令和4年9月 定例会(第3回) 09月08日
荒木博 議長 次に、3番、眞野義行議員。〔3番眞野義行君登壇〕 眞野義行 皆さん、こんにちは。議席番号3番、政友クラブ、眞野義行です。通告に基づきまして一般質問を行います。今回の質問も、国際都市についてとGIGAスクール構想についてです。それでは始めます。企画政策課担当の成田市総合計画「NARITAみらいプラン」には、次のような記述があります。成田市総合計画「NARITAみらいプラン」は、本市が目指すべき将来都市像の実現に向けた方向性を指し示す「羅針盤」となる計画です。「NARITAみらいプラン」という名称には、国際都市としての本市のイメージと、次代に向けた未来志向の思いが込められています。国際都市としての本市のイメージとは、一体何でしょう。成田市民が抱いているイメージなのか、成田市職員が抱いているイメージなのか、はたまたほかの自治体が抱いているイメージなのか。成田を国際都市にというスローガンを第一に掲げて議員になった私にとっては、ずっと気になっている言葉です。そこで調べてみました。これまでの歴史で、成田市が国際都市という言葉をどのように捉え使ってきたのか。まず、総務課担当の市民憲章。「市民運動を通じて平和で住み良い国際都市づくりを進めるため、「市の憲法」としての役割を果たすとともに、成田市民の精神的な支柱となっております。」と。文化国際課担当の成田市文化芸術推進基本計画。「時空をつなぐ心豊かな文化・国際都市成田」を基本理念とし、4つの柱と10の施策を定めております。消防総務課の成田市消防団長挨拶。団員の多くがサラリーマン化している現在、その任務は過酷なものとなっておりますが、「郷土愛護の精神」のもと団員一丸となって「市民が平和で安心して暮らせる国際都市、成田」を目指し日夜努力しております。次に、会議録検索システムを利用して、過去の一般質問及び委員会での発言に絞って調べてみました。合計434件のヒット。検索できる最古のものは、今から33年前の1989年、その年は過去最多の37ヒットでした。それ以前については検索できないので、残念ながら本市で初めてこの言葉が登場したのはいつか分かりませんでした。その中から「国際都市」に関連する答弁を幾つか紹介させていただきます。1989年3月定例会、長谷川市長。このジャパンビレッジは、すぐれた日本の伝統、文化を内外に紹介することをメーンテーマとするものでありまして、まさに国際都市成田にふさわしいプロジェクトであります。国際都市を標榜する本市の街づくりは、おおむね順調に進んでいると考えております。1995年6月定例会、小川市長所信表明。特に、成田の子供たちは国際都市にふさわしく世界に目を向けた地球スケールの人材に育てたいというのが私の願いであります。小泉市長も成田市議会議員であられた1998年6月定例会では、次のように述べられております。現在の成田市の施策は、港まちとして空港を生かしきれていない、国際化という視点からの政策が欠けていると思われます。したがって、国際都市とうたってはいるものの実感に乏しい。国際都市として国際会議場やアメ横通りのような世界のマーケット、外国の学校誘致などの積極的施策、ビジョンを掲げるべきと考えます。本市はこれまでその時代に合った国際都市というイメージを持って、その発展にご尽力されてきたわけですが、私はアフターコロナを見据えた新しい視点に立った国際都市づくりが必要になると思います。そこで、改めてお聞きします。本市が考える国際都市とは、どのような都市をイメージしているのかお答えください。さて、今、行政側に問いかけた質問ですが、私がイメージする国際都市とは次のものです。同じ赤い血が通う地球人同士が、医療、教育、勤労の機会をひとしく受けられる都市。私はこれまで多文化共生を軸にして、外国人に対する医療、教育、防災、日本語教育支援、そして前回ではウクライナ避難民受入れなど、在留及び訪日外国人、難民、避難民の方々との共生社会実現に向けた提案を行ってきました。多文化共生指針策定時には、微力ながらも協力させていただきました。また、個人的な援助活動としては、コロナ禍でアルバイトができず収入が途絶え、帰国もできないベトナム人留学生、家庭内で集団感染をして途方に暮れたペルー人一家、保育園入園問題で困っているスリランカ人、全体的としては在留資格切れで不法滞在状態になっている外国人のコロナワクチン接種援助などなど、社会福祉課、健康増進課職員の皆さんにも、大変お世話になったこともありました。会津議員も地域住民の外国人及びその子供たちのための居場所づくり、その他でも継続的な地道な支援活動を行っておられます。私は、困難に直面している同じ赤い血が通う地球人を地道に援助することが、国際都市の果たすべき責務だと考えます。さて、世界に目を向けますと、半年たっても収束のめどが立たないロシアによるウクライナ侵攻、最近ではヨーロッパ最大級のザポリージャ原子力発電所への攻撃が行われました。また、先月8月2日には、アメリカナンバー3の地位にあるペロシ下院議長が台湾を訪問し、翌3日には蔡英文総統と会談をしました。これに猛反発をした中国は、4日に台湾を取り囲むように合わせて6か所の海域と空域で、実弾での射撃などを含めた重要軍事演習を行いました。本市は、2016年9月に、台湾の桃園市と友好都市協定を締結したわけですから、もし万が一有事の際には、難民の受入れが始まることになるのではないでしょうか。つまり理念としての平和活動ではなく、現実的な貢献として、内戦や戦争の難民受入れという、そういった形の国際人道支援が求められているんです。そこで、お伺いします。国際人道支援は、国際空港を持つ国際都市として果たすべき重要な責務と考えますが、市の見解をお聞かせください。関連して、私が6月議会で指摘させていただいたウクライナ避難民の受入れ体制づくり、9月4日現在で、日本では1,840人、千葉県では76人のウクライナの方を受け入れております。その進捗状況と今後の計画について教えてください。次に、GIGAスクール構想の進捗状況についてお聞きします。昨年6月文部科学省から、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議(第一次報告)で、次のような提案がされました。GIGAスクール構想を通じて学習環境を改善し、学校教育の質を高めていくためには、デジタル教科書の活用をより一層推進する必要がある。今後、次の小学校用教科書の改訂時期である2024年度をデジタル教科書を本格的に導入する最初の契機として捉え、着実な取組を進めるべきである。そして、先月8月25日に行われた中央教育審議会、教科書・教材・ソフトウェアの在り方ワーキンググループによる中間報告では、これも2024年度に小学5年生から中学3年の英語でデジタル教科書を先行導入し、その次に現場ニーズが高い算数・数学を導入するという方向性が示されました。ただし、審議会では、次のような至急の課題も出されました。学校に端末が導入されて2年目であり、端末の活用レベルの教師間・学校間格差などの課題があることは事実です。また、デジタル教科書そのものの使い方もまだ不得意、または使ったことがない教師もいる。デジタル教材や学習支援ソフトウエア等の研修をどんどん進める必要がある。また、現状では個々の児童生徒の学び方にも特質があり、ハイブリッドにデジタルと紙の教科書の両方が用意されている環境が必要である。ICT利活用についての要求は、現場の苦労や混乱を知らずに文部科学省から次から次へと襲いかかってきます。私は、こういった過度な要求は、現場の教職員や児童生徒にとって、タブレットを触ることが目的になってしまい、深く対話的な学びの実現に結びつかない可能性があるのではないかと、非常に危惧しております。多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、子供たち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育を理念としたGIGAスクール構想、そのためのICT環境の本来的意味を持った整備が、今、教育界に求められているのではないでしょうか。さて、私は2020年9月議会で、本市のICT利活用状況の遅れを厳しく指摘させていただきました。そこから2年たった本市のGIGAスクール構想の進捗状況は、非常に気になるところであります。そこで、まず小中義務教育学校でのICTの効果的な利活用事例について、児童生徒の学習に関するものと教職員の校務に関するもの、それぞれについてご紹介ください。また、GIGAスクール構想の下、全国一斉にスタートしたICT利活用教育ですが、実質1年を経過した現時点での児童生徒、教職員の変容について教えてください。ところで、私たち日本人が、OECDなどの調査でオンライン後進国であることは周知の事実です。そのために国はデジタル庁なるものを立ち上げました。存在感はいまだ薄いですが。日本社会及び教育界は、世界基準に到達する必要があるのです。さらに言えば、本市が外国に引けを取らないようなICT利活用教育を推進するのは、日本の表玄関である国際都市成田としての使命と考えます。さて、このGIGAスクール構想の成否は、ICT支援員の存在にかかっていると言っても過言ではありません。そこで、このICT支援員についてお伺いします。今年度の人数及び勤務形態、そしてその活用状況についてお答えください。以上で、壇上からの質問を終了いたします。 荒木博 議長 小泉市長。〔市長小泉一成君登壇〕 小泉一成 眞野議員の国際都市についてのご質問にお答えいたします。まず、本市が考える国際都市とは、どのような都市をイメージしているのかとのことでありますが、昭和53年に開港した成田空港は、我が国を代表する国際基幹空港として着実に発展を続け、日本の空の玄関口として多くの人や物が交流する拠点となっております。また、成田山新勝寺や宗吾霊堂などをはじめとする歴史と伝統のある寺社を擁し、豊かな自然環境にも恵まれている本市には、多くの外国人観光客も訪れております。さらに近年は、本市に居住する外国人も増加傾向にあり、国際的な交流拠点としての要素と、先人より培われてきた歴史と伝統、そして豊かで美しい自然とがバランスよく調和し、日本人も外国人も、全ての市民が地域の一員として共に支え合い、快適に暮らすことのできるまちが、本市の考える国際都市のイメージであります。このようなことから、総合計画「NARITAみらいプラン」においても、国際性豊かなまちづくりを基本目標に掲げ、国際理解を促進する施策として、英語教育や多文化共生を推進するとともに、外国人旅行者が気軽に訪れることができるよう受入れ体制を充実させ、本市の伝統文化を国内外へ発信するなど、積極的な観光施策に取り組むこととしておりますので、これら施策を通じて、本市が考える国際都市の実現を目指してまいりたいと考えております。次に、国際人道支援は、国際都市として果たすべき重要な責務と考えるが、市の見解はとのことでありますが、本市は、自ら永遠の平和都市となることを決意し、昭和33年に世界連邦平和都市を宣言し、広島、長崎への原爆投下から50年目に当たる平成7年には、核兵器の廃絶と恒久平和確立のために非核平和都市を宣言するとともに、成田市平和啓発推進協議会や市民の皆様のご協力をいただきながら、平和啓発事業を実施してまいりました。このような中、本市では、本年2月にロシアがウクライナへの侵攻を開始したことを受け、人道支援として、ウクライナから国外へ避難されている方々が少しでも安心して過ごせるよう、県内でいち早くウクライナ避難民を受け入れることを表明し、支援に関する総合的な相談窓口を文化国際課内に設置いたしました。また、本年3月17日にJR成田駅及び京成成田駅前において、街頭募金を実施するとともに、市役所をはじめ市内公共施設に募金箱を設置しており、先月末までに約140万円を日本赤十字社に送金したところであり、皆様からお預かりした募金は、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国での救援活動などに役立てられております。さらに、今月27日にはウクライナへの人道支援として、本市と成田市国際交流協会主催で、ウクライナ出身のバンドゥーラ奏者カテリーナさんによるチャリティーコンサートを文化芸術センタースカイタウンホールにて開催する予定であります。国際空港を擁し、平和都市宣言を行っている本市といたしましては、国際人道支援は重要であると認識しておりますことから、今後も国や県、関係団体と連携を図りながら取り組んでまいります。次にウクライナ避難民の受入れ体制づくりの進捗状況と今後の計画についてでありますが、現在、ウクライナから本市に避難されている方はいらっしゃいませんが、出入国在留管理庁と情報共有を図り、避難民の受入れに向けた体制の強化に努めております。また、避難された方々を受け入れる際には、言葉や生活習慣の違いなどによる課題が想定されるため、外国人受入れのノウハウを持つ国際交流協会や市内の日本語学校、さらには、成田赤十字病院の皆様など、関係団体のご協力が必要不可欠でありますことから、これら支援協力者との会議を開催し、情報共有を図ったところであります。今後も避難民を受け入れる際には、避難された方々が安心して過ごせるよう、関係団体の皆様からご協力をいただきながら、引き続き支援体制の強化に取り組んでまいります。なお、GIGAスクール構想についてのご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。 荒木博 議長 関川教育長。〔教育長関川義雄君登壇〕 教育長 私からは、GIGAスクール構想についてのご質問にお答えいたします。まず、ICTの効果的な活用事例についてでありますが、児童生徒が提出した考えをタブレット端末上でリアルタイムに共有することで、比較し関連づけながら深め合ったり、一つのワークシートやプレゼンテーション資料を班のメンバーで話し合いながら共同編集することが可能となりました。加えて、国内外の他校の児童生徒とオンラインでつながり意見交換をするなど、タブレット端末を活用することにより児童生徒の意欲を高め、学びを深める授業を展開できるようになりました。また、様々な事情により登校できなかったり、教室に入れない児童生徒のために授業動画や黒板の画像、連絡事項などを配信する活用も広がっております。あわせて、発達段階に応じて情報モラルや情報セキュリティーに関する意識を高められるような授業実践も行っております。ICTの活用により、教職員の業務改善も図られており、児童生徒に配付する学習素材を印刷することなくタブレット端末を通して送信することができるようになったほか、全校児童生徒の健康観察に関する情報をデジタル処理できるようになりました。また、校内の会議において、クラウドサービスを活用して提案文書を情報共有したり、校外の会議や研修会にオンラインで参加できるようになりました。次に、児童生徒・教職員の変容についてでありますが、児童生徒は授業においてスムーズにタブレット端末を操作できるようになってきております。昨年末に小学5年生から中学2年生までに実施したタイピング検定では、1分間に入力することのできる文字数の本市の平均は、全国平均とほぼ変わりなく39文字でした。一方で、タイピング練習に力を入れ、児童が休み時間にも自発的に取り組んでいた小学校では、6年生の平均が71文字に達しました。また、本市教職員を対象に実施したアンケートを昨年度と本年度の1学期末で比較すると、毎日活用しているという回答が25%から44%に、1日当たりのタブレット端末活用授業数が2時間以上という回答が35%から51%に上昇しました。この数値は、全国の様々な自治体の調査と比較しても。遜色ない数値となっております。一方で、1日当たりのタブレット端末活用授業数が1時間以下と回答した教職員が49%であったこと、また4月から新たに多くの教職員が転入してきたことから、教育委員会といたしましては、個々の操作レベルに応じた実践的な研修会を実施したり、効果的な取組事例を紹介するとともに、ICT支援員やICT担当指導主事が定期的に学校を訪問するなどして、今後も継続して支援してまいります。次に、ICT支援員についてでありますが、4名の支援員が1日7時間、市内29校を巡回訪問しております。学校の希望や実態に応じて、学校ごとに配置日数を変えたり、勤務の割り振りを柔軟に行うなどして、より多くの教職員を支援できるような体制を構築しております。ICT支援員の各校における活用状況につきましては、授業におけるタブレット端末の効果的な活用方法や校務の効率化に関する相談及び提案、授業で使用するアプリの事前の動作確認、授業展開時の突発的なトラブルへの対応、学校からの要望に応じた実技研修会の開催など多岐にわたっており、特に他校の実践事例を具体的に紹介してくれる支援については、各校から高い評価を得ております。夏季休業中においては、学校の要望に応じて、十分な時間を確保して実技研修会を開催したり、ICTを苦手とする教職員への個別支援を実施いたしました。教育委員会といたしましては、今後も、全てのICT支援員、及びICT支援員を統括するコーディネーター、教育指導課職員による定例会議を充実させ、市内のGIGAスクール構想の進捗状況について情報交換するとともに今後の支援の在り方について共通理解を図ってまいります。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございました。それでは自席より質問を続けます。順番を変えて、GIGAスクール構想の進捗状況についての質問から始めます。実質1年という期間の中で、今、教育長からご答弁ありましたように、本市のGIGAスクール構想の進捗は目を見張るものがあると感じております。活用状況が全国の様々な自治体の調査と比較しても、遜色ない数値となったとのご答弁でしたが、私も実際に授業を見学に行ったり、管理職、教職員及び児童生徒との情報交換を通して、成田市のICT利活用教育の浸透の状況を確認しております。本当にすごい勢いだなと思っております。また、さらに先ほどのご答弁にあったPプラスのタイピングテストスピードが、小学6年生の平均で1分間71文字の学校があるというのは、これはかなり驚異的なスピードです。文科省じゃなくて、そのPプラスのタイピングというのをホームページで開くと、実際に5分間、1分間、3分間とありますとありますけれども、1分間スピードは出ますが、私なんかでもぽちぽち打ってると、よくて90から100くらいかななんですが、小学6年生で平均70超えは相当早いと思います。つまりこれは何を意味するかといいますと、1時間の作業が30分で終わってしまう。全国平均の約2倍ですから、みんなの作業時間を半分で済むということですね。端末操作のスキル向上は、課題提出やプレゼンテーション資料作成の時間短縮につながっていき、共有された情報についての意見交換が行われ、深く対話的な学びの時間確保につながっていくと考えます。また、ICT支援員の効果的な活用についてもご答弁のとおり、端末操作はもちろん、どんどん更新されるアプリ活用、そして授業支援まで積極的にかかわってくれてありがたいというお話も、私も聞いております。しかしながら、ICT支援員によっては、1日ぽつんと座っているだけで存在感が薄く、また技術的にも満足ができないという声も上がっています。教職員の中にリーダーを育成していくためには、ICTに詳しい教職員の要望に応えられるようなレベルの高い支援員の必要性も高まります。実際のところ、現場教職員のICT支援員に対する評価及び要望については、どのような状況になっているのでしょうか。 荒木博 議長 堀越教育部長。 教育部長 ICT支援員のおかげで授業においても校務においてもICT化を進めることができているとの声が多く届いております。1学期末に実施したアンケートでは、81%の教職員が「とても助かっている」、あるいは「助かっている」と回答しております。要望といたしましては、ICT支援員の常駐や支援日数の拡充、より専門的な支援や積極的提案を求めるものなどが挙がっております。以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。先ほどのご答弁では、4名の支援員が1日7時間、市内29校を巡回訪問しているとのことでしたが、この人数だと多くて週に一度程度となるのではないでしょうか。そうなると、本当に個別対応が必要なときに、対面で教えてもらえないという不具合が生じます。ご答弁にあったように、ICT支援員の常駐や支援日数の拡充を含めた予算の上乗せ、及び支援体制が充実している委託業者選択が必要になると思います。ところで今年度の委託業者は昨年度と変わっていますが、その理由を教えてください。 荒木博 議長 堀越教育部長。 教育部長 昨年度も今年度も、電子入札システムを利用した制限付一般競争入札を行い、委託業者を決定したことによるものでございます。以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。いろいろな状況の中で、業者が変わったということだと思うんですけれども、毎年委託業者が変わっていく可能性があるということは、雇用されるICT支援員も変わってしまう可能性があるということで、教職員や児童生徒との人間関係の再構築に時間がかかるというデメリットがあります。またICT担当教職員を中心として、教員同士で端末操作やアプリの活用方法を教え合うことも必要ですが、一部の教職員に負担がかかることにつながります。教師が本来の授業スタイルを維持するための時間確保も必要で、そのためには質の高いICT指導員を継続的に市が直接雇用する必要があると思います。市の見解をお聞かせください。 荒木博 議長 堀越教育部長。 教育部長 業務委託によるICT支援員の配置と直接雇用する方法につきましては、議員のおっしゃるような人間関係の構築のほか、研修体制や緊急時の人員面における補充体制など、それぞれメリット、デメリットがございますが、教育委員会といたしましては、雇用形態にかかわらず、教職員のICT活用能力を向上させるために充実した支援ができるよう努めてまいります。以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。例えば本市には、教育課程特例校制度を生かした独自のALT採用で、大きな効果を上げている前例があります。市独自の継続的な雇用がALT同士の人間関係を深め、お互いの授業プランの情報交換もスムーズに行えています。ほかの市から本市に通勤しているICTに詳しいALTが中心になって、休日にもかかわらずタブレット端末の使い方から授業実践の具体例までの勉強会を自主的に開いているという例もあります。成田市のALT雇用の現状や研修体制の充実が、本市のALT採用倍率の高さにつながり、実際に優秀な人材が集まっています。ただし、採用面接をされる教育委員会、指導主事、また主任ALTの負担は相当なものですが、それでもICT支援員についても、きちんと職員として採用することには、同様な効果が大いに期待できます。DX化で世界基準から取り残されている日本がすべきことはただ一つと、私は考えます。それは、子供たちの教育を通してDX化を推進することです。5年後、10年後の成田市の未来を考えたとき、わざわざデジタルトランスフォーメーションなどと声を上げなくても、それが幼少期から自然に身についている若者が成田市にあふれていれば、DX先進都市成田につながっていきます。そのための予算の拡充が、成田市を国際都市に成長させていくと思います。繰り返しになりますが、2024年度から教師用及び児童生徒用デジタル教科書の導入が段階的に始まります。現場からのICT支援員常駐や支援日数拡充の声は切実です。これもし私が現場にいるときだったら、多分もうお手上げになるような勢いのものが降ってきます。ようやく端末操作に慣れてきた、ようやく授業に使えるようになってきた。デジタル教科書は昔からありましたから、生徒用のも導入しろということになると、これ相当現場の教員は大変になります。このことをずっと考えていくと、端末操作に慣れていない教職員が取り残されていく危険性が高まります。GIGAスクール構想の誰一人取り残さない教育については、実は端末、ICTに不慣れな教職員にも同時に言えることです。教育長におかれましては、GIGAスクール関連予算の増額要求、市長におかれましては、その予算の確保について、ぜひよろしくお願いいたします。世界基準の教育を受けられるということは、国際都市の重要な要素と考えます。よろしくご検討をお願いします。次に、国際都市に関する2回目の質問です。過去の議会議事録の中から、2000年6月定例会での内山議員のご発言を一部ご紹介します。成田市が作成する行政資料の中には、必ずといっていいほど、国際都市なりたという表現が出てきます。「国際空港に近接した都市として限りない可能性を持つ」とか、「国際的な人、物、情報、文化の交流基地としての役割を持つ」などと言葉を連ねています。中略いたします。やはり成田市民が、みんなで本当に国際都市、国際観光都市をつくろうと、そうなるんだという気持ちになるような仕掛けをしていかなければならない。ただ今のご答弁で、日本人も外国人も、全ての市民が地域の一員として共に支え合い、快適に暮らすことのできるまちとありましたが、交換留学生、姉妹都市提携、交流パーティー開催などは国際化への一つの施策ではありますが、これだけでは外国人と成田市民が同じ地域住民として快適に暮らせるまちの実現にはつながらないと思います。多文化共生指針を作成したからといって、国際都市になるわけでもありません。成田市の市民が、みんなで本当に国際都市をつくろうと、そうなるんだと、そういう気持ちになるような仕掛けが、私も必要だと感じています。2020年から始まったNARITAみらいプラン第2期基本計画は、2023年で終了します。第3期基本計画について考えるとき、それぞれの課が国際都市とは一体何だろう、そういうビジョンを持って、都市づくりに取り組む必要を、私は本当に強く感じます。そこで伺います。共生社会実現に向けて、国際都市成田は、現在どのような具体的な取組をされているか、また今後どういった具体的な施策を行うつもりでしょうか。 荒木博 議長 木下企画政策部長。 企画政策部長 具体的な取組といたしましては、外国人住民の生活を支援するための総合相談窓口の開設や、日本語教育補助員を各学校へ派遣し、日本語が十分に理解できない外国人児童生徒の支援を行うとともに、国際交流イベントなどを通じた国際理解や国際親善の推進を図り、共に支え合い、快適に暮らすことができるまちづくりを推進しております。また、多言語による案内看板の整備や観光情報の発信を行うなど、外国人旅行者が気軽に訪れ快適に過ごせる環境整備も併せて進めているところでございます。来年度からは、国際市民フェスティバルに代わるイベントとして、日本人住民と外国人住民との交流を図る、(仮称)多文化交流フェスティバルを開催する予定でございます。以上です。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。継続的にそういった活動は、ぜひ続けていただきたいと思います。私からは、さらにもう一歩進めた発想で、ご答弁にも何回も出てきましたが、共に支え合う、つまり共生ということなんですが、支え合うわけですから、日本語を教えてあげる、交流会を開いてあげる、「してあげる」発想からは、永久に共生社会への道は見えてこないと思います。日本人から見た外国人との共生ではなくて、外国人から見た日本人との共生社会の観点が、極めて必要になると思っています。1つだけ例を挙げます。適切かどうか分かりませんが、コロナ禍の中、外国人旅行者の入国が始まっています。きちんとした添乗員つきのツアーが前提です。そこで一番問題になったことが、外国人旅行者たちが、日本に来てきちんとマスクを着用してくれるかどうか。逆です。外国人から見たときには、いつ日本人がマスクを外すんだろう、この観点なんです。実際に欧米諸国からの旅行者で、日本離れが起きているという報道もあります。どちらが正しいかは全く別、これはここで議論するつもりもないですし、ただその日本人だけの内向きの自分たちの価値観で世界を見ていると、やがて本当に孤立する可能性があると、そういうことを私はここで訴えたいんです。国際社会の動きに敏感なことは、国際都市の重要な要素です。さて、私は昨年6月議会で、外国人患者受入れ体制整備について一般質問を行いました。その時の質問の一つが、訪日外国人の海外保険未加入問題でした。2019年に観光庁が行った訪日外国人旅行者の訪日中の不慮のけがや病気の医療費をカバーする保険加入状況に関するアンケートで、約26%、実に4人に1人が傷病に対して無防備な状態で訪日しているということになります。実は、厚生労働省は、コロナ禍で厳しい入国制限を設けていたときに、訪日外国人に対して、コロナ治療にも適用される海外旅行保険加入を義務づけていました。それは当然で、もし保険未加入の場合、日本人は10割負担ですが、訪日外国人に対しては、20割から30割の診療費を課す医療機関がほとんどだからです。それが医療費未払いにつながり、一部医療機関の経営圧迫につながっています。しかし、現在はその義務づけがなくなり、以前のような努力義務となってしまっています。先ほどのご答弁に、外国人旅行者が気軽に訪れることができるよう受入れ体制の充実とありましたが、保険未加入という医療の問題を放置したまま気軽に来日されては困るのです。千客万来で迎え入れて、事故や病気は自己責任。しかし、その医療費はどうするんだろう。これで医療費未払いが発生して、人道的見地から受け入れている病院だけが、大きな損失を抱えていくんです。医療の問題をきちんと解決してこその受入れ体制の充実です。国際空港を抱える国際都市成田は、訪日外国人に対する海外旅行保険加入義務について、どのような対策を考えているのでしょうか。 荒木博 議長 野村シティプロモーション部長。 シティプロモーション部長 訪日外国人旅行者の医療費未払いについての課題は認識しておりますが、国では、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策において、外国人観光客自身の適切な医療費負担を前提に、予期せぬ病気やけがの際、不安を感じることがなく医療等を受けられ、安全に帰国できる仕組みを構築するとしていることから、国の動向を注視してまいります。なお、成田空港内にある外国人観光案内所では、海外旅行保険のパンフレット配布や加入案内にも、対応していると伺っております。 以上でございます。 荒木博 議長 眞野議員。 眞野義行 ありがとうございます。おっしゃったとおり、国でもまだここははっきりしてない、問題と認識しているけれども。だから、それが成田市がということは、これもなかなか難しいと感じています。そこで、私は先月8月18日に、成田赤十字病院国際診療科部長と永田町を訪問してきました。そこで、厚生労働省、外務省、法務省入管の職員9人と、外国人医療に係る問題についての情報交換を行ってきました。外国人医療の問題は、訪日外国人、定住外国人、実習生、留学生、そして在留資格切れの外国人まで細かく分かれ、一度のお話では全く解決しません。今回は健康保険に入っていない、または入れない在留外国人と、仮放免中、難民指定の子供の問題なんですが、と海外旅行保険未加入でやって来る訪日外国人の医療問題に絞って意見交換をしました。現場の臨床医から提示される問題は、それぞれの省庁が縦割りで行っていては解決できない問題です。法的整備が必要な検討課題を提示して、1時間40分の中身の濃い意見交換を終えました。次回は、本市の9月議会終了後を予定しています。国際都市成田の外国人受入れ問題ですから、1回の会議で終わらせるわけにはいきません。国際空港を擁する国際都市が、仕方がないとはいえ、座してこの国や県の動向を注視しているだけでは、なかなかこの問題の解決を見ることはできないんではないでしょうか。提案があります。成田市を真の国際都市にするために、興味のある成田市職員のどなたか、永田町にご一緒しないでしょうか。ご連絡をお待ちしております。冗談でなく本気で結構言っております。最後になりますが、私が6月議会で厳しく指摘させていただいたウクライナ避難民の受入れ体制づくりが、関係者会議を開催し情報交換まで進んだことは、本当に喜ばしいことです。これまで現場の最前線で多文化共生と向かい合ってこられ、今回ウクライナ避難民を助けたい一心で集まってくださった方々の力を借りることは、行政にとってプラスにこそなれ、何のマイナスにもなりません。そして、これまで、外国人対応について個々に地道に努力されてきた方々の情報交換の機会ができ、しかも最終的に医療につながる組織ができたことは、ウクライナ避難民受入れにとどまらず、5年後、10年後の成田市の国際化に必ず寄与します。シティプロモーション部長をはじめとして、担当職員の皆さん、ご尽力ありがとうございました。こうした人種を超えた地道な人道支援活動を当たり前にできる都市を国際都市と呼ぶんです。繰り返します。国際都市とは何でしょう。私はこう思います。同じ赤い血が流れる地球人同士が、医療、教育、勤労の機会をひとしく得られる都市のことです。 以上で私の一般質問を終わりにします。 ...