し、各避難所において外国人の避難者に対応できるよう整備するほか、外国人観光客向けに気象警報の発令や震度4以上の地震があった際の災害情報を配信する多言語観光・災害情報配信アプリであるFEEL成田の周知にも努めております。 そのほか、災害時に指定避難所を開設する担当職員に対し、やさしい日本語を使用した外国人対応の研修を定期的に実施しており、本年度は306名の職員が受講しております。このやさしい日本語は、日本人同士がふだん使っている会話よりも簡単で、日本語能力が十分でない外国人に分かりやすいように配慮した日本語であるため、受講した職員は、災害時のみならず通常の窓口業務においても、やさしい日本語を用いた外国人対応が可能となるなど、市職員の多文化共生に対する理解が深まる機会にもなっております。 災害時における地域との連携・協働においては、公助としての公的機関の活動には限界があることから、自分の命は自分で守るという自助や、自分たちのまちは自分たちで守るという共助の考え方に基づき、本市では地域ごとに自主防災組織や避難所運営委員会が発足されるよう支援しており、防災講話や各種訓練を実施しております。 地域の自主防災組織や避難所運営委員会に外国人住民が参画されることは、住民活動による地域防災力のさらなる向上が期待されますことから、市としてもこれらの組織との連携・協働を図っていく中で、地域に居住する外国人の参画についても依頼するなど、多文化共生の視点に配慮した災害時の支援体制の推進にも取り組んでまいります。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ご答弁ありがとうございました。 それでは質問を続けます。 先ほどのご答弁で、区・自治会の方々に活用していただけるように、外国語版の加入促進チラシを作成してまいりますとありましたが、そもそも日本以外の国々に会費や運営費を払って加入する自治会というものが存在するのでしょうか。もし存在しないとなれば、どんなにうまく翻訳したとしても、外国人の方々に自治会の存在を理解してもらうのは難しいと考えます。そこで、成田市英語補助員、ALTたちの母国での地域住民組織についての聞き取りをしてみました。その結果をご紹介します。 イギリス、自治会はある。日本同様、中高年の高齢化が問題になり、また若者の無関心などで会員の減少が続いている。 カメルーン、こちらにも自治会があると。その活動内容は日本のものとほぼ同じ。それぞれの地域住民の要望に応えていくものとして法的に認められており、自治体職員と協働して活動する。自治会のリーダーは大抵男性だけれども、女性の不満を代弁できるリーダーとして選ばれた女性と責任を共有すると。男女参画が、自治会の中で実際に行われているそうです。法的な問題以外のことは、自治会で解決をしていくと。 ケニア、田舎と都会では異なる2つのタイプがある。都会の場合は、治安のために塀で囲まれた住宅や団地内に自治会のようなものが存在している。田舎の場合、本質的には社会福祉的なものだが、それぞれ異なった目的で存在する。 アメリカ合衆国、2人の出身地のまとめです。自治会はない。しかし、近隣住民とはよい関係を築き、法的な問題でない範囲のものであれば協力して解決できる。地域で工事や環境問題が発生すれば、みんなで集まり、取りまとめた意見を市に訴える。地域によっては、住宅所有者協会という管理団体が存在し、厳格なルールやサービスで住民生活を管理する。 オーストラリア、自治会はない。オーストラリア近隣住宅センター協会と呼ばれる組織が公民館などの公立の施設を管理し、オーストラリアのコミュニティが直面している経済的、社会的、市民的な課題解決に取り組んでいる。 フィリピン、3人の出身地域の方のまとめです。自治会はない。日常的な近所付き合いがあり、毎週日曜日にはご近所さんとpotluckと呼ばれる食べ物持込みパーティーが行われる。これはもうアメリカでも文化として根づいています。が行われ、よい関係を築いている。日本では当たり前の回覧板、美化活動、リサイクル活動などはない。地域によっては、アメリカ同様に住宅所有者協会という管理団体が存在し、治安維持や災害時対応を行い、それが地域住民のよい関係を生んでいる。また、若者向けのスポーツ組織があり、若者の関心をドラッグを含めた犯罪行為からそらすことに役立っている。信心深いクリスチャンも多く、宗教的側面から助け合い活動や弱者救済活動が行われている。 ...

雨宮真吾 議長 次に、3番、眞野義行議員。〔3番眞野義行君登壇〕 眞野義行 皆さん、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして、一般質問を行います。今回の質問は、平和事業についてです。それでは、始めます。本年2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を開始し、現在もその軍事侵攻は続いています。しかし、戦況の膠着状態からマスコミの報道時間が極端に短くなり、それに伴い、この軍事侵攻が、日本人にとってははるか遠くのユーラシア大陸で起きている全くの他人事になりつつあります。しかしながら、この軍事侵攻の影響は、私たち日本人の日常生活にも大きな影響を与えています。コロナ禍も相まって、食品及びエネルギー価格の上昇は今後も続くことが予想されています。また、それ以上に深刻なことは、核を持たない国への軍事侵攻という側面です。唯一の被爆国であり、軍隊を持たない日本が直面している現実的な問題は、日本の周りに山積しています。北方領土、尖閣諸島、そして中国による台湾侵攻、朝鮮民主主義人民共和国の度重なるミサイル発射など、私たちが緊張感を持って国防について考えなければならないことはたくさんあります。決して無関心でいられることではありません。このような世界情勢だからこそ、戦争を起こさないための平和教育の推進が求められます。今回のウクライナ侵攻問題は、改めて平和について考える契機になっているのです。そこで質問します。本市は、これまでにも多くの平和事業を行い、平和啓発活動も積極的に展開されてきました。改めてその理念と主な取組について教えてください。さて、このロシアの軍事侵攻によって、現在ウクライナでは、これまでに国外に避難した人は600万人を超え、国内で避難生活を余儀なくされている人はおよそ800万人に上っています。現在300万人を超えて受け入れているとも言われている隣国ポーランドを筆頭に、西側の近隣諸国が受入れを行っていますが、限界に近づきつつあります。したがって、これまで極めて難民受入れに消極的だった日本も、人道的支援という観点から、信じられないようなスピード感を持って受入れに踏み切りました。現在は1,000人を超える避難民が日本各地で保護されています。本市も、3月に避難民受入れ及びその支援体制づくりに着手する旨の報道発表しました。そこで質問します。ウクライナからの避難民の受入れ体制づくりの進捗状況と今後の取組について教えてください。さて、この避難民、難民支援については、確固たる人道上の信念に基づく支援を行わないと、映画やテレビドラマの世界の「かわいそう」で終わり、ウクライナ避難民支援は単なるブームで終了してしまいます。複雑化し、国際化する世界情勢の中、次世代を担う日本の若者が、一国平和主義ではない観点から、戦争や内戦から生まれてしまう避難民、難民について考えることは極めて重要だと考えます。そこで質問します。学校教育現場では、ロシアによるウクライナ侵攻問題をどのように扱っているのでしょうか。以上で1回目の質問を終わりにします。 雨宮真吾 議長 小泉市長。〔市長小泉一成君登壇〕 小泉一成 市長 それでは、眞野議員の平和事業についてのご質問にお答えいたします。まず、平和啓発活動についてですが、本市は、自ら永遠の平和都市となることを決意し、昭和33年に世界連邦平和都市を宣言し、広島、長崎への原爆投下から50年目に当たる平成7年には、核兵器の廃絶と恒久平和確立のために非核平和都市を宣言しました。核兵器のない平和な世界をつくることは、私も含め全市民の願いであり、世界中の人々の願いであると確信しております。このため、平和に対する意識を醸成し、次世代の子供たちに平和の尊さを伝えるため、成田市平和啓発推進協議会や市民の皆様のご協力をいただきながら、平和啓発事業を実施しております。主な取組といたしましては、例年、市内の中学生を平和使節団として広島や長崎へ派遣し、平和への祈りを込めた折り鶴を被爆地にささげるとともに、戦争の悲惨さと平和の尊さを学んでもらい、その成果を広く市民に伝える折り鶴平和プロジェクトを実施しており、本年も長崎へ派遣を予定しております。また、市役所をはじめ市内施設において、原爆写真展や丸木位里さん、俊さんご夫妻が描いた「原爆の図」展を開催するとともに、昭和63年に発刊しました市民の戦争体験記「今だからこそ」を多くの皆様にお読みいただけるよう、市のホームページに公開しております。さらに、昨年度は、新たに開校した大栄みらい学園に広島の被爆樹木二世であるアオギリの苗木を植樹し、平和の新たなシンボルツリーとなることを祈念いたしました。平和な社会は、互いの人権が尊重される社会であり、その実現のためには、平和に対する意識の醸成が不可欠であります。本年2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を開始したことにより、市民の皆様の平和に対する意識も一層高まっておりますことから、今後も平和啓発事業を積極的に推進し、戦争の悲惨さと平和の尊さを訴えてまいります。次に、ウクライナからの避難民の受入れ体制づくりの進捗状況と今後の取組についてでありますが、ロシアのウクライナ侵攻により、多くのウクライナ国民が国内外への避難を余儀なくされております。平和都市宣言を行っている本市といたしましては、国外へ避難されている方々が少しでも安心して過ごせるよう、人道支援として避難民の受入れを行うことを3月14日に県内でいち早く表明し、支援に関する総合的な相談窓口を文化国際課内に設置するとともに、市のホームページにおいても周知を図っております。あわせて、住居や子育て支援などを行うことを想定し、受入れに向けた課題を全庁で整理するとともに、受入体制の構築に向けて検討を行ってまいりました。現在、ウクライナから本市に避難されている方はいらっしゃいませんが、出入国在留管理庁と情報を共有し、受入れ要請があった場合には、速やかに対応してまいります。また、避難民を受け入れる際には、言葉や生活習慣の違いなどの課題もあることから、国や県をはじめ、外国人受入れのノウハウを持つ成田市国際交流協会などの関係団体と連携するともに、通訳ボランティアとして登録されている方々にご協力いただきながら、避難された方々にとって必要な支援が迅速に提供できるよう、引き続き取り組んでまいります。また、3月17日には、JR成田駅及び京成成田駅前において、私と関根副市長、市議会議員及び関係団体の皆様にもご参加いただき、街頭募金を実施しましたところ、短時間ではありますが、約22万円ものご協力をいただきました。さらに市役所をはじめ市内公共施設に募金箱を設置しており、街頭募金と合わせ、先月末までにお預かりした約125万円の募金は、日本赤十字社を通じて、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国での救援活動などに役立てられます。皆様から多大なるご支援をいただきましたことに対し、心より御礼を申し上げます。一日も早く事態が収束し、ウクライナ国民に平穏な日々が戻ることを願うとともに、引き続き市役所をはじめ市内公共施設に募金箱を設置しておりますので、ご協力をお願いいたします。なお、平和事業についてのご質問のうち、学校教育現場でロシアによるウクライナ侵攻問題をどのように扱っているのかとのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 雨宮真吾 議長 関川教育長。〔教育長関川義雄君登壇〕 教育長 私からは、平和事業についてのご質問のうち、学校教育現場でロシアによるウクライナ侵攻問題をどのように扱っているのかとのご質問にお答えいたします。現在、ロシアによるウクライナ侵攻問題について、市内の各学校におきましては、特別に授業などで扱うことはしておりませんが、世界各国で起きている内戦や国際紛争などが報道される中で、児童生徒が関心を高め、平和の大切さについて考える機会を与えられるよう、学習活動全般を通して、平和教育を実施しているところであります。主に教科内で取り上げられている平和教育につきましては、社会科の授業の中で、明治時代から第二次世界大戦終結までの事柄について学習し、当時の国民生活の様子や戦争が人類全体に及ぼした大きな影響、平和主義などについて学んでおります。また、国語科におきましても、戦争と平和を題材とした文学作品などを多数扱っており、子供たちは作品に触れることにより、戦争の悲惨さや命の尊さなどについて深く考え、自分の言葉で思いを伝え合う学習をしているところであります。道徳の授業では、いじめ、差別問題、友情や自然愛護などの平和教育の根幹となる題材を扱っております。加えて、道徳的心情の育成には、子供の実践や経験も重要であるので、道徳の授業の中だけではなく、日常生活の中で起きている問題に対し、その機会を捉えながら教師が親身になって対応しているところであります。教育委員会といたしましては、このような学びを通して、平和教育の充実と推進を図り、子供たちが問題を客観的に捉え、主体的に取り組み、解決する力を身につけるともに、平和な社会を構築するための人格の形成に努めてまいります。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ご答弁ありがとうございました。それでは、順番を変えて教育現場での対応について質問を始めます。日本の平和教育に欠けているものは、私は、避難民や難民の受入れ、つまり彼らとの共生社会の実現という視点だと思います。この避難民や難民が生まれる背景について学ぶことは、社会的弱者をどのように助けるのかという真の道徳教育につながるものだと考えます。そこで質問します。この3か月で、ウクライナ侵攻に関連した避難民や難民問題について考える取組をした学校現場の事例はあるでしょうか。 雨宮真吾 議長 堀越教育部長。 教育部長 現在、学校現場でロシアとウクライナの問題に関連して、避難民や難民問題に限定して考える取組を実施した事例はございません。しかしながら、社会科の授業で難民問題について触れる機会として、中学校では、3年生の公民分野において、世界人権宣言や国際人権規約など普遍的な人権を学習する中で、国際社会における困難な課題の一つとして取り上げられております。また、小学校では、6年生の社会科、世界の未来と日本の役割という単元の中で、様々な国際協力団体の活動を紹介するとともに、難民発生とその背景にある諸問題の解決に取り組む国際機関や日本の役割への理解と自覚について、学習しているところでございます。以上です。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 難民問題を学ぶことは、国際教育の基礎になるものでもあり、継続をぜひよろしくお願いします。次に、2016年の議会一般質問の教育長答弁の中で、多くの小学校では、実際に戦争を体験した方を語り部として招き、平和の大切さを学ぶ機会をつくっており、子供たちには貴重な学習の場となっておりますとありましたが、現在はどのような状況でしょうか。また、今後の予定はどのようになっていますか。 雨宮真吾 議長 堀越教育部長。 教育部長 令和2年度、令和3年度につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、実施が見送られておりますが、戦争を体験した語り部の方もご高齢な方が多いため、感染者数の推移を注視しながら、子供たちに貴重な機会を提供できるよう、学校へ推奨してまいります。以上です。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。皆さんもご存じだとは思いますが、成田市平和啓発推進協議会では、成田市在住の日暮淑さんの体験を紙芝居にした「ねむの花に祈る」というDVDの貸出しを行っています。淡々と語られるその語り口から、戦争の悲惨さや平和の尊さが伝わってきます。紙芝居の後半では涙を誘う部分もあります。ユーチューブでも公開されているので、タブレット視聴が可能だと思います。ぜひ教育現場で活用されることをお勧めします。続きまして、次の質問に入ります。ウクライナ避難民の受入れ体制づくりの進捗状況と今後の取組についてのご答弁に対して質問を続けます。まず、住居の提供、一時滞在施設の提供、子育て支援について、それぞれの具体的な進捗状況について教えてください。 雨宮真吾 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 住居の提供につきましては、成田ニュータウン内などの空き室等を活用するほか、民間アパートの借り上げや市内にあるホテルを一時滞在施設として活用する方向で調整をしております。また、子育て支援につきましては、児童相談の利用や保育園の受入れのほか、滞在資格に応じて児童手当や子ども医療費の支給が可能になることを確認しております。以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 本市は、3月14日、ウクライナの避難民を受入れ表明時に、以下のようなプレス発表を行いました。その例として、東京新聞ウェブの記事を紹介します。ウクライナ国民に平穏な日々が戻ることを願っているが、国外に避難されている方々に少しでも安心していただきたい。市営住宅に限定せず、成田ニュータウン内など民間からの借り上げも含めて、市中心部の空き家を確保する。政府の要請や成田空港からの避難民が入国した場合に備える。国際空港からの移動距離が短い立地を生かし、人道支援を進めたい。ここで、皆さんのお手元にある資料1ページ目、一番最初のところをご覧ください。千葉市、柏市、松戸市、船橋市、鎌ケ谷市などは、具体的な住居提供戸数、市独自の生活支援金支給がホームページ上で公開されています。これが一覧になっています。めくっていただいて2ページから4ページは、これらの一覧表をつくった基となっているホームページのコピーです。成田市のものは4ページの右側、一番最後にあります。約3か月たった現在もホームページ上では確認できるものがありません。更新も4月7日で止まっています。調整中ということで具体的に発表できものは現在ないのでしょうか。 雨宮真吾 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 現状では、提供できる住宅戸数など具体的に公表できるものはございませんが、国や県などの支援策を市のホームページにおいて掲載しております。なお、引き続き支援に係る情報など、ホームページの充実に努めてまいります。以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 国際都市成田です。早急な対応をお願いします。続けます。次に、受入れに向けた課題を全庁で整理するとのお答えですが、その整理する全庁組織の構成及び協議開催回数を教えてください。 雨宮真吾 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 住宅、子育て、教育、福祉など避難民の受入れに当たり必要となる支援の関係部長及び課長が集まり、4月7日に打合せを行い、利用できるサービスや利用に当たり課題になることと、その対応策について確認しております。また、その後も関係各課へ情報共有を図るとともに、個別事項につきましては、随時各課と調整をしております。以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 例えば、再び資料3ページご覧ください。資料3ページの左の松戸市のホームページには、ウクライナ避難民等支援対策チームという全庁組織が存在します。成田市にはこういったものはないということでしょうか。また、全庁で様々な問題について合同会議を開いたことは1回という認識でよろしいでしょうか。 雨宮真吾 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 プロジェクトチームのようなものは組織しておりませんが、避難民の受入れが決まった際など、必要な支援が迅速に提供できる体制を取ってまいります。また、避難民に関する合同会議につきましては、4月7日に1回でございますが、想定される個別事項については、随時関係各課と調整をしております。以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 日本の表玄関、国際都市成田には、他自治体のモデルとなるような全庁組織が本当に必要と考えます。人道支援として避難民の受入れを行うことを3月14日に県内でいち早く表明したわけですから、また、その組織には外部の方々の参加も必要です。本市にある成田赤十字病院国際診療科部長、日本語学校長、日本語教師の方々には、3月10日の段階で、私個人的に協力依頼をしております。現在、本市の状況は、ロシア語通訳者の方への協力要請にとどまっておりますが、ほかの皆さんも市からの協力要請があればぜひ協力させていただきたいとお返事をいただいております。この後すぐに連絡されることをお勧めします。次の質問です。外国人受入れのノウハウを持つ成田市国際交流協会等関係団体との連携とのご答弁ですが、避難民受入れについて、成田市国際交流協会にはどのようなノウハウがあるのか教えてください。 雨宮真吾 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 成田市国際交流協会につきましては、現在、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により人的交流が思うように実施できておりませんが、これまで友好姉妹都市との交流において、訪問団の受入れや語学ボランティアの派遣、また成田市で生活する外国人と日本人の交流を目的としたイベントの開催などの活動経験がございます。これらのことから、ウクライナ避難民を受け入れる際に、言葉のサポートや交流面でのご協力をいただけるものと考えております。以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 これは私もなかなか難しいところですが、平和な気持ちでやってくる留学生の皆さんやイベント参加の外国人の方々の対応と、避難民受入れとは大きく異なるということを皆さんに分かっていただきたい。これは、自分も戦争を経験したことがないので実は分からないところがあるんですが、生き死にのかかった戦場から母と子供で避難してくる。ウクライナの男性は18歳から60歳まで徴兵制をしいていますので、ですから映像に映るとおり、母親と子供という構図になっております。大体避難民の8割以上は女性と子供になっています。小さな子供が父親と別れるときに、泣きながらお父さんがかぶっている戦闘服のヘルメットをポコポコたたいて別れを惜しんでいるという映像が当初随分流れたと思いますが、ご覧になった方は多いのではないかと思います。ぜひそういった感覚で、さらに避難民受入れについて考えていただきたいと思います。最後の質問です。支援募金は一律日本赤十字社へ送金という形ではなく、今後、成田市に受け入れることになるかもしれない避難民のためにストックしておくべきだと考えますが、見解を教えてください。 雨宮真吾 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 皆様からお預かりした募金は、当初より日本赤十字社を通じてウクライナ避難民への支援に役立てることを目的で受け付けておりますことから、市でストックしておく考えはございません。以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 最後と言いましたが、もう一つありました。本市のウクライナ人道救援基金募金が9月末まで延長されていますが、募金を避難民の実生活支援に充てると告知すればよいと思いますが、そのお考えもありませんか。 雨宮真吾 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 ただいまご提案いただきました件につきましては、実際に避難して来られた際に改めて検討させていただきます。以上でございます。 雨宮真吾 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。資料1ページをまたご覧ください。既に受入れ等を行っている自治体は、市民の寄附及びふるさと納税を生活支援金の一部に使っています。ふるさと納税については、当該市の住民も寄附ができる仕組みになっています。現状では、避難民の多くは日本在住の縁故関係者を頼って来日されていますので、本市には避難民は来られていませんが、いらしたときに検討するのではなくて、その前に検討されることをお勧めします。さて、成田市議会は、3月1日にロシアによるウクライナへの軍事侵略に対する決議をしました。さらに17日には募金活動に参加させていただき、ウクライナ人道救援基金として別途30万円を日本赤十字社に送りました。行政と議会が一体となってウクライナ支援に乗り出したわけです。私個人としては、3月15日に小泉市長を訪れ、関根副市長及び市職員の方に、ウクライナ避難民支援体制整備についてお話をさせていただきました。それから3か月、資料1ページ目に載せられるものが一つもないという本市の現状は、私としては極めて、私としてだけではなく、非常に残念です。本当に今知りたいと思っているのは、本市の避難民支援の進捗が進まない原因、一体これは何なのか。それから、これはちょっと厳しいことを言うようですが、これが国際都市の有り様なんだろうか。これは国際協力に対する自覚と責任が、国際都市として問われているのではないかと私は本当に思います。ただ、これを担当課の方だけの問題にしてはいけないと思います。なぜなら、避難民や難民、それから多文化共生といった問題は、私を含めて私たち日本人には直面したことのないことで、皆手探り状態だからです。だからこそ、国際都市成田市職員の皆さんと市民の皆さん、私も当然ですが、一緒にこの問題について学んでいこうではありませんか。本市がウクライナ避難民受入れについて本気の姿勢があり、真剣に平和事業の推進を考えておられるなら、この問題をきっかけに、ずっと以前から世界中で苦しんでいる難民の方々、そして、その受入れについて考えるための平和啓発活動というのは本当に必要だと思います。平和事業について、さらに本市が本気で取り組んでいくことを期待して、私の一般質問を終わりにします。 ...

荒木博 副議長 次に、3番、眞野義行議員。〔3番 眞野義行君登壇〕 眞野義行 皆さん、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問を行います。 質問は、大きく分けて2つです。1つ目は、部活動の在り方について。2つ目は、あいさつ運動についてです。 それでは始めます。 開催の是非が問われ、一時期、国民の意見を二分化させてしまった感のあるオリンピック・パラリンピックでありましたが、本市から2名のメダリストが誕生したことは、誠に喜ばしいニュースでした。私も全力で応援しました。 さて、本市は2017年からパラリンピックアイルランドチームの事前キャンプ候補地として、様々な準備を行ってきました。8月18日には、中台公園でアイルランドチームの歓迎式典を行いました。公津の杜中学校吹奏楽部の演奏があるということで、私は選手の応援を兼ねて会場に参加しました。 歓迎に使われた演奏曲は、アイルランドと成田市の共同制作「PARA Beats!」というオリジナル曲。そのときの公津の杜中学校は、3年生引退直後で、しかもお盆明け、全体練習が僅か2回しかできないという状況の中、頑張りました。お天気には恵まれましたが、風が非常に強く、演奏前、演奏途中でも、譜面台がばたばた倒れてしまう中、最後まで演奏し切りました。 演奏が終わった瞬間に、パラリンピックアイルランドチームから大きな拍手が沸きました。しかし、その拍手は、単なるお礼の拍手ではなく悪条件の中、最後まで頑張り抜いた公津の杜中学校吹奏楽部に対する温かいメッセージ性のある拍手でした。ヒューヒューという声も聞こえて、この相互の思いやりの交換が、あっこれがパラリンピック、オリンピックの精神なんだなと、すごく感動した記憶があります。パラリンピックの選手を応援に来た中学生を、パラリンピックの選手たちが逆に応援し返すという、本当にいい光景でした。年齢、人種、言語に関係なく頑張った人をたたえ合うオリパラ精神そのものでした。 演奏終了後は、生徒たちがアイルランドの旗を持って、スタンドから必死に選手たちを応援していました。それは、先ほどの市長の答弁の中にもありましたけれども、とても美しい光景でした。スポーツや芸術に言葉は要らないなと、改めて思いました。当日、顧問の先生ともお話をしましたが、とにかく無事終わったことに安堵の表情。50人の部員の指導は、本当に大変だと思います。3年生が引退する前は、70人だったそうです。 後日、公津の杜中学校に生徒たちの感想を聞いたところ、こんな経験をしなかったらパラリンピックという競技に興味が沸かなかったからとてもよかった、アイルランドのことを知ることができてよかった、さらには自分の世界が広がったというような感想もあったそうで、これは学校の部活動がパラリンピック選手応援という活動に結びついて、大きな教育的効果を上げた例だと思いました。シティプロモーション部、スポーツ振興課の職員の皆さん、小さいけれどしっかりとオリパラの遺産が、生徒たちの心に残りました。4年間お疲れさまでした。 さて、その日の午前中には、中学生議会が開かれていました。その中の生徒の1人が、質問の最後に自分の意見として次のように述べました。 一部抜粋ですが、私はバレーボール部に所属していたのですが、コロナウイルスの影響で成田市は休校期間が明けても、全部活、朝練ができない状態でした。けれど、コロナ対策をしっかり取っていただいたおかげで、私たち3年生は総体という舞台でプレーすることができました。約2年半打ち込んできた部活動にしっかり区切りをつけることができ、自分の全力をぶつけることができる総体やコンクール、美術展の重要さを知りました。同時に、去年出場できなかった先輩のことを思い、部活ができることのありがたさに気づきました。このコロナのせいで、私たちの行事が全てなくなってしまうのはとても寂しいです。これからも中学生が全力で部活に取り組めて、中学校行事を楽しめるような対策をぜひお願いします。 実際に多くの中学生にとって最も重要な思い出になる部活動。先ほどの吹奏楽部のように、学校という枠を超えて学びの機会にもなる部活動。成田市部活動経営ガイドラインにも明記されていますが、改めて本市の考える部活動の意義及び必要性とは何か、小中学校における本市の部活動の現状や教職員及び児童生徒の意識調査を交えてお聞かせください。 さて、この中学校の部活動、教育的効果の高いことは多くの教職員が理解していることではありますが、同時に様々な問題を抱えています。例えば、冒頭で述べたような顧問1人に対する部員の多さ、大規模校では起きがちなことで、ある中学校の卓球部や陸上部などは、実質1人の顧問に対して70人、80人ということもあります。こうなると、練習に集中できないことから、おしゃべりしたりふざけ合ったり、それがけんかに発展し、いじめに近いような状態になることも実際にあります。その上、事故が起きたら全て顧問のせいになります。もちろん学校管理者の責任になりますので、1人が追及されることはありません。それでも自分の経験がある部活動なら何とか運営できます。 しかしながら、全ての教員が自分の競技経験のある部活動を担当するわけではありません。2017年スポーツ庁の運動部活アンケート結果では、保健体育の教師以外の教師で、担当部活動の競技経験がない部活動を担当することになった教員は45.9%、競技経験がある部活の顧問になれた数は34.3%、つまり約半数の教員が、自分の競技経験のない運動部活動を担当しているのです。さらに言えば、スポーツが苦手でも運動部顧問になるのです。スポーツを見て楽しむことと実際にやることには大きな違いがあります。その上、そのスポーツを指導しなければなりません。 しかし、これだけでは終わりません。大会においては、審判までこなさなければならないのです。自分の趣味として行うなら、それは楽しいかもしれませんが、指導という責任まで持たされます。さらに教師を悩ませる運動部活運営上の保護者対応、実はこれも大変です。ブラック部活動と言われる本当の問題は、拘束時間だけではありません。だからこそ、専門知識を有している外部指導者の弾力的な運用や部活動指導員が必要なんです。それはもちろん教師の働き方改革という側面もありますが、それよりはむしろ自分の好きなことに打ち込みたいという子供たちの若いエナジーを正しく消化させてあげる。ここに本当の狙いがあるはずです。 この問題については、2018年、2020年に鳥海議員から、2019年には大和議員から質問及び要望が出されていますが、教師の働き方改革促進という観点から、改めて質問をします。教職員負担軽減のために、外部指導者事業に対して大会引率等を可能とするような弾力的な運用について検討が必要だと思いますが、市の考えをお聞かせください。 ところで、本市はスポーツツーリズムの促進により、豊かな観光資源の創設、新しいビジネスの創出、地域の活性化などを目指すという目標の下、スポーツリーダーバンクの充実を図り、指導者を必要とする学校や地域団体などに人材を派遣するなど、バンクの有効活用を図っています。市民がスポーツボランティアとして積極的に学校教育の部活動の分野に参加していくことは、地域に根ざした開かれた学校という文科省の考えに合致し、部活動改革推進のためにも大きな役割を果たすと考えます。そこでお伺いします。本市のスポーツリーダーバンクの現状と活用状況についてお答えください。 次に、あいさつ運動についてお尋ねします。 今さらのテーマではありますが、コロナ禍の中だからこそ改めて挨拶の大切さを問いたいと思います。私は、昨年6月休校明けから、地域の小学生の様子が知りたくて、毎朝交通安全指導を続けています。校門の前は、校長先生が立たれるので、反対側、もりんぴあ側で交通整理をするんですけれども、自転車通学の中学生が集団で通っているときに、車の往来が重なると、ああこれは危険だなと思うときはあります。また、小学生1年生などは、何もないところでつまづいて、腕を支えずに顔面から転倒するという、それは聞いてはいたんですが、目の当たりにして顔面から落ちて頭がばあんと触れて、これはびっくりしまして、幸い大きなたんこぶができただけで済みましたが、校長先生も飛んで来られて、お母さんは何であなたは手をつかなかったのって、でも本当に手をつかずに倒れる子供がいるんだというのはすごく驚きましたが、大事に至らなかったのですごくよかったです。 それで、どんどん話がそれていってしまうんですけれども、また小さな側溝に、もう1つだけ言うと、側溝のこういう四角の小っちゃなところに、足が縦に入って、それを抜こうとして抜けなくなって大泣きして、緊急事態が発生するとかという、交通安全整理をしながら様々な救助活動が必要になるんだなと、小学生はなかなか大変だなということがありました。 そういった形で朝の登校指導はしているんですけども、学校までの道のりは大体2ルートを設定していますが、毎朝出会う小学2年生から4年生までの子供たちとは、いろんなことを話しながら学校に向かいます。小学生の持つ純粋かつ独特な発想に関心させられることがあり、これは意外に楽しいです。ある時、女の子が手に持ってきて、先生これあげる。何か先生と言われちゃうんですけど、先生あげると言って手を開くと石ころで、この石ころ何だいと言ったら、もりんぴあの石と言います。古くから伝わる秘宝か何か、庭に取ってあるんですが、こんな形で意外に楽しいことが多いのが続きます。声をかけるとすごく元気な声が返ってくるので、私も小学生との挨拶ってすごくいいなと。 ただ、やっぱり子供たちの中には、いろいろな問題を抱えている子供もいるから仕方がないんですけれども、下を向いたまますうっと挨拶もしないで、会釈はしたりする子もいるんですが、ああなかなか挨拶が気持ちよく返ってこない、なかなか大変な時期なんだなということもあります。コロナ禍の中、いつでもマスクをつけて、できるだけ大きな声は出さないようにしつけられているということもあるんでしょうが、挨拶くらいは明るく爽やかにし合える社会であってほしいと、最近すごく思います。 私は、道すがら出会う大人や学生たちにも、おはようございますと声をかけているんですが、皆さんきちんと挨拶を返してくれます。それは、多分、緑のジャケットが功を奏しているからではないかと思います。外国人の若者にも会うんですが、とてもうれしそうにおはようございますと言ってきます。言葉が通じなくても、挨拶という手段が、彼の孤独や不安を消していくのではないかと思います。 挨拶は、国際交流の第一歩です。しかしながら、長引くマスク生活は、地域や学校生活でのコミュニケーション不足を増長させないかと心配になります。マスクによりお互いの表情が読み取りにくく、コロナ禍の中だからこそ、挨拶は地域コミュニティの活性化に必要不可欠であり、防犯上も効果的であると考えます。市民生活及び学校生活にもたらす効果について、本市の取組と今後についてお聞きします。 以上で、壇上からの質問を終わりにします。 荒木博 副議長 小泉市長。〔市長 小泉一成君登壇〕 小泉一成市長 眞野議員の部活動の在り方についてのご質問からお答えいたします。 スポーツリーダーバンクの現状と活用状況についてでありますが、成田市スポーツリーダーバンクは、市民のスポーツ活動や健康づくりを推進するため、指導者の登録・紹介などを行う制度であります。現在、スポーツリーダーバンクには、30代から70代までの26名が、ソフトテニスや卓球、バレーボール、バドミントンをはじめ、体力トレーニングやヨガなど幅広い種目の指導者として登録しております。 活動実績としましては、地区におけるヨガや健康体操などの運動指導のほか、中学校の部活動外部指導者としても3名が活動しております。さらに、成田スポーツフェスティバルや成田POPラン大会などの運営ボランティアとしてもご協力いただいているところであります。今後も、学校において部活動などで指導者を必要としている場合、スポーツリーダーバンクから適した人材を紹介できるよう、教育委員会と連携するとともに、広報なりたや市のホームページなどにより本制度の周知を図り、広く市民のスポーツ活動や健康づくりに寄与できるよう利用の促進に努めてまいります。 次に、あいさつ運動についてのご質問にお答えいたします。 市民生活にもたらす効果についてでありますが、挨拶は社会生活や組織において人と接する上での基本であると認識しております。また、地域のあいさつ運動は、お互いが顔見知りになり、子供や高齢者に対する日頃からの見守りをはじめ、災害時の避難行動における共助など、地域における様々な活動の中心的な存在である区・自治会等の活性化や、不審者を寄せつけない防犯力を高める地域づくりにつながるものと考えております。しかしながら、近年の個人志向の高まりや地域のつながりの希薄化などに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、マスクを着用して顔が隠れ、人と会話することを避けるなど、近隣の方同士のコミュニケーションが取りにくい状況にあります。 本市では、防犯上の効果も期待できることから、地域のボランティアで構成されている自主防犯パトロール隊の皆様に、挨拶や声かけの必要性や効果を説明し、実践していただいております。さらに、通学路パトロール等においても、挨拶や声かけを実践し、防犯力の向上に努めており、今後も引き続き継続してまいります。また、広報なりたにおいて、区・自治会等への加入を呼びかけるために地域のつながりの大切さについて啓発しておりますが、今後は、区・自治会等の方に活用していただいております加入促進マニュアルや加入案内のチラシにおいて、地域の方とのコミュニケーションづくりをするための手段の一つである挨拶の大切さについて啓発してまいります。 なお、学校における部活動の在り方及びあいさつ運動のご質問のうち、学校生活にもたらす効果についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 荒木博 副議長 関川教育長。〔教育長 関川義雄君登壇〕 教育長(関川義雄 私からは、学校における部活動の在り方についてのご質問からお答えいたします。 まず、意義及び必要性についてでありますが、部活動は、共通の種目や分野に興味・関心を持った児童生徒が、学年や学級の枠を越えて、自発的・自主的な判断によって参加する活動であり、児童生徒がスポーツ・文化・科学・芸術などに親しみながら、共通の目標の下、互いに教え合ったり励まし合ったりして、楽しさや喜びを味わうとともに、自主性、協調性、責任感、連帯感などを育成することができることから、豊かな人間関係づくりと明るく充実した学校生活には、効果的な活動だと考えております。 各学校での部活動の現状といたしましては、小学校においては主に高学年の児童が陸上部や合唱部などに参加し、陸上競技大会や発表会に向け、始業前や放課後に活動しており、中学校においては学年問わず多くの生徒が部活動に参加し、大会やコンクール、展覧会などに向け、始業前や放課後、休日に活動しております。義務教育学校においても他の小学校や中学校と同様の活動を行っており、前期課程の教員が後期課程の部活動顧問を務めることもあります。 また、教職員の部活動に対する意識につきましては、アンケート調査を実施したことはありませんが、部活動の教育的効果の大きさや必要性を認識し、顧問として熱心に活動している教職員が多い一方で、自分の専門外の部活動を担当し、技術指導に困難を感じたり、早朝や休日など、勤務時間外の活動を負担と感じている教職員の声があることも認識しております。 児童生徒の部活動に対する意識につきましては、教育相談アンケートなどでの部活動に関する記述からは、自分の興味・関心のある競技や種目の技術を伸ばしたり、目標に向けて仲間とともに協力して取り組む中で、喜びや達成感、時には挫折などを経験するなど、部活動に参加することで自分自身の心身の成長を実感している児童生徒が多く見受けられます。 次に、外部指導者の弾力運用についてでありますが、本市が独自に配置している外部指導者は、学校の教職員が努める部活動の顧問だけでは、生徒に対して専門的な技術指導を十分に行えない場合に、より効果的な活動を行えるよう、優れた指導力を有し、学校の指導方針にご理解をいただける方に指導者としてご協力をいただいております。専門的な指導をするという点では、部活動指導員と同様でありますが、それ以上の職務を行うことはできません。したがって、部活動においてあくまでも補佐的な位置づけであり、外部指導者が単独で大会への引率などを行うことは、生徒のけがや病気の対応、生徒指導、保護者への連絡など、専門的な指導以上の職務を負うこととなるため、困難な状況にあります。 次に、あいさつ運動のご質問のうち、学校生活にもたらす効果についてのご質問にお答えいたします。 学校生活にもたらす効果についてでありますが、これまで市内小中学校におきましては、主に始業前の朝の時間に、職員や児童生徒が校門に立って挨拶をする運動が広く行われており、児童会や生徒会が主体となって行ったり、近隣の小中学校で連携して行ったりと、学校ごとに工夫しながら、挨拶の推進に向けて取り組んでまいりました。 あいさつ運動を通して、普段あまり接しない異学年の教員や児童生徒同士にもつながりが生まれ、児童生徒の主体性が育まれるなど、健やかな学校生活を送ることにつながっており、よりよく地域に関わる児童生徒を育てていくためにも、学校における挨拶の推進は大切な教育活動の一つであると考えております。 現在は、感染症対策のため、マスクを外して大きな声で挨拶をするという、これまでのような取組は行いにくい状況にあります。しかし、教職員が自ら率先して明るい挨拶を交わす姿を見せることなどを通して、挨拶の大切さを意識づけることはできます。さらに、時と場に応じた挨拶を、学校生活の様々な場面で体験させることを通して、自ら挨拶を行うことを習慣づけていくことも、学校ができる大切な教育の一つであると考えております。 教育委員会といたしましては、今後も各学校が改めて挨拶の大切さを認識し、家庭や地域と協力して心豊かな児童生徒を育んでいけるよう努めてまいります。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 ご答弁ありがとうございました。 それでは、質問席より質問を続けます。 まず、部活動についてお伺いします。部活動とは、学習指導要領の教育課程上、どのような位置づけですか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 部活動は、教育課程外の活動ですが、教育的意義が大きいことから、学校の教育活動の一環として実施しております。 以上です。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 なるほど。学校教育活動の一環として実施しているけれども、部活動は教育課程外の活動ということですね。それでは、教育課程外の学校教育活動とは、例えばどのようなものを指しますか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 休み時間や放課後の課外活動など、学習指導要領に示された内容以外の活動のことでございます。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。この教育課程外の部活動顧問を学校長は教師に業務として命ずることはできますか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 学習指導要領では、部活動は教育課程外でありますが、学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意することとされておりますので、校長が勤務時間内の部活動を業務として命じることは可能でございます。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 勤務時間内であれば、部活動を業務として命じることは可能であるということですね。一般的に勤務時間内とは、午前8時から午後4時30分までと認識していますが、学校長が教職員に時間外勤務を命ずることができるのは、どのような場合ですか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 学校職員の時間外勤務につきましては、千葉県の学校職員の勤務時間等に関する規則第8条において、校長は教育職員については、正規の勤務時間の割り振りを適正に行い、時間外勤務は命じないものとしております。ただし、校外学習その他生徒の実習に関する業務、修学旅行その他学校の行事に関する業務、職員会議に関する業務、非常災害時に児童または生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務の4項目について、臨時または緊急のやむを得ない必要があるときは、校長は教員に時間外勤務を命ずることができるとされております。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。 今ご説明にあった時間外勤務命令可能な4項目に部活動は含まれておらず、しかも教育課程外の活動であることから考えると、部活動は勤務時間を超えてまで教師が担うべき業務ではないと思います。教員は、部活動顧問を拒否できますか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 勤務時間外の部活動であれば、拒否できるものと考えております。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。つまり教員は始業8時前の朝練習と放課後4時半以降の練習について、部活動の指導をする義務がないということですね。 少し視点を変えて質問します。学習指導要領には、部活動は生徒の自主性、自発的な参加により行われると規定されています。このことから考えると、部活動の顧問は指導者ではなく援助者であると思われます。部活動を担当し指導することが、教員の当然の業務であると解することにはかなり無理があると思いますが、いかがでしょうか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 部活動は、学校の業務ではありますが、必ずしも教員が担う必要のない業務に位置づけられております。しかし、実態としては、多くの教員が顧問を担わざるを得ない状況であります。また、勤務時間外に及ぶ活動や顧問がその競技を経験していない場合は、顧問となった教員には、負担を強いているのが現状でございます。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 実に恐ろしい勤務形態です。教師の働き方改革を推進しようとしている文科省が、一方では教師を法定労働時間を超えて働かせています。実は、これにはからくりがあって法規法違反にならないような教員独特の法規があるんですけれども、今日は触れません。それでは、せめて勤務時間外の部活動指導に対して、特別手当は支払われるのでしょうか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 学校課業日の朝練習や時間外に行われる放課後練習に対する部活動手当は、支給されておりません。しかし、学校休業日の部活動指導に対しましては手当が支給されております。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 つまり平日の部活動については、無償ということですね。1学期だと勤務時間外の朝と帰りの練習は、合計で1日約2時間、1週間4日活動して、月32時間、それが全て無償になります。しかも生徒下校後の6時半から自分の仕事を始めます。月80時間の過労死レベルを優に超えるわけです。では、学校休業日の部活動指導に対しての支給額はどれくらいでしょうか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 2時間以上4時間未満で1,800円、4時間以上で3,600円が支給されております。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。時給900円という計算です。ちなみに2021年度最低賃金の全国平均は時給930円です。千葉県は953円、東京都は1,041円、つまり教員の報酬は全国平均よりも低いということになります。例えば、小中学校体育連盟主催の大会以外で生徒引率を行う場合、朝7時に学校集合、夕方17時、5時に学校解散ということもあります。10時間労働です。この場合の部活動手当も3,600円ということでしょうか。また、その活動の生徒引率に対して、交通費や昼食代費の支給はありますか。 荒木博 副議長 堀越教育部長。長(堀越正宏君) 4時間以上は、一律3,600円となります。交通費や昼食代費の支給はございません。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。9つも答弁をいただき大変感謝いたします。 平日は、無償ボランティア、休日は最悪の場合、時給360円で交通費も昼食代もありません。しかも、約半数の教師が、未経験の運動競技の部活動を指導する、こういう実態があります。そして、大会会場では、慣れない審判業務、まさに教師は定額使いたい放題です。もう携帯電話です。 さて、ここである例をお話しします。現在、成田市内学校で勤務している教員ですが、彼は2010年成田高校で甲子園に出た選手です。甲子園でトップ4に残って、中心で活躍した選手なんですが、その選手は教員になりました。とすると野球部の顧問、子供たち、中学生の野球の選手は、ああ甲子園に出た、それが先生で来た、大喜びです。しかし、彼はバスケットボール部の顧問になりました。教師にとっても生徒にとっても、全く残念な結果の部活動。 でも、先生が転勤して顧問がいなくなったら、これは学校長としてはお願いするしかないんです。生徒も一緒にその顧問と転校するわけにいきませんから、校長もそれを任命するのは、非常に心苦しく、場合によっては一緒に土日部活動に参加することもあります。これが、先ほど冒頭で説明した担当部活動の競技経験がない教員は45.9%、約2人に1人という現実です。 このような過酷な勤務状況の改善には、まず教師を部活動顧問という無償ボランティア活動から解放してあげることです。部活動を行いたい教師もたくさんいるわけですから、外部指導者や部活動指導員として、別の契約をして、きちんと報酬を支払ってあげる。優秀な指導者、顧問はたくさんいます。 定年年齢の段階的な引上げが、2023年から始まります。再び高齢化していく学校教職員が、このまま無償ボランティアの部活動顧問を続けられるのでしょうか。先ほどのご答弁にあったように、外部指導者弾力運用も部活動指導員採用もそれぞれ難しい問題を抱えていることはよく分かっています。しかしながら、このような仕打ちを受けている現場の教師に対して、このままの消極的な支援でいいのでしょうか。 ここで、お手元のスポーツ庁からの地域部活動推進事業資料をご覧ください。そこに下に書かれていますが、生徒にとって望ましい持続可能な部活動と学校の働き方改革の両立を実現という、私も実は今、この下に書かれているような合同部活を展開しています。3つの中学校から30名の生徒が来て、毎週1度活動していますが、文科省が言うように、これを平日の部活動の中でやるのは、もうまず不可能です。実現可能なことを上から下りてくるには、やる気になりますけれども、不可能なことを下ろされても、現場ではとても対応できません。 ただ、そこの資料の中にあるとおり、地域人材確保・マッチング、地域人材研修、事業予算確保、運営団体の確保など、教育委員会だけで行わず、横断的な全庁を挙げた組織づくりが行われれば、この地域部活動推進事業というものが可能になります。 先ほどスポーツリーダーバンクということでいろいろお話をいただいたんですけれども、1つだけ地域人材活用における市民活動の活性化、ひいては地域部活動事業への移行には、こうした人材バンクの拡充が必要不可欠と考えますが、今後の拡充の計画についてお答えください。 荒木博 副議長 野村シティプロモーション部長。プロモーション部長(野村吉男君) 今後の拡充の計画についてでございますが、現在、登録いただいている26名に加え東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて育成した都市ボランティアの皆様にもご協力いただき、スポーツ分野だけではなく語学、観光などの人材も充実させていきたいと考えております。 以上でございます。 荒木博 副議長 眞野議員。 眞野義行 人材バンク拡充の件は、登録希望者が所有している資格、活動実績、所属団体などもデータ化されると、人材活用の幅が大きく広がると思います。例えば総合型地域スポーツクラブ、青少年健全育成協議会、地域スポーツクラブ、部活動外部指導者などが一覧で分かれば、本当の意味で人材活用になると思います。 その市を発展させるのは、あくまでも人材で、人を集め人を育てる。人材バンクの拡充が、地域部活動推進事業に結びつけば、オリンピック・パラリンピックの大きなレガシーになるに違いありません。もし成田に体育施設、教室、そして指導者がいたら、橋本選手は佐原市に行く必要がなかったかもしれません。もしボクシング施設、教室、そして指導者がいたら、並木選手は片道2時間半もかけて埼玉県まで行かなくて済んだかもしれません。あまりにも極端な仮想・仮定ですが、スポーツツーリズムをうたっている成田市で学んだ子供たちの中から、再びオリンピック選手が生まれるような地域部活動が展開できたら、これは私は本当にすばらしいことではないかと思います。 日本に先駆けて部活動を学校教育から切り離し、部活動を本当にやりたい教員はたくさんいますから、その人たちを部活動指導員、正規の報酬を支払って、地域の人材として活用していく。地域で若者を育てるシステムづくりをしてみませんか。そして、スポーツを通してみんなが笑顔になる、そういった国際都市にしてほしいなと心から強く思います。 挨拶のことについては、また各それぞれの地域で頑張っていただいていますので、今後もよろしくお願いいたします。 以上で、私の一般質問を終わりにします。ありがとうございました。...